12/26
店頭でいろいろ眺めたり新商品情報を見たりしていると、くっ……収まれ、俺の模型欲……なんとか収まっtt、いや待て、べつに抑え込まなくても、実際に作って昇華すればいいのでは? ということで、明日は比較的短時間で完成させられそうなものを手掛けよう。
模型は「作る楽しみ」だけでなく「眺める楽しみ」もあるわけだから、どんなものでもまずは作ってしまえば、室内にディスプレイしておくだけでどんどん満足の総量は増えていくことになる。もちろん、完成度の点で十分満足できないこともあるが、そうした場合でも次回制作への参考になる。もとより、よほど制作スタイルが確立されている熟練モデラーでもないかぎり、模型制作は技術向上(試行錯誤と進歩改良)の塊なのだし、キットもそれほど高額なものではなく、基本的なラインアップはずっと安定供給されているから、気になるならば何度でも再挑戦することができる。
私の場合は、これは横着制作の言い訳でもあるけれど。
1/350金剛もネウロイ赤城も、室内の段ボール箱の上や書棚の前部などにそのまま置いている。今のところ落下破損等の事故は起こしていないが、どうしても塵埃は積もる(精密キットなので払えない)し、室温変化等で空中線が歪んだりもしている。しかし、これらは徹頭徹尾自分の楽しみのために作ったものであって、長期保存するほどの価値があるわけではないし、他人に見せるつもりも無いし、一応は写真にも撮ってあるので、普段の生活ではっきり目に入れて楽しめるように置いておくことこそが効用を最大化する。完成度は高くないけれど、自分がいつも起居している空間にそれらがそのまま存在しているという経験の積み重ねのおかげで、強い愛着が湧いている。ケースの中に入れてしまうと、ディテールや質感がどうしても見づらくなるし、自分の記憶と印象の中からも薄れてしまいそうな気分になる。そんなふうにして封じ込めておいて、いずれ引越の時などに捨ててしまうよりは、せめて今のうちだけでもそれらの造形と色合いをじかに、できるだけたくさん、身近に楽しんでいたい。
ヴィットリオ・ヴェネトも信濃もガーベラ・テトラもEx-SガンダムもティーガーⅠもミレニアム・ファルコンも、それから塗装完成済製品のリーネちゃんやランチさんやエイリアンやインプレッサも、いつもデスクから目の届く場所に飾られていて幸せ。おかげで部屋も机上も狭いけれど。
12/21
嬉しいことに比叡がNEXT版でキット化されるようだけど、軌条部分はどうしたものかなあ。サイズと形状からして別パーツ化はされないだろうから、塗装しなければきれいな塗り分けにならないだろう。エッチングが軌条パーツを含むかどうかも分からないし、含まれるとしても対応部分のプラパーツをきれいに切除するのは初級者にはかなりハードルが高い。それと、バウ先端部分が薄いので赤色が透けてしまう可能性が高く、見栄え良く作るためには結局塗装が必要になる(――これは大和ではおそらく問題にならなかったし、赤城は裏塗りだけで対処できたが、金剛型は無理だろう)。初級者が造形上のリアリティを追求しようとする際には、このあたりがネックになりそうだ。
比叡に関しては実はまだ「特」版キットが一つ未制作のままで……ううっ。
12/14
うぎゃあ、例の赤城の記事が検索上位に来ちゃってる! 模型方面では目立ちたくないのに……すまぬ、すまぬ、初級者の記事で相済まぬ。というか、当時の私は何を考えて唐突にあんな紹介記事を作ってしまったんだろう。べつに愛着のある艦というわけでもないのに。
そういえば、エッチングに関する部分はまだ作ってなかった。できれば年内には加筆したい。
艦船モデラーとしての自分は、世上言及される程度の基礎知識と初級技術はひととおり習得している筈なので一応は若葉マークを外していいと思うのだけど、しかし、数えてみたらまだ30隻くらいしか作っていないし、合わせ目処理を真面目にしないとか艦載機を真面目に作らないとかいった横着も平気でやらかしているしで、いっちょまえに独り立ちした中級モデラーを自称するにはまだまだ恥ずかしいレベルだろう。航空機やAFVやカーモデルとは違って、艦船模型分野だと「ハイディテールパーツを買って使用すればほぼ自動的に精密度が上げられる」、つまり金で技術(クオリティ)を購うことが容易だという事情が、表見上のスキルを上げ底にしてしまっているだけかもしれない。やっぱり、まだまだ、まだまだだなあ……。
イメージは芸道の「守破離」のようなもので、指定どおりにきれいに完成させられるのが初級者のひとまずの目標で、そこから自分なりの取捨選択の判断をしたり独自のアレンジを着想し実行したりできるようになるのが自立した中級者、そして上級者と呼ばれるのはおそらく、トータルに独自のスタイルを作り上げつつ細部の技術も十分卓越しているといった感じなのだろう。
11/12
インプレッサ風のつやつやザクを構想してみる。(もはや当初の目的すら見失いつつある。)
薄緑(四肢)の部分をメタリックブルーに塗装するとして、濃緑(胴体)はツヤ消しブラックにしようか。全体が暗くなりすぎるかもしれないので、連邦F2っぽい配色で、袴までブルーにするというのも一案。ただし、胴体部分までブルーにすると、グフっぽく見えてしまうかもしれない(それなら最初からグフを作ればいいのでは?)。あるいは、ブラックではなくメッシュ模様のグレーにすれば、印象が重たくならずにすむかもしれない。カーボンフィニッシュシートをうまく貼り付けられるならば、模様の再現も可能な筈。
黒部分(胸部や足の甲)は……フロントガラスのつもりで濃いめのツヤありグレーにしたら面白いだろうか。思い切ってパイプをシルバーにして目立たせるというのもありかもしれないが、ちょっと下品になってしまうだろうか。
せっかくだから、シールド表面に白い星を5つ並べて、あおいちゃんのジャージっぽくするというのはどうだろう。いや、それならいっそ、全身をキャラ本人っぽいカラーリングで……いやいや、その路線では、不気味な「あおいちゃんロボ」になってしまいそうだ。
web検索してみると、メタリックブルー塗装のガンプラはこんな感じになるのか。うーん。
[ gonta131.blog136.fc2.com/blog-entry-55.html ]
[ kazuikazo55.blog121.fc2.com/blog-category-57.html ]
[ ameblo.jp/buc1096/entry-12190411286.html ]
[ yorozu.pigulin-forest.com/?eid=904787 ]
[ evolveworks.cart.fc2.com/ca25/120/ ]
[ roziura.com/933.html ]
1/350隼にゃんのエッチングフルセットが店頭発売されていたが、ごめん、私はもはやそこまでのモデラーではないので……いや、今後のことを考えて、金型がきれいな今のうちに買うだけ買っておくというのも……むにゃむにゃ(※金型は劣化していくので、インジェクションキットの初期ロットを確保しておくことにはちゃんとした意味がある筈。どの程度の変化かは知らないけど)。
ただし、せっかく大スケールで作るのだったら、平板な空母よりも、戦艦や巡洋艦のように立体感のある造形を楽しみたいという思いもある。もっとも、艦載機を飛行甲板上にたくさんレイアウトすれば、彩りと緻密さと立体感と迫真性が得られるのだろうけれど、それはそれで大変だ。
UC2版ペーネロペーは、悪くはなかったけど、これならいっそ倍額出してGFF版を買った方がいいかもしれない。これはこれでそれなりに満足したし(買って良かったと思える)し、一部塗装済みの半完成品としてはまあまあ妥当な価格ではあるのだけど。ちなみに、本体高は約10cmなので、えーと、1/260くらいのスケール。標準的なHGUCキットと同じくらいのサイズ。マーカーなどで墨入れをすればかなり見た目が引き締まるだろう。
「ROBOT魂」にもあるが、あのシリーズは値段のわりに表面の質感やスケール感がずいぶんチープなので、まったく食指が動かない。いかに高額でも、一定以上のクオリティの製品がリリースされるだけでもありがたいと言うべきかもしれないが。
09/30
NEXT版の赤城を購入。数ヶ月ぶりにプラモを買った……。キットのディテールは、スケール感がきれいに合っている感じが好ましい。なかでも、フェアリーダーの下側に舷外電路が回り込んでいる箇所の重なり具合が、繊細かつ立体的に作られているのが、とても格好良い(――そういえば、「特」版ではそもそも舷外電路は表現されていなかった)。支柱の斜交い部分も、従来品以上にくっきり表現されているようだ。錨鎖も、ピシッとした直線になっているし、θ型がきれいに出ている。左舷後部のスポンソン支柱は、「特」版から変更されて、下の方まで伸びた形になっている(――要するにHASEGAWAキットと同じような形状になった)。舷側のディテールもなにやらいろいろ増えているし、着艦指導灯等もちゃんとプラパーツ化されている。双眼鏡パーツまで付いている(32個。たしか飛鷹キットにも付いていた)。一部支柱パーツや煙突先端パーツ、艦載機のプロペラ部分には、スライド金型も使われている。ただし、飛行甲板の白線は、シールだと周囲の(黄色部分の)色の違いが悪目立ちしそうなので、デカール(+トップコート)にしておく方がよさそうだ。スナップフィット形式については、中級者以上のモデラーにはむしろ邪魔かもしれないが、中級者以上ならばうまく解決できる技量があるだろうから、おそらく問題にはならない。
うずうずする……火が消えたはずのモデラー心の焼け棒杭がパチパチ過熱する……。この週末に一度、完全な無塗装パチ組みで作ってみようかな。それで気に入ったら、二個目でも三個目でも買えばいいし。
そういえば、飛鷹のキットがあれだけのディテールで作られているとなると、隼にゃんは特easy版を迷彩柄では出せないのでは……。シールがディテールを潰してしまいそうだ。
「せっかくだから俺はこのNEXT赤城キットにエッチングをつけるぜ」と、勇鼓して制作着手。
『デスクリムゾン』ネタはさすがに古いか。ちなみに、(水密)扉はキットのままにする予定。もちろん、赤い扉にもしない。
NEXT版赤城については、別ページを参照。
クリアキットにネウロイ版と来て、ようやく初めてまともな赤城を作った……。
この艦には、べつにとりたてて興味も愛着もあるわけではなかった。しかし、世間的には有名で人気の高い艦であるらしく、そうすると市販プラモ等の製造/販売などでも重視されることが多くなり、ひいては、話題性の高い製品がリリースされたり、注目に値するクオリティを持つフラッグシップ的アイテムになったり、私のようなライト層や非モデラーの視野に入ってくる機会も増えたりするのは、きわめて自然ななりゆきだろう。
以前の「特」版とは、パーツ構成ももちろん大きく変化しているが、ディテールの付け方もかなり違っていて、まるで別物のように感じられる。満足々々。
09/27
今月のMA誌。現用艦にカラーモジュレーション塗装というのは、私にとっては盲点で、そして非常に興味深いアプローチだと思った。もしかしたら、すでに実践している方もたくさんいらっしゃるのかもしれないけど。小サイズの艦船模型をマスキングして塗り分けるのは大変だし、どの面をどのような色にするかもきちんと設計しなければいけないしで大変だが、効果は出るだろう。艦船模型はスケールが極端なうえ、脆いパーツや極小パーツや突起パーツが多いので、塗装の段階で凝ったことはしにくいのだが、技術力のあるモデラーたちが手の込んだ塗装で新しい模型世界を見せてくれたら嬉しい。
龍田のエッチング同梱版が発売されるとのこと。サンプルを見たかぎりでは、エッチングはかなり行き届いた内容のようだ。フルに使えば、以前に私が汎用エッチングで制作した龍田のクオリティを軽く超えそうな感じ。特に、艦橋の窓のディテールが大きく変わっているのは長所だろう。中央の三本煙突が目立つシルエットなので、きちんと寸法の合うジャッキステーが付いてくるのもありがたい。ただし、今回は「スーパーディテール」版という新しい名乗りで、これまでの「フルハルスペシャル」版のような艦底パーツの追加は無いようだ。
以前の加古フルハルの方では、エッチングは手摺などごく一部だけで、わりと敷居の低い構成だった。あれはおそらく、「キットパーツを切除加工しなくても済む範囲でのエッチング」というコンセプトだったのだろう。それに対して今回の龍田エッチングは、窓枠部分など、キットパーツにも手を入れる必要があるようだ。
(2016年9月28日、自宅にて撮影)
巡洋艦3隻。上は摩耶(FUJIMI版、2016年3月制作)、真ん中は矢矧(FUJIMI版[コンパチキット]、同年4月制作、未完成)、下は龍田(HASEGAWA版[新キット]、同年2月制作)。いずれも1/700スケール。見様見真似でそれなりに手を加えているが、出来は初級者の域を出ない。
摩耶はベーシックに純正エッチング+ナノドレッド追加程度。私のスキルでは、工作量の多さが大変だった。矢矧は汎用エッチングとナノドレッド機銃等でデコレートしていたが、マストの作り直しを考えているうちに手が止まってしまい、進行途絶。龍田は二度目の制作で、丸一日で手早く仕上げた(仕上がってない)。汎用手摺や余り物のハイディテールパーツで手を加えた。
うーむ、あらためて写真に撮って見てみると、工作が汚い。精密パーツが泣いている……。矢矧は艦首の甲板パーツが浮いてしまっているし、エッチング梯子もきれいな垂直になっておらず斜めになっていたりする。摩耶はおまけなのでピントを合わせていないが、艦橋窓枠エッチングがベタベタしているのが見えたりしていかにもお見苦しい。龍田の煙突の間の探照灯台は、降りる梯子を後方側に取り付けていたが、今回のHASEGAWAキットのサンプルを見るとどうやら前方側に取り付けるもののようだ。艦載艇のマストを立てているのも間違い(艦上搭載中は旗竿は外して収納している筈)。龍田の艦首甲板がキラキラしているのは、そこに接着剤を溢してしまったから(泣)。まあ、これらの試行錯誤の経験が、のちのネウロイ赤城の完成度を少しでも高めることに寄与したと思えば……って、行き着いた先がアンナノカヨ!
09/26
どちらかといえば、既存キットで作るよりも、ゲームやアニメに登場したいろいろなオブジェをスクラッチ制作するというのが性に合っているかもしれない。以前のネウロイ赤城もそれに近いアプローチだったし。「ウルディアーナ」を作って「敵駆逐艦だ! 急速潜航ばばばばー」とか、アンモナイトっぽい何かを作って「翠玉のリ・マー……失敗したー!」とか、「奔獣」を作って「どどどどー、さーいーあーくー……あ痛ぁー!」とかやって遊んでみたいが、いずれもすでに自作されている方がいるようだ。『DAISOUNAN』の宇宙船はわりと簡単に作れそうだし、『プラネットドラゴン』の海亀号もOPムービーを参考にすれば作れそうだ。『マブラヴ』ロボはいくつもキット化されているが、残念ながら元々デザインが好みではなかった。
さらに言えば、大きい物よりも、作中のキャラクターが身につけているアクセサリーや手に持っていた魔法アイテムなどの小物の方が良い。 原寸サイズで作って手に取ることができれば、本編中シーンへの思い出が喚起されるだろう。材料は、百円ショップでも使えるものがあるし、ユザワヤなどに行けばスクリーントーンからステンドグラスまでいろいろ手に入る。男性向けジャンルだと、そういうアクセサリー類の再現モデルはなかなか市販されないが、『パンドラの夢』には、メインヒロインが着用していた十徳ペンダントが特典同梱されており、金属製の本格的な質感や重量感がそれはもう素晴らしいものだった。以前掲載した写真の左側に写っているのがそれ。写真は閉じた状態だが、左右に開いて内部構造を露出させることができる。
赤城用エッチングが一揃え余っていた筈だが、月末発売のNEXT版(無塗装組み立て)にエッチングだけ組み込んだらどんな感じになるだろうか。空母だからエッチング部分もそんなに目立ちすぎず、程々のデコレーションになってくれるのではないかと思う。そもそもノーマル赤城用のエッチングがNEXT版にフィットしてくれるかどうか分からないが。
「特easy版+同梱シール+純正エッチング(グレー塗装)+ツヤ消しクリアで、事実上無塗装のお手軽制作」というのも考えたことがあるが、わざわざそれで制作してみたいと思えるようなものが無かったので、実行せずじまい。特に重巡や戦艦だと、艦橋手摺取り付けが大量にあるので「塗装工程を省いたお手軽制作」という当初のコンセプトを外れるし、取り付け作業中にエッチングの塗装が剥がれる危険が高まる(取り付けてから全体を[再]塗装した方が簡便)、無塗装だと瞬着が目立ってしまう虞がある。利根型あたりは、特easyでも同社エッチングを部分使用すると手軽に見栄えを良くできるかもしれないが、繰り返し制作するほどの意欲は無かった。
空母だと、飛行甲板の塗装を特easyシールで賄えるのは非常に楽だが、「加賀」を作ってみたかぎりでは、ぎらつきがあって木甲板らしい質感が出ていなかった。木製の木甲板シールという代案もあるが、そこまでコストを掛けるならば、きちんと全塗装制作した方が「自分の作品」という満足を得られるだろう。迷彩塗装の空母ならば条件が合うかもしれないが、私自身の好みとして迷彩空母で作りたいキットが無かった。
モデラー復帰はしないと思うが、やはり少しばかりうずうずする気持ちもあるので、キットを買うだけ買っておくつもり。キットを見てから、当面は積んでおくか、折を見てパチ組みするか、上記のようにちょっとしたディテールアップ込みで作るか、いつか本格的な制作(初めての「まともな」赤城制作)をするかを判断すればいい。
09/06
【缶スプレー再々考】
缶スプレーも、理に適った選択肢の一つだと思う。特に艦船系は、複雑な塗り分けも少ないし、必要な色数も限られており、鏡面やグラデなどの表面処理のウェイトも低くてフラットな塗装で済むので、缶スプレーに適している。また、大型模型だと、大きな面積を少ない労力で一気に塗装できるのもメリットの一つだろう。カーモデルでも、高速大量の吹きつけ塗装のメリットは大きい。
初心者だと、筆塗りでクオリティを確保するのは少々難しいし、どこまで趣味継続するか分からないうちにエアブラシ用の大きな投資をするのは気が引けるだろうから、缶スプレーは非常に有望な選択肢になる。総じて、労力面でもコスト面でもそこそこリーズナブルなので、「あまり凝った塗装には踏み込まずに、さしあたり模型をいろいろ完成させる楽しみを味わいたい」というモデラーには好適なアプローチだろう。
筆塗りは、細部の塗装やリタッチなどで必ず実践機会があるので、それらを試しながら慣れていけばいい。自信がついたら筆メインに移行してもいい。エアブラシも、自分の人生で模型趣味が本格化しそうだと思えるようになってからでも遅くない。缶スプレーと併用でも構わないし。
ただし、ロボット模型は適した色が無い場合が多いし、航空機にフラットな塗装だけだといかにも味気ないし、AFVも汚し塗装やエッジ強調などの追加処理をしないと引き締まらない。また、吹きつけ塗装なので、それなりの対処が必要になる(塗装ブース設置なり屋外塗装なり)。
06/06
ネウロイ赤城完成から一週間経ったが、うーん、どうやら本当に模型欲は解消されてしまったようだ。HASEGAWAエッチングその他を使ったフルディテール赤城は、1/700艦船模型のとりあえずのラスボスと言ってよい存在だろうし、イレギュラーなアプローチとはいえまがりなりにもそれを最後まで作り上げることが出来たのは嬉しかった。
自分はこのまま模型制作から遠ざかっていくかもしれないが、それは大学院時代にもあったことだし、そして、何年か経てばまた今回のように模型熱が再燃するかもしれない。手許には、艦船模型だけでも10隻以上の未完成キットがあるが、積みプラが10隻程度で済んでいる(言い換えれば、その倍以上のキットをこの一年間で作り上げてきた)のであれば、それなりに勤勉に制作してきたと言っていいだろうし、残りは残りで他日のためにとっておこう。
「艦船模型の製作術総ざらい Expert」シリーズはたいへん面白かった。たいていの雑誌制作記事は、一つの(特定の)作品について作例制作者が実際に採ったアプローチとプロセスだけをひたすら説明するもので、一面的なものになりがちなのだが、それとは違ってこのムックでは、錨鎖/煙突/爆雷などのパーツごとに、いくつものアプローチを並列紹介している。特定のキットだけに依存しない、一般性のある技法説明になっているし、それぞれのテクニックに対する評価もコスト面や作業時間などを考慮しつつ是々非々で書かれているのがよい。
さらに、実艦写真も多数掲載されており、実物に照らした造形上/技術上の考証への導きにもなっている。ただ単にキットを細かく作り込むハウツー集だけではなく、どのような資料を参照し、どのように考えて、どのように取捨選択して、そして何を目指して制作したらよいかをきちんと再考させてくれるという点でも、非常に教育的な内容だ。
ちょうど私くらいの段階、つまり、キットと純正エッチングくらいは無理なくストレートに作れるようになったくらいの初級/中級モデラーにとって、さらなるスキルアップを目指すうえでこのうえない手引きになっている。
1/350ってそんなに大変だろうか? たしかに価格は高いが、キット本体でも駆逐艦で6000円、戦艦で15000円、空母でもせいぜい2万円程度。アフターパーツ込みでも、せいぜいその2~3倍。航空機やAFVよりは高額だが、社会人のメイン趣味ならばけっして高くはないし、それで制作には何ヶ月も掛かるわけだから、全体としては十分リーズナブルだろう。制作環境(スペース)の確保は、個人的な感触では、1/700とさほど変わらない。展示に関しても、例えば適当なスチールラックや書棚一棹を置いておけば、それだけで5~10隻(=数年分)は収納できるだろう。収納容積に関しては、単純に考えて1/700キットの8倍になるので、長期間続ければ続けるほど負担は大きくなるが、べつに1/350だけを作る必要は無いので、選択肢の一つとしてたまに挑戦する程度ならば問題はなかろう。スケールが大きいため、制作が楽になる面があるし、元々スケモは一つ一つを丁寧に作り上げていくモデラーが多いので、せっかくだからハイエンドキットを作り込む方が満足度も高いだろう。制作技術の面でも、スケール毎の違いはそんなに無いし。IJNの主要艦船ならば、だいたいは国内通常キットがリリースされているので選択肢も十分だし、好みや必要に応じて作り分ければいいし(例えば、大型の空母は1/700でコンパクトに済ませるとか、フルハルで鑑賞したい艦は1/350にするとか)。大雑把に1/700と比べてみると、コストは3~5倍、制作時間は3~4倍(※人による)、容積は8倍。わりと妥当なバランスだと思う。
05/30(Mon)
振り返ってみると、FUJIMI「摩耶」(1/700)の純正エッチングは、同シリーズの中でも格段にハードだったと思う。内容が充実しているということでもあるのだけど、取り付けにくい箇所に極小パーツを折り曲げて接着する必要があったり(例えば艦橋手摺類)、キットパーツとの差し替えがこまごまと難しかったり(航空作業甲板など)、パーツ間のすり合わせとクリアランス確保が大変だったり(主に煙突周辺)、フリーハンドできれいな平行を出さなければいけなかったり(煙突ジャッキステーなど)、作っていてかなり疲弊させられた感触は、今でも憶えている。
それに比べると、同社の戦艦キットでも「陸奥」あたりは非常に素直で、ずいぶん楽に作れた。後部マストの組み立てなど、難しい箇所も多少はあったけど……。「おおなみ」の汎用手摺工作も、取り付け数量こそ多かったものの、作業内容それ自体はそんなに難易度の高いものではなかった。艦尾の手摺をフリーハンドで折り曲げていくのは少々難しかったけど……。1/350「金剛」は、基本的には、スケールの大きさのおかげで作業はわりと楽だったと思う。ただ、その大きさの分、手摺などのパーツがクニャクニャに曲がりやすくて、1/700よりも扱いがデリケートになるという面もありはしたけど……。
簡単な制作なんて、そうそう無いということか。
FUJIMI加賀のエッチングがほぼ一揃い余ってしまったけど、そういえば、以前作った特easyキットに組み込んでしまうというのもアリかもしれない。エッチング工作の練習にもなるし、時間がある時に試してみよう。
先日のNR赤城を作りきって満足/疲弊したので、しばらくモデラーライフは一休みしたい。しかし、寝ていても張り線を修正している夢を見てしまうくらいなので、何かもう一つ簡単なものを作ってクールダウンした方がよいのかもしれないとも考えている。飛行甲板裏の桁組みのあの辛さは、幸いにも記憶から抹消されているようで、夢にも出てこないが。
艦船模型が私に合っているのは、「スケモ他分野に比べて、高度な塗装表現を必要としない」という点が大きい。最近はキットそれ自体のディテールが十分な密度になっているおかげで、汚し塗装をする必要性が薄いし(ごってりしたウェザリングをしなくても見栄えの良いものになる。AFVはその点があまり私の好みではない)。また、技術面でも、――これまた比較的最近のことだが――アフターパーツや様々な工作ノウハウが潤沢に供給されているので、自分にできる範囲で取捨選択して作り込みをするだけで、ずいぶん頑張った気分になれる。さらに、そもそもスケールが極端なため、兵器らしさがあまり前面に出てこないし、可動物体というよりはそれ自体が大掛かりなジオラマ的構造物のような趣があるのも良い。IJN艦などでは、物珍しいレトロ感が香りたつのも、個人的には好印象。
欠点もあるが。色彩がきわめて単調であること。パーツが細かすぎること。ディテールに比してサイズが中途半端なこと。1/500くらいのキットが増えてくれると嬉しいのだが。
自分で実際に手掛けてみて初めて、その難しさや表現効果が実感できるようになる。「実」感なのだからほとんど同語反復的だが。びっしりと複雑にアンテナ線を張り巡らした模型作品を見ると、ゾッとするようになった。
05/22(Sun)
いよいよもって、基本工作の重要性を痛感させられる。例えば、エッチング一つ取っても、直線がきちんとした直線になっているか、プラパーツのラインと平行になっているか、水平が出ているか、ゲート跡の凸凹をきちんと均してあるか、両端部分の処理がきれいになっているか、接着面を汚していないか、……こういった精度が、完成度を保障しており、見栄えを保障しているのだ。これらが十分に出来ていない私は、まだまだ、まだまだ未熟だ。
ネウロイ赤城はおおむね構想どおりに完成したが、とにかく時間(&お金)が掛かった。作業時間でも支出総額でも、これまででトップクラスの制作規模になっ(てしまっ)た。
- 金剛(1/350):純正エッチング等でほぼストレートに。約25000円、たぶん70時間程度。
- 赤城(1/700):ネウロイ化ヴァージョン。30000円以上、45時間(+構想時間も長かった)。
- おおなみ(1/700):汎用エッチング大量、一部ミキシング。14000円、35時間。
- Ex-Sガンダム(MG):ただのストレート全塗装(ブルー迷彩)。6000円、30時間。
(以下、1/700大型艦船の標準的な制作規模。エッチング込みで5000円強、20時間以上)
だいたいこのくらいの順序だろうか。それでいてこの程度の出来というのが私の限界だが。
ちょうど一年前のスケルトン赤城から始まって(再開して)、完成させたのは35個。手すさびの無塗装パチ組みも含むし、大型キット(大規模制作)は上記のように数えるほどしか無いが、それでも1ヶ月3個ペースで作れたのは、悪くないペースだろう。
伸ばしランナーは難しい。「クニャクニャに撓まず直線が維持できるくらいには太さがあって、しかし小スケール模型に相応しいくらいの細さがある」というバランスで、しかもそれを、出来るだけ均一な径で十分な長さを手に入れるのは、かなり難しい。ただとにかく細いものを作るだけなら、簡単なのだけど。火には直接当てず、目に見える火の1cmほど上でゆっくりクルクル回して、柔らかくなってきたと感じたらすぐに火から離して、任意の速度で左右に引っ張っていけばいい。
あと、室内でロウソクを使うと、どうしても特有の匂いが残ってしまうし、安全面も気になる。ライターの安全性がどのくらいなのか分からないので、ガラス瓶に入れて保管している。よほどのことが無いかぎり、大丈夫だろうとは思うけれど。
模型関係のサイト/ブログを見ていると、どうやら多くのモデラーは私よりもはるかに長い時間を掛けて制作しているようだ。さすがにプロとしてやっているレベルのモデラーは時間面でも効率的に制作しているようだが、趣味のモデラーだと、例えば1/700艦船でも2ヶ月、3ヶ月も掛けて制作されていることが稀ではない。私は戦艦クラスでも1週間、長くてもせいぜい2週間で手早く完成させてしまうのだが。もちろん、余暇の少ない社会人という場合もあるのだろうけど、おそらくそれだけではなくて、きっと私よりもはるかに慎重に、はるかに丁寧に、はるかに細やかに、合わせ目からヒケまでしっかり処理されているんだろうな……そしてそういう丁寧さ、精密さが、完成状態のクオリティを高めているんだろうな……。
もちろん私も、目立つ箇所のパーツ合わせ目やパーティングラインはできるだけ消すようにしているが、あまりうまくいかないこともわりとあるし、細かいパーツだとPL処理を横着してしまうことがある。ヤスリがけが苦手(擦過痕が残ってしまうしプラ粉が飛散するのも嫌い)なので、ヒケ処理も気が進まない。
05/03(Tue)
塗装の色確認など、いろいろな実験に使えそうなお手軽なキットが何かないものだろうか。艦船では、駆逐艦の複数隻セットものあたりなのだろうか。ロボットものならば、目的に合わせてHGUCの適当なものを見繕えば、1000円以下で買えるし。カーモデルやAFVの塗装実験だったら、「組み立てが比較的簡単」「練習になるくらいには複雑な造形」「扱いやすいサイズ」「できれば低価格」となると、どのキットが適当だろうか。
最近、各種のエッチングを見ていて、空母もいいなと思えるようになってきた。舷側に通路や梯子がゴチャゴチャと入り組んでいて、昇ったり降ったりする経路を想像してみると楽しい。冒険したくなる。上甲板面から格納庫前部にかけての構造も、図面や模型写真ではなかなか見られないところだが、艦ごとにいろいろな違いがあって面白そうだし。梯子類をエッチングに取り替えるだけでも、艦の構造の複雑さと多様性について、縮尺模型らしい楽しみ方が出来そうだ。
「かんきょうせいさく」の変換で「艦橋制作」と「環境政策」がバッティングしてしまうのは、仕事の内容によってはかなり邪魔になるだろう。
【 「フィニッシュ」シリーズのシート 】
HASEGAWAの「○○シート」を使ってみたが、素晴らしい出来だった。文字通りの超極薄で、縮尺模型としての厚みを気にする必要がまったく無いし、その薄さのおかげで貼付面にフィットしてくれる。また、シートはかなりの柔軟性があって、伸ばすこともできるし、しかも手で引きちぎるのがほぼ不可能なくらい頑丈だ。伸ばしても、表面が割れることも無い。今のところの感触では、糊の粘着力も十分で、かなりの細切りをしてもしっかり模型に貼り付いてくれる。上に塗料を乗せることも可能なようで、塗料が定着してくれている(「ジュラルミンシート」にラッカー塗料を試したもの。他の場合にどうなるかは未確認)。極薄プラ板(0.1mm?)にシートが貼付されているので、その状態からあらかじめ形を決めて切り出すこともできるし、模型におおまかに貼り付けてから余剰部分を切除するのも楽。極薄シートなので、デザインナイフでごく軽く撫でるだけで切り離せて、模型の表面を痛める心配が無い。見た目のクオリティも、文句の余地の無い水準だし、商品ラインアップも充実している(主に航空機とカーモデルを念頭に置いているようだ)。ホログラム、カーボン柄、偏光性能など、ユーザーの塗装では実現困難なものがカバーされているのもありがたい。
価格はそれなりに高いが、このシートの性能を考えればむしろ妥当な価格だろう。模型での使いどころがはっきりしている場合には、便利で信頼性の高いアイテムとして積極的に使っていきたい。加工性/曲面追従性/強靱性/粘着性に着目して、「汎用シール/デカール」や「簡便な下地形成素材」として使うこともできそうだ。
後日追記:塗料は、ものによっては剥がれやすいようだ。しっかり固着してくれて、曲げたり爪で引っ掻いたりするくらいでは全然剥がれないものもあるが、逆に、ほとんど触っていないのに端から下地がチョロチョロ見え隠れしてしまうこともある。塗料によるのだろうか?
しかしそれでも、カッターで任意の形に切り出せる極薄シールだと考えれば、マスキングに頼らない細部の塗り分けとして、有効な場面はそこそこありそうだ。また、塗料が染みついてしまわないのならば、それはそれでメリットになりうる。例えば、「シート貼付→吹きつけ塗装→不要部分の塗料を拭き取る」といったアプローチも可能になるわけだから。
雨天時などには、室内でエアブラシ塗装している(風呂場塗装)のだけど、塗装後にマスクの裏を見て驚いた。マスクの鼻に当たっている部分(内側)にうっすらと、しかしはっきり認識できるくらいに塗料の跡が付いていた。おそらく、鼻で吸気する際に、噴霧した塗料のミストがそこまで流れてきて、そしてマスクに引っかかっていたのだろう。これは、本格的な塗装作業用マスクを導入すべきかもしれない。
スクリューには、手軽に入手できる汎用のエッチングパーツは無いのかな。1/700スケールではフルハル版キット自体があまりメジャーではないし、構造上キットパーツとの差し替えも少々難しいので、市販アフターパーツが乏しいのもやむを得ないが。
HASEGAWAのフルハル1/700「加古」だと、メタル製の薄手パーツになっていた。同社の「フルハルスペシャル」はいずれもこの仕様のようだ。しかし、だからといってスクリューだけのためのフルハルキット一つを買うわけにもいかないが。プラ板等から羽根を自作するなり、キットのプラパーツを自力で削るなりする方がよいのだろう。
MG版Ex-Sは、「キットの造形上の改修はせずに」、「キットの指定とは大きく異なるが、ありがちなコンセプトで」(つまり既存の制作実例を参照しやすい)、「大型キットをきちんと作り上げる」ものであって、基本的には初級レベルの作業内容にとどまっていた。それに対して今回のネウロイ赤城は、「先行事例のほとんど無いアプローチで」、「スケモの標準的な追加工作テクニックをできるかぎり駆使して」、「スクラッチ制作(ウォーロック部分)などの比較的難易度の高い工作も行って完成させる」ものなので、これをきちんと完成させられれば、モデラーとして独り立ちできたと言えるように……なれればいいなあ。
04/26(Tue)
【 エアブラシ用の機材 】
現在使っているエアブラシは、TAMIYAのスプレーワークHG(0.3mm)。「トリガー型」かつ「カップ一体型」の条件を満たすのは、現在の国内市販製品ではこれしかないようだ(「造形村・プロモデル」のBタイプとCタイプは、カップ別パーツのようだ)が、品質には問題無く、使い勝手には十分満足している。
私の筋力では、ボタン式ダブルアクションに指が耐えられるか心配だったのでトリガー型にしたが、判断は間違っていなかったと思う。とはいえ、トリガー(レバー)の引き具合による塗装の変化がまだ良く分かっていなかったりする。ちなみに、トリガー型と異なって、ボタン押しタイプはものによってはハンドピース側でのエア圧の調整も出来るようだ(ボタンの押下でエア圧、手前への引きで塗料の量がコントロールできるらしい)が、今の私にはそこまでの性能は必要ではない。AFV迷彩塗装や航空機の継ぎ目表現などをする時には、そうした繊細さも必要になってくるのだろうけど、それはそれで必要を感じた時にもう一本買い足せばいい。
カップ容量(7cc)も、大きすぎず小さすぎず、ちょうど良い。大きいと重くなるし洗浄の手間も大きくなるし、使わなければデッドウェイトになる。逆に小さすぎると、塗料継ぎ足しが面倒になるし、傾けた時に塗料が零れる危険が高まる(もちろんカップには蓋もついているが)。大きな面積をずっと塗っていると途中で塗料が切れてくるくらいの容量なので、大型模型を塗装する場合――例えば1/350艦船の全体塗装など――には、不足を感じることがあるかもしれない。
その他。ニードルキャップ部分は平たい筒状。逆流洗浄の際に、私は先端を指で押さえるのではなく、トイレットペーパー(多目的拭き取り用に置いてある)に押しつけてうがいをさせている。持ち手部分は樹脂製。重量はそれなりにあるが、重心が下にあるおかげか、負担には感じない。いずれも、望んだとおりの仕様なので満足。
サーフェイサー塗装や大型模型などで広い面積を塗るために、口径の大きなものをもう一つ調達しておくのが良いかもしれないと考えているところ。現状でも用は足りているので、これはクオリティの問題ではなく、コストと時間効率のトレードオフ問題でしかないが。最初から2本用意するつもりならば、大面積用の0.5mm(作業が長いのでトリガー式で)と、精密塗装用の0.2mmまたは0.3mmのボタン型を揃えると、あらゆる場面に対応できて理に適っていると思われる。0.3mmと0.5mmでは、面積比では約2.8倍もの違いがある。0.2mmと0.3mmでも、2.25倍。一見小さな数字の違いだが、実用上はかなり大きな違いになると思われる。
コンプレッサーは、静音性を最大限重視してminimo-DCにした。実際、夜間室内で使っても作動音が隣の部屋に聞こえないくらいだろう。携帯のバイブレーション音よりも小さく、むしろエアブラシ噴射口の吹きつけ音の方がはるかに大きい。小さいし軽いし可愛いし、風量調節も簡単。メタリック系塗料もさしあたり問題なく吹きつけ塗装ができている。
難点としては、定格時間が30分と短めだが、そのくらいあればひととおりの塗装はできるし、多少時間をオーバーしても別段パワー不足は生じない。ただし、夏場になるとどうなるか分からないし、機材を長持ちさせるといった観点では定格時間を守る方がよいと思う。もしも、防音を含めた制作環境が整っており、稼動時間を気にせずとにかくたくさん塗装したいというならば、もっと強力なものを買った方がよいかもしれないが、私の制作環境及び制作スタイルからすれば、さしあたってはこれで十分。
トリガー型に拘らないならば、同じメーカーのSPiCA+エアブラシ2本(!)のセットを買う方が良かっただろう。価格面でもはるかにお得だし、コンプレッサー自体の性能も上のようだし、スペック上の動作音量も1dB大きいだけだし、0.2mmと0.3mmのエアブラシ2本があれば出来ることも増えるだろう(――定格時間に関しては、サイトによって「60分」と書いてあるところと「30分」としているものがあって、どちらが正しいのか分からない。公式のカタログでは60分となっており、それが正しいならば定格時間もSPiCAの方が上)。ちなみに、店頭サンプルでMeteorを動かしているのを見たことがあったが、かなりうるさくて(スペック上では50dB以下とのこと)恐れを成した。
Model Graphic誌が、「信濃」作例に鮭の切り身を並べているのを見て笑ってしまった。なんだかすごく微笑ましい(cf. [tw: 724944494546706433 ])。
04/23(Sat)
FUJIMI「矢矧」(1/700)がエッチング付きでリリースされるとのこと。ちょうど先月に汎用エッチングで制作したばかりなので、キットの仕様と見比べることで、自分の判断がどれだけ適切/不足だったかの参考になるかも。さすがに(ほぼ)同一のキットを二度作るつもりは無いけど。
そういえば1/350「金剛」は、ざっと計算してみるとキットにエッチングにハイディテールパーツに塗料に汎用パーツで30000円近く掛かったんだよね……。フルプライスPCゲーム4本分と考えれば、制作経験の大きさも加味して、十分支払う価値のある支出だったと思う。ちなみに、金額だけの話なら、鉄道模型やレジンキットなど、上を見ればきりが無い。
もっとも、本来は最も大きなコスト要因は自分自身の時間と労力だけど。仮に一時間あたり800円(最低賃金並)で制作時間80時間としても、80時間で6.4万円分になっているわけだから。ただし、もちろんこれは労働ではなく趣味の活動なので、経済的にはゼロ、あるいは、長く楽しめば楽しむほどプラスになっていると考えるべきものだ。
自信作と言えるほどの出来のものは作れていない。個人的な満足を別にすれば、「おおなみ」が一番ましだろうか。あれとて、不満、不足、失敗はいくつもあるけれど。
単装機銃の銃把と照準器のエッチング……ぶるぶる。(つらい経験を思い出してしまった)
Ex-Sは人体部分が完成。残りはバックパックと武装類、それからデカール貼付など。墨入れはどのくらい施したらいいか、まだ方針を決めていない。いずれにせよ、土曜日中に作りきれるだろう。反省点としては、1)ライトブルー(青の一番薄い部分)がホワイトを入れすぎたこと。色を明るくしすぎるのはどうやら私の制作作業の通弊らしい。ただし、迷彩デザインのおかげもあって、明るくメカニカルな外観に仕上がったので、これはこれで良しとする。それから、2)一部パーツの塗装色を間違えたこと(プロペラントタンクのN4パーツなど。パーツ裏面の塗り残しも各所に)。いずれもごく微妙なものなので放置する。3)また、変形させようとすると、各部の塗装が擦れて剥がれる。これはキットそれ自体の限界だが。下地塗装をしていなかったら、キット成形色が露出してひどいことになっていただろう。これでは変形は無理だな……。ともあれ、久しぶりのロボット模型制作を楽しんでいる。
(2016年4月22日、自宅にて撮影)
(写真1:)Ex-Sガンダム、MG版の途中経過と、GFF版(#0011)。ライトブルーの部分がかなり白くなってしまったが、これはこれで清潔感があって良い感じ(なんだかフィンランドっぽい?)。なお、まだ塗装や嵌め込みを終えていない箇所がある(腰部のオレンジ色のパーツは、まだ乗せてあるだけ)。肩装甲も角度がずれている。
(写真2:)斜めからの一枚。汚損してしまう前にとりあえず撮影して記録に残しておこう。とはいえ、腰側面のビームカノンを早速汚してしまっているが。胸部排気口のイエロー部分は、墨入れをしないままだと締まらないので、後で手を加える予定。GFFは、昔買ってそのまま飾っていたもので、実は埃まみれ。
カラーレシピも書いておこう。ラッカー系のMr. COLORを使用。ブルーは三種類。最も濃い部分(両肩、プロペラント、胸部)は、コバルトブルーにレッド/ホワイトを少量混ぜたもの。つや消しも足してある(以下同様)。中間の色(腕、爪先、羽根先など)は、ライトブルーそのまま。最も薄いブルー(両肩とプロペラント)は、ライトブルーにホワイトと少量のブラック。ホワイトを足しすぎたのは失敗。ホワイトは、MSホワイトにごく少量ブルーを足した。オレンジ色は、黄橙色にレッドを多少混ぜて色味を濃くした。イエロー部分は、基本的に無塗装だが、設定に合わせるために股間やコアファイターにイエロー塗装する必要があった。プロペラント先端などのグレーは、缶スプレーの呉グレーを流用してみたらちょうど良かった。バックパックは、ジャーマングレー(だったか?)とRLM02グレーの二色で塗り分け。バックパック裏側などは、ダークエッググリーンを使った。ノズル等は焼鉄色。
模型作りでも、やはり好きなものから着手する派。楽しみを後にとっておくという発想は、私にはほとんど無い。もっとも、そもそも楽しいものは身の周りに無尽蔵に満ち溢れているので、わざわざ良いものを後回しにする(つまり、それほど楽しくないものを先にする)ような余裕も必要も無い。楽しいことだけをしていても、人生の時間はあまりに短く足りない。
私はそれなりに飽きやすくそれなりに保守的なので、似たようなキットばかりでも退屈するし、まったく未知のタイプには二の足を踏んでしまう。しかも、制作技術の基礎からしてまだまだ不安定だ。だから、それなりに全体構成が把握できて、一定水準で完成させられる見込みがあり、しかも初めての試みとなる部分がはっきりしているようなキットが、最も気楽にそして最も積極的に取り掛かりやすい。
さしあたり、「似たようなもの(同一カテゴリー)を連続で作らないこと」と、「キット毎に実験を行うポイントを想定し、それを次のキットにフィードバックすること(習熟と完成度向上)」を考えて、今後5個分くらいは制作順序の構想を立ててみた(大型キットを含む)。その時の気分で変える可能性もあるが、それはそれで構わない。
古参モデラーの家には、何十年も継ぎ足し継ぎ足して熟成に熟成を重ねて、得も言われぬ深みのある色合いを有するに至った、秘伝の艦底色塗料壺があるとか無いとか。(実際には塗料の場合は調味料とは異なり、様々な塗料を継ぎ足すと色が濁って沈むばかりなので、継ぎ足しなんてことはしないものだが。むしろ「秘伝のカラーレシピ」くらいにしたら……ああ、古臭く生々しい秘密主義を連想させてなんだか嫌な感じに……。)
HG(UC)をストレート全塗装なら、半日で出来るのか。作りやすいんだなあ。もっとも、ヒケや合わせ目の処理をあまり行わないイージーな制作だし、100個以下のパーツ群を切り出して組んで塗って組み立てて墨入れするくらいなら、こんなものだろうか。合わせ目処理で一晩置くとしても、実作業時間はかなり短くて済む。
04/18(Mon)
MG版Ex-S(例のリファイン版ブルー迷彩塗装)はなかなかボリュームがあったが、どうやら工程の山場は越えたようだ。できれば今週末中、遅くともGW前には完成させたい。GWはGWで、ゲームを集中的にこなしていきたいし。
西木野さんは、全体としてはもにょもにょなんだけど、キャラグミンのあれはなんだか凄く良かった。いや、変なポージングだし、先端なども甘いし、目のデカールの貼り付け位置がすごく微妙(表情が崩れやすい)けど、しかし「ああ、このキャラはこういうキャラなんだなあ」という実感を与えてくれた。
【 エアブラシ雑感 】
エアブラシ塗装は便利だけど、注意しなければならない点も多い。
1)吹きつけ塗装なので、塗料の消費が大きい。とりわけ、調色した塗料を使う場合には、途中で切らしてしまわないようにしなければならない。あらかじめ多めに作っておくか、あるいは正確なカラーレシピを保持しておくといった用意が必要になる。
2)また、吹きつけ塗装であることから、塗料のミストが周囲に飛散する。もちろん人体に有害なので、ベランダなどの屋外で作業するなり、室内にきちんとしたブースを設置するなり、なんらかの対処が必要になる。
3)繊細なフラット塗装が出来る分、表面処理の甘さがはっきり露呈する。ゲート跡、パーティングライン、ヒケ、合わせ目などを、きれいにしておかなければいけない。当然のことではあるが。個人的にはきれいなヤスリがけが苦手なので、困ることがある。
4)塗り漏らしをした場合の再塗装も、わりと面倒になる。筆塗りでリタッチできる程度ならば良いが、大きな塗り残し(パーツの内側が完成状態で予想外に露出してしまったなど)や塗りムラがあった場合は、中途半端に筆などで塗ってもタッチの違いがかなり目立ってしまう。
5)塗膜がきわめて薄いので、擦れなどによる塗装面破損の危険が大きい。対処としては、コーティングするなり、あらかじめ可動箇所のクリアランスを確保しておくなり、ケース等に入れて保管するなり、様々なやり方があるが。
エアブラシも、とりあえず最低限の基礎は身につけたと思う。調色した塗料を、面に対して、フラットに塗れるというところまでの「最低限」だが。下地コントロール、グラデーション塗装、ツヤ出し処理、不規則模様(マスキングを使わない塗り分け)表現、メタリック塗装など、まだまだエアブラシ特有の強みはあるが、それらを使う必要のあるキットはまだ手掛けていない。AFVや航空機を手掛ければ即座にかつ高度にそれらの技術が必要になってくるのだけど。
Ex-S(MG版)は、下半身の構築がほぼ完了。GFFと比べても、ボリューム感は圧倒的だし、自分なりに調色しているので満足度が高い。ただし、途中で使用済み溶剤をこぼして羽根を一枚汚してしまったが(泣)。すでに取り付けてしまった箇所だし、周囲の構造物がかなり入り組んでいるが、余裕があればリタッチしておきたい。変形のためにABSパーツは無塗装にしてあるが、これって私の能力――構造理解と器用さ――でちゃんと変形させられるのだろうか。変形機構は、GFFやHGUCでは実行できない、MGのみのアドヴァンテージなので、一度は試しておきたい。
04/11(Mon)
塗料瓶のケースは、学生時代に近所の100円ショップで購入したケースが重宝している。縦横のサイズがちょうど3×8=24本がぴったり収納できる大きさで、しかも中仕切りが3枚あるのでケース内部がガチャガチャしないし、樹脂製の網の目ラックなのでうるさくもならない(プラケースだと、かなりチャカチャカ音がしてしまう)。縁が微妙に盛り上がっているので片手で持ち上げやすいし、もちろん上に段積みすることもできる。頑丈さや静音性も含めて、ほぼ理想的な瓶ケースだ。手許には3つ(つまり72本分)あって、それだけでは足りなくなっていてもっと数が欲しいのだけど、最近ではどこに行っても同じ商品が見つからず、悲しい思いをしている。ただし、「静音性」「中仕切り」「フィット」に関しては、薄手のコルクボードなどを仕込めば解決できる余地がある。
世間的には、艦船模型バブルもひとまずピークを越えた感じなのかな。元々、鉄道/AFV/航空機/カーに比べるとマイナーで、そんなに活発でもないジャンルだったので、この数年の新規趣味者が多少なりとも定着してジャンル人口の積み増しが出来れば、状況は相当良くなったと言えるだろう。私みたいなのも含めて。
某店の箱書きの「すずつき」が、値札シールで頭の「す」が隠されているせいで、「ずつき」に見えて、見る度にもやもやする。
MG版Ex-Sが予想通りに、そして想像以上に大変。
模型制作中は耳が空いているので、(ヘッドフォンのコードが気にならないならば)例えば外国語リスニングにも時間を有効利用できそうだ。外国のニュースを流しておくとか。聞くだけでよくて、メモを取ったり暗記したりする必要が無く、それでいて一定の学習効果があるというのが強み。同様に、歌詞を憶えたいアルバムをリピートするというのもアリかもしれない。それ以外の学習だと難しく、ごく普通にラジオや音楽を聴くくらいだろう。主人公までフルヴォイスのAVG作品を、オートで流しておくというのもある。
04/01(Fri)
今取り組んでいるキットは、1/700の卒業試験のつもりで作っている。1/700スケールをやめるというわけではないが、ここまで10ヶ月ほどモデラーとしていろいろやってきた実験/練習の蓄積をすべて試すくらいのつもりで、現在私が持っているリソース(アイデアとスキルとツールとパーツと時間と気力)を出来るかぎり投入して、最後までしっかり作り上げることを目指したい。自分のモデラーキャリアのありように関して、ここらで一つ、マイルストーン(節目の区切り)になるような作品になればと思う。
イージーな作り方をすると、気分が乗らず、効率もかえって落ち、制作作業それ自体が楽しめないままに終わってしまうということも経験したので、やはり一つずつ丁寧に作り上げていくアプローチで行きたい。
いろいろ買ってきたけど、やっぱり1/350でもエッチングを組み込むのは大変だね。スケールが大きくなった分、作業しやすくなった面もあるけれど、1)エッチングによるさらなるディテール追加が可能になった部分もあり、そしてそれは往々にして超細密工作になっているし、2)それは1/700の時とは別種の工作ノウハウが新たに要求されるということでもあり、3)原寸に接近するのに応じて、誤魔化しが効きにくくなっているということでもある。4)キット大型化により、全体が重くなったり、作業スペースが手狭になったりするという面もある。
webラジオを聴き返しながら、5度目の摩耶制作。どんだけ好きなんだ。
基本工作をきちんと行うことの大切さが、あらためて分かってきた。私にはそれが出来ていないという意味で。パーティングラインの丁寧な処理。不自然な隙間や段差を出さないための正確なすり合わせ工作。水平と垂直をきちんと保持した組み合わせ。接着剤を不格好にはみ出させない、適切な使い方。歪みの無いエッチング取り付け。色調/厚み/ツヤをきちんとコントロールした、隙のない塗装。そうした作業がなされていれば、凝ったウェザリングが無くても十二分に見応えのあるものになるし、追加パーツが悪目立ちすることもなくバランスの良いリアリティが現れてくるし、気の利いた追加工作も全体のボリューム感や精密感を引き立たせるように作用する。そういう完成度を、まだ私は実現できていない。
この10ヶ月で20隻以上作ってきたが、その中でも手応えがあったのは、「1/350 金剛」(FUJIMI版。大スケールのキットをフルエッチングで完成させられたというだけでも、十分大きな経験になった)、「1/700 おおなみ」(PR版。汎用パーツや流用パーツを使いつつ、自分なりにキットを超える作り込みを頑張った)、「1/700 陸奥」(FUJIMI版。ほぼ純正/専用パーツ中心だが、一応見られるレベルに完成度を上げられた)あたりだろうか。汎用パーツを使った初期の習作として、「1/700 綾波」(PR版)も思い出深い。
艦載機は、色彩面でもアクセントになるし、広げた翼には立体感が出るし、模型のスケール感を引き立ててくれるし、適切に配置すれば模型に躍動感をもたらしてくれもするのだけど、親指サイズの極小パーツをきちんと塗り分けるのは本当に大変だし、きれいに作れないと母艦も含めた全体がチャチく見えてしまうので、なかなか気が進まない。
03/30(Wed)
よし、この春は模型の春にしよう。(ゲームはどうした)(本業はどうした)
ということで、いろいろ買い込んできた。一時的に制作/所持比率が急落したが、やむを得ない。
しかしそのとき彼は、自分が一隻を完成させるのに何十時間を要するかに、まだ気付いていなかった……。(「それが、俺が彼女を見た最後の姿だった」風に。)
【 缶スプレー再考 】
エアブラシも持っているけれど、艦船(とりわけ帝国海軍もの)では、缶スプレーも選択肢としては有望なのかもしれない。1)基本的に単色塗装で、グラデーション表現などが必要になる場面が少ない。2)必要になる色の種類が少なく、既存の缶スプレーのラインアップでかなりの部分までカヴァーできる。3)艦底部分など、比較的広い面を一気に塗ることが多いため、スプレーの噴霧力がメリットになる場面がわりとある。4)パーツサイズが大きかったり小さかったりと極端なので、手許の取り回しのしやすさもアドヴァンテージになる場合がある。缶一つだけでよく、場所もコードも電源も無いわけだし、転倒の危険もほぼ無いから。5)エアブラシの特徴的なテクニック(面ごとの微妙な塗り分けや、エッジの強調など)も、艦船ではあまり必要にならない。
もちろん缶スプレーにも(エアブラシと比較しての)デメリットはある。1)細部の窪みなどを塗装するのが難しい。2)噴霧力が強すぎて、厚みをコントロールするのが難しいし、マスキングの縁に染み込んだりしやすい。3)調色や微妙な迷彩塗装が出来ない。4)短期的にはともかく、長期的にはランニングコストは割高になる。等々。
価格面を考えると、1万円のエアブラシセット(エントリーモデルの価格帯)と瓶塗料を塗装する費用は、おおまかに缶スプレー26本分。1/700艦船ならば、13隻以上作るつもりなら、エアブラシを初期投資した方がリーズナブルになるくらいかと思われる。ミドルクラス(30000円程度。私が持っているのはこのあたり)のものと比較すると、当然、その3倍、39隻程度作るまでは缶スプレー(+一部筆塗り)の方がお得ということになる。
缶スプレーのメリットは、「塗装方法や調色の点で、出来ることの幅は狭いが、わりと強力な吹き付け塗装が、取り回しのやすいかたちで、比較的安価に実現できる」と要約できる。つまり、「缶スプレーでは出来ないこと」はわりと多いし、「缶スプレーにしか出来ないこと」はほとんど無いが、「缶スプレーだと楽に出来ること」もそれなりにある。そういうツールなのだろう。筆塗りだと、薄く平滑な塗装面を作るにはモデラー自身の技術と時間が必要になるし、エアブラシだと、多機能高性能ではあるが、複数の色を交換しつつ吹き付け塗装をするのは少々面倒になる。そういった時に、目的を絞って使うならば、缶スプレーは時間的にも費用的にも強みを発揮するだろう。具体的には、「艦底やエッチングシートなどの広い面を、決まった色で一気に塗る場面」や、「ほんの一部分だけを、手軽に吹きつけ塗装する場面」では、缶スプレーを起用する意味はある。それ以外の場面では、細部までの丁寧な塗装やグラデーション塗装にはエアブラシ、細部のリタッチには筆塗りといったかたちがベターだろう。要するに、道具の選択はけっして択一的なものではなく、機能に応じた併用(使い分け)の問題だろう。
隣のレジで、モデラー(オタク)としてレベルの高そうな殿方がPrince of Wales(1/350)を購入されているのを見て、「ああ、格好良い、PoWも良いなあ」と思った。私もいずれ作ろう。
特easyの摩耶、嬉しいことに、わりと売れてるっぽい? 店頭では、先週行った時(発売時)と比べてずいぶん減っている様子だった。私自身は、ノーマル版も作ったし、当分手を出さないと思うけど。特easyシリーズは、艦載艇や煙突のシールはさすがに無理があるし、ゲート跡は放置できないため、結局のところ、甲板シール(リノリウム/木目)くらいにしか意味を見出せない。迷彩空母くらい凝ったものになればまた事情が異なると思うけど。
一個制作する毎に、なにかしら技術上の新機軸(アフターパーツ使用やその他の追加工作)を試してきたけれど、そろそろ自分のスキル及び嗜好の範囲で出来そうなことが限界に来そうかも。まだまだ、汚し塗装の入念な表現とか、空中線のちゃんとした設置とか、 木甲板塗装のいろいろなアプローチとか、工作精度の向上(パーツの精密度ではなく、私自身の基本工作の精度)とか、塗装手順の様々なやり方とか、すべきことは多々あるけど。
いろいろ試してみたところ、面相筆は文盛堂のSUPER SABLE 4/0が最も使いやすい。穂先の長さと太さ、溶剤の含み具合、穂先のまとまり具合、耐久性、柄の持ちやすい太さと十分な軽さ、すべてがちょうど良い。さすがに価格は高めだが、十分それに値するだけのクオリティと安心感がある。
次は何を作ろうかと考えているうちに、いろいろな作業のタイミングが折悪しく衝突してしまって、デッドロックに乗り上げそうになっている。次のキット選択に関しては、「迷ったらBANDAI」というのが安全ではあるのだが……。
03/23(Wed)
デザインナイフを指先に刺しちゃった……。手に取ろうとして人差指の腹に刺してしまって、ほんの1mmほどだけど結構な痛さが続いている。
【 錨鎖表現 】
市販金属チェーンによる錨鎖表現は、以前に試してみた時はあまり面白くなかったので、しばらくは手をつけずにいた。しかし、最近になってあらためて工作してみると、立体感と適度な陰影が出て、艦首甲板に良いアクセントが出来ることが分かった。色は、ブラックだと目立ちすぎるし実態にも合わないので、グレーに塗装。取り付けてから筆塗りすると、塗料のおかげで型崩れしにくくなるし。細かい取り回しがよく分かっていないので、適当に貼り付けているだけなのだけど。
プラ板工作は、箱組みくらいならば、0.3mm厚が一番扱いやすいだろうか。0.5mm以上だと切断に力が要るし、かといって薄すぎると接着面確保(強度確保)/平面確保/構造維持が難しくなってくる。ピンバイス処理をする場合は、0.3mmではもうちょっと厚みが欲しいと感じるが。使い分けが大事ということでもある。
今後は綾波方式(仮)で行くことにしよう。つまり、1/350(の説明書)を見本にしながら1/700を作り込み、そして1/700(の完成品)を参考にしながら1/350を作り上げるという、スケール間フィードバックするやり方。資料目的というよりは、造形把握が目的。私はどうやら立体把握があまり得意でなく、完成前に完成状態を思い描くことがなかなか上手にできないので、こういうアプローチを採った方が、全体をバランス良く、かつ工程プランを適切に立てて制作することができそうだ。
1/350スケールでは、FUJIMIの戦艦(金剛)は経験済みなので、HASEGAWAの空母(赤城。または軽巡[矢矧])、TAMIYAの巡洋艦(筑摩)、AOSHIMAの摩耶、FINEMOLDSの駆逐艦(綾波)あたりを手掛けていけば、わりとバランス良くいろいろなタイプを経験できるかと思う。民間船(氷川丸)とか外国艦(AOSHIMAケーニヒ)とかでもいいけど。
1/700スケールは、慣れてきたけれど、同時にイージーに流れかけてもいる。腰を据えて一つずつ丁寧に作ることを習慣づけていきたい。
それにしても、ムックレベルでは1/350の制作記事が非常に少ない(キット紹介でも完全に無視されていたりする)し、1/350スケールの特質をきちんと取り上げたものもなかなか存在しない。大型模型云々というのを見るといきなり1/100フルスクラッチまで飛んだ記事だっていたりするし。そうした偏りは、自前の技術及び知識の足りない初級モデラーとしてはたいへんもどかしい。大スケールキットの存在とその魅力を知らせておくのは、初級者やほんの初心者に対しても、意味のあることだと思うのだが。もちろん、さすがにすぐには踏み込みがたい領域だとしても、その存在乃至魅力を知っているかどうかは、大きな違いになるはずだ。『教えて! 1/350艦船プラモの作りかた』(ムック?)があるようだが、未入手。
ちなみに、WWIIより前の艦船もなかなか取り上げられないのが、なんとももどかしい。そのせいもあって、八島やケーニヒなどを適切に作れる自信が無くて、手を拱いている。
今年に入ってからの完成品は14個。想定以上のハイペースだ。BANDAIロボプラモや「特easy」版など、(ほぼ)無塗装のものもあるが、基本的には全塗装+追加工作の水準でやれている。いやまあ、それはモデラーとしては最低限の要求にすぎないが。
03/17(Thu)
PIT-ROADのキットを作ると、余剰パーツでパラベーンやホースリール、測距儀、高射装置などのストックが大量に調達できるのがちょっと嬉しい。他のキットで、甲板に一体成形されているものをマスキングして塗り分けるよりも、別パーツで塗り分けて取り付ける方が(個人的には)楽だし、立体感も出る。もちろん「装備セット」で買ってもいい(クオリティもそちらの方が上であろう)のだが、数を揃えるには高コスト(しかも無駄が多い)になるので、さしあたりの簡便な方法としては余剰パーツを流用する方が簡便で良い。
久しぶりに筆塗りを楽しんでみようとロボット模型で試してみたら、筆ムラがひどいわ、下地が透けるわ、埃が混じるわ、時間が掛かるわでもう散々だった。うーむ、こんなに筆塗りスキルが落ちていたとは。
【 艦船模型制作回顧 】
艦船系では、とりあえずIJN艦のいろいろな種類を、各社の様々な発売時期のキットで作ってみた。スキルアップと満足度がそれなりの水準に達したので、そろそろ1/350スケールに移行してあらためて一つずつ丁寧に作っていきたい。おそらくスケールで切り分ける方が、技術/ノウハウ/パーツ/工具の点で効率的だろう。いろいろなアプローチを試しているうちに横着の仕方も覚えてしまったが、しかし結局は、私自身の制作環境で最適化された手法はやはり一般的な(雑誌等でよく紹介、推奨されているような)手法に接近していくのだった。
ちなみに、国内主要5社(Ao/Ha/Fu/Ta/PR)の各艦種(BB/CV/HC/LC/DD/etc)の5*6=30セルのテーブルでは、14セルが埋まっている。
大型艦では、長門型が案外楽だった。艦橋の積層構造さえ上手く処理できれば、それ以外は結構シンプルな作りだし、エッチングの組み立てと取り付けも、それなりにまともな形に出来た。その一方、FUJIMI重巡キット+純正エッチングでは、パーツ精度からしてモデラーの作業にも一定以上の精度が要求されることになるが、私の制作技術はそれを満たせず、結果として不満足な出来になってしまった。さらに、90年代以前のキットでは、キットパーツのディテールに一定の限界があるため、ただ適当にディテールアップパーツを付けるだけでは全体の出来映えが良くなりはしない――つまり、バランスが必要なのだ――ということが、実体験として理解できた。
同一/同型の艦を、別のキットまたは別のアプローチでくりかえし制作するというのは、1)特定の艦(のみ)の造形が好みだからというせいもあるが、2)各社キットの作り比べの面白さもあるし、3)試行錯誤とスキルアップが最も分かりやすい形で経験できるからでもある。特に摩耶は、これまで3社のキットで4回手掛けている。
私は、プラモのキットはあくまで「キット(道具立て一式)」にすぎないと考えているし、そしてそれゆえ、キットに忠実に制作するという意識は低くて、キットを使っていろいろ実験的な制作をしたいという気持ちの方が強いし、失敗したらキット全体を捨ててしまって構わないと考えがちだし(買い直せばいいし、そうすればその分だけメーカーも儲かる)、パーツ取りだけのために一つのキットを買うことすらある。これは、モデラーキャリアの最初期からミキシングビルド(ニコイチ)制作に馴染んでいたせいせいもあるだろう。ただし、技術上及び知識上の限界からして、そんなに派手なミキシングをすることは無いし、プラ板による自作工作もあまり行っていない。
キットパーツはたしかに、特定の(現実上/架空上の)対象を一定のサイズの模型として作り上げるための「素材」(キット)であって、基本的には、それ自体がモデラー活動の目的となるものではないのだが、ただししかし、キットが提供する形姿やディテールのありようは、――大掛かりなセミスクラッチをするのでもないかぎり――逃れがたい「所与」にもなっている。簡素な作りのキットを、リアリティ溢れる模型に作り上げるには、その懸隔を埋められるだけの相当の技術が要る(――それは、出来合いのアフターパーツを適当に貼り付けるだけでは到底埋められないのだ)。歪みの多いキットを、きちんとした形で見せられるようにするにも、同様のものが必要になる。
03/15(Tue)
ミリタリー系スケモや海外SF映画系プラモばかり作っていると、色彩感覚が鈍りそう……。下を向いてデリケートな作業を続けることになるので、姿勢も悪くなるし筋肉や骨格への負担も大きい。気をつけていても溶剤を多少は吸引してしまうし。少なくとも私にとっては、どうやらあまり長時間/長期間は出来ない趣味のようだ。
【 スケールによる(デ)メリット 】
小スケールのキットは、比較的手早く完成させられるし、保管スペースも小さくて済むし、価格も総じてリーズナブルなので、たくさん作ってコレクションできるという満足感があり、仮に失敗してもそれほど痛くないし、さらには量をこなせるおかげで制作スキルも(少なくとも一定水準までは)すぐに上がるし、ヴァリエーションを楽しめるというメリットもある。共通スケールであれば、余剰パーツやアフターパーツを他に再利用できる余地も大きい。もちろん、並べて鑑賞できるという長所もあるし、多様な商品がリリースされるというのも小スケールならではのアドヴァンテージだろう。艦船1/700のような小スケール統一規格のメリットは、だいたいこのあたりかと思われる。
しかし、大スケールならではの魅力や可能性もある。そのサイズ感から来る迫力、大縮尺のおかげで可能になったディテール、高額商品ゆえの全体的な高品質、そして大サイズゆえの工作のしやすさは、「金剛」「綾波」でも十分に体感できた。高額といっても、エッチング込みの1/350艦船でもせいぜい2万円から3万円程度だ(つまりアニメ13話分のディスクと大差ない)し、ラインアップもかなり充実している(ここ十年内外でかなりの新作が発売された)。制作スタイル次第では2ヶ月、3ヶ月もかかるというが、それはべつに無駄な時間というわけではなく、それどころかより長く楽しめるという利点ですらある。最大の問題はむしろディスプレイスペースの確保かもしれない。
というわけで、1/350スケールでまた何か作ってみたい。できれば年1隻くらいは。
【 追加工作の技術的難度 】
[ wikiwiki.jp/kancolle/?%A4%AA%A4%B9%A4%B9%A4%E1%B4%CF%C2%E2%A5%D7%A5%E9%A5%E2%A5%C7%A5%EB#f479cf11 ]
ゲームはプレイしていないが、このwikiは参考になるのでたまに見ている。これほどしっかりした各キットの発売年次の一覧は、web上では他になかなか見当たらない。
私程度の初級者の目で見ると、技術的な難易度は、易しい方から1)木製甲板シート、2)金属砲身、3)装備品パーツの精密化、4)マスト金属化、5)張り線、6)エッチング、あたりかと思う。
1)は既製品を貼り付けるだけなので簡単。貼り付けには瞬着を使っておく方がよいと思う。私も使ってみたことがあり、ものによってはそれなりに高額だ(空母などでは3000円以上のアイテムもある)が、作業も(外周の見栄えや厚みの変化などを考慮せずにとりあえず貼り付けるだけならば)簡単なわりに、非常に効果の大きい工作だと思う。リノリウムシートも同様。
2)はキットパーツを切除する必要があり、素材も異なる(塗装の仕方がやや異なる)が、作業それ自体は難しくない。
3)は、ものによってはかなり細かなパーツを組み立てる必要が出てくるので、素人がいきなり手掛けるのはそろそろ難しそうだ。しかし、探照灯や魚雷周りくらいなら、技術的難易度はキットのものとほとんど変わらない。塗装は、筆塗りだと塗膜でディテールを潰してしまう虞があるので、吹きつけ塗装の方がよい。元キットの出来にもよるし、全体のディテールバランスの問題もあるが、効果はそれなりに大きい。ここまで(1~3)は、出来合いの市販品をそのまま取り付けるだけでなんとかなるレベルなので、金銭的余裕があればやっておいてよい。
4)は、ガイドの無い自作の領域に入る。キットパーツとの位置合わせや専用工具も必要になってくるし、先端処理も気難しい。ただし、基本的には安価で頑丈な素材を加工するだけだし、失敗しても代えが利くし、心理的なハードルも低く、出来映えもとても良くなる。
5)は、個人的には一番やりたくない。理由は、「作業がきわめてデリケート」、「(ものによるが)比較的高額になる場合がある」、「マストを折ってしまいやすい(修復やリトライが困難)」、「かなり目立つ場所になる(接着剤の使い方も重要)」、「完成品を手に持てなくなる」、「どこにどのように取り付けるかで相当の考証やモデリングセンスが必要になる」といった点から。しかし、きちんと工作すれば、スケール感とリアリティと迫力がぐっと増すので、良いものだというのは分かる。
6)は、極小の脆い金属パーツをキットに組み込んでいくもの。専用の極細ピンセット、折り曲げのためのベンダー、塗装のためのプライマーなどが必要だし、デリケートな作業が求められるし、価格も高め(1000円前後から5000円あるいはそれ以上まで)。特定のキットへの専用アイテムは、きちんと位置がフィットするが、失敗すると取り返しがつかない。逆に汎用エッチングだと、取捨選択やキットとのすり合わせが難しい。簡単なものから大規模なものまで様々だが、効果は大きいので、できればやっておきたい追加工作だ。
HASEAGAWAの「リノリウムフィニッシュ」もどこかで一度使ってみたい。いかにも使いどころが難しそうだし、実際、雑誌はもとよりweb上でもこれを使っている作品はほとんど見かけないけれど、このシリーズのシールの質(曲面追従性)はなかなか良い感じなので。甲板上のディテールが比較的シンプルな軽巡あたりには使えるだろうか。
【 完成品の販売価格 】
たとえば、1/700艦船キット及び材料費(例えばキット2000円+エッチング3000円+ハイディテールパーツ3000円で、小計8000円)に、制作時間20時間分(仮に1時間あたり2000円として40000円)の料金が乗せられると考えれば、完成品を48000円で売買するのはまったく妥当な額だと言えるだろう。けっして高くはない。
制作者側で考えれば、一日8時間作業、月20日労働とすれば、月に8個は作れる計算になるが、そうすると一ヶ月の利益は最大32万円。受注スケジュールがぎっしり詰まる(あるいは全作品が順調に売れる[適価で落札される])とは限らないので、そんなに割の良い仕事とは言えない。これが1個あたり5万円ではなく平均7万円で売れるならば利益は約48万円。10万円程度で落札されるものもわりとあるようだし、このくらいの額で制作代行しているモデラーもいるが、これならば月収64万円相当。このくらいまで行けば、フリーの専業モデラーとして安定してやっていけるのだろう。
だから、4~5万円くらいの額で完成品を購入できるなら、一般的には、むしろリーズナブルだと言えるだろう。もちろん、出来映えにもよるけれど、素人がいきなり作ろうとしても、工具代を含めるとかなりの出費になるし、上記20時間の数倍の時間が掛かるか、あるいはそれどころかそもそもまともに完成させることすら出来ない可能性が高い。クオリティも比較にならない。そう考えれば、諭吉数枚を切るだけで「確実に」「十分にハイクオリティな完成済み模型を」「通常はその出来映えを事前に確認できたうえで」入手できるのは、お得だろう。ましてや、2万円程度のものであれば、キットストレート組み+多少のエッチング+それなりの墨入れ&ウェザリングくらいでもかなりのクオリティは確保されているし、むしろ安すぎるくらいだ。
もちろん、私が作った拙い模型には、とても値などつくまい。もしも仮に、酔狂な方がキット代くらいの額で引き取ってくれたなら、あるいは完成品譲渡の代わりにちょっとした夕食をおごってくれるだけでも、「タダで一個作れたことになる」&「ひとに喜んでもらえた」ので十分元は取れたことになるだろう。趣味とはそういうものだ。
03/06(Sun)
軍艦色(のようなカラーリング)のロボット模型は、そういえば、作ったことがある。1/144グフフライトタイプ。ただし、名前のとおり、海ではなく空だが。個人的には、純白のザクを作ってみたいと思うことがあるが、なんとなく機を逸していまだに着手できていない。既存のものではシン専用、寒冷地仕様、サイコミュ高機動試験型、F2連邦軍仕様あたりがそれらしいカラーリングになっている。
後日追記:F2(HGUC)で制作した。上記の連邦軍鹵獲仕様に準じた配色で、きれいなマットホワイト、落ち着いたネービーブルー、いつもの焼鉄色のトリコロールにした。下地にシルバーを置いたおかげで、発色と重厚さが得られた。ただし、「白サフを吹いただけの状態」にも見えてしまうし、頭部の造形からして骸骨のようにも見える。
下地シルバーは、隠蔽性と質感向上のために、便利に使ってしまう。食いつきが良くない(らしい)とか、プラ表面の荒れが露呈しやすいといった欠点もあるようだけど。通常塗料に混ぜた場合も、隠蔽力を高めつつ、そんなにギラギラになるわけでもなく、重めの色合いになってくれるし、とりわけ筆塗りしていた時はむしろムラのない塗装がやりやすくなった。
BANDAIのキットは、パーツの合いが完璧なだけではなく、スナップフィットの「パチン」と嵌まるぎりぎりのサイズになっているし、おそらくそれに合わせてプラの素材も最適なものにしているし、基本的に接着剤も不要な作りだし、組み立てた時に合わせ目やゲート跡も目立たないような分割になっているし、それでいて組み立てにストレスのないようなパーツ分割になっているし、しかも成形色のみによる色設定再現まで実行しているし、もちろん立体物としての三次元的な再現性と見栄えもディテールも強度確保も超高次元で出来ているし、それなのに(あるいは、それだからこそ)作らされているという感じがしないどころか自分で作っているという実感を大いに楽しめるしで、とにかく制作しているとまるで別次元の面白さがある。
試しに買ったリモネン系接着剤を、既存の他のTAMIYA接着剤に(補充のつもりで)混ぜてしまったけど、大丈夫なのだろうか。成分が違う――文字通り「リモネン」なのだ――のだが、今のところ分離や固化のような変性現象は現れていない。ちなみに、この匂いはまったく好みではないので、もう買わないだろうけれど、しかし、吸引していて良いものではないので、「好みでない匂いをしているならば、それは確かに一つの望ましい効果を挙げている」ということは理解している。
02/29(Mon)
【 FUJIMIのエッチング 】
FUJIMIの自社エッチングは各艦で仕様が一貫しておらず、ものによって扉や軌条、マスト、ブルワーク、ジャッキステーなどがあったり無かったりするので、複数の艦を並べて見ていると気になることがある。
しかし、1)お得な価格の純正追加パーツセットとして見て、かなりの部分がカバーされているだけで十分意味がある。そもそも追加パーツは、ユーザー個々人の判断で取捨選択して購入し使用するものなのだし。2)また、エッチングの内容は新作毎に改良されているようであり、その意味でも、一貫性ばかりを求めても仕方ないだろう。3)さらに言うと、必要なパーツ以外のおまけも付いているのは嬉しい。例えば水密扉、方位測定儀、ホースリール枠などが、本来必要な数よりも多めに付いており、失敗時の予備としても使えるし、他の艦に流用することもできる。プレートの余白を活用したユーザーサービスなのだろう。
フィギュア制作はねー、生首を弄べるのが良いんだよねー、うひひー。(変態)
「同一メーカー同一スケールのキットを連続で制作しない」という方針を取っている。趣旨は、飽きてしまわないためと、方向性を固定してしまわないため。なにかしら実質的な信念のためではなく、あくまで実際的な判断によるものなので、必要があればいつでも破って構わないルールだが、今のところは完全に遵守できている。また、特定の方向性で集中的に取り組み続けることでスキルアップする場合もあるし、また特定ジャンルに絞る方が制作環境(工具、塗料、等々)の点で効率的であるというのは承知している。
それほど継続的に模型制作しているわけではないが――あるいは、ないからこそ尚更――、制作スケジュールの計画性の重要性を痛感している。塗料及び工具の準備、制作手順の確認、追加パーツ等の確保、制作スペースの維持(及び維持期間の計算)、合わせ目処理や塗装乾燥の待ち時間、肉体的負担(目や腕の疲労)、等々。あらかじめ見通しを立てておかなけば、一日単位の大きな時間的ロスが発生する。慣れもあるが、計画性如何によって制作効率は大きく変化するし、そしてそこからクオリティ確保にも影響がある。
制作環境の確保や、制作工程の効率化という観点でいえば、余技ではなく第一趣味として専心する方が、はるかにスムーズに、そしてよりいっそう深く楽しめるに違いないのではあるが、残念ながらなかなかそうもいかない。3個も4個も同時並行で進めて、接着部分の固化待ちや塗装の乾燥待ちをうまく順繰りにしていければ、かなり楽になるのだけど、その期間中ずっと制作スペースを維持するのが(仕事柄、そして多趣味のせいで)難しい。
【 ネウロイ化プラン 】
スケルトンキットを使ったネウロイ赤城は、案外簡単に作れるかも。船底と飛行甲板だけに赤黒のハニカム模様を入れて、後は二色のグレー(全体は薄め、船底部と飛行甲板はやや濃い色)で吹いてしまえば済みそうなので。ヘックス模様のパネルライン(?)は、通常は青みがかったグレーだが、赤城の場合はブラックのようだ。赤色部分は、クリアレッドを濃いめに吹く(濃くするのは、内部が透けないように、内部からの電飾を光らせすぎないように)ことを想定していた。ただし、甲板先端部は電飾効果が反映されない(それゆえ他のレッド部分と色調が異なってしまう)ので、全体の整合性や見栄えの分かりやすさを考えるとメタリックレッドの方が良いかもしれないが、それならそもそもスケルトン版を使わなくても済む。実際にはどうやら数メートル(1/700縮尺で一辺4mm程度?)の網目模様が入っているが、メッシュ材等をマスキングとして当てて再現するかそれとも無視するかは検討中。
後日追記。実際に制作した(→「1/700『ネウロイ化赤城』模型(4)完成写真」)。簡単どころか、とんでもなくハードだったが。飛行甲板の平滑化、ヘキサゴンパターンのマスキング、ウォーロック自作など、すべきことが多くて大変だった。
【 PIT-ROADのプラ材質 】
Pit-Roadのプラは工作しやすい。ニッパーで切るとパチンときれいに切れるのに、デザインナイフでは抵抗なくスルスルと削れる。しかも粘りがあって、曲げても折れにくい。心なしか、接着剤で表面を溶かして固める時も、パーツ同士がしっかりと一体化してくれるような感じがある。成形色のクールな白磁色も好きだ。材質をどのようにコントロールしているのかは知らないが、とても好み。逆にFUJIMIのプラは硬めで脆いと感じるが、これはただ単に微小パーツを扱うことが多いせいかもしれない。
02/22(Mon)
【 艦船模型いろいろ 】
軽巡以下と重巡以上とでは、計画性や作業量の要求水準がまるで別物になる。つらい。というわけで軽巡に一時逃避して、龍っちゃんをリメイク、というかリペイント。同一のキットで見比べると、塗り次第で全体の趣も一変するのがよく分かる。
一部の重巡は、戦艦よりも大変かもしれない。自分の経験でいえば、例えばVVや陸奥よりも摩耶の方がはるかに難しかったし。制作難易度は、単純な作業量の多さだけで決まるものではなく、組み立て手順の明快性や、手順前後できない箇所の有無及び多寡、微小パーツの数量、間違いやすい箇所の有無、説明書のミス、などがある。軽巡以下のものは、総じて工程が少なく、それゆえ見通しも立てやすいし間違いも起こしにくく、要するに作りやすい。
重巡でいえば見た目が好みなのは高雄型、次いで利根型。まったく個人的な話だが、中央部の甲板(シェルターデッキ)から艦首側甲板へと艦橋前部がすとんと落ちているのがいかにも重巡らしいと思っているので。そうした中で、高雄型は大柄な艦橋にゴージャスな余裕を感じさせるし、集合煙突の奇怪な(個人的には好みではない造形の)湾曲が覆い隠されているのも嬉しい。後部の構造も、(とりわけ戦艦に通じる航空作業甲板の形状が)見ために分かりやすいし。船体全体のシルエットが細身に引き締まっている(しかもそれでいて、大柄な艦橋とのバランスも取れている)のも、見ていて心地良い。模型で作ったことがあるのは摩耶ばかりだが。
利根型は、艦橋前部にまるで動物の前肢のように生えている二本の大きな缶室給気路が、曲線的な愛嬌と機械的な武骨さを併せ持っていて面白い。中央部分以降の整理のされ方も、他と比べてずいぶん風変わりに見える。ただし、艦尾にかけてのぼってりとした丸まり具合は好みとは言いがたいが、些細な欠点だろう。どちらも作ったが、名前からして筑摩の方が好き(――筑摩書房にはいろいろお世話になっていることだし)。
名前といえば、加古川から名前を頂いた加古も好きで、ちょうど来月にHASEGAWAの1/700フルハル版がリリースされるとのことなので、一度この機会に作ってみたい。
要するに私は、「名前」で好きになって「外見(から見える構造)」で面白味を感じるということのようだ。戦歴とか人気とかは、私にとってはわりとどうでもいい。
利根のシェルター甲板は、少なくとも1941年時点では全面リノリウムだったようだが、筑摩も同じ扱いで良かったのかな。ちなみに、手許のAOSHIMA版筑摩では全面鉄甲板扱い(リノリウムモールド無し)、FUJIMI版利根(1944)は航空機作業甲板以外はリノリウム扱い(押さえモールドあり)になっていたが、制作時はこれに従う必要は無いだろう。
ツヤ消しコーティングも良し悪しだ。色味が大きく変化してしまう。1)全体としては良い方向に変わってくれるし、2)コーティングとしても質感統一の点でも実行した方がよいものだし、3)慣れてくれば色調変化(と写真での映り具合)をあらかじめ想定して塗装することもできるのだろうけど、私にはまだそこまでのコントロールが出来ない。個人的には、エナメル塗料で全体を薄くウォッシングするくらいでちょうどいい感じになっていると思う。
事前にちゃんと教わっていなかったら、きっと私は缶塗料を瓶詰めして破裂させていたと思う。缶スプレーの中途半端な余りを有効利用したい時や、缶スプレーにしかない色を(エアブラシや筆塗りで)使いたい時に、「紙コップなどに吹き付ける形で塗料を出す」あるいは「ストローなどを挟んで容器に入れる」といった仕方で塗料を取り出して使うというやり方があるのだけど、吹き付けて出したばかりの塗料は大量のガスを含んでいるので、そのまま密閉すると非常に危険だ。一見安定しているように見えるが、爪楊枝などの異物を差し込むと一気に泡が発生する。だから、時間をおいて十分にガス抜きをしておく必要がある。未処理のガス混入塗料を密封すると、厚手の塗料瓶ですら破裂することがあるらしい。
制作中のプラモの上に塗料瓶をひっくり返した……こんなの初めてだ……もう、ふて寝する(泣)。修復困難なので、同じキットをもう一つ買ってくるしかない。不幸中の幸いで、制作序盤のため被害範囲は小さかったのでリカバーは容易だし、ダブったパーツ群は他に転用できそうなものが多い。できればメーカーさんに潤っていてもらいたいし(――企業体力があれば、それだけ新規キットが作られる見込みも高まる)。これが1/350の高額キットだったら、さすがにパーツ注文をさせてもらうところだが。
この半年強の模型熱再燃で、いろいろなキットを買ってきて、工具代も含めてざっと30万ほど使ってきた(えっ!? そんなに!)けど、全体としては三分の二は完成させているので、とりあえずモデラーとしての怠惰を責められることはあるまい。不出来の咎めはもちろん甘受するが。
模型制作は、とりわけスケモ分野でいえば、自分が持ち得ている範囲の知識を最大限反映させることと、自分が実行可能な範囲の技術を最も効果的に反映させること、そして自分が持っている美意識や想像力の範囲でできるかぎり最善のバランスで完成形を想定してそれを実現することにある。知識が無ければ何をどう作ればいいのかも分からないが、それを模型という形で適切に具体化させるには技術の助けが必要になる。しかし技術は、ただ野放図に使えるだけ使えばよいというものではない。模型として成立したオブジェクトをより良いものにするというのは、ただ単に作業量をひたすら増やしていくとか、ただ単に使えそうなパーツを盛り込みまくるだけではない。
【 窓ガラス表現 】
窓枠には、ガラス表現もしてみたい。というわけで、文具店でそれらしいクリアパーツを含むものをいくつか買ってみた。望ましい条件としては、1)できるかぎり薄くて透明(加工しやすさのためでもある)。2)光の反射がきれいなのが良い(そもそもの目的)。3)折り曲げしやすいこと(無理なら無理で、切り貼りで対処することもできるが)。このあたりだろうか。エッチング窓枠の裏にくっつければきっとそれらしくなるだろう。
(後日追記:)クリアパーツを瞬着で貼り付けると白化してしまい、所期の目的が果たされないことが判明した。上下幅が極端に狭いこともあり、接着剤の影響を免れることができない。かといって、プラ用接着剤だと、素材を選ぶ(ビニールでは接着できないだろうし、エッチング金属にもくっつかない)し、接着精度を確保するのも難しい。さらに、0.5mm幅のクリアパーツをきれいに切り出すのも難しい。うまくやれば効果を発揮するであろうことは確認できたが、今回はうまくいかなかったので外した。1/350などの大スケールキットであれば、強度と精度を確保しつつ白化を避けてきれいに取り付けることは可能かもしれないが、1/700サイズでは(少なくとも今の私の技量では)ほぼ不可能だった。
別の機会に試してみて、窓ガラス表現に一応成功した。問題点は:
1)小さなパーツなので、接着剤の扱いに注意する必要がある。エッチング窓枠に密着させることになるため、下手に流し込み接着剤を使うと毛細管現象で接着剤が表面にまで広がってしまう。粘度の高い接着剤で慎重に取り付けなければいけない。瞬着はクリアパーツまで白化させてしまいやすいので厳禁。
2)透明プラ板は、いくつか試してみたが、HEIKOの「CRYSTAL BOX」)がわりと良かった。小物入れに使えるような小型のプラ箱で、平たい展開状態の10枚セットなので、保管も楽。ごく薄く、反射もきれいで、ちゃんと平滑面が保持されるし、工作もしやすかった。ファイルフォルダなどに使われているクリアパックは、薄すぎる(=接着面が確保できない)し、ぐにゃぐにゃできちんとフラットな面が出ないので、ガラス表現には適していない。小型のプラ入れ物セット(展開状態になっている)を使った。
3)窓を嵌めた後で吹きつけ塗装するのは不可能。工程としては、「艦橋の各階層と窓枠を個別に塗装 → 窓ガラスを裏から嵌め込み → 各階層を接着」の順になる。多くのモデラーがガラス表現をしていないのは、このせいもあるだろう。
4)内側に仕込むので、ガラスパーツが外れると後から修復できない。かといって、(クリアプラは薄いので)強固に接着することもできないのだが。完成品の扱いが非常にデリケートになる。分厚いクリアプラ板を使ったら使ったで、窓枠に密着させにくくなったり加工しにくくなったりするし。
5)プラ用接着剤でも、透明パーツが白化することがあるかもしれない(たぶん無いとは思うけど、念のため)。窓ガラスを接着した時点で十分に接着剤を揮発させてから各階層を組み立てたい。そうでなくとも、エッチング窓枠部分を瞬着で上下取り付けしようとすると透明プラを濁らせてしまうので、その部分はもう接着できない。
6)曲げると透明プラが白化してしまうので、折り曲げは事実上不可能。なので、曲面に窓ガラスを仕込むのは非常に難しい。角の部分は、折り曲げるよりも複数の窓ガラスパーツを切り貼りした方が、作業も容易だし精密度も確保しやすいと思う。
7)残念ながら、ガラス表現を仕込んでしまうと、窓枠(エッチング)のシャープ感がかなり損なわれてしまう。リアリティは増すが、見栄えは劣るように思われる。ガラスのキラキラもちっとも目立たない。もっと大きいスケール(1/144など)であれば、クリアプラによる窓ガラス表現は効果的(というか必須)なのだが……。しかし、小スケールの艦船模型でも、窓枠エッチングのみでは艦橋内部のスカスカが露呈してしまいやすいが、それをガラス表現が隠してくれるというメリットはあるので、余裕があるならやってみてもいいかもしれない。
というわけで、次に1/350スケールを手掛ける時は、ガラス表現を試してみたい。
02/18(Thu)
「おおなみ」完成写真を追加掲載。自分なりに知識と技術と金銭と手間を掛けて、出来るかぎりのことをやってみた結果だし、完成状態を見てもおおむね満足している。いやまあ、キットパーツに取り付けられそうなものを適当に見繕ってベタに取り付けまくっただけの、センスもコンセプトもない単なる足し算工作ばかりなんだけど。
[ blog.livedoor.jp/basiro/archives/cat_717384.html ]:この方はしっかりした王道の工作をされているし、[ homepage2.nifty.com/vanguard/makingpoints/makingJMSDFmakinami-1.htm ]:正確な考証を踏まえつつ全体のバランスも考慮した完成度を実現した制作とは本来この方のようなアプローチだし、[ ameblo.jp/tushimanokami-n/entry-11011491782.html ]:こういう作り込みは本当に見応えがあるし、[ kansenkun.web.fc2.com/sabu04/sabu04-01/takanami/takanami.html ]:こちらはディテール工作も撮影も上手いし……こういう優れた作品群を見ていると、感動しながら同時に涙目にもなる。「ふええ……こんなの真似できないよぉ……」。
こうした比較からあらためて確認できるのは、模型制作とは作業量(だけ)の問題ではなく、どのようなありようを目指すかの次元こそが決定的なのだという事実だ。「実物の再現」というのは単なる枠組(の一部)にすぎず、その枠を所与としつつもその中で、どのような形姿を取らせようとするか、一つの作品が全体としてどこまでの精密度を実現するようにするか、何を見せようとするのか、それらをどこまで追求するか、そして要するにどのような完成状態を目指すか、そうしたことを見据えたうえで取捨選択をして工作しなければ、バランスの悪い散漫な出来の模型にしかならない。言い換えれば、私のような場当たり泥縄の工作では、(主観的にいえば)何がしたかったのかが見えてこないし、(客観的にいえば)どこに見どころがあるのかが分からないものになる。つまり、「それなりに細かくいろいろな凸凹があるが、結局『なにこれ』『それがどうした』としか言えないような、数十cmのプラと金属の塊」にしかならない。
とはいえ、資料確認や工程構想や手作業それ自体はわりと楽しいもので、作っている当人はそのプロセスによって(そのプロセスの充足感をも投影して見ることで)満足してしまいがちなのだけど、アウトプットにおいては(それ単体としては)なかなか良い出来にはならない。あるいは、そもそも「出来」の良さを評価するための基準すら、見出せないものになる。エクスキューズとしては、今回は自分の出来ることを積み重ねていったらどのようなものが出来上がるのかを確かめるための実験という側面もあった。しかし、そういうアプローチから出てきた結果は、ことほどさようにご覧の有様で、無加工ルーバーの悪目立ちのようなバランスの悪さであったり、合わせ目工作の手抜きの露呈であったりするわけだ。
02/17(Wed)
【 個別ジャンル雑感 】
ここ半年ほどでいろいろな模型ジャンルに手を出してみて、艦船系が最も楽しめた。それはおそらく、私の技術の限界内でそれなりの出来のものが作りやすかったというのも理由の一つだろう。艦船模型の場合、塗装も基本的にはきわめてシンプルだし、アフターパーツも(種類/入手性/品質いずれも)潤沢に供給されているうえ使い方も分かりやすい。言い換えれば、技術的困難をお金で解決できる場面がわりとある(――それでいて、エッチング一枚が1000円からせいぜい3000円程度と、それほど高額ではない)。また、1/700という極端な小スケールであるため、難しい部分はそのままにしておいても、見た目のクオリティはそれほど(他の模型ジャンルほど致命的には)損なわれない。
それに比べると、AFVの複雑な迷彩塗装や詳細な考証は大半を自助努力で賄わねばならないし、スケールの大きさゆえ、ディテール表現やウェザリング、質感表現などの失敗は即座に露呈する。航空機模型でも、しばしば繊細な塗装が要求され、よほど慎重かつ精密にきちんと行わなければオモチャっぽくなってしまう。カーモデルの鏡面塗装やバイク模型のディテールなども同様だ。ロボット模型やフィギュアにも、モデラー自身の現場技術でなければ克服できない特有の難しさや、特殊な工具をきちんと用意しなければ完遂しきれない工作が、様々な場面に存在する。
その意味では、艦船模型は、(おそらくは「この小スケールを扱えるくらいの程々の器用さと、それからちょっとした根気さえあれば」という最低限の条件がクリアできれば)、案外、敷居の低いジャンルなのかもしれない。実際、私くらいの未熟なモデラーでも、一応それなりのものが作れるようにはなってきた。もっとも、10隻も作ってきてようやく、お手本どおりのものらしき最低限の作品が作れるようになったという程度だが。
……もしかしたら、「私は複雑な塗装が苦手」ということなのかも。
記憶が正しければ、最初に作った艦船模型はAOSHIMAの1/700「摩耶」で、いや実際には「作ろうとした」にすぎず、結局完成させられなかったのだった。仮組みをして、塗装していって、しかし完成状態のイメージが持てなくて、どのディテールにどういう意味があるのかもよく分かっていなくて、そしてモティベーションが失われていって……といった成り行きで途中放棄してしまった筈。その後、もう一つキットを購入して再挑戦で完成させたし、今も昔も「摩耶」の造形は好きだし、目の前にある模型がその700倍のサイズのどのような物体を元にしているかもそれなりに理解したうえで作れるようになったが。
02/09
【 『アルペジオ』 】
件の霧の艦船たちのキットの中味を店頭で見てきたら……比叡(ヒエイ)のピンク色甲板という衝撃は予想していなかった。キットの元になったHASEAGAWAのノーマル「比叡」を実際に制作したことがあっただけに、あの毒々しい成形色の甲板パーツを見て数秒ほどフリーズしてしまった。しばらく夢に見そう。
ちなみに、あの「ヒエイ」の成形色構成はほんの申し訳程度のもののようで、キットのままパチ組みしても設定どおりのカラーリングになるわけではなさそうだ。ということは、下地色がバラバラなので、むしろ塗装時に色調をきちんと合わせるのが難しくなってしまうのではないかと心配した。ただし、同シリーズの「マヤ」の方は比較的設定に忠実な成形色分割をしているようだ。今回のキット化企画の旗振りをしたと思われるAOSHIMAが頑張ったのか、それとも(幸運にも)元のノーマル摩耶がそれに合ったランナー構成だったのか、あるいは(きわめて低い可能性だが)漫画/アニメの側がキット化を見越して色設定していたのだろうか。AOSHIMA摩耶は二度手掛けているけど、さすがにランナー構成までは憶えていないからなあ。
ともあれ、「マヤ」の元になったAOSHIMA「摩耶」は作りやすくてシルエットも良い感じだったので、気が向いたらこの「マヤ」版も作ってみたい……のだが、その一方でFUJIMIの特easy版「高雄」も発売されたばかりなので、おそらく近々リリースされるであろう特easy版「摩耶」も作ってみたくなるだろうし、そうするといったい私は何隻の「摩耶」を作ることになるのかという問題が出てくる。もちろんFUJIMIノーマル「摩耶」もPRの「摩耶」もすでに手掛けているし、1/350版も作りたいし。
02/01
直線3段手摺エッチングを日本橋で入手してきたので、「おおなみ」の出来をさらにグレードアップさせられる筈。ひゃっほう。たかなみ型専用のものはリリースされていないし、海自艦向け手摺エッチングもなかなか良いものが無いが、他国現用艦用や商船用の製品には流用できそうなものがいくつかある。値段はそこそこするけれど、高いといってもせいぜい3000円前後だし、他ならぬ「おおなみ」さんのためなので。
01/25
「Model Graphix」誌に冬目氏のイラスト連載が! どういう経緯だ。描かれているのは、制服少女とミニクーパー。ああ、そうそう、冬目氏はこういうのお好きですよね。私もです。
HJ誌には、嬉しいことにChieftain特集記事があったが、真っ黒背景の撮影で見づらい。砲塔部分の愛嬌ある曲面や、砲塔背面のカゴなどが、以前からわりと好き。緑色が似合っているところもいいし、都市迷彩タイプも面白い。
そうか……ヒエイさんは眼鏡キャラなのか。
[tw: 691572139615350784 ]
ああ、そうそう、『ACONY』第1巻の22ページにこんなシーンがありましたね。
しかし、このページを即座にさらりと出せるとは、この方もすごいな。
WG-EWの盾に既視感があると思ったら、『Darius Burst』の機体か。形状といい、赤-白のカラーリングといい……。バード形態はかえって似なくなるけど。
白いザクっていいかもと思った。既存のものでは、MSVの専用ザクと、連邦鹵獲ザクと……ああ、そうか、サイコミュ高機動試験型(制作経験あり)があった。
DOYUSHAの潜水艦キットをいくつか買い込んできた。パーツ数は10個(+台座)くらいしかないのに、スライド金型を使っているし、プラも小気味良く切れるし、パーツ幅も非常に肉厚でしっかりしているし、台座には艦名があらかじめプリントされているしで、なんだかすごく面白い。
【 昔のキット 】
昔のキットを組んでみると、「キットはまさに制作キット(道具一式)でしかない」ということが実感できる。ボラードや副錨などのディテールもごく簡素だし、舷窓も開いていないし、甲板モールドも無かったりする。パーツの合いも非常におおらか。それでいて、ところどころ表面がマット調の質感になっていて面白かったりするし、全体のシルエットは実物の印象を伝えるのに十分なかたちになっている。そういうキットを元にして、模型制作を趣味とする各人が、様々な技法を案出しつつ、可能なかぎりそれらしい模型として仕上げていくことが、当初の美徳とされていたであろうことは想像に難くないし、そしてその歴史的経緯が現在に至る模型界の美学/基本的価値観/方法論/文化を形作ってきたのだろう。そしてまた、現代の最新キットとの違いは、まさに模型メーカーがどのような点に注力してどれだけの進展を見せてきたかを証立てるものでもある。
私自身はどうかというと、模型制作の楽しみは、「自分の技術及び理解の届く範囲で、小スケールの立体物として手に取って鑑賞することのできる形状見本を、自分のものとして手にすること」だろうか。汚し塗装等によるリアリティある再現性の追求は、上述のように模型界の支配的価値観の下ではほとんど必須的に重要なものであろうが。私がかならずしもそれにコミットしていないのは、このような受け止め方の違いにあるのだろう。
【 模型制作の楽しみ 】
私にとっては、模型制作の楽しみの白眉は、艦橋窓枠エッチングの取り付け。艦船模型の顔の部分を引き締められるので大きな満足が得られるし、実はさほど技術的に難しいわけではないし、それでいて工程は多彩だし。プラパーツ切除という大胆な作業から、位置合わせの楽しみ、それからエッチングの折り曲げの手作業(ベンダーがあれば楽)、仮合わせ(確認)と接着取り付けのワクワク、そして最終的に上下のパーツでぴったり挟んで、奥行きやディテール感に見惚れるところまで、手仕事の興趣がふんだんに詰まっている。汎用エッチングを使っている場合は、ミスをしてもいくらでもやり直せるという気軽さがあるし、パーティングライン処理やマスキング処理のような単純作業のつらさもほとんど免れている。
もっと素朴に言えば、甲板上に丹念に貼り込んだマスキングテープを剥がす瞬間にも原始的な爽快感があるし、ウォッシング(ダイナミックに塗料を塗りつけるのも、それらを拭き取っていく過程も)や最後のクリアコーティングも気持ち良いものだが。
AOSHIMAキットのようなクリアパーツ窓枠も、これはこれで良いもので。
私の場合、細かな色指定やエッチング使用箇所を含めて、工作内容はキット組立説明書にあらかじめ直接書き込んでおく(赤ペン)。こうしておけば、どこをどうするかをあらかじめ整理できるし、作り忘れも無くなる。普通のモデラーさんたちは、どうやって制作構想をまとめているのだろうか。もちろん、ペラに書き込む程度では済ない膨大な修正を行うという方も多いだろうし、インストも資料の一つとして汚さずに(書き込まずに)とっておくという人もたぶんいるだろうけど。
「(それなりに)見事だな。しかし小僧、自分の力で作ったのではないぞ。そのキットの品質のおかげだということを忘れるな」……はい、重々承知しております。ええ、本当にもう。
模型も書籍と同じだ。手に取れないかたちにしてしまうと、その生命が失われてしまう。読み終えた本でも、段ボール箱に詰め込んでしまわず、できるだけ書棚に見えるかたちにしておけば、常にその存在を意識しその内容をなんらかのかたちで反芻し続けることが容易になる。
完成させた模型も、ひとたび飾り棚の奥に、クリアケースの向こう側に閉じ込めてしまうと、自分の心の中で「もう終わったもの」「済んだもの」になってしまう。そうではなくて、いつでもじかに視界に入れられるようにしておけば、その印象は常に新鮮なままであり続けるし、愛着も増していくし、その制作過程の記憶も生きたかたちで自分の中にとどまり続け、そしてその意識的/無意識的な思考は次の制作のための豊かな地盤となる。反省と新たなアイデアの触発という点でも、モティベーションの賦活という点でも。もちろん、そのままだと埃が付着してしまうが、しょせんは私が手すさびに組んで塗っただけの作品だ、永久不滅の価値を持つ美術品などではないのだから、この私自身がその存在を最大限楽しみ最大限活用できるようにすればいい。
01/18
うーん……こう言うのは申し訳ないけど、HASEGAWAはどうも苦手……。いくつか作ってきて、全体の作りはもちろんしっかりしているし、パーツによって材質を変えるといった気遣いもしてくれているのだが、ディテールの付け方やパーツ構成が、何故かどうにも趣味に合わない。追加パーツ群の売り方とかも、どうも釈然としない。ごめんなさい。1/350のあれとかそれとかも作ってみたくはあるのだけど……。
【 反復制作 】
以前に制作したことのあるキットをもう一度作ってみるというのは、とても作りやすい。一度完成させたことがあるので心理的な敷居も低いし、技術面でも制作手順、全体イメージ、要所/難所/見せどころが分かっているので心配が要らない。しかし、二度目がはるかに上手に早く作れるのは、部分的には過去をなぞっているにすぎないのであって、私の腕前が上がったと言えるかどうかは疑わしい。
もちろん、一般的に、そうした反復は否定されるべきものではない。経験を積むことでスキルが上がるというのは、本当に「出来ることが新たに増えている」という側面もあるが、「過去の類似の経験を参照して、同じような対処を的確/迅速に自信をもって行えるようになる」という側面もある。また、同一のキットでも、以前のトライがあらゆる要素に関して最高の対処を施せたというわけではないので、試行錯誤(反省を伴う再挑戦と、技術的練習)の余地はけっして小さなものではない。だがしかし、同一キットを再制作している最中に、以前の制作と比べて、自分がずいぶん上手くなったように感じるのは、錯覚による上乗せがかなり大きいということも認識しておくべきだ。実際、制作中の感覚ではなく、二つの完成品を見比べてみることで、自身の技術的上達の程度を冷静に捉え直すことができるだろう。いずれにせよ、大作へのウォーミングアップや、モデラーとしてのリハビリには、良いエクササイズになる。
01/14
【 「アドヴァンスドMSジョイント」について 】
RG共通の組み立て済み内部フレーム、すごい……。元々は、たしかPGガンダム(1998年発売)で初めて導入された技術で――私は作ったことが無いけど――、MGではガンダムVer.1.5(2000年発売)から採用されたアプローチだが、さらに精密度を増してとんでもないことになっている。仕組みとしては、おそらく複数の材質(プラとABS)を用いて、まず材質Aを金型で射出成形して、さらにそれにうまく重ねるように材質Bで別の金型で成形をしているのだろう。
これは、1)ユーザーの組み立ての手間を省いてくれるという点の他にも、様々なメリットがある。すなわち、2)通常のプラ組み立てでは不可能な差し込み構造を実現したり、2a)それによってよりいっそう大きな可動範囲を持たせたりすることもできる。3)あるいは、通常のモナカ組みをはるかに上回る強度を確保することもできる。4)さらに、通常の別パーツ化だと普通のユーザーには嵌め込みが難しいであろうような精密な関節表現も、この多重成形によって確実に遂行することができる。実際、RGキットはこれらのアドヴァンテージを活用している。
ただし、デメリットが無いわけではないが。考えられる問題点としては、ABS使用が不可避であること、コストが高くつくこと、場合によっては事後的改修が難しくなること、関節強度等の事後的調整ができないこと、シリーズに使い回すことで各キットでプロポーションが固定化してしまう虞があること(実際には、キット毎にうまくアレンジしているようだ)、等々。だが、このRGというシリーズのコンセプトでは、これらの潜在的な弱点は、ほとんど表面化せずに済むだろうし、この精密な内部フレームが半完成済みであるという長所の方がはるかに大きい。
MGはMGで、内部構造の表現を売りにしているようだが、「どうせほとんど見ない」「改修しにくい」「内部フレームを作るのが面倒」といった難点もある。部分的には、塗装しやすくなるメリットもあるが、トレードオフの材料としては少々弱い。ガンプラ分野の、いわば「美学」の次元でこれを肯定する価値観が、いったいどのくらい共有されているのだろうか。私はロボット模型分野にはほぼ門外漢なので、よく分からない(――もっとも、スケールモデルも、支配的価値観[であろうもの]をほとんど理解も共有もしておらず、ほとんど素人のようなものだけど)。個人的には、旧1/100の路線でラインアップを拡大(&クオリティアップ)してくれるのが一番嬉しいかも。HGの1/144サイズ(だいたい全高12cm)では、ちょっと小さすぎるし。
【 BAIDAIのクオリティ 】
BANDAIのクオリティに、あらためて衝撃を受けている。RGの1/144スケールは、作ってみれば本当に小さい(頭頂高は約12cm)のだけど、そのサイズの中に十分なディテールの精度と密度を盛り込んでいるし、ほぼ完璧な配色再現とそのためのパーツ構造も素晴らしい。組み立てはあまり複雑になりすぎないようにしてあるし、それでいて強度確保にも配慮されている。もちろんパーツの合いも正確だし、ヒケやディテール潰れも無い。
どうやらプラの材質も、良いものを使っているようだ。ニッパーを入れる時のパチパチ感がたいへん気持ち良いし、成形色にも安っぽさがなくて、表面の反射がツヤ消しになっているし、光の透過もかなり抑えられているように見える。これはおそらくロボット玩具という位置づけに由来した、必要性のあるクオリティ確保なのだろう。というのは、無塗装制作するユーザーが比較的多いから成形色が十分見るに堪えるクオリティでなければいけないし、また、完成後も動かして遊べることが前提になっているので十分強度のあるプラでなければいけないから。
01/10
【 「特easy」雑感 】
「特easy」版キットを試しに作ってみた。キットの金型そのものは通常の艦船模型と同じだが、諸事情で塗装ができない人には好都合な商品だろう。技術がない(うまく塗りきれる自信がない)とか、塗装環境を整えられない(空間的事情)とか、塗装ができない(例えば衛生面の考慮)とか、塗装の時間を取れないとか、あるいはニッパーとカッターだけで手軽に作りたいとか、それなりに安価に(つまり完成品を数万円で購入するのではなく)それなりの出来の艦船模型を手に入れたいとか、試しに艦船模型を作ってみたいとか、そういうユーザーは一定数存在するだろうし、そうした(潜在的/顕在的)需要に応えるものとして、このシリーズは意味があるだろう。もちろんキットのディテールは通常のFUJIMIクオリティだし、成形色がおおむね実物想定色であることから、塗装派(とりわけ下地塗装をしないユーザー)にとっても一定のメリットはあるだろう。
実際、私自身としても、「気温と湿度が極端になる冬期には、全塗装作業は気が進まない」、「空母の甲板塗装をイージーに済ませる手段の一つとして、一度試してみたい」、「(ゲームと研究に時間を掛けたいので)あまり時間が取れないが、気分転換になにか軽く作ってみたい」、「作ったことのない艦(興味が無くはないが、別にそれほど思い入れがあったりするわけでもない艦)を、試しに作ってみたい」といった条件の下での制作意欲があり、このキットはそれをちょうど満たしてくれた。初めて手掛ける艦で、しかも構造がややこしくて組み立てがデリケートなので、もしもいきなり全塗装ハイディテール制作に挑戦していたら、まちがいなく大失敗するか、あるいはそうでなくともとんでもない時間が掛かって冬休み中にはとても完成させられなかっただろう。
難点を言うと、シールはメタリックシートの上にカラー印刷されているので、せっかくの木甲板も光の反射次第で金属的な輝きを持ってしまい、質感表現としてはいささか問題がある。ただし、見る角度をうまく選べば解消できるので、けっして致命的な問題ではない。防水布(ホワイト)や煙突の縁取り(ブラック)にもシールがあるが、さすがにごく小さな曲面を平面シールで覆うのは無理が大きい。実際、組立説明書も、この部分については黒マジックやホワイト修正ペンでの塗装でもよいと促している。
今後、私が「特easy」キットを使うことは、そうそう無いだろう。せいぜい、キット一つとニッパーと接着剤だけを持って帰省中に作るとか、あるいは1/350キット制作の下準備(模型のための見本模型)または小手調べとして手軽に作ってみるとか、
ああ、でも、特easy版の摩耶が出たら、また作りたくなってしまうかも(何度目だ)。
[ bandai-hobby.net/site/gunpla_rg_img/winggundam.jpg ]
今日、店頭新作で目にしてきたけど、荷物が多かったので買えなかった。この明るいカラーリングと左右のボリューム感は素晴らしいので、早めに買って作りたい。RGはまだ一度も手掛けたことが無いので試してみたいし。強めに墨入れをしたらモンドリアンっぽくならないだろうか。モンドリアンガンダム……これはきっといい……。
[ schizophonic9.com/re3/rg_wingew046.jpg , rg_wingew048.jpg , rg_wingew051.jpg ]
余所様の写真だが、例えばこんな感じにできたらいいな……。(というか、実に良い写真だ)
ガンダムの中ではMk-IIのデザインがわりと上品な感じで好みだけど、プラモではどれもプロポーションが気に入らず、どうにも手が出ない(――特に最近のキットは、太めの脚部バランスが苦手。最初のMG版が一番好みかもしれない。スラリと引き締まっていたし、顔面の造作も好みだった)。プラモなんだから不平があれば自分で改修しろという話なんだけど。
イタリアのぴよぴよも作ってみたいけど……私には難しそうだなあ。
01/04(Mon)
某漫画のあれ、雑誌等で「那智」をカタカナ書きしてあるのを目にすると、字面がなんともアレで、少々反応に困り、もやっとする。なお、キットは今月発売とのこと。
【 制作時間 】
構想吟味/乾燥待ち/パーツ待ちの時間を無視すれば、1/700戦艦を全塗装+基本エッチングで一週間弱(※1日=6時間として)、重巡や護衛艦は4-6日程度、軽巡/駆逐艦なら2-3日もあれば完成させられるようだ。ただし、ヒケ処理(はとても苦手)や面出しや合わせ目処理はわりと適当、艦載機制作も横着しがち、ウェザリングはあっさり味、というアプローチなので、そのあたりをもっと丁寧に工作していけば、制作期間倍増と引き換えにもっとましなクオリティの作品が出来ると思う。実際、まともなモデラーさんたちは、考証検討や空中線懸架、自作ディテールアップまで含めて、一つのキットに一ヶ月、二ヶ月と向き合っておられる方も多いようで、そうした方々に対しては忸怩たるものがある。速成スタイルでは、制作スキルが伸びない、というか伸びるスキルが偏りそうだということも分かってきた。
ただし、この安易な早解き志向は、私の性格に由来するというよりも、模型制作がメインの趣味ではないがゆえに工作スペースを長期間維持できないという物理的環境的制約によるものなので、これを改善するのは少々難しいのだが。
ちなみに、本当にただキットのとおりに塗って組むだけなら、つまり物理的な作業内容だけを合算すれば、戦艦でも数日で出来ると思う(1/700スケールなら、だいたい150~250パーツなので、一個あたり3分掛かるとして、450~750分=7.5~12.5時間)。護衛艦でも、そのまま組んで部分塗装をする程度なら半日で出来るわけだし。
今年は、月に1個半、年間で20個くらいは作れればと思う。昨年は半年間で20個ほど作れたし、今年はもう少し趣味の時間的余裕が取れそうなのだが、まず作りたいと思っていたものをいくつも作ってしまったし、ゲームの方に集中したいので、模型方面はほどほどにしておくつもり。
「おおなみ」用の手摺は、数(長さ)が不足するのを覚悟で――つまり2個買いをして――、「あきづき型」用エッチングあたりを流用するしかないのだろうか。護衛艦の手摺は横三段なので、残念ながらIJN用の二段手摺は流用できないし、それをあえて無視するとしても、金属手摺部分は、ロープたるみ表現のあるエッチングで代用すると、かなり雰囲気が違ったものになってしまう(――IJN用でも、上構用の直線手摺の市販商品が、一応存在しはするけれど)。
たっ……タグボートたち、かわいい……。(なにか目覚めた)
大きさもほどよい感じだし、カラーリングも総じて好みだし、動きもかわいいし(回転や平行移動もできるそうな)、船首部分にタイヤが付いているのも愛嬌があるし、それでいて実際の行動はずいぶん大胆だし(なにしろ、自分よりはるかに大きな船を、じかに押して動かしたりする)……。タグボートたちが2隻、3隻も集まって大型船舶に寄り添って押している様子なんか、もう最高。
01/03
室内ローラーころころ作戦の甲斐あって、NOLQ-3Bのパーツを発見できた!
やはりモデラーは整理整頓清潔清浄精神精励精密精細誠心誠意の制作を心掛けねばと反省。
……とか書いておきながら、溶剤の瓶をひっくり返してしまったり。こんな大失敗は初めてだ。もっと慎重に作業しなければ。そして、作業スペースはきちんと整理しておかねば。
新記事:「1/700 おおなみ」。
というわけで、完成度は低いままだが、とりあえずいくらか手を入れて「おおなみ」さんの完成。初挑戦の現用艦を大過なく完成させられたので良しとしよう。手すりを付けられなかったのは残念だが、いずれ折を見て追加したい。また、AOSHIMAキットは今回はパーツ取りに使ってしまった(それゆえ完全な形には組めなかった)ので、いずれこちらもきちんと作ってみたい。
これで調子に乗って、もとい、この調子で、大和とか榛名とか霧島とか加賀とか鈴谷とか摩耶とか青葉とか如月とか皐月とか秋月とか春日丸とか八幡丸とかを作りまくって声優観艦式を催すというのもありかもしれない。明石を赤司氏に読み替えるのはちょっと無理があるかもしれないが。
「車の人」に相当するカーモデルは、探してもあまり出てこなかったので断念した。