2014/01/15

ゲーム、模型、ロボット

  美少女ゲームと模型の話。そして兵器表現の話。


  うっ……数年ぶりに模型熱が……。切って削って盛って鑢って塗って貼って組んで飾って眺めて撮りたい。前に作ったのは、えーと、斑鳩(白)だったか。

  しかし模型制作は――他のいくつもの趣味がそうであるように――オタクとしての総力戦でもあるので、取りかかろうとするのも大変だし、一度取りかかるとさらに大変なことになる。技術面での工作スキルはもちろんだが、知識面でも制作上の技術的知識のみならず考証上の背景的知識も要求されるし、美術面でも自分なりの方針(コンセプト)設定からカラーリングセンスに至るまで考えなければならないことは多いし、環境面でも加工及び塗装のための道具類や適切な作業スペース(広さ、快適さ、安全面、衛生面、防塵性、保存性、等々)、そして一つの作品を完成まで持って行けるだけの時間的余裕と勤勉さ、とにかくたくさんの用意が求められる。あえて言うなら、金銭的要求は他の趣味に比べて割安で済むというのはアドヴァンテージだろうか(――特に制作目的の模型商品の場合に。輸入模型やガレージキット、エッチングパーツでも、極端に高額なものはそうは無い。鉄道模型やラジコンのような例外はあるが。カーモデルでも、スケールの大きい完成品出来売りの商品だと、もちろん数万円の額になる。ドールも、あるところまで行くと、もはやお金の問題ではないという世界になるようだ)。


  【模型商品】
  美少女ゲーム関連で製品化されている模型というと、痛車模型(フジミ、アオシマ)とキャラクターフィギュア、それから『マブラヴ』関連のロボット模型くらいだろうか。『BALDR FORCE』のロボット(シュミクラム)も、PS2版同梱フィギュアの他にもどこかで作られていたかと思う。ちょっとずるい挙げ方だが、『JINKI』関連にもある。全年齢だと『サクラ大戦』シリーズも、「光武」の立体化には恵まれていた。単独市販商品ではないが、『パンドラの夢』初回版にはスウのペンダントが、また『プリズム・アーク』には大剣「アーラグラディウス」が、同梱されていた。さすがはpajamas soft。キャラクターフィギュアが同梱された商品もいくつか存在する(『白詰草話』初回版、『痕』2009年版の初回限定版、『るいは智を呼ぶFD』のねんどろいど同梱版、『大図書館』初回限定版など)。主題からはやや外れるが、作中登場人物が使用していた銃器のモデルガンを購入するというのもありかもしれない。


  【自作の話】
  ロボットなどの架空兵器。『LEVEL JUSTICE』の「幸福王子」を自作してみたいという夢想は結局実現できなかった。あるいは『MERI+DIA』の航空機動兵器「プロセルピナ」とか。巨大ロボットが出てくるタイトルについては、実際に制作されている方もいらっしゃるかもしれない。EGScapeにはタグ「巨大ロボットもの」があり、私も『パトベセル』『片恋いの月』などをプレイしている。

  戦車だったら『クラインハーゼ』『虜囚市場』には戦車戦CGがあるので、参考にして制作することは一応可能だ。特に『いつか、届く、あの空に。』(三式中戦車)と『メモリア』(90式)は実在兵器なので、再現も比較的容易。『マスクド上海』にはチハが登場していたそうだ。『ひめしょ!』のAI搭載戦車「フリントストーン《豪雷号》」は、「ポチ」が遠隔操縦することができる。『戦場デ』シリーズは現代戦もの。『ピンク・パンツァー』『戦略娘』シリーズは、未プレイなのでよく知らない。

  航空機(軍用機)だったら、『シンシア』のF-14(のような可変翼機)、『Scarlett』のB-2やF-15、『群青』のJAS-39、『さくらシュトラッセ』のF-15などが登場している。『初恋撫子』の飛行機は何だっけ。

  艦船(軍艦)なら、『マブラヴ』シリーズにもいくつか登場するが、特に個性的なのは『斬死刃留』の「八紘」だろう。架空の第二次大戦を経由した現代世界で、旧日本軍が開発していたアングルドデッキの原子力空母という超ロマン設定。『ひめしょ!』には潜水艦「たまかぜ」があり、『ドラクリウス』にも潜水艦(米軍所属の「アポルオン」)、『DOOP』にも潜水艦があるが、いずれも架空艦なので、制作するとしたらフルスクラッチになりそうだ。『らいむいろ』の「天乃原」は、三笠などをベースにすればなんとか作れそうだ。特徴的な三本マストを再現すれば、それらしくなるだろう。『蒼海の皇女たち』のウルディアーナは、実際に自作された方がいる(リンク:出雲艦船技研)。民間船だと、『サフィズムの舷窓』『ツナガル★バングル』『鎖』『なないろ航路』など、豪華客船ものがいくつかある。

  その他。『メイドさんと大きな剣』の大剣を模型制作するのは比較的簡単だろうか。『機械仕掛けのイヴ』や『ぜったい~大発明!!』の発明品の模型を作るというのも、楽しいかもしれない。手間の掛かるアイデアだと、『門を守るお仕事』のジオラマ制作とかも……。宇宙船だったら、『BE-YOND』や『R.U.R.U.R』『SHOGUN8』『大帝国』『ARGONAUTS』『DAISOUNAN』、あるいはLiLiTH系列やLiquidの戦艦ものなどがあるが、模型制作は容易ではなかろう。

  サイズの関係で、大型ロボットをAVGの画面内に登場させるのは少々難しい。例えば『パトベセル』では、乗機として描くことによって多くの場面でそれを迂回したし、『片恋い』では、ロボットの掌の上にキャラクターが乗っている一枚絵という形で画面内に収納した。『LEVEL JUSTICE』は、登場時は遠景一枚絵で処理し、SLGパート上ではイメージイラスト的画像の上に命中判定のあるいくつかのパーツを置くという形で表現した。『マブラヴ オルタ』は、コクピット内部からの視界の写実的表現という形で、大型ロボット同士の戦闘を視覚的に説得した(――超大型ロボット「凄乃皇」など、一部は動画形式によって表現された)。

『いつか、届く、あの空に。』
(c)2007 Lump of Sugar
三式中戦車(のオリジナル改造)という設定。砲身、砲塔、フェンダーなど、細部は実在のものとかなり異なるので、改修自作は少々面倒だろう。

『魔動装兵クラインハーゼ』
(c)2009 triangle
第二次大戦時ヨーロッパをモデルにしたとおぼしき架空世界。この戦車には、特定のモデルがあるわけではなさそうだが、イメージとしてはIII号戦車やティーガーIなどのドイツ戦車を念頭に置いているように見受けられる。
『メモリア』 (c)2009 Purple software
プロローグの長大な(数分間に及ぶ)アニメーションパートより。戦車やヘリなどの現用兵器がいくつも登場する。元は3Dデザインされていると思われ、左記引用画像の90式戦車も、リアルな外観で造形されてアニメーションする。
『虜囚市場』 (c)2011 LiLiTH
低価格タイトルながら、戦車戦のイベントCGが何枚も用意されている。架空世界なので、戦車も完全にオリジナルの造形。
『らいむいろ戦奇譚』(アニメ版)。作中では架空名の戦艦で、帆船風の三本マストにアレンジされているが、全体としては日露戦争時代の実在艦(敷島型など)を連想させる。3Dモデルを併用し、ディテール表現とアニメーション表現を両立させている。
『マブラヴ オルタネイティヴ』
(c)2006 age
作中の「帝国連合艦隊」が保有する海軍戦力には、戦艦「大和」「武蔵」「信濃」が含まれるが、史実の実在艦船との異同は不明。国連軍と協力して、佐渡島の異星人基地を総攻撃するシーン。作中の時代設定は2001年。
『斬死刃留』 (c)2009 Amolphas
第二次大戦中の日本が開発していた原子力空母「八紘」。空母飛行甲板上に巨大な五芒星が描かれているのは、この作品では旧日本軍が陰陽道などの呪術を利用していたという設定があるため。戦争中に呪術的な大異変が起きたため、戦後の自衛隊所属となっている。作中の年代は1985年頃のようである。
『ひめしょ!』 (c)2005 XANADU
隕石衝突による全世界的大災害に見舞われてから数十年後の、2088年の世界。潜水艦「たまかぜ」は、高度な生体ソナー機構を備えている。この潜水艦のほか、AI戦車や多脚型防衛メカ、サイボーグ化技術なども描かれている。

『蒼海の皇女たち』 (c)2008 anastasia
第二次大戦ドイツを連想させる架空世界。潜水艦「ウルディアーナ」は、OPムービーなどでは、排水量769t、全長66.5m、速力17.2kt(潜航時7.6kt)などの情報が見て取れるが、これは実在のUボートVII型におおむね近い値である。本編では、敵国の飛行艇や駆逐艦も含めて、動画表現が多用されている。
『ツナガル★バングル』
(c)2007 ういんどみる
港に繋留された(元)豪華客船「クイーン・エミー号」が、主人公たちが所属する「奏祥学園」の校舎になっている。本編中では、船内の部屋(教室)、船内通路、甲板(ラウンジや遊歩甲板)などが背景作画されている。
『シンシア』 (c)2004 Sincere
OPムービーからのスクリーンショット。可変翼の戦闘機である。機密映像の演出か、映像は粗くされている。機種等は作中では明言されておらず、F-14にやや似ているが、機首の長さ、ストレーク、エンジンノズルなど細部はかなり異なっている。

『群青の空を越えて』 (c)2005 light
東西内戦状態にある架空の現代日本のストーリー。主人公の属する筑波戦闘航空団(関東政権)はJAS-39を使っているが、それ以外にも多数の兵器が登場する。本編中では、いくつもの場面が動画で表現されている。
『Scarlett』 (c)2006 ねこねこソフト
巨大なステルス爆撃機B-2が現れるのが、本作序盤の印象的なシーンである。これ以外に、F-15なども登場する。

『さくらシュトラッセ』 (c)2008 ぱれっと
本編冒頭のシーン。自衛隊のF-15が不審な飛行物体――その正体は箒にまたがった魔女「マリー・ルーデル」――を追跡し、そのうち一機が撃墜されてしまう。