2025/12/08

2025年12月の雑記

 2025年12月の雑記。

 12/17(Wed)

 模型店で見かけた、SDガールキット。特撮『ビーロボカブタック』は知らない作品だったが、この色っぽいマスク+タイツキャラには、新しい扉が開きそうに……いや、この扉はもう開放済みだった。ともあれ、店頭価格で3000円台とのことだし、メーカーは橘猫工業だし、せっかくだから買っておこうかな……。


 Escu:deの次回作は、おそらく『サクリファイス』『テスタメント』系統の作品。『姫と穢欲のサクリファイス』(2019)は、主人公の境遇も、配下5悪魔たちのデザインも、そしてヒロイン側のドラマティックなストーリー展開も素晴らしい作品だった。

2025/12/07

漫画雑話(2025年12月)

 2025年12月に読んだ漫画の雑感。主に単行本新刊について。

●新規作品。

●カジュアル買いなど。
 薄雲ねず『レーエンデ国物語』第2巻(講談社、原作あり、5-9話)。クラシカルな、ややアジア風の架空世界の幻想的な物語で、絵柄からコミュニティ習俗描写の描きぶりまで、明らかに『乙嫁語り』以降の流れに棹さしたスタイルを採っている。絵の密度が素晴らしいが、やや圧力が強すぎて緩急が欲しいのも、このジャンルに特徴的。第1巻も買って読もうかな。
 あむ『澱の中』(第3巻、講談社、15-22話)。カバーイラストに妖気を感じて買ってみたが、男性主人公は社会的な自信を喪失してコンプレックスに苛まれており、またヒロインはヒロインで変態的な性的執着を示す側面と社会的に抑圧されてきた側面(母親と夫それぞれからのDV)の両方を持っている。そして両者ともに、虚無的で捨てばちで自傷的な振舞いと、それを逃れられない人格形成上の困難を饒舌に噴出させている。せっかくなので既刊も買って読もう……と、オンラインで第1話も読んでみたら、あー、「澱(=澱んだ執着)」でもあり、「檻(=囚われた心)」でもあり、そして「下り物(経血ネタがある)」でもあるのか。近年増えている全年齢露悪エロ(※歴史的にはNTRものの普及に触発された流行か?)の中に位置づけられそうだが、それらの中でもかなりシリアス寄りのスタンスで、しかしほとんどチープに陥りそうなギリギリの大胆なシチュエーション展開と、そして漫画演出技巧(コマ組みやレタリング)はかなり意欲的な挑戦も見られる。


●続刊等。

1) 現代ものやシリアス系。
 雁木万里『妹は知っている』第5巻(37-45話)。ミニマルなエピソードを各話完結で緩く繋げているのだが、日常的なシチュエーションから出発しつつ、読者に実感の手応えを持たせるような展開にしていくのは、まさに作中のラジオネタと同種の巧さだし、キャラクターたちもそれぞれに社会的な距離感をデリケートに(時には不器用に)意識しつつ、全体としては融和的な雰囲気を維持しているところも上手い。
 江戸屋ぽち『紙山さんの紙袋の中には』第4巻(20-26話、完結)。飛び道具的なキャラクターばかりで物語のコントロールが難しかったのか、これまでの展開は捉えどころが無かったが、江戸屋氏らしく優しい雰囲気と内面造形を感じさせる描写に、斜めゴマと陰影を多用した演出のおかげで、きれいな形で完結してくれた。『メルセデス』の方は、ひきつづき情趣豊かな連載を展開していただきたい。

2) ファンタジー世界やエンタメ寄り。
 高山しのぶ『花燭の白』第10巻(61-67話)。過去の真相から、現在の決意へ。レイアウトに関しては、上下に狭く横一面に広がる水平コマが多用されているのが興味深い。時には畳み掛けるようなコミカルなコマ組みとして、また時には顔の表情を隠す緊張感のあるレイアウトとして、時にはワンクッションの余韻コマとして、また時には枠線からキャラクターが飛び出しつつ情景を示すコマとして、様々な活用されている。
 フカヤマますく『エクソシストを堕とせない』第13巻(94-101話)。忌憚なく言えば、挑戦的なモティーフとそのユニークな掘り下げが見られたのは5-6巻くらいで、それ以降はあまり面白くないのだが、最後まで付き合うつもりではいる。
 鴻巣覚『うさぎはかく語りき』第2巻(7-13話)。邪悪で挑発的な描写と、シニックなユーモア、そして露骨なお色気の暗示、さらにはSFだかオカルトだか分からない都市の暗部の不気味さとといった諸要素を、芳文社らしいkawaii美少女オンリーでコーティングしている怪作。ただし、登場人物があらかじめ限定されていることもあり、次巻あたりであっさり完結しかねない気配もする。
 からあげたろう『聖なる加護持ち令嬢~』第2巻(5-8話)。他者を力づける率直な情愛と、他者を救うための覚悟を決める倫理、そしてkawaiiものを慈しみあう朗らかなコミュニティ。このまま連載を続けていってほしい。
 ぬじま『怪異と乙女と神隠し』第10巻(40-45話)。怪異の条件を客観的に要素分解して、それを利用して自身の目的のために利用しようとするクールさが、相変わらず刺激的。ただし、一歩間違うと「後出しの御都合主義的ルール」になりかねないところだが、本作は十分な説得力を維持している。それにしても、サブヒロイン三輪の描写には、今回も異様な雰囲気がある。怪異によって引き起こされる深刻な苦難の境遇と、それによる痛々しい全身負傷描写、そして強烈な心理的屈折と、苛烈な攻撃性の表情。他の怪異系キャラクターたちと比べてもほとんど別世界のような空気をまとわせているのに、大いに引き込まれる。
 星野真『竜送りのイサギ』第6巻(33-40話)。

アニメ雑話(2025年12月)

 2025年12月の新作アニメ感想。

●『悪食令嬢と狂血公爵』

 第10話は、主人公の驚異的なスキルを巡る政治的な配慮から、パートナーは魔鳥討伐のためにいきなり数日不在にするという宙吊りの展開。とりたてて上手いわけではないが、ざっくりした進行の中に挟み込まれる相互の情愛が美しい。公爵役の坂泰斗(ばん・たいと)氏は、穏やかでよく通る声色で、細やかなニュアンスを台詞に乗せている。
 残りは、狩ってきた魔鳥の料理と、結婚式のイベントかな……今のペースだと残り2話で語りきれるのか、ちょっと心配になるくらいののんびり進行。



●『終末ツーリング』

 第10話。満開の桜に蝉の鳴き声がオーバーラップするのはともかく、さらにしばらく進むといきなり紅葉の山々になっているというイージーさ。うーん。落石を雷が壊してくれたというのも、お仕着せの御都合主義そのもので驚きが無い。アニマルアニメとしても、ペンギンからイルカ、そしてシカにサルと、かなりベタな顔触れ。
 ただし、弁慶のような入道雲のカットは、ちょっと粋な演出。良い箇所もあるにはある。また、カット数が少ないにもかかわらず、間延びした印象を免れているのは、やはり背景美術の彩りと存在感のおかげだろう。原作の浅さをアニメ版スタッフの尽力で、なんとかぎりぎり映像作品として成立するようにしている(※ストーリーの骨格は、ノスタルジーとナルシシズムを混ぜ合わせたような代物なので、こんなストーリーはいっそ放棄して、ただのイラスト集で良かったのでは……とすら思う)。

 第11話は、とても不思議な雰囲気のSF回。前半では、神秘的なものの訪れをかすかに予感させつつ、アイリが夜の墓群遺跡を彷徨い、そして超自然的な出会いをする。このあたりの映像進行はとても好み。ただし後半は異星人の設定を語りつつ日本史をなぞるという凡俗な展開になる。今回は徳本監督自身による絵コンテで、風景の広がりと、そこにひそかに漂う緊張感を伝える秀逸なクオリティ。
 なお、紅葉の季節から蝉の鳴き声と、今回も季節表現が錯綜している。これはストーリー的にも演出的にもあまり意味が無さそうで、ただ混乱を誘うばかりのように思える(※見栄えの良い季節を、その都度適当に選んでいるだけなのかもしれない)。
 異星人が作った遺跡……『七夕の国』かな?



●『野生のラスボスが現れた!』

 第10話は設定開示の回。前半は大迫力の空間戦闘をたっぷり描き、そして後半は一転して、画面そのものは止め絵で保たせつつ、明暗の濃いレイアウトと声優の芝居と真相への興味で引っ張りきった。何をどのように見せるべきかの取捨選択と、演出効果の最大化が巧みにコントロールされており、たいへん心地良い。コンテも小気味良く、激しいバトルシーンの中でも大胆な奥行きパースを設けたり、ユーモラスな瞬間を挟み込んだりしている(※今回の絵コンテは田中智也氏、演出は福元しんいち氏)。
 薄井氏(ディーナ役)も、丸々20分間を小清水氏と一対一で渡り合いつつ変幻自在の芝居を展開するという力演を披露している。
 それにしても、もう10話。残り2話でどのように締め括るのだろうか。配信視聴数などに鑑みて、続編(2期)もありそうだが……。
 プレイヤーたちの行動を組み込んで公式ノヴェルにするというのは、古式ゆかしきPBM(プレイ・バイ・メール)のシステムを思い出す。私自身はそういう企画に参加したことは無いけど。あるいは、TRPGリプレイ小説にも同じような性質がある。

 第11話は、勇者召喚から魔王出現から世界設定の謎への言及まで、いきなり忙しく新ネタが連発された。これはさすがに、全12(?)話中の11話目でやることではない。前回の最後に顔見せで登場したベネトナシュの件も宙吊りのままだし……。とはいえ、この一話だけで見ると、派手なバトルと小気味良い演出で24分間を一気に突っ走り、充実した見応えを提供してくれている。
 魔神王を演じているのは速水奨氏。そして勇者一行の魔法使い少女は、なんと、遠藤綾氏。さらに、もう一人の同行女性はニケライ・ファラナーゼ氏が演じている(※イラン系の方とのこと)。ディーナ役の薄井氏は、主演を食いかねないほど存在感ある芝居を全開にしている。

 ……あっ! 原作者の炎頭氏って……『欠けた月のメルセデス』の作者でもあるのか。『メルセデス』は漫画版で読んでいて、江戸屋氏の筆致が素晴らしいのだけど、ストーリーは地味なところから丁寧に積み上げていくタイプの作劇で、『ラスボス』の外連味あるフィクションとはずいぶん趣が異なっているので、まったく気づかなかった。

 今期は、OPよりもEDの方が、好みの曲が多かった。『終末ツーリング』も、『最後にひとつだけ』も、『悪食』も。前期は『クレバテス』が、OP/EDともに好みだった。

2025/11/28

2025年11月の雑記

 2025年11月の雑記。

 11/22(Sat)

 「星花・百合」について。青で塗るか緑にするかで迷うなら、青緑にすればいいじゃない。ということでエメラルドグリーン(ターコイズグリーン)を使ってみることにした。青っぽいクールな透明感がありつつも、緑色の瑞々しさも兼ね備えるので、これはこれでありだと思う。ただし、色調やコーディネート次第では安っぽくなりやすい色でもある。上手くいくかなあ。

 というわけで、ざっくりエアブラシ塗装。
 ライトグレー:クールホワイトできれいに。後でブルーのグラデーションを入れるかも。
 ブラック:メタルブルーブラック(混色)が余っていたので使ってみた。良い感じ。
 ダークブラウン:リノリウム色(またかよ!)。しかしこのチョイスは失敗かも。うーん。
 ライトブラウン:ターコイズグリーンでビビッドに。隠蔽力が高くて助かった。
 頭髪(イエロー):パールコートのみ。後で影色を入れたりするかも。

 ジョイント周りにディテールが多いので、筆塗りしてやるとさらに引き締まるだろう。
 スミ入れも、一応入れておく。 
 デカールも省略。ゴチャゴチャさせず、シルエットと色合いを見せることを最優先にしたい。

 というわけで完成(※リンク先はSNS投稿)。わりと上手く行ったと思う。
 ライトブラウンは、キットのままだと色が埋没してしまうので、ヴィヴィッドな緑色で塗り替えたのは正解だった。
 また、アドリブでホワイト面にブルーのグラデーションを掛けてみたが、これもキットの雰囲気を盛り立てることに成功したと思う。つまり、「色彩感の追加」、「青色のクールさを強調」、「花弁の柔らかさや軽やかさを表現」、「パーツの立体感を強調」、等々の効果を出せた。グラデ塗装は、これまでほとんど使ってこなかったが、便利なのは確かだ。


 買って読んで読んで買ってを繰り返しつつ、未読漫画はちょっとずつ減ってきた。
 カジュアル買いをしたがあまり読む気のないまま数ヶ月間ずっと枕頭に置かれている単行本も、そろそろ諦めて仕舞い込んでしまってよいかも。そうすれば未読(積み)は一桁になる。


 『斑鳩』の「銀鶏」(※リンク先はメーカー公式ページ)も、パーツ切り出し。
 複雑な境界線が多いので、細部は筆塗りした方が、速いし確実だろう。また、各部のカラーリングがよく分からないので、ディテールから推測しつつ適当に色を付けていくことになりそう。

2025/11/27

ガールプラモ「星花・百合(Starflower Lily)」について

 ガールプラモ「星花・百合(Starflower Lily)」について。

細身のメカガールプラモ。