『勇者砲』体験版についてのいろいろ。
クリック待ちアイコンの勇者砲アニメーションが可愛い。
SHC主人公なのに、冒頭のモノローグが知力の低いヤンキー坊主みたいだ……。
SHC作品のAVGパートのイベント構成は、多数の個別ヒロインイベントや幕間イベントが並列進行していく形なので、むしろ分業に向いているのかもしれない。本作が実際にどうなっているのかはまだ分からないが。
紅村原画とCG班とゲームシステムのおかげか、SHC作品らしさは十分感じられた。
通貨単位が「ブレッド」ではなく「シルバー」とは……これまでの共通世界とは別世界なのか。
ティーナ、可愛い……。主演(ティーナ役)の綾音氏は、前作『悪魔娘』でサシィアーネを演じていた方。こういうお芝居も出来るとは。
三人部屋で、同じ部屋で味方が交戦しているのに隣の二人は傍観しているだけというのは、理不尽に感じる。せっかく三人一緒にいるのに……。もっとも、スキルによる支援効果は出るのだが。振り返ってみると、この仕様は『巣作り』も同じだった。つまり、敵側からその都度相手(こちら側)のユニットを指定して攻撃してきて、こちらはそれに合わせてあくまで受動的に攻撃(反撃)するだけ。ただし、『巣作り』では個々のユニットがポップアップアイコンとして抽象的に示唆されているだけであったのが、本作では各ユニットのチップキャラが実際にマップ上に置かれている、つまり、地に足を付けて「そこにいる」姿で描かれている。その見せ方の違いが、本作での理不尽感を帰結しているのだろう。つまり、機能(処理方式)は同一でも、それを表している様態(視覚表現)が異なれば、プレイヤーの受け取り方はそれに応じて変わるものなのだ。
「魔物の拠点」撃破は、もう少しターンに余裕があれば出来るのだが……。
「城拡張」をして、配下ユニットをリザーブの分まで雇用しておけば、「魔物の拠点」を砲撃してもなんとか耐えられるようになる。運次第で結果はかなり変動するが。
装備品は、この時点では「安物の盾」が良さそうだ。与ダメージ/被ダメージを数%変動させても撃破/被撃破までの攻撃回数はほとんど変化しないが、攻撃を回避できれば交戦1回分の余裕が出来ることになるので。
追加雇用の配下は、近接ユニットのハンターorランサーが良いだろうか。特に三人部屋には、ハンターを配置すると「団結力・初級」の支援効果が役立つ。メイジとメディックは、HPが低すぎるし、「魔弾・初級」のダメージは誤差レベルにすぎない。レベルアップすれば「風の刃・初級」(3フェイズ毎に、室内の敵全てに攻撃力の8%のダメージ)と「防具エンチャント」(室内の味方側のダメージを5%軽減)を習得するが、戦況を大幅に好転させるものではない。
あとは、ぎりぎり撃退できる程度の砲撃威力を調節していけば、22T以内での「拠点」撃滅はおそらく可能だろう。砲撃は、威力が小さければ侵入者は少なく、威力が高いほど侵入者が多くなる。威力300だと8体、350だと12体、800では20体程度が来襲する。8体ならばたいてい安全に撃退できるが、10体以上になると魔力炉ダメージが生じる可能性が高くなり、20体ではまず勝てない。
SKIPとSCENESKIPは両立するようにしてほしいかなあ。つまり、通常スキップ中にシーンスキップすることも出来て、シーンスキップが終わったら自動的に通常スキップ状態に戻れるという仕様だったらいいのだが。
「ネイルの魂」「ガフーの魂」などのスキル習得アイテムがあるが、これらは消費アイテムではなく、装備している間だけそのユニットが追加スキルを保持できるというもの。任意に着脱できるのはメリットだが、アイテム枠を占有してしまうというデメリットもある。
『勇者砲』にターン限界はあるのだろうか。コンセプトを継承した先行作品『巣作り』『門』はともにターン限界(最大48*3=144ターンで終了)があったが、それらは状況設定に由来する事情があってそうなっていた。『巣作り』では、結婚準備のための巣作りという建前からして、期限が設定されているのは当然だった。『門』は、できるだけ長く街を維持するというサバイバルそれ自体が主人公たちの活動目的になっていたが、生存期間が焦点になっているからこそ逆説的に、ゲームとしては終了期限が設けられていた。無期限プレイできたならば、ゲームバランスの問題だけでなく、サバイバル状況の緊張感が失われるという問題も発生しただろう。一方、『勇者砲』は、ゲームパートはともかく物語のレベルでは、防衛ではなくて攻撃(敵拠点の積極的な撃滅)に主眼が置かれているようであり、さしあたり体験版の範囲で判明しているシチュエーションとしては、期間を区切られねばならない事情は無さそうだ。だから、RPGの『BB』シリーズを別とすれば、『忍流』(2009)以来の無期限ゲームになる可能性は考えられる。イベント進行フラグも、これまでの同社の流儀である並列的な回数累積フラグを使用すれば、破綻を生じる虞は無い。
しかしながら、配下ユニットの成長速度(いかにも引継ぎ育成向きだ)を見ても、あるいはゲームシステムからして長期プレイが緊張感を奪う可能性(陥落済み拠点を延々叩き続けるゲームになりかねない)なども考慮すると、やはり期限付きゲームだと想定する方が自然だろう。さて、それではどうやって終わらせるかという点については、シナリオの側が理由を提供しなければならないだろう。例えば『アウトベジタブルズ』では5回(または6回)のイベントの円満な終了という形で最初から枠組づけられていたし、『悪魔娘』では唐突な来訪者という形でゲームの進行が告げられた。新作では、あり得るとすれば、ミラ経由の王国サポートが終了するといったような事態も考えられるし、魔王軍側の情勢変化といったようなこともありそうだ。
防衛施設について。
「三人部屋」は、ハンターやメディックの同室支援スキルの効果が得られるが、体験版仕様のままならば、一人が倒されればそのまま次の部屋に向かわれてしまうというリスクもある。「一人部屋×3」は、支援効果が発生しないだけ「三人部屋」に劣るが、トリッキーな使い方としては配下ユニットを二人だけ配置しておくことで敵の進攻ペースをずらせるかもしれない。「一人部屋+二人部屋」も、マップ上側と下側で敵の密度を変えられる作用がある。「【三連】一人部屋」は、一人ずつの戦いではあるが、侵入者に3部屋全てを通らせることになるので、自軍ユニットが十分に強い状況や、侵入者数が少ない場面では、有効になりそうだ。「上下/分断通路」は、敵がまっすぐ中央突破することができないので、魔力炉の防衛を重視したいときは便利になりそうだが、防衛部屋を置けないということでもあるので、侵入者数が多ければ(そしてそれらを適時に撃退できなければ)結局は押し切られてしまう。「左上下/分断通路」系「左斜め/分断通路」系の効果は似ている。前者だと、侵入者の1/3が上側に行き、2/3が下→中央に進む(「右上下」だとその逆)。後者は、侵入者たちが分岐点で均等に分かれていくならば、上には1/6が、下には5/6が向かうことになり、下側の負担がかなり大きい。一応、進軍ペースはばらけるが、下側から防衛ユニット数をオーバーフローされて突破されやすい。私自身、『巣作り』ではこの斜め分断通路に相当するダンジョン施設を好んで使用していた。「罠部屋・暗闇」系は、時間稼ぎにすぎないが、分岐が多いのでまっすぐ進行するユニットが少なくなるし、またメイジ系が多数いればダメージも見込める。
ひぐっ……ぐすん……どうして、どうして萌花ちょこ氏が新作キャストにいないんだよぅ……。
大波さんも……どうして……どうして……。
「近場の洞窟」は耐久値2200、つまり必要マナ220。陥落させるには、100+100+20で3ターン掛かる。「朽ち果てた塔」は1800(必要マナ180)。ただし、ターン回復するので一気に落とさなければ消費ターンが増える。100+(80+α)で2回砲撃する必要がある「魔物の拠点」も耐久値2000だが、ターン回復してしまうので実際には最短でも100+100+αの3回砲撃する必要がある。以上、第1ターンを含めて、砲撃には8ターン使うことになる。
他方、マナを貯めるためのターンも掛かる。初期状態で100マナあるが、それに加えて、500+αのマナが必要になる。つまり、「マナ補給」コマンドが11回は必要になる(――最大貯蓄量が100なので、多少の無駄が生じる可能性があるが、実際にはターンを圧迫することは無い)。
以上、理論値としては、全ての拠点を陥落させるには最短でも19ターンかかる。実際には、「魔物の拠点」を全力砲撃し続けた場合、おそらく侵入者を撃退しきれない(耐えきれずに魔力炉を破壊されてしまう)ので、弱めのパワーで砲撃を繰り返すことになる。また、城拡張をしなければ難しいが、ここでも1ターン消費することになる(城拡張をしないという選択肢もあり得るが)。なので、ターンの余裕はほとんど無い。マナ50(=ダメージ500)程度でも、魔力炉をかなり削られてしまうが、耐えられるぎりぎりのパワーで砲撃するしかない。幸いにも、魔力炉のターン回復はそれなりに多いので、マナ補給を挟みつつ500~400程度の砲撃を続けていけば3拠点撃滅は十分可能。私のプレイでは、6ターン目で「洞窟」を陥落、12ターン目で「塔」陥落、そして21ターン目の砲撃で「拠点」撃破したのが最短記録。これ以上短縮するのは至難だろう。敵拠点の耐久値が低くなってくると、反撃も激化するようなので、余裕のあるうちに強めの砲撃をしておく方が良いようだ。あるいは、「塔」と「拠点」を交互に砲撃する形にして、魔力炉回復の機会を増やすのも一案だろう。