2013/09/29

あるキャラクター類型について

  『ウィズ アニバーサリィー』を再プレイしたい。


  『ウィズアニ』のグラニテさんのようなキャラクターはやっぱり好きなのだけど、こういうタイプのキャラって他にいるだろうか。おおまかにいえばいわゆる「子犬系」で、元気で前向きだけどあまり騒々しくはなくて、性格は純朴だがけっして幼稚なわけではなく、冗談が分かる程度の反応の良さがあり、マイペースなところもあるが常識的で現実的なバランス感覚もあって、天才肌よりは明らかに努力家タイプ、ファッション面では落ち着いた雰囲気があり、ヘアスタイルもぽさっとしたショートであまり大人っぽくはなく、後輩めいた位置づけだが過度にまとわりついてくるわけでもなく、同性の親友たちといつも仲良くしている文系少女という感じの、要するに水瀬沙季ヴォイスが似合いそうな、あるいはもりたん氏や梱枝りこ氏が描かれたら抜群にはまりそうなタイプの、そんなキャラクターイメージ。

  説明すればおおまかなイメージはなんとなく解ってもらえるのだろうけど、しかしそこにはものすごく微細な境界線がある。『To Heart』のマルチほど純粋さを徹底してはいなくて、『とらハ』の小鳥のような幼馴染でもなく、『とっぱら』の千鶴美ほどうるさくもなく、『水平線まで~』の湖景や『カルタグラ』の初音や『ヨスガ』の瑛ではちょっと行き過ぎだし(しかし瑛はアリかも……)、『あかときっ!』のリリィも方向性は近いけれどぎりぎりのところで別路線だし、SHC作品でいえば『葵屋まっしぐら』の小姫も『海賊王冠』の雪崩も『アルフレッド学園』のリリカも『グリンスヴァール』のニキも『忍流』の桜姫も『BB』のマキも『門を守る~』のルアも良いキャラだけどここでいうキャラ属性とはどこか少し違っている感じ。『碧ヶ淵』のなずなさんはシャイすぎたが、『うたわれるもの』のクーヤさんや『桜花センゴク!』の政宗ちゃんもかなり近い感じ。

  『D+VINE[LUV]』のマナティとか、昨日の記事で言及した『DC2』のレジーナ、『えむぴぃ』のこよみ、あるいは『夏めろ』の水上秋さんの可愛らしさは、たぶんこれなのだと思う。『らぶKISS!アンカー』の真乃も、芯のある良いキャラクターだったと記憶している。『英雄*戦姫』のクックさんもこのグループだと思う。古いタイトルでは『M×S』の黛以歩子さんもとても良かった。『BRAVA!!』のみなもさんも、そういう方向性のキャラだったらいいなと期待している。隣接分野でいえば『SW』のリネットさんという大当たりキャラがいるので、PCゲームでも普及してほしいところだが、やはり構造的理由からしてサブキャラになってしまいがちだろう。いや、ヒロイン扱いでなくても、そういう愛らしいキャラが存在してくれるだけで十分だが。むしろ固有シナリオを持たずにいる方が、その和やかさと健やかさを物語の中で維持できるのかもしれない。そして、そういうキャラクターがいる世界は、幸せな世界だと思う。


『ウィズアニバーサリィー』
(c)2006 CROSSNET / Favorite
本作のエンジン(FVP)では、イベントCG表示時にテキストボックスを消去すると、画像によって任意に拡縮できる場合がある。左記画像は任意拡縮に対応していないCGなので、画面右上に「ズーム禁止」と出ている。/グラニテ役の秋月まいは、綾之部珠美や加賀宮鈴のような好奇心旺盛な年下の役柄を得意としている。

『らぶKISS!アンカー』
(c)2007 ミルククラウン
『行殺新選組』と同様にフェイスアイコンを多用した本作の視覚表現の特徴については、拙稿フェイスウィンドウの機能についての覚書で紹介した。/キャストは加乃みるく
『夏めろ』 (c)2007 AcasiaSoft
ルーズリーフ(あるいは手帳)を模したテキストボックスデザインは、そのセピア色の色調とともに、作品のコンセプトを的確に反映している。/担当声優の木村あやかは、謎めいた先輩キャラクターだけでなく、可憐な後輩キャラクターを演じることにも長じている。

『DUNGEON CRUSADERZ 2』
(c)2008 アトリエかぐや
SLGパートでは先制攻撃や回復スキルで活躍し、AVGパートでは友人の魔法使いキャラクター(グリシーヌ)と仲良くしつつパーティ全体の衣食住の面倒も見るという、健気なキャラクターである。キャストは水瀬沙季

『英雄*戦姫』 (c)2012 天狐
親友マゼランの暴走にいつも巻き込まれているキャラクターである(CV: 姫川あいり)。ゲームパート上では、最初に仲間になる航海スキル所持ユニットであり、また終盤では強力な必殺技を習得するため、使い方によってはおおいに活躍する。

『えむぴぃ』 (c)2007 ぱれっと
楽屋オチや顔文字テキストを含むルール無しのギャグが飛び交う本作の一幕。対決シーンが格闘ゲーム風の画面構成になっている。/メイドキャップで見えにくいが、琴瀬こよみ(CV: みる)は左右で髪をまとめている(つまりツーサイドアップの一種)。原画家たまひよはしばしばこのように鼻の無い絵を描く(※左のサブキャラの原画担当者はRけん)。