2026/03/24

2026年3月の雑記

 2026年3月の雑記。

 03/29(Sun)

 春アニメのメモ(五十音順)。基本的に、50%以上の期待をしているタイトルのみ記載する。60%以上のタイトルは、ひとまず視聴してみるつもり。

タイトル期待の度合い、注目点など。
『淡島百景』期待の度合いは75% : 方向性には興味があるが、PVを観たかぎりでは、演出の力足らず、空転しそうな気配もある。キャストはおおむね良いが、主演の中林氏はこれが初レギュラーのようだ。制作はマッドハウス。
『異世界のんびり農家2』70% : 第1期は上手くまとめていたが、原作はここからどんどんキャラが増えてストーリーが散漫になっていくのでかなり不安。キャストも、たまにひどいのが混じってくる。うーん。内藤氏は、そろそろこのマンネリ化した作品を切り上げて、さらに独創的な新作を出していってくれたら……。
『一畳間まんきつ暮らし!』60% : お気楽&ネタ枠で。髙橋龍也氏がシリーズ構成だったりもする。しかし、いまだにキャストも公開されていないのは……。
『インゴクダンチ』0% : 内容はともかく、サブキャラのキャストが妙にハイレベルなのは、いったい……。おねショタ要素があるなら+10%で。
『骸骨騎士様』※4年前のタイトルの再放送だが、ファイルーズ氏がメインなので、他がよほど不作だったら視聴するかも。『マジルミエ』も、同じくファイルーズ氏主演の再放送(2024年の作品)。
『カナン様』10% : PVを見るかぎりでは騒々しいラブコメなのでnot for me。ストーリーや映像にはあまり期待していないが、古賀葵氏(主演)や鈴代氏の芝居を聴き込んでみるには良い機会かも。室谷氏はこれが初監督のようだ。
『上伊那ぼたん』65% : のんびり枠。こちらも中堅の良いキャストでまとめている(※なんとかして早めに鈴代氏のポテンシャルを見極めたい。でも、リルイ以外の芝居はときどき上滑りしている。いったい何だったんだ、『29歳』でもあの凄まじい入神の芝居は……)。ただし、キャラ作画に露骨な3Dモデリングが散見されるのは気がかり。3Dそれ自体は構わないけど、他から浮いたままでは駄目。
『楠木邸』55% : 小市眞琴氏が出演されるし、PVもまっとうなクオリティ。しかし、いかにも俗っぽいスローライフネタなのが……うーん。
『中村くん』50% : キャストは良いが……。※追記:高橋留美子風のレトロコメディ路線とのことで候補から外していたが、BLアニメというのも珍しいし、第1話の評価も高いようだ。視聴してみようかな(→60%)。
『2番目に可愛い』0% : これもキャストは良いが、たぶん私の好みには合わない。何番目などと勝手に外見の序列づけをするタイトルは本当に嫌なので。PVも一応見たけど、映像のテンポが悪い。
『氷の城壁』55% : 原作者への信頼はあるが、あの漫画のチープデフォルメ演出をアニメで再現されても困る。漫画では、息抜きの小さなコマでやり過ごしていたものが、アニメの全画面でじっくり時間を取って描いてしまうと、元々の軽みが失われてチープさが前面に出てしまうのだが、そういった媒体に応じたチューニングが出来ないのは、アニメ化(つまり翻案作品)として無思慮だと常々思っている。
『こめかみっ!』60% : オリジナルアニメなので、上手くいってほしいが……何を売りにしたいのかも分からない。キャラも3Dっぽい?
『最強の王様』(2期)50% : 第1期は観ていない。キャストはとても良いのだけど、映像表現としてはちっとも好みではない。
『鑑定士』60% : いつものアルファポリス低予算異世界枠と思われるが、金元寿子氏の芝居を一クール延々聴き続けられるのであれば……。PVを見るかぎりでは、中の下くらいの映像クオリティはありそうだ。
『自称悪役令嬢』60% : これもアルファポリス以下略。富田美憂氏メイン。サブキャラ「ショーン・ーコイン・アルファスタ」って、本当に文字通りのショタキャラだった。
『春夏秋冬代行者』75% : キャストも良く、シチュエーションも面白そう。またもや貫井氏主演だが、まあ仕方ない。PVを観たかぎりでは、暗殺者などに対抗するバトル展開もあるようだ。
『スノウボールアース』75% : たぶんSF。監督の境氏と脚本の村越氏は『ゾンビランドサガ』のコンビ。小清水氏レギュラーで、他のキャストも良いし、映像もわりとしっかり動いている。
『おじゃまされます!』55% : 日常もの。PVは低調だが、キャストがまずまず良いので、ひとまずチェックしておく。
『ニワトリ・ファイター』50% : 井澤氏が出演。3Dベースのネタアニメだが、まかり間違って面白くなる可能性も……。クリーチャーデザインはかなりグロい。
『最強外道ラスボス女王』(2期)75% : ファイルーズ氏主演。第1期(2023年)はスルーしていたが、まあ大丈夫だろう。どうか、『レベル99』に並ぶ良作になってくれますように。
『左ききのエレン』55% : 期待しつつPVを観てみたら、予想外に暑苦しいマッチョ抑圧クリエイター企業ものなのか? うーん。
『蛮族の嫁』55% : こちらは、役にハマった時の鈴代氏のようだ。映像もシチュエーションも期待していないが、声メインでチェックを入れておく。
『百妖譜』65% : 中国アニメの吹き替え版(※これまでリリースされてきた中からセレクトされた傑作選とのこと)。出来は良さそうなので、ひとまず。
『探偵様』55% : PVではキャッチーな絵作りがなかなかのクオリティ。しかし叫びまくりの暑苦しい主人公と、今風の煽情的なヒロインたちには、個人的に食傷。キャストは良いのだが……。
『メイドさんは食べるだけ』65% : 市ノ瀬氏主演、さらに河瀬茉希氏と五十嵐裕美氏他もメインキャラ出演。PVは、まあ穏健な出来なので、このシチュエーションが好きな人ならば楽しめるだろう。うーん。
『黄泉のツガイ』75% : 久野美咲氏が出演。2クール放送とのこと。原作は評価が高いし、ボンズ制作でPVも精密に作られているので、クオリティ面は大丈夫だろう(※だからこそ、皆が視聴し語ってくれる筈だから私が手を出さなくてもいいかなという思いも……)。
『よわよわ先生』50% : おそらく低予算お色気路線だが、良さそうな絵もある。中原麻衣氏も出演。

 というわけで、積極的に観たいと思えるものが無い……。『淡島百景』『スノウボールアース』あたりが、良い映像になっていたら嬉しい。堅実なのは『春夏秋冬』『黄泉のツガイ』あたりか。キャスト目当てでは、『鑑定士』(金元氏主演)、『自称悪役令嬢』(富田氏)、『ラスボス女王』(2期、ファイルーズ氏)、『蛮族の嫁』(鈴代氏)を軽く流していくかも。
 とはいえ、今の冬期アニメも、事前段階ではほとんど期待していなかったのに、視聴してみたら非常に洗練された作品や意欲的な企画や味わい深いタイトルにいくつも出会えた。なので春期アニメでも、そういった良い巡り会いがあることを期待したい。

 最終的には、『春夏秋冬代行者』(和風ファンタジー)、『スノウボールアース』(SF&小清水氏)、『蛮族の嫁』(鈴代氏)くらいしか残らないような気もする。『淡島百景』『上伊那ぼたん』あたりが、うまく好みに合えばありがたい。さらに、なにかしら掘り出し物に出会えたら嬉しいのだが……。


 アニメなどの音声収録は、コロナ初期はほんの数人ずつに分けていたとのことだが、最近ではまた旧に復して、リスキーな大人数一斉収録になってしまっているのか。声優は、まさに喉を使う仕事なので、感染の可能性を下げるように最大限の対処をすべきなのだけどなあ……。




 03/22(Sun)

 『コードギアス』(2006)は、放映当時としてはおそらく、『DEATH NOTE』(2003-2006)のミリタリー版のようなガジェットで、「00年代以降のダークヒーローものの代表的作品」でもあり、そして「戦後の終わり(戦後60年)」、「格差社会の顕在化」などと絡めた受容があったかと思われるが、2020年代の目で見ると排外主義を巡る諸要素が前景化されてきそうで、やっぱり創作物は時代の影響を受けるなあと。「ブリタニア」は、北米大陸に位置する優生思想独裁国家という、2026年現在ではやばすぎる代物になってしまったし。
 ロボットアニメとして見ると、ワイヤーバトルはギミックとしてあまり活用できていなかったし、スケート移動もそれほど格好良く演出できておらず、うーん、「アイデアは面白いが、掘り下げが甘い」という評価にならざるを得ない。大規模予算のオリジナルアニメとして全体のクオリティは高いのだが、映像的な見せ方も、タイミングコントロールも、20年前のセンスだなあと感じるところが多々ある。ゆかな氏や小清水氏の芝居は、今聴いても味わい深いが、BGMが大きめなせいで声が埋もれがちなのはもったいない。
 DVDを1期(24話)まで買って持っているが、現在はおそらく配信版の方が高画質になる。


 私信:先日の写真をメールで送りました。また何かありましたらよろしくお願いします。zipファイル付きの連投をしてしまったので、スパム扱いされかねない危うさが……すみません。


 当面のガールプラモ購入メモ。
○4月:VOLKS「ツバキ」。デザインは今一つだけど、FIOREの新キットなので。
△4月:MD「ガルム・リッパー」。デザインは好みではないが、メガミ新キットなので。買えたら買う。たったこれだけのキット構成で7200円+税だが、2個買って両手に大爪装着したいなあ。
△4月:GSC(Reincarnation)「レーシングミク 2013Ver.」。固定ポーズ。新シリーズなので一応。
○4月:エクスプラス「NIKKE アリス」。これも固定ポーズ。X-plusの萌え路線進出をチェック。
△5月:PLAMATEA「ライザ」。元デザインが精緻なので、キット化しても鑑賞に耐えるだろう。ただし、肘の折れ方が気がかりなので、買わないかも。
○6月:PLAMATEA「初音ミク 中央町戦術工芸Ver.」。デフォルメ気味のデザインが面白そう。
○7月:メガロマリア「篝火真里亞(戦闘装束)」。こういうキットを早めに出しておけば……。

 うーむ、欲しいと思えるものが少ないなあ。新シリーズや新メーカー、あるいは新規性のあるアプローチがなかなか出てこなくなったのもある。

 プラモデルの素材は原油から精製されるので、現在の国際情勢下では数ヶ月後にちゃんと発売されるかどうか、かなり雲行きが怪しい。製造(≒原料調達)そのものは海外(主に中国)の場合が多いけど、それでも影響は生じうるので。


 プラモデルでは、一つのキットに何週間もかけて丁寧に作る人も多い。とりわけ艦船模型などのスケールモデルでは、一隻完成させるのに数ヶ月掛けるという人もいる。しかし私の場合は、超速成制作で一気に終わらせるのが通例になっている。具体的には:
- 合わせ目処理はあまりしない。作業工程が一気に複雑化するので。最近のキットはパーツ精度が高いし、強めの接着剤で軽く融着させて表面を整えるくらいでわりときれいになる。
- 平面やエッジをヤスリで整えることもしない。ヤスリ作業は疲れるし、プラ粉も苦手なので。よほど目立つヒケ(凹み)などがあれば、さすがに対処するけど。
- ゲート跡は、デザインナイフで撫でて平滑に整えるくらいで済ませる。
- たいていのものは、ツヤ消しで吹き付け塗装をすれば隠せる。あるいは、合わせ目をデカールやデコレーションシールで隠すという手もある。
- マスキングに執着せず、細かいところは筆で塗り分ける方が効率的(というか、慣れてきた)。
- 塗装に関しても、クリアカラーのトップコートだけで済む場合もある(素肌パーツなど)。
- 考証に基づくディテール改修工作は、あまりしない。基本的にはキットのまま制作する。
- そのぶん……というわけでもないけど、甲板マスキングやエッチングパーツに時間を使える。

 というわけで、手抜きの案配が分かってくれば、1/700戦艦にエッチングをフルに投入しても、20時間で完成させられる。1/350艦船でも、同じく50~70時間くらいで行けた。ガールプラモも、2日で全塗装完成は十分可能(※塗料の準備、工程プラン、制作コンセプトなどが出来ていれば)。
 私の気質上の事情でもある。短期集中タイプなので、「金属製の細密エッチングパーツを10時間工作し続ける」とかは可能だけど、逆に、「作業スペースを確保しつつ、制作モチベーションも維持しつつ、数週間に亘って作業を続ける」のはたぶん無理。もちろん、私とは正反対のタイプのモデラーも、たくさんいるだろう。
 言い換えれば、「15時間で78点のクオリティを目指す」か、それとも「2ヶ月かけて90点の出来映えを目指すか」という目標設定の違いでもあり、それぞれに適したアプローチがあるという話でもある。……たぶん78点くらいは取れているよね?
 個人的なスタンスとして、「私自身の個性を表現することは、べつに求めていない」というのもある。「キットそれぞれの面白味をあじわうため」(技術的関心)、「作業療法のようなストレス解消のため」(心理的関心)、「ロボ/歴史的兵器/ガールなどのディテールを知るため」(考証的関心)に模型制作をしているようなものなので。だから、基本的には、キットの良さを引き出すようなアプローチになりがち。メーカーの完成サンプルのような、「全体が明晰に整えられていて、元デザインの設計意図がきちんと反映されている」というのが、わりと理想に近い。
 ゴージャスなモンスター改造とか、ゴテ盛りの架空艦とかも楽しいけどね……。



 03/14(Sat)

 昨日買ってきた二十数冊の新刊漫画が、まだ2冊しか読めていない……。

 漫画のフキダシの話者を示す「しっぽ(ツノ、トゲ)」の位置について。
 過半数のタイトルは、「原則として口元に向ける」スタイル(20作中12作)。ただし、必ずしも厳密ではなく、状況とレイアウトに応じて柔軟に作られている。また、大声で叫ぶシーンや、一つのコマに1人だけが描かれている場合には、ツノを描かい場合もある。なお、この形式のフキダシでは、ツノのサイズが非常に小さい場合もわりと多いようだ。
 それに対して、「基本的には口元に向けるが、あまり拘泥しない」アプローチも一定数存在する(3作)。さらに、「顔全般に向ける」自由な形も、いくらか存在するし(3作)、そもそもフキダシにツノを付けないタイトルも2作存在する(※女性向けに多いかも)。
 あくまで、私が今月買った新刊からサンプリングしただけなので、調査としては偏りがあるが、おそらく全体的な傾向としてはこんな感じだと思う。ちなみに古典作品だと、手塚治虫(『火の鳥』)は極小ツノで口元を指しており、萩尾望都(『ポーの一族』)は口元に一切こだわらない融通無碍のレイアウト。


 ブログで私信メッセージを書くのは、なんだか昔の「ホームページ」時代の日記みたいだね!
 (※第三者からは、個人特定性が無いので、大丈夫な筈)

 大昔は、趣味系サイトの情報発信者がごく限られていたので、同好の士のあいだで「> ○○さん」みたいな感じでストレートにサイト同士の言及やリアクションをし合うことがあったものじゃよ……。
 私自身は「ホームページ」持ちではなくて、ただ見ているだけだったけど、Teacup掲示板などでやりとりすることはあったし、さらに遡って「パソコン通信」時代はまた違った風習があっただろう。


 けもプラ「ニホンオオカミ」は、筆で毛筋塗装をするつもりでいたけど、どうも失敗する未来しか見えないので、二の足を踏んでいる。色調そのものは良くなる筈だけど、体毛色の変わるところが不格好になりそうだし、多重塗装の最中に汚したり削れたりしてしまいそう。うーん。




 03/08(Sun)

 「○○な作品9つ」について。書影に関しては、現在の著作権に関する慣行に鑑みてひとまずOKだとしても、「自分にとって印象深い作品」、「自分の芸術観や美意識や社会性に対して大きな影響のあった作品」、「客観的評価として最高だと思う作品」はそれぞれ違うし、漫画では前世紀の大家の名前を挙げていくだけでも10も20も埋まってしまう。手塚、藤子、萩尾、永井といった巨人時代の傑作群はひとまず措くとして、そして00年代半ば以降の大量の新人たちの爆発的なデビュー以降はもう数え切れないとして、世紀末をまたぐ頃(90年代から00年代初頭)に大きな仕事をしたクリエイターたちから挙げると、個人的にはアフタヌーン系の作家に集中してしまう。冬目景のレトロ趣味、岩明均の倫理的な厳しさと苦々しさ、岩永亮太郎の「技術と社会と個人の価値」に関する思弁、植芝理一のユニークな幻想性、曽田正人の陶酔的な熱狂の精密な表現あたりは、特に思い出深い。
 ……あっ、宇河弘樹氏の新作が発売されるのか。『朝霧の巫女』を思い出しながら検索していたら、ちょうど良いタイミングになった。

 アニメだとどうなるかな……。素人なりに、円盤を持っている中から、シリーズものタイトルで(つまり単発の劇場版を除外して)年代別に5本くらいずつ挙げていくと:

90年代以前:
- 『宇宙船サジタリウス』(1986-87):労働問題から絶滅動物まで含蓄のあるエピソード多数。
- 『機動戦士ガンダム0083』(1990-91):ガンダムシリーズからはこの一本。2D作画によるロボットアニメーションの洗練の極地。『0080』『08小隊』もそれぞれわりと好き。本編シリーズは、どれもあまり好きではない。
- 『新世紀エヴァンゲリオン』(1995-96)、『少女革命ウテナ』(1997)、『serial experiments lain』(1998):この三者はベタだけど逸しがたい。
※単発の劇場版アニメだと、『ナウシカ』(1984)や『アイアン・ジャイアント』(1999)などもある。

 00年代はちょっとしかアニメを観ていないが、
- 『スクラップド・プリンセス』(2003):異世界風ポストアポカリプスから魔法の科学的アプローチまで、この時期以降の様々な流れを決定づけた歴史的な先触れ。
- 『錬金3級 まじかる?ぽか~ん』(2006):のんびりした雰囲気と、余裕のあるユーモアに満ちたオリジナルアニメ。
- 『シムーン』(2006):ジェンダーSFオリジナルアニメとしてユニークな魅力がある。
- 『ストライクウィッチーズ』(第1作は2008年で、ぎりぎり00年代)。今世紀風のミリタリーネタのアニメとして先駆的。これも一応オリジナル作品。
※この他にも『NieA_7』(2000)とか『エルフェンリート』(2004)とか『蒼穹のファフナー』(第1作は2004年)とかいろいろ。GAINAXが元気だった時代でもある。
 
 10年代初頭から半ばくらいまではちょっとだけアニメを観ていたが、10年代後半はほとんど観ていない。
- 『ヨスガノソラ』(2010):視聴覚演出が絶品。ヒロインごとの分岐展開も面白かったけど。
- 『ソラノヲト』(2010):架空スペインでのポストアポカリプスミリタリーオリジナルアニメby神戸守監督の傑作。個人的にリピート率が高めで、金元寿子氏主演も良い。
- 『キルミーベイベー』(2012):ネタアニメだが、高いクオリティで絶妙にまとまっている。アニメーションの動きも良いし、型に嵌まらないユニークな演出もある。
- 『輪るピングドラム』(2011):この社会の陰惨さをシンボリックに表現する手つきと、それを突き抜ける幻想性の取り合わせが面白かった。
- 『放課後のプレアデス』(2015):10年代の魔法少女ものからはこれを。佐伯昭志監督とGAINAX末期の若手クリエイターたちが描いた天文SFジュブナイルとして深い味わいがある。声優陣も、主演の高森氏から大橋歩夕氏、藤田咲氏など、実に良いキャスティング。
- 『終末のイゼッタ』(2016)。第二次大戦の小国に強力な魔女を投入したという架空戦記ものだが、一クールで突っ走ったドラマティックな展開は、オリジナルアニメらしい緊張感と魅力に溢れている。終盤の早見沙織氏の演説シーンの迫力が素晴らしい。
※『TIGER&BUNNY』とか『ダンタリアンの書架』とか『たまこまーけっと』とか『少女終末旅行』とかも良い作品だし、美少女ゲーム発アニメの流れの最後に来た『星空へ架かる橋』『蒼の彼方のフォーリズム』も上手くまとまっていたし、『蒼き鋼のアルペジオ』あたりで本格的な3Dベースのアニメが進出してきた時期でもある。

 20年代は、完全に配信の時代。10年代は新人声優のクオリティが沈滞気味だったように思うが、2022年頃から優れた才能が頭角を現してくる。また、オリジナルアニメが激減し、原作模倣的なアニメ化や、人気タイトルのシリーズ化(複数クール化)が一般化した。
- 『望まぬ不死の冒険者』(2024):地味な作品だが、細やかな演出や、地に足のついた動画表現など、見応えがある。原作をきちんと咀嚼して再構成している点も良い。
- 『悪役令嬢レベル99』:こちらも、原作を大きく組み替えて、一クールでストーリーの最後まできちんと語りきってきれいにまとめ上げた秀作。ファイルーズあい氏の主演も抜群に良い。
- 『小市民シリーズ』(2024/2025):神戸守監督の映像演出にリードされて、メインキャラ羊宮妃那氏の濃密な芝居が存分に披露される。ミステリとしてはツッコミどころが多いが、映像としては傑出した美しさ。
- 『負けヒロインが多すぎる!』(2024):メジャー(?)タイトルからはこれを。風変わりなキャスト陣も上手くドライヴしつつ、情感豊かな映像演出を堪能できる。
- 『ネガポジアングラー』(2024):この時期のオリジナルアニメとしてはこれが一番。港湾や河畔の風景は開放的でありながら物寂しさもあり、そうした中で人生に悩む若者たちのデリカシーが巧みに描かれている。
※上記以外にも、オリジナルアニメ『全修。』も良かった。『九龍ジェネリックロマンス』は原作漫画を力業で再構成して結末まで語りきってみせたが、『ある魔女が死ぬまで』『鬼人幻燈抄』などは原作の途中で終わってしまったのがもったいない。動画表現の面白さでは、『クレバテス』が印象に残っている。

 現在の冬クールだと、『透明男と人間女』が面白い。視覚障害者女性と、「見えない」男性のロマンスものというシチュエーションだが、獣人族なども含めた多種族社会で、それぞれの身体的-社会的環境の掘り下げっぷりがすさまじい。いわゆる「解像度が高い」……高すぎる。原作者も凄いが、アニメ版でもそれを丁寧に再解釈、再構成しつつディテールを追加しているという秀逸な翻案。


 人格形成への(悪)影響、というか、「新たな価値観に触れる体験をした」という意味では、やはりPC美少女ゲームが決定的だった。それまでの小説やハイアートや全年齢コンシューマゲームや少年/少女漫画とは大きく異なり、なおかつ、TVのような大衆エンタメでもなく、露悪的なサブカルともまた違った空気を、初めて体験した。
 そしてその中で、SLG系(データ攻略系)ゲーマーという形で、私はようやくオタク(当時)として自立することができた。また、一タイトルあたり20時間前後の長丁場をひたすら、声優のキャラクター芝居を聴き続ける中で、役者の優れた演技を聴くことの意義も理解していった(※一色ヒカル氏を初めとする、当時の一流声優たちのおかげでもある)。
 ただし、美少女ゲーム文化≒「キャラ萌え文化」の隆盛は、「心地良い世界に耽溺する放恣かつ独善的な享楽的オタク」たちの本格的な始まりでもあって、それは2020年代の現在の目で見ると大きな問題含みではあったのだが。


 漫画新刊もいろいろ買って読んでいる(※未読をほぼ消化しきったほど)のだけど、諸事情により、感想メモを書けないままベッドの脇に積んでしまっている。先月下旬くらいからずっとこの状態で、このパピルス土嚢がそろそろ20冊に近づいてきた。なんとかしなければ……。