2018/07/03

メカ少女プラモのプロポーション

  近年のメカ少女プラモデルについて、各キットのプロポーションを測ってみるなど。
  (※スリーサイズの話ではありません。)

- メカ少女プラモ分野の概観
- プロポーションの比較
- データ:各部の長さ
- 雑感
- 造形上の共通点
- 追補1:「KOS-MOS Ver.4」
- 追補2:Figure-rise Standardシリーズ
- 追補3:「バーチャロイド」シリーズ
- 追補4:AZONEの1/12ドール
- 追補5:小サイズのキャラクターモデル
- 関連商品の広がり


  【 前提となる話:メカ少女プラモ分野の概観 】

  ここ数年、プラモデルメーカー各社から、若年人間女性タイプの組み立てプラモデルキットがいくつも発売されている。

  2018年現在、日本国内の主要なシリーズとしては、KOTOBUKIYAの「フレームアームズ・ガール(FAG)」シリーズと「メガミデバイス(MD)」シリーズ、VOLKSの「FIORE」シリーズ(VLOCKer'sシリーズの一部。現在1タイプのみ)、AOSHIMAの「ヴァリアブルファイターガールズ(V.F.G.)」シリーズ(現在1タイプのみ)が市販されている。歴史的には、00年代のうちから「バーチャロイド」シリーズや「ホイホイさん」といった女性型ロボットキャラクターの可動プラモデルもすでに存在していたが、それらとは異なった要素が多々見出される。

  これら各社のメカ少女プラモデル製品には、以下のような特徴が共通している。
- 組み立てプラモデルである。ランナーからパーツを切り離してユーザーが組み立てる。
- 若年人間女性を模しており、しかもいわゆる「萌え」志向のデザインである。
- サイズは15cm程度。人間のミニチュアだとすれば、1/10から1/11程度の縮尺になる。
- 全身の各部関節が比較的柔軟に可動する。固定ポーズのキットではない。
- フェイスパーツがあらかじめ印刷されている(両目やチーク)。
- 日常的な人間の像そのままではなく、武装したメカ少女の体裁を取る。
- さらに別売りの拡張パーツ(武器や装甲など)と積極的に連携しているものも多い。
- 元ネタがある場合もあるが、キットのキャラクターそれ自体はオリジナルのものである。
- 基本的には、2015年頃からの流れであると解される(FAG「轟雷」が2015年5月発売)。
- 価格はやや高めで、ベーシックなものでも税抜定価3000円台後半から。上は9000円程度。

  他のメーカーでも、同様の路線の企画が開発されつつある(例えば「チトセリウム」)。また、デフォルメ(SD)タイプの製品や小サイズのガチャガチャ製品にも、可動美少女組み立てプラモデルが現れている(※例えば「デスクトップアーミー」「換装少女」:後述)。さらにドールや可動フィギュア(アクションフィギュア)にも、これらと連動する動きが現れている(――歴史的に先行していた「武装神姫」、豊かなラインアップを擁する「figma」など)。BANDAIにも、「Figure-rise Standard」を初めとして、HGBFの一部製品(いわゆるMS少女タイプの武装少女プラモデル)や、「アーマーガールズプロジェクト」(AGP、完成品のメカ少女可動フィギュア)などのラインアップがある。

  こうした「メカ少女の関節可動プラモ」の枠組を超えて展望すれば、人間タイプのミニチュアモデルには、さまざまな製品が存在する。例えば、伝統的なドール分野や一般的な完成品フィギュアがあるし、食玩やガチャガチャのキャラクター製品や、スケールモデル分野の乗員モデル(しばしばレジン製の乗員モデルやジオラマ用モデル)もある。また、組み立てプラモデルのカテゴリーでも、BANDAIの「Figure-rise Standard」シリーズのように、マッシヴな男性キャラクターや異種族(異星人)キャラクターなどを含んでいるものがある。さらに、ポーズ固定の胸像タイプや、デフォルメ(いわゆるSD)デザイン、私家製キット、等々、大小さまざまなサイズの人型模型が存在する。
  その一方で、10年代半ば頃からプラモメーカーやフィギュアメーカーが若年人間女性(美少女)タイプの組み立てプラモデルを競って開発・発売しており、ホビー誌で特集されるまでに注目を集めるようになっている。この記事ではさしあたり上記の「メカ少女」の新潮流に注目する。

  このブームが発生し成長した原因としては、様々な要因が考えられる。例えば:
- プラモデル(インジェクションキット)製造技術や関節設計技術が高まったこと。
- メカ少女を立体物としてデザインできる人材が増えてきたこと。
- メーカーがロボット模型やスケールモデル以外の道を模索した。
- フィギュア分野の高額化(5000円前後のミドルプライス市場がニッチ化した)。
- ドール分野からのセンスやノウハウの流入。
- ミリタリー趣味(兵装知識)がオタク文化への浸透と拡散を進めたこと。


  【 調査趣旨:プロポーションの比較 】

  ともあれ、文化乃至市場の詳しい分析は他に委ねるとして、本稿では各社のメカ少女プラモを比較する際の一つの視点として、各キットの人体プロポーションの違いに目を向けてみたい。各キットがすべて「若年人間女性」を模したキャラクタープラモであることから、その身体各部の数値上のバランスを抽出して比較することが可能であるし、また、それは各キットのコンセプトとも結びついていると考えられるからだ。

  とはいえ、全てのキットのプロポーションを詳細に計測するのは、筆者の手に余る。ひとまず調査の端緒として、手許にあるいくつかのキットを測定した。使用したのは下記のとおり、3社からリリースされた4種類のキットを参照している。

左から「メガミデバイス:ロードランナー」「V.F.G.:ジークフリード」「FAG:バーゼラルド」「FAG:白虎」。ロードランナーのみは約14cmだが、それ以外はおおむね15cm程度の高さになっている。
さしあたりバーゼラルドの頭頂部、肩口、股間、膝関節に注目して、水平のラインを引いてみる。左端の「ロードランナー」は別枠としても、3つのキットのプロポーションはそれぞれかなり異なっているのが分かる。特に腰の高さは、違いが目立つ。
「ロードランナー」の写真を拡大して、同等の身長に見えるように加工した。他の3つのキットとは趣を異にするプロポーションであるのが見て取れる。特に脚部が短く、胴部が長い。


  【 データ:各部の長さ 】

  さらに、各キットの各部のサイズを簡単に測定してみた。ただし、手作業と目視でごく大雑把に測ったものであり、けっして厳密なものではない。さしあたり参照したのは、KOTOBUKIYAの「FAG:マテリア(Normal ver.)」、「FAG:白虎」、「FAG:バーゼラルド」、「MD:ロードランナー」、それからVOLKSの「FIORE:プリムラ(ビクトリア)」、AOSHIMAの「VFG:ジークフリード」の計6キット。MDのロードランナーのみは身長が大きく異なるので、参考までに140mmを150mmに換算した数値も併記した。

製品名頭頂高頭部胴部腕部脚部腿/脛
マテリア15524495590 (76)腿44/脛45
白虎15425475893 (83)腿39/脛52
バーゼラルド15022435291 (78)腿42/脛49
プリムラ15220435590 (84)腿37/脛50
ジークフリード15122465892 (82)腿41/脛50
ロードランナー
(※150mm換算)
15021.546.153.682.5 (75.0)腿37.5/脛43.9
ロードランナー14020435077 (70)腿35/脛41

  1)頭頂高は、非武装状態で、つまり人間型の身長として計測した。キットによっては、ハイヒール型デザインになっていたり(バーゼラルドとプリムラ)、人間らしくない形状の脚部だったりする(白虎)が、ヒール部分を差し引くことはせず、そのまま計測した。なお、キットによって首の長さなどが異なるので、以下の「頭部」「胴部」「脚部」の数値を合算しても頭頂高とイコールにはならない。
  2)頭部は、頭頂部から顎先までの長さ。実際にはヘアスタイルによってかなり左右されるので、あまり意味は無い。
  3)胴部は、上腕パーツ上端から股間先端までの垂直の長さ。胴体側の肩パーツは、キットによっては大きく盛り上がっていたりするので、そこから測るとニュートラルな比較が出来ない。
  4)腕部は、肩から外した腕部パーツ全体の長さ。まっすぐ伸ばした手先パーツの先端までを測った。ただし、「白虎」は装甲が一体化して盛り上がっているため、公平な比較ができない。「白虎」については、装甲を外した肩の上端とおぼしき位置に見当を付けて測った。
  5)脚部は、外した脚部パーツの長さ。つまり、上端から踵までの長さ(※前述のとおり、ヒール部分を含む)。完成状態で見えている範囲ではない。もちろん、非武装状態での計測である。括弧内の数値は、股間先端から踵までの長さ、つまりヒールを除いて完成状態で実際に脚部として認識される長さ。上記「白虎」はメカ脚であり、「ジークフリード」と「バーゼラルド」はハイヒール状、「ロードランナー」は素足のように平たくなっている。
  6)脚部詳細情報。上の写真を見ても分かるように、脚部は膝の上と下(太腿と脛)の比率がそれぞれ異なっている。そのため、もう一つ項目を設けて情報を併記した。腿パーツと脛パーツの長さを、それぞれのパーツで計測した。ただし、上述のとおり、ヒール部分も含めて測っているので、素足としてのバランスをそのまま反映しているものではない。また、膝関節の部分は含まないので、腿パーツと脛パーツの長さを加算しても脚部全体とは一致しない。特に「白虎」は、太腿と脛の端を識別することが困難な造形になっているため、一般的に「太腿」「脛」と認識されるであろう範囲をおおまかに測定した。


  【 雑感 】

  まずは身長について。大半のキットは約15cmに揃っている。現代日本の成人女性(平均154cm程度)を念頭に置いた縮尺モデルだとすれば、約1/10のスケールということになる。また、約14cmのロードランナーであれば、1/11程度ということになる。現在日本国内で市販されている1/12スケールのドールも、実際にはこれらにほぼ等しいサイズであり(つまり、事実上1/12から1/10のスケール)、そのため小物類や布製衣服などがおおむね流用できる。ただし、FAGもFIOREもVFGも、製品情報としてはいずれもノンスケール扱いとしている。MDのみは、プラモのサイズがそのまま実寸(原寸)だという設定になっている。
  15cmと14cm、ほんの1cmの違い(約7%の違い)とはいえ、その影響は大きいようである。ディテールの密度やスケール感、関節部の強度、内部機構を設けられる余裕、そしてユーザーで手に取った時のボリューム感と重量感、等々。
  これ以上大きくするのが難しいという側面もあるかもしれない。キットのサイズを大きくするということは、表面造形と内部構造の双方にとって好都合であるが、その一方で、いくつもの問題も引き受けることになる。例えば、関節保持力の問題。あるいは、単純にコスト増加(価格上昇)の問題。また、表面の拡大により、空疎感を生じる危険が増していく。さらに、サイズが大きくなるにつれて、ミニチュアプラモならではの「見立て」に頼ることができなくなっていく。つまり、現実ベースの説得力(リアリティ)が要求されるようになっていく。とりわけ着衣表現の自然さや頭髪ディテールの巧みさが求められるようになっていく。

  各部のバランスや全体のプロポーションは、キット毎にかなり異なっている。例えば同一メーカーの同一シリーズの中でも、FAG「マテリア」は比較的均整の取れた細身の身体だが、太腿はやや長めになっている。「白虎」は脚部と腕部が大きめ(肉付きが良く大ぶりに)になっており、健康的によく発育したボディラインを形成していると言える。さらに「バーゼラルド」は、上半身は小ぶりに引き締まっているが、脚部は他のキット並に長くなっており、全体としてはかなり特異なシルエットになっている。「バーゼラルド」は、表情パーツを見るにおそらくシャイで小柄なキャラクターイメージを想定しているように見受けられるが、その一方で上半身(背中)に巨大な武装パーツを背負うため、下半身を貧弱に見せてしまわないように、脚部を長くしたのかもしれない。人体部分のみで見ると太腿がやけに長く見えてしまうが、武装状態で最も見映えを良くすることを優先して調整されたプロポーションであろうと推測される。もちろん、個々のユーザー(モデラー)としては、脚部短縮工作を施して、人体部分のみでバランス良く見えるようにプロポーション改修をしてもかまわない。プラモデルならではのそうした自由さを、メカ少女プラモも享受している。
  脚部の長さおよび形状は、下半身のデザインや可動範囲の確保と結びついている。「マテリア」では、股間のVラインが大きく切れ上がって開けているため、太腿を大きく曲げることができる。「白虎」では、可動範囲はあまり大きくないが、ヒップから太腿へのシルエットがきれいにつながることが意識されているように見受けられる。ちなみに、白虎の脛が長いのは、靴のような装甲パーツを履いているためであり、それを除けば脚部のバランスは他のキットとあまり変わらない。
  FAGシリーズは、原則として、元となるロボットシリーズ(※ガールではない「フレームアームズ」シリーズ)が存在する。FAGはそれらのロボットを擬人化したものだとされている。そうした経緯もあって、FAGシリーズの各キットは、大掛かりな武装パーツが同梱されていたり、機械的なディテールが造形されている。部分的には、擬人化デフォルメというよりは、義体装備にすら見えるほどだ。また、FAGの主要ラインアップ(「スティレット」「イノセンティア」など)は、他社製品と比べて顎が尖っている。言い換えれば、頬が引き締まっている。こうしたところにもメカ少女らしい機敏さが表現されているようだ。
  ともあれ、FAGとMDの二つのシリーズを擁するKOTOBUKIYAは、近年の美少女プラモ文化を牽引している最前衛に位置しており、個々のキットを構想するに際しても複数のデザイナー(イラストレーター)が起用されている。FAGシリーズの多様性はメーカーの位置と人材の豊かさに支えられており、今後は他社のメカ少女プラモ製作も、人材と技術の蓄積によってさらに造形上の――そしてプロポーションの――ヴァリエーションを広げていくと思われる。
  ここで紹介してきた一連のシリーズ以外にも、KOTOBUKIYAは「ゼノサーガ KOS-MOS」シリーズ(後述)や「ファンタシースターオンライン2 シキ」(朱鬼姫藍鬼姫)、「レイキャシール」シリーズ、「Z.O.E. ドロレス」などで、1/12スケール相当の武装少女乃至メカ少女の可動プラモデルキットの設計および製造をくりかえし試みてきた。現在のFAGやMDの魅力および品質は、こうした試行錯誤と技術的蓄積が実を結んだものだろう。

  VOLKSの「FIORE:プリムラ」は、意外にもバーゼラルドとプロポーションが近い。胴体部分は比較的簡素な筒状のデザインで、ストレートに引き締まったシルエットになっているが、それに対して脚部は長くきれいに伸びているので、かなりスポーティな印象を受ける。幼げな丸顎デザインであるため、上記データではかなり小頭のようになっているが、頬がふっくらしているので、頭部(顔)にも十分な存在感がある。手首パーツは上下それぞれ90度まで曲げられるので、そのぶんポージングの幅も広い。
  ただし、脚部に関しては、先述のようにヒールの問題がある。ハイヒールのように踵の高い形状になっているので、その部分の捉え方によって印象が変化するだろう。現実の人体に相当する構造を想定するならば、ヒールの分だけ足が長く伸ばされている(本体の脚部はそれほど長くない)ということになるし、ヒール部分もこのキャラクターの一部だと捉えるならば、見た目どおりに脚部が長くスラリとしていると言える。ハイヒールの問題は、FAG「バーゼラルド」やVFG「ジークフリード」にも当てはまる。
  プリムラは、VOLKSの組み替えプラモデル「VLOCKer's」シリーズの一部である。このシリーズには、鎧や大斧、さらにはドラゴンのような羽根までラインアップされており、かなりファンタジー寄りの雰囲気が強い。それに対して、銃器のような近代兵器はあまり含まれていないようである。こうした点に鑑みても、「プリムラ」はメカ少女としての性格はやや希薄だと見てよいだろう。胴体はきれいに引き締めつつ、四肢は大きく発達させているこの「プリムラ」のプロポーションは、その名のとおり、見映えのする華やかさを湛えている。つまり、キャラクター単体としてダイナミックなポージングをさせても見映えがするようなダンサー向きの体型であり、そして同時に、巨大なファンタジー風武装を着込んでもキャラクター部分が埋もれてしまわないような派手なカラーリングを施されている。
  ただし、パーツ嵌め合わせの正確さや関節部の頑健さに関しては、いささか心許ない。デザインや拡張性はともかく、可動プラスチックキットとしての品質に関しては、他のメジャーなプラモデルメーカーに一歩譲るところがある(――それを補って改良するのは、モデラーの腕前の発揮しどころであるが)。
  VOLKSは、プラモデルよりもレジンキットの製造販売に大きなウェイトを置いているメーカーであり、「カスタマイズフィギュアセット」シリーズでは関節可動のレジン製キャラクターキットもリリースしている(※関節部分はポリエチレンか。サイズは20cm程度であり、1/8スケールに近い)。

  AOSHIMAの「ジークフリード」も、基本的なプロポーションは上記2社と似通っている。つまり、上半身はコンパクトにしつつ、腕はほっそりとして、脚部はかなり大きめに作られている。ただし、肩幅は狭めなので、モデル体型とは言えない(※ちなみに、ドールの素体は、肩幅が広めに作られており、着衣時に堂々とした広がりを見せるようになっている)。
  このキットの場合は、アニメ『マクロス』の可変戦闘機――戦闘機型やロボット型に変形する――と組み合わせることを念頭に置いた設計になっている。そのため、少女部分(素体部分)のプロポーションやギミックにも、それに合わせた要求や制約があると思われる。しっかりと伸びた長い脚部も、きれいに上体を反らせるような胴体機構も、適度な長さの腕部も、戦闘機にまたがって乗りこなしたり、あるいは戦闘機パーツを着こなしたりするのにちょうど良いバランスになっている。
  もう一つの特徴は、ボディラインにある。着衣は水着をモティーフにしていると思われ、胴体部分はライン状の模様が入っているのみで、機械的なディテールはほとんど入っていない(※首元や四肢には無機的金属的な造形表現がある)。そのうえさらに、胸部前面にはかなり大きなボリュームがあり、腰周りも後ろに尻を突き出しているかのように大きく膨らんでいる。ライトブルー基調の爽やかなカラーリングにもかかわらず、全体としてはかなりボディコンシャスな肉感性が表現されている。このキットがこのようなプロポーションを持っていることも、戦闘機を着込む半擬人化アイテムとしての成り立ちと関連しているだろう。バストの膨らみは、ボディ前面の青いラインを単調にさせず、立体的なメリハリをつけるための対処だと考えられるし、また、ヒップの膨らみは、戦闘機に騎乗した状態(「ガウォークモード」)で前傾姿勢のシルエットを魅力的に見せるための、全身のプロポーション調整の一環だと考えられるからだ。
  上記FAGシリーズの多くが、少女と機械部分が一体化した擬人化(または義体化)を志向しているのに対して、このVFGキットでは、少女と機械部分(戦闘機パーツ)とが完全に分離するデザインになっている。このキットの人体部分のボディコンシャスネスは、「キャラクター部分単体として、アイキャッチのある魅力的な人体を造形すること」と「戦闘機パーツと組み合わせる際の見え方を最適化すること」の双方の考慮の微妙なチューニングのうえに成立している。

  KOTOBUKIYAの「ロードランナー」は、他のシリーズと比べると、脚部がやや短め(リアル)になっている。また、可動確保のために肩パーツが盛り上がっているせいもあり、かなり胴長に見える。ただし、このバランスは、14cm級キットだからこそ可能になっていると言うべきかもしれない。15cm級キットでこれと同じプロポーションにしたならば、胴体部分があまりにも間延びして見えただろう。それに対して、この14cm級キットのシリーズでは、胴体をあまり小さくしすぎると、ボディの存在感を失わせて逆効果になったのではないかと思われる。


  FAGシリーズは、ロボット「フレームアームズ」の擬人化版であり、それに対してFIOREはファンタジー寄りのオリジナル人型ボディであり、VFGは「MS少女」ライクに武装を着込んだり乗り回したりするデザインになっており、さらにMDシリーズは1/1スケールの小型アンドロイドという設定である。このように各社各シリーズのコンセプトは異なっており、それに応じて個々のキットのプロポーションにも変化がある。とはいえ、完全なロボットではなく人間(若年女性)らしい顔面と頭髪、素肌の太腿などを露出させているという点で、その趣向はかなり共通している。


  【 造形上の共通点:肩口と太腿 】

  先にも述べたように、これらのメカ少女プラモの肩は、胴体から腕が突き出すような作りになっており、現実の人体のような肩口のなめらかなラインは表現できていないし、また、肩幅が極端に狭いシルエットになっている。これは、可動プラモならではの限界だろう。唯一の例外はFAG「白虎」で、肩口全体を球状の装甲で覆うことによって、胴体と肩口の間の隙間を無くし、さらに肩幅を広く見せて上半身のボリュームを増し、全体を魅力的なシルエットに仕上げている。
  ただし、解決法が無いわけではない。AZONE Inernationalの「ピコニーモ」シリーズのドール素体では、胴体と肩の間にもう一つパーツを挟んで、肩のラインがなめらかにつながるようにしている。ユーザー(モデラー)側でも、多少の技術があれば実行可能な対処である。
  そもそも、ドールの球体関節構造それ自体を楽しもうとするフェティシズムもある。それと同じように、メカ少女プラモ分野でも――上記の義体趣味とともに――関節露出に対する偏愛が生まれている、ということもあるかもしれない。そうした場合には、肩口の武骨な構造も、むしろ人工物らしさを表現する記号の一種として積極的に捉えられ(てい)るかもしれない。
  また、肩関節の強度を確保するという考慮もあるのかもしれない。メカ少女プラモの大半は、肩口(上腕)部分を素肌色のABS製パーツで構成している(※例外はFAGの「バーゼラルド」と「白虎」のみ)。ユーザーが様々なポーズを取らせたり大きな武器を持たせたりすることを想定しているため、肩関節の保持力はキット設計上、きわめて重大な関心事であると思われる。

  太腿パーツと脛パーツの長さの比率は、どのキットも五分五分に近い。太腿を控えめにして、脛をスラリと長くした方が、一般的な「美脚」イメージに沿うように思えるが、各社の美少女プラモがそうなっていないのは何故だろうか。考えられる理由としては:
1) 股関節の可動確保のため、太腿の長さに余裕を持たせる必要がある。
2) 太腿に武装等を装着させることを想定しているため、太腿のあたりに余裕を持たせている。
3) メカ少女の中で、人間的な素肌を露出できる貴重な部位だから(MS少女以来の伝統)。
4) 脚部全体が十分に大きいので、脛の方をこれ以上伸ばすとバランスがおかしくなる。
5) 太腿の上半分と下半分で色を変えている(構造上の要請でもあろう)ので、長くてもよい。
想像できるのは、このあたりだろうか。
  各社のキットを見ると、FAGシリーズは「バーゼラルド」以外の全てのキットが、太腿の上半分を素肌カラーにしている(※バーゼラルドも、タイツの色になっているので、意味合いとしては素肌にかぎりなく近い)。VFGとFIOREも、太腿上半分は素肌にしている。MDの各キットも、太腿の上半分は素肌であるか、あるいは少なくとも素肌にできるようなパーツ差分を同梱している。太腿の上半分を素肌のままにしているというのは、いわゆる絶対領域趣味でもあろうが、股関節可動を確保する都合上、太腿パーツの上端には機械的なディテールを盛り込むのが難しいという事情もあるかもしれない。太腿の上側はシンプルなままにしておく必要があるが、メカ色単色のままでは間が保たないので、そのあたりを素肌とすることで、問題を解決しているのかもしれない。ただし、「レイキャシール イエローブーズ」のように太腿をブラック(スパッツ風)、膝と脛をフレッシュ(肌)の色にしているキットもある。


製品名頭頂高頭部胴部腕部脚部腿/脛
KOS-MOS ver.415819415193(83)腿44/脛50
18号14724435280 (76)腿37/脛43
ガラヤカ14054 293756 (54)腿19/脛36
ルルディス
(Mサイズ素体)
14923 404777腿39/脛36

※KOS-MOSは、アホ毛を除外している。ハイヒール着用。
※人造人間18号は、靴を履いている。
※ガラヤカは、帽子部分を含む。

  【 追補1:KOTOBUKIYAの「KOS-MOS Ver. 4」 】
 
左から「KOS-MOS Ver. 4」(Extra coating edition)、FAG「イノセンティア」、MD「朱羅 弓兵」。いずれもKOTOBUKIYAのプラモデルキット。
2012年発売のキットであるが、ディテールもきちんとしており、着衣などの質感表現も凝っている。プラモデルキットとしての「ver. 4」ではなく、原作ゲームシリーズに登場する「ver. 4」という状態をキット化したものである(※「ver. 1」のキットも発売されている)。
通常版とは異なって、この「Extra coating edition」では、大半のパーツがランナー状態で塗装されている。さらに、一部のパーツはあらかじめ多色塗装されている(写真中央)。

  プラモ&フィギュアメーカーのKOTOBUKIYAは、この記事で紹介してきたFAGシリーズやMDシリーズを発売する以前から、いくつもの可動キャラクタープラモデルを手掛けてきた。その中には、「一撃殺虫!!ホイホイさん」シリーズ(プラモデル発売は2009年から)や「侵略!?イカ娘」(2012年発売)のようなSD寄りの低等身キャラクターも含まれるが、同時にこの「KOS-MOS」や「レイキャシール」シリーズのような人型プロポーションのキットもいくつもリリースしている。

  上記写真の「KOS-MOS ver.4」は、2012年発売とのこと。近年のメカ少女プラモと比較すると、以下のような特徴がある。まず、共通点としては:
- 1/12スケールのメカ少女(アンドロイド)のキット。ハンドバルカンなど、武器類も豊富。
- 全身可動の組み立てプラモデル。
- いくつかのパーツは塗装済み(フェイスパーツを含む)。
- 明確に原作のあるキャラクターを立体化している。

  6年前の発売とはいえ、かなりの力作キットであり、見るべきところは多い。フェイスパーツがプリント済みで、しかも複数(4個)封入されている。これは「ホイホイさん」の頃からの流儀だが、このキットでは赤目と青目の両方が提供されており、原作劇中での変化を再現することができるという明確なプレイバリューにも結びついている。
  細かなパーツ分割によって無塗装でも設定どおりのカラーリングが再現できるようになっているのは、今世紀のキャラクタープラモの通例であるが、さらに、同年に追加発売されたこの「Extra coating edition」では、大半のパーツがランナー状態で塗装されている。ホワイトはパール塗装されているし、ゴールドのパーツもきれいに輝くし、肌のパーツはツヤ消し処理が施されている。そのため、ユーザーは塗装しなくても、指定どおりに組み立てるだけで美しい色合いの可動キャラクタープラモを手に入れることができる(――ただし、ゲート跡はプラが剥き出しになるので、補修塗装が適宜必要になる。また、スケールモデル分野でも、AOSHIMAの一部のカーモデルなどが、プリペイントモデルを発売している)。

  プロポーションに関して。胴体が細く引き締まっており、脚部が長く伸びているという点では、モデル的プロポーションで形作られている。特に下腿部がかなり長く、爪先までのきれいな直線を形作っているが、人体のプロポーションとして考えると、極端に脚部が大きく長い。ただし、これは部分的には、原作ゲームのプロポーションに由来するところがあると思われる(※原作ゲーム版に当たっていないので、検討を要する)。また、巨大なガトリング砲を左右2丁構えることを考慮したバランスでもあるだろう。
上記写真を見ても分かるように、極端な小顔である。小スケールの萌えキャラプラモでは、顔が小さすぎるとキャラクターの表情が見えにくくなるので、不利に作用する可能性がある。ただしこのキットの場合は、胸部のきらびやかなデザインのおかげで鑑賞者の視線を上半身に向けさせるし、小顔のおかげでこのキットの密度感がより良く印象づけられる。
  なお、このキットは明示的に1/12スケールを称している。身長設定は167cmであるらしいので、約13.9cmになる筈のところ、キットの実寸は16cm近い高さがある(※上記写真では、「イノセンティア」にほぼ等しい)。ただし、前髪の盛り上がりとハイヒールの分を差し引けば約14cmとなるので、本体部分はほぼ正確な1/12スケールであると言える。

  現在の目から見ると、至らない点もある。例えばパーツの嵌め合わせがかなり固いことや、自立がほぼ不可能なこと、特に膝関節が緩いことなど。しかしながら、立体化を本来想定していなかったと思われるゲームキャラクターを、そのデザインを維持しつつ精緻なプラモデルキットに結実させた技術といい、極端な小顔の特異なプロポーションの美学といい、ランナー塗装済みキットならではの敷居の低さといい、そしてメカ少女プラモデルの先行者としての歴史的な位置づけも含めて、たいへん興味深いキットである。

  KOTOBUKIYAは、この「KOS-MOS」キットに先立って、同じく『PSO』シリーズを原作とする「レイキャシール」シリーズを、2011年から順次キット化していった。サンプル等を見るかぎりでは、「柔軟な全身可動(例えば胴体反らしの自然さや、太腿パーツの内股部分を抉ってあるところ)」、「典型的なロボット少女(人間らしい顔立ちではなく、明確にメカフェイス)」、「意外なほど明るいカラーリング(※原作由来のものだが)」、「頭部やフェイスの豊富な差し替えパーツ(キャラクター性の重視)」、「キット毎のプロポーション変化(特に脚部。ヴァリエーションキット製作のノウハウ蓄積)」、「キット毎の豊富な兵装ヴァリエーション」、「サンプル写真のポージングに女性的な愛嬌が強調されていること」、といった特徴が見て取れる。

  同じくKOTOBUKIYAが発売した、『バーチャロン』シリーズの「フェイ・イェン」(2010年発売?)も、メカ少女プラモデルの流れにある。これに関しては、先発のHASEGAWAにも「バーチャロイド」シリーズがあり、「フェイ・イェン」や「ガラヤカ」をプラモデル化している(2006年から?)。どちらも設定上は1/100スケールとのことだが、「フェイ・イェン」が約15cm、小柄な「ガラヤカ」が約14cmとなっており、他社のメカ少女らとほぼ等しいサイズである(※「追補3」で後述)。

  余談ながら。デフォルメされたSDプロポーションのキャラクタープラモデルは、KOTOBUKIYAが上記「ホイホイさん」シリーズや「ロックマン」シリーズ、「世界樹の迷宮」シリーズなどを発売しているほか、BANDAIからは「ドラえもん」シリーズや「アラレちゃん」など、PLUMからは「パンヤ」シリーズなど、すでに様々な製品が存在する。


  【 追補2:BANDAIの「Figure-rise Standard」シリーズ 】

左からFAG「白虎」、MD「ロードランナー」、FRS「人造人間18号」、FAG「イノセンティア」。メガミデバイスとほぼ同じ、14cm級のサイズ。スタイル比較のため、「18号」の上着(ジーンジャケット)とスカートは外してある。MDと比べると、かなりしっかりした肉付きが表現されている。
同シリーズの「ピッコロ」と並べて。FRSシリーズはおおむね1/12程度のスケールのようだ。それに対してFAGやFIOREは、現実の平均的な成人女性を想定すると1/10程度のスケールになっている。
FRS「18号」は、おおむね1/12相当のスケールなので、既存の1/12用ドール服を着せることもできる。左記写真は、AZONE Inernationalの矢絣袴セットとエッチング眼鏡を着用させてある。右端は1/12ドール(Sサイズボディ)。左端はFAG「マテリア」(ドール服着用)。
「Figure-rise Standard」シリーズでは、キャラクターの両目は、このように複数の色のパーツをユーザーが組み合わせて作り上げる。さらに「Figure-rise Bust」シリーズでは、あらかじめランナー状態で複数の色のプラスチックを多重成形してある形になっている。

  日本国内の主要なプラモデル(キャラクタープラモ)メーカーとして、BANDAIの存在は逸しがたい。同社の主力商品はロボット模型であるが、近年は人間タイプのプラモデルにも意欲的に進出している。製品ラインアップとしては、以下のシリーズが展開されている。
- 「Figure-rise Bust」:胸像タイプの固定ポーズモデル。男女とも。1/7~1/8縮尺?
- 「Figure-rise Mechanics」:女性タイプロボット「ドラミ」「アラレちゃん」が。低等身。
- 「Figure-rise Standard」(FRS)シリーズ:1/12スケール相当。各部関節可動。
- 『STAR WARS』プラモデル:関節可動の男性キャラクター製品がある(1/12縮尺)。

  2018年7月現在、「Figure-rise Standard」の製品は、『DRAGONBALL』(漫画/アニメ)シリーズの登場人物が大半を占めており、「若年女性人類」に該当するキットは「人造人間18号」のみである。ここでは、人型プロポーションを持つ「18号」を紹介する。

  「人造人間18号」キットは、前記各社のメカ少女キットと比べると、以下のような共通点および相違点が見出される。共通点は:
- 柔軟に稼動する各部関節機構を設けている(※固定ポーズのキットではない)。
- 若年女性人間タイプの模型である(※男性キャラやロボットではない)。
- 組み立てプラモデルである(※完成品フィギュアではない)。
- 表情パーツを複数提供している(キャラクター性を強めている)。

その一方で、FAG、MD、FIORE、VFGと比べると、相違点も多い。
  1) 原作の存在。明確な原作キャラクターが存在し、それを立体化している。つまり、このキット独自のキャラクターではない。言い換えれば、個々のキャラクターに明確な設定(身長など)が存在するということをも意味する。
  2) ファッションとコンセプト。通常の衣服を着ている。水着や下着を思わせるボディコンシャスなデザインではなく、また、太腿(絶対領域)を露出するようなお色気要素も希薄である。これは大部分が原作のキャラクター設定に由来するものであるが、ただし、このプラモデルシリーズがそのような作品を選択しているという意味では、プラモデルそれ自体の特徴だと言ってよいだろう。ちなみに、上着は着脱可能。
  3) 生身。いわゆる「メカ少女」ではない。つまり、生体部分と機械部分が融合しているとか、兵装を着込んだ姿であるとか、兵器擬人化のようなデザインであるとかいったものではなく、一応は普通の人間のような姿である。ただし、原作の設定上は「人造人間」(つまり明確にメカニカルなキャラクター)であるが。
  4) 拡張性の欠如。単体で完結しており、外部パーツと組み合わせる拡張性はあまり意識されていない。武器持ち手すら含まれない。このシリーズ全体の傾向として、ユーザー個々人による自由な拡張よりもむしろ、原作のポーズを再現する忠実性が重視されているように見受けられる。例えば、作中の描写に即してエネルギー波を発射するエフェクトパーツ(クリアイエロー)が同梱されている。ただしこれは、相違点としてはそれほど明確なものではない。拡張性が考慮されていないという点では、AOSHIMAのVFGも同じだからだ。
  5) プロポーション。全身のプロポーションも、上記各社のキットとはかなり異なっている。各部の長さのバランスなどはおおむね似通っているのだが、手足や胴体のがっしりした太さは、他社同種製品とは大きく異なっている。とりわけFAGシリーズと比べると、四肢がかなり短いのが分かる。これは、部分的には、超人バトル漫画のキャラクターであるという事実に起因するが、それのみならず、このプラモデルシリーズが選択した美学でもあるだろう。
  6) 両目の表現。両目は、あらかじめプリントされたものではなく、各色のパーツを組み合わせるかたちで表現される(※下記写真を参照)。ただし、さまざまな表情を再現するために、目のシールも一応提供されている。
  7) 構成素材。素材はほとんどがPS製。ABS素材は、本体には一切使われていない(※それに対して上記VFGやFIOREは半分以上がABS製である)。ベルトなどの細かな部分は、デカールではなくシールで色を補っている。
  8) 可動の仕方。各関節が可動するが、可動範囲や可動機構は他社同種製品とはかなり異なっている。手首や足首も、ボール状の先端部を差し込むだけという、かなり簡素な作りになっている。これはBANDAIの製品ポリシーよるところが大きいだろう(――素人にも作りやすいように。過度に脆い機構は使わない。プラの保持力のみで支える。等々)。ただし、このキットも、FAGやVFGと同じく、対象年齢は15歳以上となっている。

  「人造人間18号」の高さは約14cm。ほぼMDと同サイズであり、FAG、FIORE、VFGと比べると約1cm小さい。完成品可動フィギュアシリーズ「figma」よりは大きめ。
  web検索してみたかぎりでは、「18号」の設定身長は160cmとのこと(※出典確認していないので、あくまで参考までに)。したがって、縮尺は1/11.4という計算になる。ちなみに、同シリーズの「ピッコロ」も買ってみたが、そちらは設定身長226cmに対してキットの身長は約18cmなので、実寸換算では1/12.6程度のスケールになる。同一作品に関するキットでも、シリーズ内でスケールを厳密に統一しているというわけではなさそうだ。
  いずれにせよ、身長160cmの成人女性の1/12スケール程度のサイズなので、一般的な1/12ドール用の衣服などもだいたいフィットする(※ドール服にもMサイズ、Sサイズなどの大きさの違いがあるので、一概には言えないが)。
  FRSがこの1/12程度のスケールを採用した理由は分からない。BANDAIが既存の1/12ドール分野にすり寄る意味は無い。FRSシリーズの製品はほとんどがマッシヴな男性キャラクターなので、女性型ドールのジャンルに配慮してもほとんどメリットが無いからだ。なにか特定の単一の目的があったというのではなくて、BANDAIの独自規格として関節強度やパーツ分割の余地、費用と価格設定、シールの貼りやすさ、完成時の見映え、大型キットと小柄キットの上限&下限サイズなどを総合的に考慮して決めたのではないかと思われる。

  BANDAIのFigure-riseシリーズは、「1/8 バーナビー・ブルックス Jr.」「仮面ライダービルド」(ノンスケール?)のような男性武装ヒーローも手掛けているし、メカ融合型(?)の女性キャラクターのプラモデルとして「ダイバーナミ」の発売も予告している。また、Figure-rise Mechanicsシリーズでは「ドラえもん」「アラレちゃん」などのメカキャラクターを立体化しているが、デフォルメされたプロポーションを利用して内部構造の再現に踏み込んでいる。

  追記:「ダイバーナミ」は、典型的なメカ少女プラモに寄せたキャラデザのキットである。「人造人間18号」と同じく頭頂高147mm程度。FAGとMDの中間サイズになっている。プロポーションは、FAGなどと比べると、太腿に自然な肉付きがあり、脚部は程々の長さになっている。肘や膝の関節も、挟み込みではない独自設計。成形色レベルの色再現はかなり足りないが、同梱のシールを使えばほぼ設定どおりの配色が再現できる(※両目もシール)。実売2000円程度のリーズナブルな価格設定も驚異的である。

  追記:前述のとおり、BANDAIは「アーマーガールズプロジェクト」シリーズも擁している。「ほぼ組み立て済み(組み替え可能)」+「塗装済み」+「武装要素のある」+「若年女性キャラクター」+「基本的にアニメやゲームの原作が存在する(※二次創作的派生を含む)」+「フィギュア」である。サイズはやや小さめで、figmaとほぼ同程度のスケール感であり、上記のFAGシリーズやFIOREシリーズと並べたりパーツ交換したりするのは難しい。なお、2018年春以降、新作が途切れている。


  【 追補3: HASEGAWAのバーチャロイド 】

HASEGAWAの1/100「ガラヤカ」。無塗装仮組みの状態で。プラ成形色は4色であり、設定色再現は控えめ。表面の複雑な模様は、大量のデカールで再現させるようになっている。
胸部の内部構造。関節部分は、足首や股関節などの大きな箇所はポリキャップを用いており、その一方、肘や膝などのデリケートな関節はPOM製パーツで強度確保している。
塗装して組み立てた状態。長く伸びた帽子部分を除けば、約10.5cm程度のサイズである。他社の1/12スケールキットと並べると、小学校低学年~中学年程度の体躯に見える。

  HASEGAWAKOTOBUKIYAVOLKSの3社が、『電脳戦機バーチャロン』シリーズに登場するロボットたちをプラモデルキットとして販売している。それらの中で、「フェイ・イェン」と「ガラヤカ」は明示的に女性型だとされている。2018年現在のメカ少女とは様々な点で異なっているが、歴史的に先行する試みの一つとして、ここでも紹介しておく。

  女性的デザインをまとっているが生体的要素を含まないロボットやアンドロイドは、アニメやゲームに多大な蓄積があり、「ノーベルガンダム」(プラモデル)や「ドロッセル」(完成品可動フィギュア)のような立体化製品も存在する。そうした中で『バーチャロン』シリーズのキットは、現代のメカ少女プラモデルと比べると過渡期的な特徴も見出されるが、それにとどまらず、このシリーズ独自の個性も備えている。

  共通点としては:
- キットのサイズ。「フェイ・イェン」は約15cm、「ガラヤカ」は約14cm(※帽子を含む)である。
- メカ少女。ただし、人間的要素はほとんど含まれない、純然たるロボットである。
- 各関節が可動。関節部の構造は、近年のメカ少女プラモとかなり異なっている。

  相違点(または独自の特徴)としては:
- 原作あり。原作ゲーム版の3Dモデリングデータが利用できたというメリットも。
- 色再現。原作は非常に複雑な模様であるため、キットはデカールを多用している。
- 低等身。フェイ・イェンは標準的な成人並のプロポーションだが、ガラヤカは小柄である。
- 設定スケールは1/100となっている(※つまり、元は15メートル級のロボットという扱い)。

  発売時期に関しては、HASEGAWAはかなり早くて2004年頃から、KOTOBUKIYAは2009-2010年頃に集中的に発売したようである。VOLKSは2013-2014年に「テムジン」と「フェイ・イェン」の2種を発売した。

  縮尺は1/100とされているが、キットのサイズは約15cmであり、上記の1/12スケールの人間型プラモデルと並べてディスプレイできる。原作ゲームは対戦格闘ジャンルであり、「武装少女(戦う少女)キャラクター」という意味でも、現代のメカ少女愛好文化と通底する精神的姿勢の下にあると言ってよい。
  ただし、外見上は純然たるロボットであり、人肌部分はまったく存在しない。また、HASEGAWAはスケールモデル中心のメーカーであるため、パーツ段階での色分けはかなり簡素であり、ユーザー側に一定の塗装技術が要求される(――ただし、後発のKOTOBUKIYAの「フェイ・イェン」キットは、ごく少数のデカールのみでカラーリング再現できるようである)。また、胴体部分に可動部が無く、身体を前後に曲げ反らしすることができないという制約がある。ただしこれは、原作のキャラクターデザインに由来する造形上の都合だが。

  人型キャラクタープラモデルとしての顕著な個性が、HASEGAWA「ガラヤカ」のプロポーションに見出される。帽子部分を含めた全高は約14cmであるが、帽子抜きの骨格を想定すると、頭頂高は10.5cm程度になる。また、上記データのとおり、四肢はかなり短く、胴体部分もコンパクトであり、全体として幼児的なプロポーションになっている。実際、10.5cm相当のボディを1/12スケールの立体物と並べた場合、126cm程度のサイズ感になるが、これは8歳児並の身長になる。「ドラえもん」や「ホイホイさん」のようなデフォルメとは違ったアプローチで、キャラクターの小柄さを強調しており、組み立てプラモデルのプロポーション設計の一つのあり方として注目に値する。
  また、POM製パーツを導入した精密な関節設計も、発売当時として先進的であったかと思われる。POMは強度があり、摩耗もしにくいので、近年のメカ少女プラモデルでも時折利用される。


  HASEGAWAと同じく、スケールモデル寄りの日本国内のプラモデルメーカーとして、FUJIMIもある。FUJIMIには、「プラロビ」シリーズや「くまモン」のような人型(?)の可動キャラクター模型があり、可動美少女プラモを企画できるだけの技術的蓄積はあるだろう。


  【 追補4: AZONEの1/12ドール 】

「アサルトリリィ」シリーズの「真島百由」。小説版とメディアミックスで展開される、一種の武装少女ものであり、キャラクターたちはかなり派手な武器類を手にしている(※製品に同梱されている)。
左からFAG「マテリア Normal ver.」、カスタムリリィTYPE-D リリィバトルドレスver.」(Sサイズ素体)および同「TYPE-H」(Mサイズ素体)、右端はFAG「イノセンティア Blue ver.」。身長に多少の違いはあるが、1/12ドール服もおおむねフィットする。
前列左側はSサイズ素体の「TYPE-D」(約13.5cm)。後列右側は「ルルディス・ブロムシュテット」(Mサイズ素体、約14.5cm)。各社のメカ少女プラモデルと並べると、Sサイズ素体はかなり小さく、また、Mサイズ素体は中間的なサイズになる。

  ドール分野には、1/3スケール(50cm級)、1/6スケールと並んで、1/12スケールの規格も普及している。プラモデルやフィギュアとは異なる形で独自に発展してきた、長い歴史のある分野だが、1/12の女性ドールは、本記事が取り上げてきた一連のメカ少女プラモデルとかなり近いサイズであるため、参考までに紹介しておく。
  上の写真で取り上げているのは、AZONE Internationalの1/12スケールのドール「アサルトリリィ」およびその派生展開「カスタムリリィ」の製品である(※より広く言えば、同社の1/12級ジャンルを「ピコニーモ」と総称している)。ドール分野では、素体から頭髪から眼球から衣服までを、個々のユーザーが一つ一つカスタマイズして作り上げることもできるが、上記製品のようにひととおりのセットが揃っているレディメイド型の製品もある。

  上記「アサルトリリィ」「カスタムリリィ」シリーズ(1/12級のドール)の基本的特徴を簡単に列挙すると、以下のような要素がある。
  1) サイズ。大きさは、女性タイプだと身長13cm(Sサイズ)から15cm(Mサイズ)くらいまで。現実の成人女性に照らして言えば、1/10から1/11程度の縮尺に相当する。そして、先述の一連のメカ少女プラモと、ほぼ等しいサイズである(※歴史的には、もちろんドールの方が先行している)。そのため、衣服やアクセサリー類を相互に流用できる余地がある。
  2) 可動性と価格。ドールなので、各部の関節が可動する。その点では、可動キャラクタープラモデルに通ずる。その一方で、一揃えで7000円から1万円程度の出費になる。そもそもドールは、動かして遊ぶよりも、展示して鑑賞することが主目的である。つまり、価格面や製品のデリケートさの観点では、ハイエンドのフィギュアに近い側面もある。
  3) 構成素材。ボディはPVC(※ジョイントはPOM)。一般にドールの頭髪は、植毛またはウィッグのものが多いが、上記シリーズでは頭髪部分も樹脂製で造形されている。小スケールのキャラクター製品では、毛髪をそのまま再現するのは製造上の難しさがあり、また質感再現の問題もあるため、樹脂製頭髪にされる場合もある(※もちろん1/12のウィッグドールも存在する)。ワンオフのプラモデルキットと異なり、ドールは汎用素体に衣服を着せていくため、衣服は基本的に布製である。小スケールではボタン留めはできないので、衣服の背中側を開いてマジックテープで留めるのが一般的である。両目は、上記シリーズではフェイスパーツにあらかじめプリントされている。球状のドールアイを嵌め込むスタイルではない。開いた口の中も塗装済み。
  4) プロポーション。素体部分は、胴体を小ぶりに引き締めて脚部を大きめに伸ばすという美的なアレンジが施されているが、基本的には現実の人体のバランスに則っている。布製衣服を着た状態での見栄えを良くすることが重視されているので、肩幅がやや広めに作られている(つまり、モデル体型に近い)。また、脚部――とりわけ下腿(脛)――は比較的穏当な長さになっており、FAGシリーズのように極端に引き伸ばすことはしていない(※ただし、一部にはデフォルメ等身のドール製品もある)。身長は、14cmから15cm程度であり、メカ少女プラモと並べることもできる。
  5) 商品展開とカスタマイズ。レディメイドのセット製品もあるが、布製衣服や小物類、そして素体(ボディ)やドールハウスも含めて、幅広い商品展開をおこなっている。これらは、15cm級の人型プラモとの間で相互に融通することができる。また、フェイスパーツや手先パーツも交換することができるようになっている。ただし、接続部の規格が異なっているので、基本的には他社製品との互換性は無い。ユーザーが適宜工作をすれば、うまくフィットさせられる可能性はあるが。
  6) キャラクター性。ドールは基本的には、原作無しでも成立する分野である。その意味で、ユーザー個々人によるキャラクター造形やファッションコーディネートの自由が、あらかじめ広汎に認められている。ただし、アニメやゲームの特定キャラクターを立体化した商品も存在する。上記「アサルトリリィ」シリーズは、小説版とリンクしながら、個々のキャラクター(固有名詞のある存在)をドール化しているレディメイド製品である。世界設定および物語設定は、魔法要素を含むバトルものであり、それゆえ各製品には、凝った武装パーツが同梱されている。狭義のメカ少女というほどではないものの、「武装した」「カスタマイズできる」「若年女性タイプの」「15cm級の」「立体物」という意味では、メカ少女と文化的土壌を共有していると言える。ただし、キャラクター個性やストーリー性や世界設定を意識せずとも、ドール単体として鑑賞して楽しむことができるだろう。とりわけ「カスタムリリィ」シリーズは、ストーリー要素はほとんど担っておらず、カスタマイズ性を重視した派生展開である。キャラクターの個性に関しては、キャラクターデザインに八重樫南、しのづかあつと、水無月徹らを起用しており、男性向けのキャラ萌え文化(美少女ゲームなど)との親和性が高い。

  整理しよう。新興のメカ少女プラモ分野の側から既存の1/12級ドール分野を評価するならば、以下のように述べることができるだろう。すなわち、「サイズとプロポーションが似通っているので、衣服や小物類の多くが借用できる。趣向においても、フェミニンなドールハウス趣味から外連味のある武装キャラクターまで、幅広く展開されており、ものによっては萌え系のセンスも取り込まれている。ありがたい隣人であり、豊かな先行資産である」と。

  上記の一連のメカ少女プラモデルとの共通点は、以下のとおり:若年女性タイプの全身可動モデル。1/12相当の規格で、プロポーションは普通。フェイス交換などの拡張性あり。樹脂成形頭髪もある。萌え寄りのキャラデザもある。武装少女もの。
  相違点は:素材はPVC。布製衣服が前提。一応原作がある場合も。お色気要素は総じて希薄。完成済みの既製品もあるし、素体からカスタマイズして作ることもできる。

  上述のとおり、公称1/12となっているが、実際のスケール感は1/10から1/11程度になっている。むしろ「figma」の一部キットや「リトルアーモリー」シリーズの方が、1/12に近いほどだ。とはいえ、多少の誤差に目を瞑れば、小物類などを融通することもできるだろう。


  【 追補5:小サイズの組み立てキャラクターモデルたち 】

左からMD「ロードランナー」、minimum factory「春ニパ子」デスクトップアーミー「シルフィー 長靴小隊 マナ」、換装少女「デュエト」および同「フミミ」。
胴体部分は、全キャラクター共通パーツであり、完全な互換性がある。そのため、腰部パーツや胸上パーツを他のキャラクターと交換することができる(※上の写真と比較のこと)。そのおかけで、固定ポーズモデルながら、ポージングをアレンジできる余地が生まれている。また、フェイスパーツも、交換しやすい構造になっている。

  これまで論じてきた14~15cm級の組み立てキャラクタープラモの他にも、様々な隣接領域の市場が存在する。サイズの大きいものでは、例えば20cm級のプライズフィギュアや、高額な1/7フィギュア、1/8フィギュア。あるいは1/6ドール、1/3ドールなど。その一方で、比較的小さなサイズのキャラクター立体物の分野もある。とりわけ食玩キャラクターと、スケールモデルのキャラクター(ジオラマ用の戦車兵など)は、蓄積も大きい。本節では、そうした小型サイズの立体物の中から、メカ少女プラモと相通じる要素を持つ近年の製品のいくつかを、簡単に紹介しておく。

  Max factory「minimum factory」シリーズは、かなり小型の組み立てプラモデルである。縮尺は1/20のスケール。上記写真の「春ニパ子」も高さ約7cmであり、先に述べた一群のメカ少女プラモと比べると約半分の極小サイズである。さすがに可動関節を組み込めるサイズではないので、ポーズ固定モデルである。また、サイズの制約からしてディテールもかなり大味である。両目はデカール貼付で表現される。その一方で、価格は3000円から5000円程度となっており、いささか割高である。ただし、通常のプラモデル製品というよりは、レジンキットのような好事家向けのニッチアイテムだと考えれば、納得はできるだろう。
  武装要素は乏しいが、「宮藤芳佳」「武蔵(『艦隊これくしょん』)」のような、メカ少女(武装融合キャラクターや兵器擬人化キャラクター)の製品もある。また、ラインアップは9割以上が若年女性キャラクターであり、さらに8割以上が原作のあるキャラクターである(アニメ『マクロス』やゲーム『DEAD OR ALIVE』など)。
  共通点:プラモデル。武装した萌えキャラ(擬人化少女)のキットも。プロポーションは普通。
  相違点:1/20縮尺。固定ポーズ。原作ありきの立体化。両目はデカール同梱。

  「換装少女」は、BANDAIのガチャガチャ製品である(300円)。サイズは約9.5cmなので、現代日本の平均的な成人女性に当てはめると1/16程度の縮尺になる。ガチャガチャなのでバラされているが、パーツを嵌め込むだけで完成する。素材はプラスチック(PS)ではなく、おそらく樹脂製。塗装済みの固定ポーズモデルなので、食玩おもちゃに近い。
  キャラクターはすべて若年女性であり、肩口や太腿の素肌を露出させた近未来的ボディスーツのようなファッションになっている。イメージイラストも萌え系の絵である。公式サイトには、おおまかな世界設定と各キャラクターの概要が公開されているが、きちんとしたストーリーが提供されているわけではないし、アニメ版などの展開も(今のところは)無い。
  上記写真(キャプション)を見てのとおり、胴体が共通パーツであり、四肢を自由に組み替えることができる。また、背中の穴や太腿の突起などのハードポイントが設けられており、関連商品の「換装重機」と組み合わせることができる。さらに、「換装重機AA」のラインアップには可動四肢も含まれており、それに差し替えれば四肢可動のキャラクターモデルにすることもできる。
  共通点:お色気メカ少女。拡張性重視。プロポーションは普通。キャラクター性はほどほど。
  相違点:1/16縮尺。本体は固定ポーズ。たぶん樹脂製。塗装済みで、嵌め込むだけ。

  「デスクトップアーミー」シリーズは、デフォルメされた等身の、キャラクター立体物製品である。価格は税抜1680円から1780円。サイズは7.5~8cm程度。四肢の各関節が可動。
  公式サイトの設定によれば、AIを搭載した人型のネットワークインターフェイスとのこと。全身はアーマースーツを着込んだようなデザインになっており、いかにもメカ少女らしい外見である。個々のキャラクターについても簡単な紹介テキストが提供されている。ただし、さしあたってはフレーバー程度の簡素な設定にとどまっており、大掛かりなストーリー展開があるわけではない。デザイン画はBLADE氏。頭部が大きく胴体はコンパクトにデフォルメされており、素肌の露出も少ない。お色気要素はかなり控えめであり、幼げな可愛らしさが強調されている。
  ごく小さなキットであり、大部分は塗装済みであるため、食玩アイテムに近い。しかし、一部武装はニッパーで切り出して組み立てる必要がある。その意味では、食玩とプラモデルの中間形態のような存在である。なお、フェイスパーツも複数同梱されており、複数のキットを組み合わせたり組み替えたりすることも想定されている。
  共通点:可動ボディ。メカ少女。拡張性あり。キャラクター性はほどほど。
  相違点:デフォルメボディ(サイズも小さめ)。食玩とプラモの中間形態。大部分は塗装済み。


  【 その他。関連商品の広がり 】

  可動キャラクターモデルとしては、本記事でも言及してきた「figma」シリーズがある。寸法も、おおまかには1/12に近いサイズの製品がある。ただし、縮尺が一貫しているわけではないし、複数の製品(他社製品を含む)との組み替えもほとんど想定されていない。また、素材がプラスチックではない(樹脂製)ので、ユーザーが手を加えるのは少々難しいだろう。
  また、「ポーズスケルトン」シリーズは、量販店にもしばしば置いてあり、小物類や家具などのラインアップも豊富に揃っている。しかし、1/18スケールなので、1/10~1/12スケールのキャラクターにはマッチしない。ただし、上記の「換装少女」(1/16)や「minimum factory」(1/20)シリーズ、海洋堂の「ドクロマン」(1/18)シリーズなどにはフィットする可能性がある。

  15cm級キャラクター(1/10~1/11縮尺)に関しては、1/12ドールハウス用の各種アイテムがおおむね使用できると思われる。ただし、15cm級キャラクターよりも縮尺が小さいので、ものによっては縮尺のズレが露呈する可能性がある。ドールハウス用アイテムは、プラスチックだけでなく、金属や木、紙など様々な素材を使っている。例えばBillyの小物キットは、フライパンや大工道具から、金属製チェア、乳母車に至るまで幅広い商品ラインアップがあり、東急ハンズのような大型店舗やホビー専門店などにも置いてある。
  そのほか、HASEGAWA(「机と椅子」やベンチなど)やAOSHIMA(バイクブランコ便所など)のようなプラモデルメーカーからも、各種1/12製品がリリースされている。鉄道模型分野にも、1/12スケールの内装模型や鉄道小物があるし、ダイキャスト製の1/12完成品バイク模型もある。銃器関連では、TOMYTECの「リトルアーモリー」シリーズやPLATZの「リアリスティックウエポン」シリーズが、1/12用銃器類を製造販売している(※ただし、ハイディテールな小物である分、スケールの微妙な違いが気になるという人もいる)。「シルバニアファミリー」や「リカちゃん」などの低年齢向けフィギュア/ドールの小物は、プロポーションやサイズが異なるので、あまり適していない。食玩やガチャガチャの中にもそれなりにスケール感の合うものがある(楽器やお面など)し、ホビー店や百円ショップにもミニチュア雑貨が置いてある場合がある。