2026/05/09

漫画雑話(2026年5月)

 2026年5月に読んだ漫画の雑感。主に単行本新刊について。
 まだ先月分の新刊も読み切っていないけど、まあ仕方ない。

●新規作品。
 やぶら『ロブレイブ』第1巻(講談社、1-4話)。第1話で、大ネタのどんでん返しと主人公の最終目的をきれいに提示し、2-3話で最初のエピソードを知略バトルで乗り切って、そして第4話ではミドルレベルの目標に挑ませつつ、改めて主人公のバックグラウンドに絡めた衝撃展開を出すといった具合に、いかにも教科書的にきれいな模範的ストーリー運びをしている……少々あからさまなくらいに。とはいえ、小柄(ショタ外見)主人公と、大柄なオーガヒロインという対比はいかにも今風で魅力的だし、虐げられる少数民族(オーガやドワーフなど、人類以外の種族)を解放するというストレートさも好ましい。作画と演出も、きちんと造形されている。ひとまず作者の力量に期待して、付いていこう(これが初の商業連載のようだ。優れた新人がどんどん現れてくるなあ)。


●カジュアル買い、買い足しなど。
 和サン(かのう・さん)『復讐は合法的に』(原作あり、一迅社)は、第2巻が新刊で、表紙の丸眼鏡少女に惹かれて第1巻ともども購入してみた(1-6話/7-12話)。私的な復讐を請け負う弁護士の話で、1冊につき1エピソードくらいでオムニバス的に進むようだ。復讐代行ものとしては、幸いにもそれほど下品ではなく(※露悪的な「スカッと」系はさすがに嫌だ)、また作画と演出も水準は高いのだが、相手を陥れる手段がみみっちいし、それでいてリアルに実行できてしまいそうなネタもあるのがかなりモヤッとする。ちなみに、作者はこれが初の商業連載のようだ。
 ますやまある『白鳥運子(しらとり・かずこ)は31画』(原作あり、講談社)。これも第2巻表紙の眼鏡キャラに興味を持って、第1巻と一緒に購入した(1-5話/6-14話)。画数判断で自分はラッキーだと信じようとしている不幸な女性が、犯罪に巻き込まれる(手を下してしまった)サスペンスもの。主人公の立ち回りがまずくて状況をしばしば悪化させてしまうスリルも、キャラクター設定によって正当化されている。登場人物たちの激しい表情も、手描き感の強いパワフルな作画も、たいへん魅力的。次巻で完結するようだ。作者は、くらげバンチなどでいくつかの読み切りを公表しており、これが初連載……って、あっ、あのモデラー女性を描いた「熱帯夜」の作者さんだったのか。


●続刊等。
 石沢庸介『第七王子』第23巻(189-195話)。ボスキャラのベイダー戦と、主人公キャラの復活、さらに兄キャラのグレードアップを描いている。パワフルなバトル描写と、それを支える心情表現の鮮やかさは相変わらず素晴らしい。