2019/09/25

五菱重工のエッチング眼鏡着用例

  五菱重工製のエッチング眼鏡について。着用例などの紹介。
  メーカー公式サイト:[ www.inv.co.jp/~itsubish/ ]
  ※AZONE「エッチングメガネ」MSG「メガネフレーム」については、それぞれ別ページで。


  【 はじめに 】
  ドール/フィギュア/キャラクタープラモのための精密眼鏡パーツとして、2019年現在での代表的な市販製品の一つであろう。とりわけ、サイズおよび形状の豊富さに関しては抜きん出ている。公式サイトによれば通販可能とのことであり、比較的容易に購入できる。ホビー系のイベントにも定期的に出展しているようで、筆者はキャラクターズフェスタ神戸(2019/09/23)で購入した。
  なお、おそらく企業(法人)ではなく、個人制作と思われる。念のため。

  エッチング眼鏡のラインアップは、公式サイトの販売計画ページに置かれている。
  [ www.inv.co.jp/~itsubish/320.htm ]

  ちなみに、Azone Internationalのエッチング眼鏡と、KOTOBUKIYAのMSGエッチング眼鏡については、それぞれ別ページで着用例を紹介した。併せてご覧いただきたい。
 後日追記:Three Sheeps Dedign(スジボリ堂)からも、1/10~1/24のエッチング眼鏡が各種発売されたとのこと。筆者は未購入だが、1/20や1/24スケールに対応したエッチング眼鏡は希少なので、大きな意義がある。


  【 このメーカーの製品の特徴 】
  素材はステンレス。シルバーだが、塗装すれば赤眼鏡や黒眼鏡を作ることもできる。

  他社製品と比べて、かなり厚みがあるようだ。これは「頑丈で、破損しにくい」というメリットがあるが、その一方、「工作しにくい」「ツルを差し込みにくい」という問題を起こす場合もある。

  基本的な工作については、公式サイトで詳しく説明されている。
  [ www.inv.co.jp/~itsubish/eg000.htm ]
  ゲートはやや太く、上述の厚みのせいもあって、通常のカッターでは切断できない。説明書や公式サイトでは、電工用ニッパーの使用を推奨している。私は使い古しの模型用ニッパーを使用したが、スムーズに切断できた。

  一般フィギュア用やデフォルメフィギュア用の大型エッチング眼鏡は、端の折り曲げ部分(ヒンジ)に段差が設けられており、折り曲げやすくなっている。ただし、フィギュアのサイズに合わせて折り曲げ位置を調整しにくいという問題もある。

  眼鏡のツル部分は、いずれもかなり長めに作られている(※下記写真参照)。フィギュア等に眼鏡を嵌め込む際には、頭部の内部構造に干渉してしまう場合が多く、フィギュアの形状に合わせて適宜カットすることになる。そのため、ラジオペンチなどを用意する必要がある。

  鼻押さえ(パッド)を表現している眼鏡もある。特に1/7などの大型のフィギュアでは、リアリスティックなパッド再現は効果的だろう。ただし、パッド部分をきれいに折り曲げるにはエッチングベンダーなどの精密工具を用意した方がよい。また、金属パッドがフィギュアの鼻筋を傷つけてしまう虞もあるし、パッドの分だけ眼鏡が浮くので固定しづらくなる可能性もある(※そもそもフィギュアは鼻筋が小さすぎて鼻パッドがフィットしないという問題もある)。心配ならば、鼻パッド部分は切り取ってしまってもよいと思う。

さまざまなサイズのエッチング眼鏡が提供されている。イベント価格は一枚1000円だったが、通販価格は異なっているようだ。シート一枚にさまざまな形状の眼鏡が多数含まれているので、非常にリーズナブル。


  【 着用例 】
  以下、製品番号の順に着用例写真を掲載していく。
  (※正確にメモしたわけではないので、間違いがあるかも。)

  1) EG-07、EG-08(※1/6~1/8程度の一般的なフィギュアに対応したサイズ)

PLUMの「ハムマン改」(ハマン)。現在の一般的な1/7スケールフィギュアに、きれいにフィットする。ツリ目の表情が眼鏡によってさらにくっきりと際立ち、さらに大人びた色気も出た。なんとか差し込むことができたが、フィギュアを傷つけてしまう可能性もある。
GIFT「1/8 アーサー」。頭部はやや小さめ。このサイズに対応するエッチング眼鏡も、上記エッチングシートに入っている。短い横髪に挟んでもらって、なんとか保持できた。
東京フィギュア「アッセンブル・ヒロインズ:黒澤ダイヤ」。1/8スケールの半完成品(※フィギュアとプラモデルの中間形態)。頭髪パーツが柔らかいので、スムーズに挟み込むことができた。
Orchid Seed「1/8 スク水メカナース少女ナナ」を、スク水メカ眼鏡ナース少女に。目の大きなキャラクターは、レンズをはみ出してしまうと不格好に見えてしまう場合がある。ナイロール(上側のみのフレーム)やアンダーリム(下側のみのフレーム)にすると、問題を解消できる。
フレームがレンズの全周を覆うフルリム型でも、眼鏡を下に大きくずらして掛けると、目の輪郭とのズレがうまく誤魔化せるし、萌えキャラらしい愛嬌も表現できる。
ALTER「1/8 サーニャ&エイラ」。ツインフィギュアの両方に眼鏡を掛けさせると、美的統一感が増す。やはり門脇キャラには眼鏡を掛けねばと、常々思っておりました。
角度を変えて。斜め横側から見ると、眼鏡が頭部にクールな立体感をもたらしているのがよく分かる。片方の眼鏡はフレームを赤や黒に塗り変えた方が面白味が出るだろう。
EXQ「アンチョビ」。プライズフィギュアの大半は、このエッチング眼鏡でカバーできる。ボリュームのある巻き髪ツインテールなので、大ぶりな四角形の眼鏡も受け止めてくれる。思いきって黒眼鏡でもよいかも。
同じくプライズフィギュア、EXQ「緒方智絵里」。小柄でシャイなキャラクターのように見えるので、大きめの眼鏡を掛けさせると特徴がよりいっそう際立つ。このキャラクターも、横髪だけで眼鏡を保持できる。
アンダーリムの眼鏡によって、おっとりした落ち着きのある雰囲気が強められる。今回の眼鏡着用の成功例。
SEGA「星空凜 Snow halation」。機敏で活発そうなショートカットキャラクターに眼鏡を掛けると、知的な機敏さが印象づけられるようになる。斜めを見上げた視線の存在を補強する効果もある。
フリュー「SSS 渡辺曜」。原作でも眼鏡を掛けることがあるらしいが、それを別としても非常に眼鏡が似合う。
【参考】:AZONEの1/6フィギュア用エッチング眼鏡。横幅は27mm程度で、プライズフィギュアなどにも合う。左記写真はBANPRESTO「ねこ娘」。細めの眼鏡フレームが、ツリ目の美しさを引き立てている。
【参考】:KOTOBUKIYAのM.S.G.エッチング眼鏡。かなり古い製品なので現在は入手困難と思われるが、1/6から1/8程度のフィギュアにマッチする。写真のフィギュアはEXQ「SAO ユウキ」。
【参考】:PLUMの透明プラスチック製眼鏡もある。1枚に10種類以上の眼鏡が含まれており、1/7から1/12まで、様々なサイズの立体物に対応している。ツルがやや太いので差し込みにくいが、レンズ表現を重視する向きには好都合。


  2) EG-10(※25cm級ドールや、頭部の大きなデフォルメフィギュアに対応したサイズ)

Good Smile Company「ねんどろいどどーる:クイーンオブハート」。頭部が大きいため、眼鏡の左右のツルは斜めに広げる必要がある。顔パーツを交換できる仕様であり、前髪を取り外せるので、顔パーツと前髪パーツで眼鏡を挟み込んで固定することができる。
眼鏡の横幅は約2.5cm。このくらいの大きさだと、鼻筋押さえ(パッド)表現の効果が出てくる。適当な透明素材を使ってレンズを入れてもよいだろう。ちなみに、頭部は1/7フィギュアよりもサイズが大きい。
眼鏡は顔から浮いているため、見る角度に応じて複雑なニュアンスをフィギュアにもたらしてくれる。エッチングパーツ特有のクールな精密感も、良いアクセントになる。
GSC「ねんどろいどコーデ:初音ミク」。デフォルメフィギュアは、ふっくらした丸みを主張している分、むしろ眼鏡は直線的なスクエア型にするという見せ方もありだろう。
KOTOBUKIYA「キューポッシュ:赤ずきん」。こちらもSDプロポーションの布服フィギュア。頭部のサイズは、上記「ねんどろいど」よりも小さめ。目の大きなキャラクターフィギュアでは、思いきり眼鏡をずり下げて、目と眼鏡が被らないようにしても良いと思う。
同じく「キューポッシュ」シリーズの「アン」(+セーラー服セット)。このエッチング眼鏡は鼻当てパーツも造形されているが、フィギュアは鼻筋表現が乏しいのでうまくフィットしないし、金属パーツがフィギュアを傷つけてしまうおそれもある。しかし可愛い。


  3) EG-06、EG-09、EG-12(※1/12ドールやそれに近いサイズの立体物に対応)

VOLKS「FIORE:ローレル・フォリア」。近年の美少女プラモ流行に棹さす標準的なプロポーション。銀縁眼鏡が、アグレッシヴなツリ目の印象を強めている。ただし、眼鏡フレームが太いため、少々野暮ったく見える(※この点では、AZONE社のほっそりしたエッチング眼鏡にアドヴァンテージがある)。
KOTOBUKIYA「ロードランナー」。両目の間が大きく離れたヒラメ顔なので、AZONE製眼鏡では目の位置と眼鏡フレームの位置がうまくフィットしなかった。五菱重工製のエッチング眼鏡には広狭さまざまなタイプの眼鏡が含まれているため、選択の余地が大きい。
同じシリーズの「ラプター」。このキットの顔パーツは、「眉間が開いている」、「個性の強い猫目」、「視線の向きがはっきりしない」というもので、眼鏡着用の難易度が非常に高かった。左記写真のような広めのアンダーリム眼鏡で、なんとか見るに堪える眼鏡コーディネートになったかと思う。
同じく「ウィッチ」(※帽子と胴体はfigmaの適当なパーツ)。非常にフレームの細いタイプも含まれているので使ってみた。無口系キャラに大ぶりな眼鏡は、まさに正統派。ただし、前髪が重いので、眼鏡の位置調整が難しい。眼鏡が左右にずれたり傾いたりしていると非常に見苦しくなる。
同じく「ウィッチ」の表情やボディ(「1/12素材ちゃん」)を変更したもの。片目閉じの表情は、眼鏡フレームで囲ってしまうと落ち着かないので、アンダーリムなどにして輪郭を開いておく方がよいと思う。眼鏡の横幅は1.0cmのものを使った。
同じくKOTOBUKIYAの「フレームアームズ・ガール:アーキテクト(ホワイト)」。物静かなツリ目の表情に眼鏡がよく似合うのだが、横髪が下窄まりに降りていて眼鏡フレームに激しく干渉する。エッチング眼鏡の横幅を狭めに折り曲げる必要がある。
KOTOBUKIYA「KOS-MOS ver.4」。スケールは1/12相当なのだが、近年の美少女プラモと比べてかなりの小顔であるため、AZONE製の眼鏡(横幅約1.3cm)では合わなかった。五菱重工製のエッチング眼鏡には横幅1.0cmの眼鏡も含まれており、これでようやく眼鏡コスモスが出来上がった。
KOTOBUKIYA「レイキャシール:イエローブーズ」。これもかなりの小顔で、横幅1.0cmの眼鏡が必要。メカ要素の強いキャラクターなので、わざわざ眼鏡を掛ける必要はあるのだろうかという疑問もあるが、美しさを優先しよう。
WAVE/橘猫工業の「C.A.T.-00」。プレーンな15cm級ガールプラモで、横幅1.5cmの眼鏡をきれいに着こなしてくれる。表情はのんびりしているが、頬が引き締まっているので、シャープな長方形(いわゆるスクエア型)眼鏡を選んでみた。
Good Smile Company「carbonia adamas」。かなりの小顔なので、横幅1.0cmの眼鏡を使った。横髪パーツを両脇から挟み込んでフェイスパーツに固定する形態なので、眼鏡の着脱は手間が掛かる。レトロ感のある丸眼鏡などが似合うと思う。
AZONE「カスタムリリィ:TYPE-B(黒髪)」。1/12ドールにもぴったりフィットする。水性塗料「シタデル:バルタザールゴールド」で筆塗りして、メタリックな質感とライトブラウンの明るさを表現したつもり。あらかじめプライマーを吹き付けておくと、塗料がしっかり定着する。
BANDAI「レーナ」に、KOTOBUKIYA「グライフェン」のフェイスを取り付けたもの。両目を大きく見開いているので、フレームが瞳を遮らないアンダーリムが適している。
BANDAI「ダイバーアヤメ」(ボディは「レーナ」)。こちらはアニメっぽく強調された大きなツリ目。こちらも、眼鏡が両目に掛からないように、ずり下げた位置に眼鏡をセットした。フレームと干渉する部分は、頭髪を一部削る必要がある。
BANDAI「AQUA SHOOTERS!02」より。ガチャポンのキャラクターも、このシリーズの眼鏡がフィットするものがある(左記写真の眼鏡は横幅1.3cmのもの)。ただし、ガチャポンフィギュアはサイズが千差万別なので、うまく合わないものも多い。
「AQUA SHOOTERS!」シリーズのキャラクターたち。左は真面目強気眼鏡、中央はクール眼鏡、右は猫目の似合う愛嬌眼鏡と、それぞれに眼鏡が個性を引き出してくれる。
【参考】:AZONEの1/12ドール用エッチング眼鏡。2枚入り800円とやや高価だが、同サイズのドールや美少女プラモデルにきれいにフィットする。製品はステンレスのままの銀色だが、左記写真では赤眼鏡に塗装している。
【参考】:AZONEのエッチング眼鏡は、近年の15cm級美少女プラモデルにも、おおむね対応する。写真は「FAG:白虎」。