2015/12/18

『勇者砲』雑感

  『勇者砲』いろいろなメモ。 


  「++」で「ぷらぷら」と読ませるのか……。

  ドラゴンもいる世界のようだ(プロローグ、ED)。

  「モノ」と言っているぞ……。テキストに内藤氏の手が入っているのか、それともそれのことはモノと書くようにディレクションが出されているのか、あるいは単なる偶然か。

  藤邑氏、これはちょっと……。2007年から8年ものキャリアがあるのに……。
  ラクリマ役の人も、舌が回っていないままのところがあるし……。

  拠点を最短撃破すると、途中のイベントがスキップされる(エクリで確認)。
  全テキスト読破するには要注意。

  エクリ隊に魔力炉を破壊されると、特殊なバッドEDテキストがある。

  ヘルナイト……『LEVEL JUSTICE』の主人公(Dr. ヘルナイト)と何か関連が?(たぶん無関係)

  徹底して集団の活動を、集団の中での相互作用的活動を、描いている。

  エクレア、ビィーネ、シアーヌ……ABC?

  「古代」というのは、失われた近代機械文明ということのようだ。

  体躯の小柄さを強調するテキストが多い。これは脚本家の趣味だろうか、それとも企画レベルからの指示だろうか。どちらにしても、嬉しい。

  女性の「手首とおんなじぐらい」って、さすがに大きすぎるのでは……。

  汎用ユニットは、Lv30になると、ユニットの色が変わり、同時に全スキルが「超級」に到達する。
  さらにそれは、継承可能になるタイミングでもある。
  茶色甲冑のハンターが白(銀)色になるのは、ランサーに似てしまって紛らわしいが。

  褐色天国。

  最大値で砲撃していると、高レベルのユニットたちが侵入してくることがある。チップキャラが白く輝いているので、見た目でそれと識別できる。

  アダルトシーンのテキストは、わりとオーソドックス(?)なものだが、声優陣(とりわけ主演の綾音氏)の芝居ぶりもあり、また嬌声台詞連呼(4クリック連続も頻出する)もあって、SHC作品の中でも最も官能的なものの一つになっている。わりとお下品な言葉やシチュエーションも出てくるので、これまでのようなSHCらしさは無いが(――内藤氏は、その種の言葉をけっして使ってこなかった。記憶のかぎり、ピー音が使われたことは一度も無いはずだ)。また、感極まった意識の表現として台詞を平仮名化するのは、読みづらいので好きになれない。「わたしをかくはんするっ!」(攪拌)のような生硬な言い回しを平仮名で書かれても……と思う。

  SLG作品のアダルトシーンは、あるいはとりわけソフトハウスキャラ作品のそれは、わりと気楽に接することができる。白箱系のように恋愛感情に熱を上げることもあまり無いし、黒箱系のような消耗症的な過激さでもないし、ピンク系のようにパワフルでしつこい性描写にもならない。もちろん、それらはそれらで特有の美質があるし、SLG作品にもそれらの要素は入っているが、全体としてはわりと気軽で、スポーツ的というよりは遊戯的な扱いになっている。

  エクリ役の八尋氏が、わりと面白い演技をされている。えーと、『愛妹恋愛』の妹や『夏の色の~』の寡黙ヒロイン、それから『エクセルキトゥス』で主演されていた方か。ベッドシーンでもたいへんな熱演ぶりで、好印象を持った。

  絵は抜群に良い。メインの紅村氏、捕獲対象の魔物たちはおそらく皇氏、上位魔族たちはたかとう氏。アラタ氏は一部サブキャラか。いずれにせよ、CGの塗りが絶品。

  アダルトシーンの一枚絵は、裸体の肉付きが良かったり、歓喜に涙を流していたり、熱い吐息が描き込まれていたり、目がうつろになったりと、最新流儀をきちんとフォローしている様子。塗りとあわせて、とてもエロティック。

  「ホーンちゃん」ではなく「フォーン」。

  ルベラノーラさんが、まるで八宝備キャラのように見える。

  コンセントから充電するキャラというと、『MxS』とか『しすたぁエンジェル』とか……。

  『巣作り』と比べて、ヒロイン数は飛躍的に増加した。
  ただし、そのぶん、幕間の日常漫才が少ない。

  見せつけネタがたくさんある(マナ補充バレ、ミラ拘束、エクリ見せつけ、ヒロイン選択イベント、ラクリマ捕縛中)のは、たいへん珍しく、そして貴重だ。白箱系ではまず出てこないシチュエーションだし、黒箱系でも攻撃的な状況としてしか出てこない。

  一周目は796枚(89%)、シーン239個(76%)。596ターン、14時間54分。最速でプレイしたらどのくらいになるだろう。引継ぎありで、200ターンは切れるだろうか。いずれにせよ、最速(少ターン)クリアを追求するのはかなり難しそう。

  イベント敵が侵入してきた時に、撃破イベントだけでなく、撤退した場合のイベントも用意されているようだ(リバスやコロナにもある)。イベント差分を全て見るのはちょっとたいへん。

  汎用ユニットは最大Lv50。固有(ネームド)ユニットはLv99。
  ユニット数は119。おそらく固有キャラ11+捕獲固有ユニット8+汎用100。

  「蛇姫様」のキャラがいかにも金松氏っぽいなあと思っていたら、本当に金松氏だった。

  エクリさん、10連続台詞(ただしアダルトシーン)。

  アダルトシーンにSDカットイン……これまでにあっただろうか?
  『王賊』のプロローグあたりにあったかも。

  スキルについて。
  スキル選別は、最終的には、後半の強敵大量侵入を想定して行うべきだろう。「癒やす音色」は発動間隔が長すぎるので、激戦では「エナジードレイン」に劣る。ただし自己回復能力のない味方を回復させられるという長所はあるが。体力の多い強敵を確実に仕留めるためには、クリティカル関係のスキルを使ったり、あるいは「追尾する魔弾」「多段攻撃」などで堅実にダメージを増やしていくのが良さそうだ。攻撃力のカンスト値の仕様次第では、攻撃力上昇系スキルは最終的にはすべて不要になる。
  相手からの被ダメージがかなり大きいので、回避系スキルは最初から最後まで有用。前衛は「先制攻撃」+クリティカル増スキル+「エナジードレイン」あたりが安定しそう。残るスキル枠は「ジャンプ」「HP増強」か回避/回復系スキルなど。後衛は「追尾する魔弾」「力溜め」あたりが向いている。「エナジードレイン」はメイジ/シェルフから継承できる。「力溜め」は、おそらくペグルからの継承のみ。「追尾する魔弾」も、増やす手段は学炎生からの継承のみ。現状ではフォーンの固有スキル「多段攻撃」を継承させられるが、攻撃ミスの頻度を考えると、さほど有用なスキルではない。
  「武器投げ(<追尾魔弾)」「切り裂く風(<剣の舞)」「自己治癒(<癒やす音色)」「通せんぼ(<突破封鎖力上昇)」「足払い(<猫だまし)」「切り返し(<多段攻撃)」は、完全上位互換スキルがある。「体力吸収(<エナジードレイン)」「攻撃力上限上昇(<攻撃力上昇)」も、総合的に見て劣る相手がある。「必殺技(130%×115%=149.5%)」と「「急所狙い(140%×105%=147%)」は、期待値は前者の方がわずかに上回るが、安定性とオーバーキルを考慮すると、おそらく後者の方が有用。「体力吸収」と「エナジードレイン」は、期待値と安定性のどちらの観点でも、後者の方が上。
  「防御軽薄」は、デメリットしかないように見えるのだが……。

  アイテムについて。
  強力なアイテムは大半がドロップ入手なので、高レベルハンターを並べておくのも一手。目当てのアイテムがある場合は、「ゴミバコ」の後ろにハンター部屋を置く形にするとよさそうだ。最上位武器はおそらく「蛇姫の扇子」(+22%~+24%)。防具だと「学炎の制服」、盾系は「不気味な樹脂」だろうか。終盤の拠点と連続交戦していれば、盾系上位アイテムはわりとたくさん拾える。
  継承を繰り返していけば攻撃力は素のままで999にできるので、最終的には武器系装備は不要になる。また、敵の攻撃力も999になるので、ダメージ減殺防具では軽減しきれない。究極的には、最善の装備はおそらく回避系アイテム「不気味な樹脂」になりそうだ。つまり、そもそもダメージを受けないようにする可能性を高めることで、継戦能力を確保するというのがベストの方策になるだろう。もっとも、攻撃力が上がりにくいユニットについては、まずは敵を撃破できるように、当面は武器系アイテムを持っている方が有益だろう。

  「kkkkkカロリーが足りなかっtttttたー」

  素晴らしいのはドットアニメ。実際にはドットを手打ちしているとは限らないが、ドットの目が見えるくらいの造形で、それでいておそろしく細やかで、しかも可愛らしい。

  遠距離攻撃で敵ユニットを撃破した場合でも、捕獲やドロップ入手は可能。ただし、ドロップ確率やドロップ判定タイミングについては詳細不明。複数の遠距離攻撃を同時に(同一フェイズに、画面上では連射で)命中させる場合、5-6連射していても、アイテムドロップが複数回生じるのを見たことが無い。同時命中の場合は、ドロップ判定は一度しか行われないのかもしれない。
  エクリのスペシャルコマンドで敵ユニットを撃破した場合、捕獲可能ユニットは必ず(?)捕獲扱いになる。ドロップはしない(?)。

  ユニット育成。きちんと計算したわけではないが、Lv30でどんどん引退させていく(※ひどい)のが効率的だろう。引退時引き換えアイテムも収集したいならば、汎用魔物ユニットも引退/再雇用を繰り返していくことになる(――その過程で、スキル継承もしていける)。現状では、フォーンの固有スキルの扱いがちょっとおかしくて、「初級」からランクアップしないし、固有スキルなのにこのユニットだけはスキル着脱できるし他のユニットへの継承もできてしまう。バグの疑いもあるのでさしあたり触らずにおくつもり。
  Lv99のネームドユニット(17体、または19体)だけでも最低限戦線を維持できるくらいの手駒が確保できるので、まずはそれらのユニットをひたすら育成していけばいい。引退時アイテムや継承スキルが十分揃ってきたら魔物系汎用ユニットと雇用系汎用ユニットを順次強化していく。システム上、最後の一体のみは素のままにせざるを得ないが、そこまで育成するプレイヤーはまずいないだろう。
  攻撃力などのステータスは最大999。HPは9999だろうか。最終盤では、敵側にも攻撃力999のユニットが多数出現するので、最後まで十分な優位を確保しつづけることはできない。

  低レベルユニットは前衛に配置して、敵との交戦ボーナスを稼ぐようにするのがよさそうだ。ただリザーブに置いておくよりも経験値取得量が増やせる。もちろん大半は撃破されてしまうので、中衛には中レベルユニットを置いて、ここで出来るかぎり撃破して経験値を稼ぐ。ミラのスペシャルコマンドを発動させるとよいだろう。そして後衛には強力なユニットを配して、魔力炉侵入を防ぐ。「牙の砦」くらいまでなら、これで十分やっていける。ただし、侵入者撃破の収入とレベルアップ再雇用のバランスがとれないので、所持金はどんどん目減りしていくのだが。一時期は130万Sもあった所持金が、40万Sにまで落ち込んでしまった。かといって、終盤の拠点を攻撃すると、強力な敵ユニットが大量に侵入してくるので、経験値稼ぎどころではなくなってしまうか、あるいはその猛攻を凌ぎきれるとしても一ターンあたりの戦闘時間が長引きすぎて、結果的に時間効率の観点では好ましくない状況になる。

  汎用「クビキリメイド」引退時に、対応するアイテムを入手できないのは、意図された仕様なのだろうか、それともバグだろうか。想定されるアイテムの性能それ自体はそんなにたいしたものではないが、引退数カウンターとして持っておきたかった。同様にバグの疑いのある例外的現象として、汎用「フォーン」の固有スキル「多段攻撃・超級」が継承可能なのは、得になっているが。

  スペシャルコマンドは、どれも使いどころがあって面白い。
  ミラコマンドは配下ユニットの育成が足りなかったり強敵が侵入してきたりした時に役立つし、主力以外を育成する時にもたいへん有用なコマンドになる。ただし、配下ユニットを極限まで育成した場合には無価値になるコマンドでもある。
  他方でオウラコマンドは、大軍の侵攻に対して手駒の数が足りない時などに使える。実際、ゲーム中盤の危機的な状況を何度も救ってくれた。ただし、『巣作り』とは異なり、時間経過による侵入者撤退が無いようなので、戦力がろくに整っていなければ、単なる時間稼ぎにしかならないが。使えば必ず有利になるというわけではないので、使いどころをプレイヤーが見極める必要があるが、中盤から終盤まで、多くの場面で利用価値がある。
  ティーナコマンドは、マナ回復のペースを上げるうえで非常に役立つ。200ポイントのマナを貯めるのに、通常では最低でも3ターン掛かるが、このコマンドを挟めれば2ターンで全回復できる。小規模の敵軍が攻めてきた時にでも使えば無駄もない。ティーナが前線を維持できるほど育ってくれば、使う必要もなくなってくるが、ゲーム序盤から中盤でターン進行を早められるというメリットはきわめて大きい。
  ゲーム終盤では、エクリの戦闘力を上げておけば、敵軍を一掃できる強力な手札として機能する。序盤ではあまり役に立たないが、終盤で真価を発揮する。全体としてはターン無制限のゲームであるため、問題になるのはプレイヤーの実時間での効率であり、そこで一戦闘の時間を短縮できるは大きな強みになる。ただし、最終盤になると、たかだか3桁ダメージでは火力不足になってくるのだが。
  最終盤では、フレアコマンドも有力になる。Lv99配下を揃えて浮遊城と連戦するようになると、他のコマンドでは力不足になる。最前線の最強ユニットが陥落しないように全回復させる、あるいは少なくとも戦線に留まれる時間を延長させられるというのは、最終盤の激戦では状況を決定的に左右する。もちろん、ユニットに「エナジードレイン」「体力吸収」スキルを付与すれば継戦能力は上がるが、そのスキルの分をスペシャルコマンドが担ってやれば、敵殲滅のためのスキルを揃えられる余裕が出る。

  「グーガ」や「ラブカロリ」の「フルスイング」スキルがわりと厄介。どんなに強力なユニットでも、一時的に部屋から追い出されてしまう(リザーブ枠に戻されてしまう)ので、こちらの戦線に大きな隙が出来てしまう。対抗策としては、1)回避率を高めるか、2)先制攻撃で一撃撃破するしかないのだが、どちらも確率依存の処方にすぎないので確実ではない。3)特定の(少数の)主力ユニットのみに頼らないようにするというのも解決法ではあるが、それを実現するにはプレイヤーの実時間というコストが掛かる。

  十分に発達した浮遊城の軍勢では、前魔王は雑魚ユニットと識別できない。(第三法則ネタ)
  そのくらい、雑魚ユニットがどんどん強力になっていく。

  継承用汎用ユニットを、雇用した時点でのターン数でリネームしておくと、Lv30までのペースがおおまかに掴める。配置や戦闘相手によって変動するが、「学習帳」所持(+「学習」スキル)で魔王城と連戦していく場合、リザーブに置いたLv10のメイジ/メディックならば120-150ターン程度でLv30に到達する。ハンター/ランサー/ディフェンダーは200ターン近く掛かる。アサシン/フルアタッカーは250ターンほど掛かっている。各ユニットのレベルアップ必要経験値もいずれ確認しておきたい。

  ようやくオウラLv99到達。セーブデータに記録された経過時間で、約67時間(約3300ターン、3周目)。一時間あたり平均50ターンなので、AVGパートを含めても非常に高速にゲーム進行していることが分かる。攻撃力999になった配下ユニットは24体。最適化はしていないので、もっと効率的に育成することはできた筈。
  育成再雇用を繰り返して、所持金は底をついている。アイテムは「学習帳」553冊を筆頭に、大量に蓄積している。もっと売価が高ければ、資金繰りが楽になったのだが……。

  撤退イベントが難しい……。「暗闇」「針山」「砲台の幻影」を何度も通過させているのに、ちっとも撤退してくれない。「60%で撤退させる」はずの罠を10回も20回も通らせているのに、罠発動をMISSさせて平気で進軍してくるのは、確率的におかしい。乱数固定も疑って、攻撃マナ量やターンをずらしてみても、変わらない。汎用ユニットは素直に撤退しているので、ネームドには特殊な罠抵抗処理がある可能性も考えられるが、どうしようもない。あるいは、特定のステータス(現HP?)が一定以下でなければ、罠でも撤退してくれないのかもしれない。一フェイズで罠効果が発動する回数などに制限がある可能性も考慮して、エクリコマンドで雑魚を吹っ飛ばしても、結果は変わらず。なお、エクリのスペシャルコマンドで撃破するのは、捕獲してしまうから駄目。「退却誘導」付きユニットで撃破しても、捕獲してしまう。wikiを見ると、退却させる方法の一つとして「瀕死まで削る」と書いてあるが、育成しすぎたせいで細かなダメージ調整ができない。以前のデータを使って瀕死状態に追い込むのが良さそうだ。
  エクリとキュウリヒュウリのイベントは何度も試行してなんとか発生させたし、リバス撤退パターンは2周目にたまたま(意図せずに)発生したが、ラクリマが全然撤退してくれない。
  瀕死退却でなんとかイベント発生。

  十分に育成して、イベント進行フラグを把握していれば、一周回を1時間以内にクリアできる。

  スキル設定からして、こちらの軍勢が攻め込むパートもありそうだと思っていたのだが、結局そういうシチュエーションは無かった。『忍流』にはあったのだが。ちなみに、SHC作品はしばしばクオータービューを採用しているが、その配置は以下のようになっている。
- 『勇者砲』『門』『忍流』:左下から右上(自軍)への侵攻。
- 『アウトベジタブルズ』『Wizard's』:左下(自軍)から右上への侵攻。
- 『BB』シリーズ、『DC』:左下(自軍)と右上の衝突。
- 『王賊』:ヘックス制。どちらの方向にも向くことができる。
- 『グリンスヴァール』:右上から左下(自軍)への侵攻。
- それ以前(『巣作り』『アルフレッド学園』『真昼』)は、サイドビュー。
こうして見ると、ゲーム画面のレイアウト様式も変化していることが分かる。サイドビュー様式は、時代的、美意識的な事情でもあろうが、おそらくコスト面の問題でもある。

  キャラクターの位置づけによって原画を分担しているのは、良いやり方だと思う。イベントやキャラクターの重要度の違いや、立場(内的な意味でもメタレベルでも)の違いがはっきり分かる。とりわけ魔王軍側は、種族の違いをも表現することになり、たかとう氏の画風は、魔物というよりはどこ昆虫めいた不気味さを漂わせている。また、アラタ氏による配下サブヒロインズも、縁取りの濃いツリ目キャラたちによって、作品に新たな彩りを添えている。そして紅村氏は、露出の多いメインヒロインたちを担当することで、本作のヴィジュアルイメージの基調を形作っている。もちろんSHC以外でも、この種の原画分担は行われているが、AVGのありがちな「ヒロイン/サブキャラ」という単純な区分だけでなく、作中の立場に応じた視覚的表現の変化及び階層性を表現できるのは、厚みと機能的な複層性のあるSLG作品においてこそ有効であり、そして社会的な広がりをシミュレートするソフトハウスキャラにおいてとりわけ効果的に作用している。

  メイジ/メディック稼ぎをしていて、たまたま配下にランサーがいなくなったら、ランサーをLv10雇用できなくなった。他種ユニットでも同様の状況になったので、高レベル雇用はイベント進行フラグなどによって開放されるものではなく、雇用コマンドを実行する時点でその都度、レベルチェックを行っているようだ。もちろん、同種ユニットを再雇用して育成していけば、ふたたび高レベル雇用ができるようになるが、育成過程に無駄が生じるので、各種最低1体は高レベルユニットを保持しておくのがよいだろう。

  今回は、したたかなキャラが全然いなかったな……。ヒロインたちは誰も彼も「おばかだけどかわいい」路線を突っ走っていた。ルベラノーラやヒュウリが典型だが、それ以外のヒロインズもたいていこれだった。ミラも、真面目な騎士ではあるが周囲を掣肘することはあまりしておらず、むしろオウラやエクリにいろいろと翻弄されていたし、策謀家のラクリマも、あまり陰々滅々とした雰囲気にはならず、全体としてはコロナの相手役に落ち着いていた。そうした中で、唯一異彩を放ちつつもうまく馴染んでいたエクリが、wiki投票でも人気を博しているのは、故無いことはではない。

  数十個の魔弾を全身に浴びて、狼狽し恐怖するほどの強敵に「断末魔の悲鳴をあげ」させられる絶命経験を、何百回も繰り返させらるというのは、おそらく人間の心では耐えられないだろう。そんな目に遭っても、次のターンには平気な顔をして古城に乗り込んでこられる前魔王様の鈍感さ、もとい精神力には、さすが魔族と感嘆させられる。
  もっとも、『門』でも、優秀な指揮官が毎週毎週、同じ落とし穴に引っかかったりしていたが。単なる抽象的な駒ではなく、キャラクター性のあるユニットを用いるシミュレーションゲームが時折見せる、このようなごく些細なリアリティの裂け目は、そっと看過しておくべきだろう。

  全侵入者撃退のぎりぎりの瞬間にオウラのスペシャルコマンドを発動させたら、なにか不思議なバグが起きたりしないだろうかと、ちょっとわくわくそわそわしてしまったりする。それと、データ的にいけないことをして浮遊城を陥落させてみたらどうなるのだろうかという興味もあったり。

  999ユニット42体を揃えて、脅威値16000の状態で浮遊城へ最大威力の砲撃を仕掛けて、全侵入者を返り討ちにできたので、ゲームパートはだいたい満足。

  スペシャルコマンドは、最終的にはエクリが一番だろうか。タイミングを見計らって発動させれば、全侵入者にそれぞれ899-900の必中ダメージを与えられる。言い換えれば、999ユニット換算で40-60回程度の交戦ダメージを抑えられるし、敵撃破を早められる(=敵ユニット数を減らせる)ことで安全性も高まるし、「魔弾」の効率も上がる。侵入者が多ければ多いほど効果の上がるコマンドでもある。ターン回復する敵ユニットは前魔王やムージなどごく一部だけなので、無駄になる度合いも小さい。敵ユニットのHPは5000~9999になっているので、これのみでどうにかなるというものではないが、全体としては数十万ダメージを行き渡らせているので、効果はきわめて大きい。
  次点はオウラコマンド。魔力炉に侵入されたorされそうな時の緊急手段として、他の代えがたい強みがある。このコマンドも、これもタイミングを見計らって発動させれば魔弾の発動機会を増やせるというメリットがある。
  いずれにせよ、ターンを重ねていくと、彼我の攻撃力がじきにカンストしてしまい、ユニット単体のステータスではアドヴァンテージを維持できなくなり、したがって直接攻撃同士の衝突では消耗戦を余儀なくされる。ユニット数のうえでは自軍が最大119ユニットを出せるのに対して侵入者はせいぜい60ユニット程度なので十分余裕はあるが、全員を同時に出せるわけではないし、すり抜けスキルを持っている侵入者もいるので、一点突破で魔力炉にまで侵入される危険は残る。スペシャルコマンドは、そのリスクを下げることを意識して選択使用することになる。なにしろ、最終盤では、敵ユニットの攻撃力がカンストしており、魔力炉を2発も殴られれば即ゲームオーバーになってしまうので。また、直接攻撃同士ではつぶし合いになってしまうという点から、一方的にダメージを蓄積できる間接攻撃スキルに、大きなメリットが出てくる。

  ティーナ「(前衛ユニットたちが)おちるっ、おちるぅぅっっ!!!
       おちちゃうううううううっっ!!」

  その職業にしかないスキル同士を、複数のユニット同士で持ち合うには、第三者を介さなければいけない。ユニットA(スキルα所持)とユニットB(スキルβ所持)の双方が、ともにスキルαとβの両方を持つようにするためには、「ユニットA1からユニットCにスキルαを継承」「ユニットB1からユニットA2にスキルβを継承」「ユニットCからユニットB2にスキルαを継承」というプロセスを経る必要がある。継承できるスキルは一度に一つだけなので、複数のスキル、複数のユニットを育成しようとする場合、その分だけ介在ユニット(上記ユニットC)の手駒が必要になる。
  各ユニットに最低限行き渡らせておきたいスキルは、「エナジードレイン」(シェルフ/メイジ)、「必殺技」(ユニ/アサシン)、「追尾する魔弾」(学炎生)あたり。「防御固め」(蛇姫様)、「急所突き」(ユニ/ランサー)、「ジャンプ」(スマキちゃん/ランサー)もあると嬉しい。とりあえず上位3種のみで考えて、これらを可能なかぎり多くのユニットに持たせようとすると、119ユニットのうち116ユニットまでは直接継承で3つのスキル全てを獲得できる。そして最後の3ユニットがこれらのスキルを初期保有/自然習得するユニットになるが、この三者間では2ユニットまでは3つのスキル全てを獲得できる。そして最後の1ユニットは、自己保有のスキル1つだけを持つ。つまり、119ユニットのうち118ユニットまでは、任意の3種のスキルを行き渡らせることができる。
  4つのスキルを行き渡らせようとすると、それらのスキルを自己保有する4ユニットを最後に残すことになる。最後の4者間での受け渡しは、最後の一枠を4種類のユニットでひたすら育成継承させていけば、他の3ユニットに4種類のスキルを獲得させることはでき、最後にそのユニットは自己保有のスキルのみで育成完了する。実際には、保有数制限のある魔物系ユニット(学炎生など)が、最後の一ユニットになる。5つ以上のスキルでも、同じようにしていけば、最後の1ユニット以外は、原理上、望むかぎりすべてのスキルを獲得することかできる。もちろん、要求数が増えれば増えるほど、育成の無駄が多くなるが。
  上の話は間違い。魔物系ユニットは、固有1体+汎用3体までという制限があるので。

  「学炎生」という文字列を見る度に、なぜか「極上生徒会」という言葉を思い出す。

  フレアを含む3ユニットをオールカンストさせて入り口の三人部屋に置いておくと、浮遊城を最大威力で砲撃した侵入者たちを相手にしても最後まで落ちない。4フェイズ毎に2499回復、つまり1フェイズあたり600以上回復し続けるわけだから、毎フェイズ999ダメージを受けるとしても26-27フェイズほど保つことになる。さらに「エナジードレイン」などの回復スキルを持っていれば、ほぼ完璧。もっとも、そこまで育成するには、一人あたりざっと400人以上を引退継承させる必要があるが。

  なお、引退継承によるステータス上昇分は、継承先ユニットの元々(素)のステータスとは別にキープされているようで、それをさらに別のユニットに継承した場合でも、損にはならない。例えば、Lv30ランサー同士で継承させた時にHPが60増えるとすると、ランサーAからランサーBにステータス継承させるとHP+60。さらにランサーBからランサーCに継承させると、ユニットBからの継承分(+60)と、先のAからの継承分(+60)で、ユニットCはHP+120になる。だから、多重継承させてもデメリットはほとんど無い。ただし、スキルは一個しか継承させられないが。
  試しにどんどん継承させてみると、HPと攻撃力をカンストしたキャラをようやく10人作れるくらいになっていた。まだまだ少ない……。

  アップデートパッチV.1.01。修正項目に「ユニット『フォーン』の固有スキルが固有にならない不具合を修正」とあるが、これで「多段攻撃」が継承できなくなるのだろうか? また、もしも、すでに継承させた「多段攻撃」スキルが消滅させられるとしたらもったいないと感じる。未適用のままでもデメリットはほとんど無いし、ひとまずパッチは保留しておこうかな。