2018/09/09

FAG「フレズヴェルク」塗装メモ

  KOTOBUKIYAのフレームアームズ・ガール「フレズヴェルク」の塗装箇所について。


  キットのプラ成形色のままでも、設定画と全塗装見本のカラーリングを八割方再現できるが、完全ではない。塗装の際にどこを塗り分けるべきか、メモしておく。特にオレンジの差し色は、目を引く補色なので、部分塗装でも塗っておくと良いと思う。

  まずは写真で図示していく。ちなみに写真は、全塗装後(スミ入れ前)の状態。

側頭部のクリアパーツにオレンジを塗装する。極小パーツだが、単純な楔型なので、マスキングは難しくない。頭部の差し色なので、塗っておきたい。襟のパーツも、左右両側にオレンジを。
腕部(前腕)は、完成見本を見るかぎりでは、このような塗り分けになる。上腕の接続パーツ(F1)も金属色にしたのは、私の個人的なアレンジ。完成見本に合わせるならばブラックのまま(※ただし「アーテル」版はこのような塗り分けをしている)。
腹部。ブラックとブルーの2色を入れる。バスト側面にもライン状モールドがあるが、完成見本では塗り分けていない(紺色のまま)ように見える。せっかくなので、胸部のラインもブラックに塗り分けた。
素体の脚部は、各部にオレンジ色を。太腿の接続パーツは、オレンジ色のラインが縦横に折れ曲がっているが、垂直のラインを描き込むのは難しい。エナメル塗料を使ってスミ入れの要領で塗ればよいと思うが、今回の制作では省略し、横(水平)のラインのみを塗り分けた。
背面パーツ。接続部の円形部分は、ブラックに塗り分けされている。筆塗りでもよいだろう。
設定画と完成見本に合わせようとすると、塗装する必要のある場所が、いくつもある。ただし、組み立てると隠れてしまう場所も多い。ちなみに、FA版では、これらもパーツ分割で色分けされている。
シリンダーのようなモールドがあるので、色を変えてみた。組み立ててみると、ちょうど良いアイキャッチになる。左の写真は塗装ではなく、HASEGAWAの「ミラーフィニッシュ」シートを貼り付けたもの。塗装では再現困難な鏡面だし、手軽に切り貼りできる極薄シールなので、たいへん便利。
ベリルショット・ランチャー。ゴールドを筆塗り。持ち手部分は、ラバーっぽくブラックにしても良いかもしれない。
膝のブースターパーツ。縦のラインは、スミ入れではカバーしきれないと思われるので、マスキング塗装した。なお、L16とL26は裏側も露出する(写真の黄丸部分)ので、全塗装する際には裏面もきちんと塗っておくとよい。
背面のブースター。オレンジ(またはゴールド?)のラインを塗り分けておくと引き締まる。L2につながるノズルパーツ基部も、ブラック(金属色)で塗り分けておく。当然ながら、J17とJ18の両側とも。
背面ブースターの裏側。ラジエーターのようなフィンは、メタルカラーなどで塗り分けたい。武装状態では、素体頭部の両脇に見えるパーツなので、かなり目立つ。ちなみに、このJ3パーツは側面のヒケがかなり目立つので、塗装前に処理しておくとよい。
キャノンの中央部。インスト(p.2)にも拡大写真があるので参考にすることができる。ゴールドは筆塗り。シルバーは上記「ミラーフィニッシュ」シートを使った。
ただし、完成時にはシリンダー部分はクリアブルーに覆われて、色がほとんど識別できなくなる。面倒ならば、塗り分けしなくてもよいくらいかも。ただし、ミラーフィニッシュだと、かなり鮮やかに光を反射するので、効果が大きい。
武装時の爪先。小さい部分だが、ここも塗り分けておくと、足の甲から爪先にかけてのパープルのパーツの連なりがはっきりする。
その他、細かなパーツ。ベルトはブラックとオレンジ(orゴールド)の2色。ベルトパーツはかなり厚みがあり、ピンバイスで真ん中を開口しても強度の不安は感じないくらいだった。


  【 FAGフレズヴェルクの塗装箇所 】

  設定画および完成見本に即した配色になるように制作する場合は、以下の場所が成形色と異なっている(=塗装の必要がある)。ナンバーはパーツ番号。[]内は組立番号。

◎素体:
頭部(N13, N14)[#5, #6]:オレンジのライン。※クリアパーツ
首元(A10)[#9]:オレンジのライン。※ABSパーツ
上腕(F1×2)[#17]:オレンジのライン(デカールもある)。※ABSパーツ
下腕(G6+G12, G7+G13)[#16, #19]:一部をグレーに。※ABSパーツ
胴体(B1, B7)[#9, #13]:ブラックと蛍光ブルー。※ABSパーツ
太腿(F3×2)[#26, #29]:オレンジのライン。※ABSパーツ
脛(L18+L19, 各2)[#23]:一部をグレーに。
脛(K22×2)[#23]:オレンジのライン。
足の甲(E4×2)[#24]:オレンジのライン。※ABSパーツ

◎武装状態:
上腕(F2×2)[#35, #37]:オレンジのライン(デカールもある)。※ABSパーツ
太腿(F4×2)[#47]:オレンジのライン。※ABSパーツ
膝装甲(J15+J19, 各2)[#41]:側面のブラックのライン。
膝装甲[#41]:右膝にホワイトのライン(デカールもある)。
脛(L28+L29)[#43]:一部をグレーに。
爪先(K30+K33, K29+K34)[#45, #49]:一部をパープルに。かなり小さい箇所だが目立つ。

◎武装等:
I11+I14[#54]:中央のラインと背面の窪みをブラックで。
I4[#54]:中央のラインをブラックで。
I3+I4[#54]:側面をブラックで。他のパーツに被われるので、ほとんど目立たないが。
J17+J18、各2[#56]:J12を被せて隠れるところなど。ブラックとオレンジで。
J3×2[#56]:ダクトフィンをブラックに。
J12×2[#57]:中央の窪みをブラックに。ベリルショット(M4+M5, 各2):オレンジ
I9+I10[#66]:円形の接続部分をブラックで。瑣末なうえ、塗りにくいが。
N7+N11[#68]:中央をブラックとゴールド。※クリアパーツ
K24+K31[#71]:シリンダー周辺をシルバーとゴールドで。
J8×2[#72]:接続部はグレーに塗り分けする(?)。
J9+J16, 各2[#77]:持ち手部分をグレーに。瑣末か。
N3, N4[#80]:ベルトの一部をオレンジとブラックで。※クリアパーツ

  その他、各所のスミ入れ。

  パープル→マスキング→ブラックになる箇所と、ブラック→マスキング→パープルになる箇所のどちらも存在する。塗装手順を効率化するには限界がある。

  I18/I22[#54]の排気孔部分も、グレー(メタル)に塗り分けておくと良いか。
  J17+J18[#56]の内部は丸見えなので、ディテールアップしても良いかも。
  K35+K36[#70]のシリンダーモールドは、シルバーなどで塗り分けた方が良いかも。
  J9+J16(各2)[#77]は、本家FA版のフレズヴェルクに倣うならば、円形部分(大きい方)もクリアにした方がよい。しかしクリアカラーは再現が難しい。接続部に関わる薄手の部分なので、パーツを彫り込んだりすることも出来ない。余っているO1 & O2パーツを平たく伸ばして貼り付けるという方法も考えられるが……。
  B1のバスト上側のラインも、せっかくモールドがあるのだからブラックで塗る予定。

  各部の肉抜き穴も、余裕があれば埋めておきたい(※今回はそのままにした)。
  E4×2[#23]
  J5×2[#45, #49]
  J3×2[#56]
  K3, K4[#59, #61]
  K10, K22, K23[#65]
  K5[#70]
  L3×2, K19, K39[#78, #79]
  K9[p. 17:サブジョイント#1]

  設定画(パッケージアート)と完成見本の間の齟齬は、見当たらない。
  駒都氏は、本体部分に関しては本家(FA版)のデザインからあまり変えないようにしたようだ。デザイン上の主立った変更点は:
- 背面に大型キャノンを装備している。騎乗形態ではサドルになる。
- 上腕のオレンジ色の「<」マークの内側に文字が書かれている。
- 胴体にスク水少女を組み込んでいる。
- 胸部パーツはアレンジ。ただし同じ形状のパーツを背面にも持たせている。
- 股間のクリアパーツは省略。
- 前腕の武装パーツを簡略化している。

  本家版は胴体部分が華奢すぎて不安定に見えていたが、少女部分を芯にすることによってガール版はバランス良く安定感のあるデザインになっている。

  いずれにせよ、このシリーズの趣旨からして、ユーザー個々人が自由に塗装してよいと思う。しかし、設定画は、メカとして機能上の理屈のある色分けが為されていると考えるべきであり、それを踏まえたうえで自分なりのカラーリングを検討する方がよいだろう。しかるに、元デザインとプラパーツ構成の間にはズレがあるので、その相違点をあらかじめと洗い出しておくことにも意味はあるだろう。このテキストは、そのような考えから書きまとめている。


  【 フレズヴェルクガールの塗装プラン 】

部位 塗装プラン(色設定など)
スク水紺色(ツヤ消し)。gaianotesのダークパープルをベースに、Mr.Colorのフタロシアニンブルー少量、ツヤ消しブラック少量、フラットベース。私なりの理想のスク水カラーを追求した。
四肢ブラックシンプルにツヤ消しブラック。ABSパーツだが、負荷の掛からない場所であれば、あまり心配しなくてもよいだろう。関節部なども、溶剤が染み込んでしまわないようにすればよいと思う。具体的には、やや濃いめの塗料で、遠めから軽く複数回に分けてエアブラシ塗装している。
四肢グレー一部のグレーは、武装と同じくメタリックに。メカっぽいアクセントになる筈。ツヤ消しブラックにクロームシルバーを少量混ぜている。金属感がありながら、ギラつきはせずにシックな重々しさが出るし、また、暗色でありながら、しっかり光を反射するので沈みすぎない。
頭髪ブルーというよりはアイスグリーンっぽい? 今回も多色塗装で毛筋表現をしたい。下地色はミディアムブルー、その上にエアスペリオリティブルーを筆塗りした。
武装パープルラベンダー寄りのメタリック塗装にして、素体とのコントラストを出すつもり。パープル、ブルー、シルバーなどをいろいろ混ぜて、それらしい色合いにした(パンジー色?)。ただし、メタルカラーといっても、あまりギトギトしすぎないように、控えめにした。
武装グレーフラットブラック+クロームシルバー少量。こちらもメタルカラーだが、ツヤ消しなので、パープルのグロス(ツヤあり)塗装との間でちゃんとコントラストが利いている。ドライブラシでエッジ部分を撫でれば、硬質な雰囲気がさらに強調されるだろう。
オレンジ面倒だが、マスキングと筆塗りを使い分けていく。蛍光色を入れようかとも思ったが、パープルの補色のオレンジなので十分目立つし、あまり派手にするとかえってうるさいので、インストの指定色に近い感じで地味めにした。
ライトブルースク水表面のセンサー(?)部分。ミラーフィニッシュの上にクリアブルーを塗装した。単純にライトブルーで塗った方が目立つかも。
シリンダーなどゴールドシルバーを、それぞれ筆塗りで。


  スク水はツヤツヤにして武装はマット(ツヤ消し)にするのが通例のようだが、今回は逆のアプローチを試みる。つまりスク水はツヤ消しで、武装はグロス(+メタリック)にする。これによって、素体の人体らしさを際立たせられればと思う。また、武装部分はかなり奇抜な形状で、ゴチャメカ度合いも高いので、思いっきり金属感を強めてもよいだろう。


  【 完成写真 】

素体の全身写真。肩周りは華奢に見えるが、両腕(前腕)は意外に頑丈な作りで、腰部から脚部にかけてもボリュームがある。
武装状態。紺色基調で統一感があるが、パーツ毎に色合いの違いをはっきりさせると面白味が出ると思われる。
武装状態を斜めから。脚部だけはメカ状態になっているが、それ以外は武装パーツを着込むかたちになっている。
武装状態で側面から。両膝と背中にパーツが集中しているのが見て取れる。背面に佩いているキャノンが、怪獣の尻尾のようになっている。
以前にFA版「フレズヴェルク=アーテル」も作っていた(パチ組み)ので、せっかくだから、インストの「フレズヴェルク・ケンタウロス」も再現してみた。公式サイトの記事FAガール フレズヴェルク=ケンタウロス形態の作り方を参考にしている。
側面から。FAGのパープルとFAのホワイトで、パーツの組み合わせ方が見て取りやすい。キット2つ分で、併せて定価10,600円(税抜)であるが、それに相応しいボリュームと密度感がある。
後方から。FAの脚部サイズと接続位置の都合上、FAG素体の胴体は前傾姿勢になってしまう。FA版のパーツは全て組み込んでいる(※この写真では、ふくらはぎの装甲パーツだけは外している)。
素体の周囲をアップで。市販プラモとしてはなかなか見られない水準の、たいへんなゴチャメカ感。満載のクリアパーツも派手でよろしい。
基本的なデザインは本家(FA版)を踏襲しているが、各部のサイズやバランスは異なっており、おそらく金型レベルの流用は行われていない。例えば脚部ブースターユニットは、FA版(写真上)が67.6mmもあるのに対して、FAG版(写真下)は57.5mmとなっている。
このシリーズの中でも、フレズヴェルク顔は一番の美形だと思う。マテリアにフレズフェイスを移植すると、こんなに美人に。
ボディもきれいな美少女スタイルだが、こちらにプリムラ顔を移植すると、ショートカットなのもあって、青髪系やんちゃキャラになる。
同シリーズの「イノセンティア」などの四肢パーツを移植すると、プレーンなスク水キャラらしくなってくる。ただし、腕や太腿のラインが微妙にズレている。

AZONE Internationalの1/12布製ドール服(シスター服set)を着用させた状態。凜々しい顔立ちとクールな青髪が似合っているが、ここまで来るともはやフレズヴェルクである意味はほとんど無い。ドールボディにフレズ頭部を接続するだけでもよいだろう。


  [ www.kotobukiya.co.jp/labo/labo-114834/ ]
  無印フレズヴェルクと「アーテル」ガールの違いは、カラーリング以外にもあるようだ。公式サイトのサンプル写真などを見るに、形状の違いとしては:
- 頭部: 表情と髪型が異なる。ツインテールの髪留めも。
- 腕部: 前腕にクリアパーツ付きの追加パーツがある。
- 武装: ベリルスマッシャーに差し替え。
※表面の模様を再現するためのデカールも異なる。

  特に前腕のブレードユニットは、元々のFA版にも存在したディテールだが、無印ガール版では省略されていた(※設定画にも描かれていない)。「アーテル」ガールの設定画では腕のパーツも描かれているので、サービス的な追加ということかと思われる。ちなみに、FA版の前腕ブレードの接続ピンは円筒形ではなく四角形なので、そのままではFAG版へ流用することはできない。もちろん接続パーツを円筒状に削れば、FAG版に嵌め込めるようになるが、はたしてそこまでする価値があるかどうか。



  【 制作序盤のメモ 】

ひとまず本体から仮組み中。こつえー氏のデザインを上手く掬い上げており、キリッとした真面目そうな表情がとても魅力的だ。
スク水パーツをヤスリで削ってツヤ消しにした。パーツを水洗いしたら、水滴が表面に残って、なんだかなまめかしい雰囲気になってしまった。

  塗装プラン(色彩設計)をどうするか、良いアイデアが浮かばずに悩んでいる。紫色のメカパーツは、成形色のようなラベンダー色にするか、設定画のように紺色寄りにするか……。「どうせ武装部分は取っ払っちゃって、結局は布服で被って展示するんでしょ、無塗装でもいいんじゃない?」という心の声も聞こえてくるが、本家FA版(「アーテル」)はほぼ無塗装で作ってしまったので、今回はちゃんと全塗装してあげたい。
  武装パーツはかなりのボリュームだが、FA版でだいたいの造形は把握しているので、あまり困らずに作れると思う。
  胴体部分は、ヌメッとしたツヤが出ており、ユーザー制作でもきれいにツヤめかしているものが多いようだ。しかし、スク水っぽくするならば、ツヤ消しにするというのも一案だろう。武装部分をツヤありにして、素体部分をツヤ消しにしたら、素体部分が埋もれてしまうだろうか? 逆に、武装部分をマットにして、素体部分をグロス塗装にする方が、キャラもののプラモとしては効果的な見せ方になるのかもしれない。うーむ。

  腹部関節のB-4パーツが、肉抜き穴のせいで強度不足を起こしているとの由。実物を見てみると、確かに危険そうだ。金属線を入れて補強するのが常道のようだが、適当な太さのものが手許に無いので、買ってくる必要がある。
  この軸が回ることで、上体の左右振り(ヤジロベエ)ができるようになるのだが、そもそもその向きの可動はほとんど要らない。そう考えると、可動を殺してもいいからこのパーツの周囲をパテなどで固めて補強してしまってもよいかもしれない。あるいは、B2パーツとB4パーツをABS用接着剤などで強固に接着固定してもよい。そうすれば、相当頑丈になる筈だ。上体を反らす可動は、その下の軸で確保されているのだし、上体を左右に傾けるポージングは、脚部で角度調整すればなんとか対処できる。

B-4パーツの軸に1.2mmの金属パイプを差し込むと、このくらいになる。1.5mmだと、かなりぎりぎりかも。ABSパーツなので、接着剤を入れるのは避けた方がよいかも。

  いわゆる軸打ちは、どのようにしたら工学的に最も強度を高められるのだろうか。あるいは逆に、強度を下げてしまう(つまり、やってはいけない)のは、どのような場合だろうか。ここでは「円柱状のプラパーツに金属線を入れて、ねじりに対する強度を得ることを目指す」ものとして、どのようにするのが最も合理的なのだろうか。
  1) 円の中心に、ほどほどの太さの金属線の芯を入れるのが、おそらく最もオーソドックス。
  2) 金属線が細すぎると、効果が得られないだろう。ねじりに対する抵抗にならないので、むしろ強度を下げてしまうおそれがある。
  3) 斜めに入れるのはどうだろうか。強度の点では問題無さそうにも思えるし、特にねじりに対しては強いかも……どうなんだろう? フリーハンドでは完全な垂直に穴を開けられず、結果的に軸の角度がズレるということもありそうだ。
  4) プラパーツを削りすぎて、プラが芯に食いつけないようになるのも失敗。
  5) 細い金属線を複数入れるのは、効果があるだろうか。例えば、円柱の中に「∴」型に3本差し込むような状況。鉄筋コンクリートのスケールダウン版のような形になる。鉄筋コンクリートは、破砕や折り曲げや圧力やねじれ(例えば地震など)などに対する建材の全般的な強度確保が目的だろうから、一応理屈は合っている筈だ。スケールを下げても効果はあると思うが、金属線が細すぎると無意味になるのかもしれない。
  6) 当然ながら、プラと芯の間に隙間が出来てしまうのは危険だ。グラつくと、芯として意味を成さなくなる。もしも隙間が出来てしまった場合は、(プラを侵さないかぎり)瞬着などでがっちり固めてしまえば問題は解決すると思う。
  7) 金属線の素材は、何がよいのだろうか。なんとなくの印象論だが、「大きなものであれば、柔らかめの真鍮線の方が、多少のズレや撓みに対応してくれる。それに対して小さなパーツの場合は、芯がわずかでも撓むとプラを破損させたり隙間が出来たりする危険があるので、アルミなどの撓性の低いものの方が良い」のではないかと思う。実際、どうなんだろうか。
  ということでいろいろ考えたあげく、結局はシンプルに「ほどほどの太さの硬い金属線を、ぴったり径を合わせた穴に差し込む」ようにする。円柱の太さは約2.8mm。芯になる金属線は、1.4mm(直径の半分)程度でよいだろうか。実際には、市販されている金属線は1.2mmか1.5mmだろうけど。

  結局のところ、目的によって最適な形状は変わるんだろうなあ。例えば、面が折れないようにするならばコンクリの中に一定間隔で強度のある線を縦に入れておけばよいし、衝撃を受けても全体が崩壊しないようにするならば粗い網目状に柔らかめの線を入れる方が良いだろう。伸縮に対応できるようにする場合も同様。三次元的な力(多方向へのねじれ)に対しては、芯になるものを入れるか、あるいは立体的に線を入れていくのが良いのかなと想像する。プラモデルの関節パーツの場合は、掛けられる力の大きさをプラ材だけでは受け止めきれない(という状況が問題になる)ので、プラの補強というよりは金属の芯を作るというアプローチの方が良いのかなと思う。