『終末のイゼッタ』版のプラモデル、Bf109 E-4とJu87 B-2。
メーカーはハセガワ。スケールはどちらも1/48縮尺。
これはこれでアリだと思う。
1) 既存スケールモデルキットからのヴァリエーション展開なので、ディテールなどの品質はそれなりに保障されている。ただし、元のキット自体がかなり古いものである場合もある。
2) スケモの流儀で作れる。つまり、スケモ制作ノウハウの莫大な蓄積が利用できる。ディテールについては、史実の機体に関する情報も参照できる。ただし、アニメ風に作ってみたいという気持ちもあった。黒い輪郭線を強調するようなスミ入れをしたり、アニメ調の色彩感に寄せて作ったりしたら、それはそれで刺激のある作品になったかもしれない。
3) これら二つのキットに関して言えば、1/48スケールなので構造も比較的シンプルであり、また、塗装に関しても、直線的な塗り分けのみなので、制作の敷居は低い。例えばモトリング(斑点模様)のような複雑な迷彩があるわけではない。模型制作経験の乏しいアニメファンでも、丁寧に塗り分けしていけば、それなりのもの(下記写真程度のもの)は作れるだろう。
4) 作品中で描かれているマーキングなどが、専用デカールで用意されている。これらを自力塗装で再現するのはかなり難しいので、これはこれでありがたい。
そんなわけで、エアクラフトキットを作り慣れていない私でも、わりと楽しんで制作することができた。Bf109の方は、ストレートに作るだけならば難しいところは無い。ただし、尾翼の支柱をきちんと接着して、尾翼を水平に接着固定するのには、いささか難渋した。
Ju87の方は、先端部(エンジンカバー部分)を胴体に接着するのがちょっと難しかった。接着面をきれいにするのが大変だし、大きなパーツを斜めに接着するので位置固定にも多少苦労した。また、キャノピーを塗装する際に、エアブラシの塗料が内側に回り込んでしまい、クリアパーツをかなり汚してしまった。
Bf109 E-4(ハセガワ、1/48スケール、『終末のイゼッタ』版)。隊長機(バスラー機)として塗装したが、インストには汎用機としての塗装指定も併記されている。
Ju87 B-2(ハセガワ、1/48スケール、『終末のイゼッタ』版)と並べてみる。Ju87の方も、インストの指定どおりに制作した(全塗装、デカール、スミ入れのみ)。あくまで既存スケモキットからの派生展開なので、製品化はかならずしも作中での活躍度合いと連関しない。
Ju87の全体像。同梱のデカールには、キャラクターイラストも含まれている。特徴的な逆ガル翼も、見た目の面白さがある。
コクピット付近の様子。キャノピーは開閉選択式で作れるが、いささか位置固定が難しい。
三面図ではコクピット付近の迷彩の形状が分かりにくいので、参考までに。左記写真は左側から。架空世界設定ではあるが、キットのインストの塗装指定は、実在した(史実の)同機の迷彩をおおむね踏襲している。
右側から。ちゃんと映像と比較したわけではないが、アニメ版の描写でもこのとおりの迷彩形状になっている筈。
胴体部分と主翼パーツを接着する際に、パーツ位置が固定できない。左記写真のように、主翼側にランナーを設置しておくと、台座としてちょうどよい高さで固定できた。また、主翼の内部もただの空洞なので、内部に補強板を張り付けておく方がよいかもしれない。