2025/11/06

Kotobukiya「メルティーナ」について

 Kotobukiyaのプラモデル「メルティーナ」の制作メモと雑感。
 ※ヘビ人間(ラミア)のプラモデルの写真があります。苦手な方はご注意。

2025/11/03

2025年11月の雑記

 2025年11月の雑記。

 11/03(Mon)
 近所の模型店のコンテストに作品を出してきた。
 詳しくは[ https://social.vivaldi.net/@cactus4554/115483861747638199 ]:このあたりで書いたけど、まあ、賑やかしくらいの役は果たせたかなあと。

 というわけで、離型剤落としのお湯洗いだけを済ませたキットが溜まっていく……。今週中に時間を取って一気に作り上げていく予定だけど、どこまで実行できるやら。


 アーキテクト(グランデ)の単純拡大間延びデザインがあまりに耐えがたいので、大掛かりなディテールアップを検討中。
 とはいえ、パネルラインを増やすのは下品だと思うので(※装甲の分割線=隙間が見えすぎるのは非-機能的で本末転倒)、スケールモデルAFVパーツを適当に投入して追加装甲、センサー類、フック、配線表現、そしてチッピングで金属感、ウェザリングで使用感あたりを軽めに施したら、多少はマシになるかなあ。あんまりゴテゴテにするのも好みではないので、見た目の密度感をちょっと引き上げるくらいにする予定。
 ただし、基本の造形がシンプルすぎるので、ディテールアップの手掛かりも乏しいし、AFVには詳しくないので(※ジャンクパーツもろくに持っていない)、成算は低め。諦めて素組みだけで終わらせるかもしれない。
 このサイズだったら、内部機構を仕込めるだけのスペースがあるので、メカ露出表現もどこかに入れたいが……そもそもアーキテクト君はアンドロイドなのか、それとも人間なのか? 腹部前面をハッチ開閉式にして、内部メカを見せられるようにするのが、ひとまず無難なアプローチだろう。胸部装甲(※真面目な意味)がワンパーツで加工しにくいのは残念。
 ドールアイ化は、キャラに似合わないと思うが、一度試してみたくはある。
 頭髪は、ホワイト+シルバーの毛筋表現にする予定。

 そういえば、銀髪キャラが大流行したのは10年代末からの現象だったと思うけど、あれが終息したのはいつ頃になるだろうか。さしあたりの体感的印象では、2020年前後にはとにかく銀髪(白髪)イラストが大量に出ていたけど、2023年頃から減っていたかなあ……? もちろん現在でもかなりメジャーな部類だけど、最近だと単純な銀(グレー)ではなく紫寄りのライトグレーが好まれているようだし、それ以外でも、やや赤寄りのブラウンとか、穏やかなライトブラウンとか、そしてもちろんクラシカルな黒系と金髪も依然として人気……という感じだろうか。

 新記事:「メルティーナ」。特にひねりも無く、塗り替え(全塗装)だけで済ませた。
 記事の中でも書いたけど、緑色の胴体にすると、ラミアよりもドラゴン(というか龍)っぽくなってしまった。昔からRPGなどでもラミアといったらピンクやパープルが主流だったと思うし、キャラクター差別化としてはピンク系の成形色になったのは仕方ないのかなあ。

 私の塗装アプローチは、なんとなく、説明志向になりがち。つまり、パーツ構成やそれぞれの機能性を見て取りやすくするようにコントラストを付けて塗り分けたり、あるいは、共通部分を示唆するように同じ色で塗ったり、装飾部分を際立たせるようにメタルカラーで光らせたりする。元々はスケールモデル由来のスタンスだけど、今回もそういうスタイルが出ている。なので、作品として面白いかどうかは分からない。作っている分には楽しいのだけどね……。
 例えば、上記メルティーナでは、布服要素=パープル、ウロコ要素=グリーン、アクセサリーや武器=ゴールド(とクリアパーツ)で、できるだけ統一している。キット成形色だと、グリーンが中途半端に混在しているので、そのあたりを整理するつもりで塗り替えた。……でも、そういう整合性配慮はあんまり要らないのかもしれないとも思う。

 ネイルの赤色も、装飾の一種としてビビッドカラーでワンポイントの色を付けた。ここは個人的に、かなり気に入っている。ガールプラモのネイル塗装は、手先の表情をくっきり強調させられるし、キャラクター個性を表現するのにも大きく寄与するし、小サイズでも人体のリアリティイメージに接近させることができるので、便利で効果的なのだが、これをやっているモデラーさんはあまり見かけない。いや、いるにはいるけれど、かなりの少数派のように見受けられる。
 塗装そのものは簡単だし、派手な色でなくても、ちょっと濃いめのベージュ色をちょんと乗せるだけで、手先の雰囲気が出てくるし、剥がれてもすぐに塗り直せば済む。グローブ系キャラだと指先が露出していないから使えないテクニックだし、どうしても似合わないキャラもいるが(※例えばドレスアップボディ使用時とか)、素手キャラの場合は有効だと思う。

 「アーキテクト」用のディテールアップパーツを店頭で適当に買い集めていたら、キット本体の購入価格の2倍になった……。まあ、スケールモデルではよくあることだけど(※例えばキット3000円に対して、エッチングパーツやハイディテールパーツや3Dプリントパーツが1万超えとか)。プラモデルキットはあくまで「制作キット」、つまり「子供の工作キット」「工学系の実験キット」などと本質的には同じで、タネになる素材セットに過ぎないと考えているので、値段はなんら問題ではない。
 今回は、表面の密度感を高めることを目指すつもり。フックなどを追加してシルエットに抑揚を作り、金属ナットなどでワンポイントの質感表現を与え、配線コードで変化と機能性を演出し、コーションマーク(デカール)で平面の間延びを解消する、といった感じ。あまりゴテゴテした武装にはしたくない。うーん、これで上手く行くかなあ。どこかにシリンダーを仕込みたかったが、キットの構成そのものがシンプルすぎるのでどうしようもない。
 コンセプトとしては、「人間サイズのラボ実験用アンドロイド」のような感じにまとめる予定。言い換えれば、大型ロボットではないし、実戦的な使用感も付けないようにシンプルにする。まあ、現場志向でウェザリングやミサイルやOVM(ジェリ缶とかロープとかの車両装備資材)を盛り付けまくるのもありだと思うけど、今回はそういう路線にはしない。可動などのギミックを仕込む余地も乏しいので、そのあたりは割り切る。ドールアイも、今回はやりにくそうなので断念。
 スケールモデル系デコレーションは、8月の模型展で見たことがあり(※AFVキットを盛り付けた「轟雷」)、どうしてもその後追いになってしまうのだが、まあ仕方ない。「フィギュア由来の官能的表現」+「ロボット模型風のヒロイックな見せ方」+「スケールモデル基盤のリアリスティックな塗装およびディテール」を全て投入できるのがメカガール分野の魅力だと言うこともできるし、言い換えれば、それら全ての技術に通暁している必要があるとも言える、複雑な性質を持ったジャンルだ。
 アーキテクトの装甲塗装は、TAMIYA「横須賀グレー」の、明るめでクールな色合いにする予定。ブラック部分はごく普通のツヤ消しブラックでよいだろう。

 水性ゴールド塗料はいろいろ試したけど、やっぱりCITADEL「Retributer Armour」がありがたい。濃いめの色がしっかり発色するし、粒子が十分に細かく、隠蔽力も高い。他の一般的な水性塗料だと、隠蔽力が低くて透けてしまったり、粘度/濃度が低くて扱いづらかったり、発色が弱かったりする。CITADEL塗料は、値段は高めなのだけど、価格相応のクオリティがあるので十分に元は取れるし、それどころか、一瓶でもなかなか使い切れないくらい長く使える(そして、使い切れないうちに塗料が固まってしまう)。
 TAMIYAゴールドも、もちろんクオリティは高くて堅実に使えるのだけど、微妙に色が薄いと感じることがあり、そういうときはやはりCITADELに戻ってしまう。
 もちろんラッカー系のゴールドも使っているが、換気をしつつ吹き付けで一気に塗ってしまう。ラッカー系は、塗料筆があっという間に死んでしまうのが悲しい。

2025/11/02

漫画雑話(2025年11月)

 2025年11月に読んだ漫画の雑感。主に単行本新刊について。

●新規作品。
 及川徹『異世界H英雄伝』第1巻(秋田書店、1-4話)。性的興奮によって知力(予測計算能力)が劇的に高まる主人公が、怪物たちに蹂躙されつつある異世界人類を守るために活躍する話。及川氏らしく、意志的な主人公と、切迫感のあるシチュエーション、異様な緊張感のある背景美術、そしてクリーチャーデザインを初めとしたグロテスクな描写、さらに唐突感のある濃厚なエロ表現(※全年齢)がふんだんに盛り込まれている。初連載の『新世界より』漫画化の時点から、こうした個性は明らかだったし、長期連載の『インフェクション』でもその手応えが常にあった。
 実は、前作『軍神のタクト』(全3巻、未読)のリメイクのようだ。主人公の名前もキャラの位置づけもほぼ同じで、違いは……性的要素かな?

 ディーン・ロウ『勇者殺しの花嫁』第1巻(少年画報社、原作あり、1-6話)。既成教会権力が、強すぎる勇者を危険視したため、暗殺のために下っ端戦闘員の主人公が送り込まれたという状況。コマ絵の一枚一枚を見るかぎりでは、一級のクオリティがある。繊細な描き込み、美しいプロポーション、異形生物の迫力、瞬間の印象的な切り出し、建造物の質感と存在感、等々。しかし、漫画としてのコマ組みと紙面演出が、どうにもぎこちない。原作に由来するストーリーの強引さも相俟って、ちぐはぐに見えるところが多い。うーん。
 稍日向(やや・ひなた)『ボクはニセモノノキミに恋をする』(単巻、全10話)。日本神話(イワナガ/コノハナ)のイメージを絡めつつ、禁足地での神隠しネタを描いている。絵も筋立ても、まあ悪くはないのだが、単巻ゆえの食べ足りなさがある。


●カジュアル買いなど。



●続刊等。

1) 現代ものやシリアス系。

2) ファンタジー世界やエンタメ寄り。
 石沢庸介『第七王子』第21巻(175-181話)。榮竜との高速戦闘と、そこで開花するヒロインたちの新たなスキルが華々しくも劇的に描かれる。技のアイデアの独創性と説得力が絶妙だし、それが研鑽と才能と(そして時には悲劇性)によって裏付けられている誠実さも石沢氏らしい。
 宮木真人『魔女と傭兵』第7巻(47-56話)。漫画表現がぐっとこなれてきて、コマの流れも良くなり、コミカルな表現も上手くハマるようになってきた。ただ、やはり、物語の雰囲気が相変わらず酷薄で、とりわけヒロインキャラたちが怯えたり、殴られたりするシーンが頻出するのは少々きつい。まあ、そういう冷酷さは、傭兵という立場での厳しい現場の物語として、筋が通ってはいるのだが。そしてヒロインたちも、基本的にツリ目強気なキャラばかりで、とても魅力的なのだが。そして、バトルシーンのギミックとその説明も説得力があるのだが。
 kakao『辺境の薬師』第11巻(78-85話)。背景の描き込みが、とんでもないレベルに達している。いくつかのツールは使っているのだろうけど、基本的には全て独自に描き起こしていると思われる。しかも異世界の和風建築の内装の装飾的ディテールから、屋根が並ぶ都市風景の立体感まで、超絶技巧で作画されている。しかも、単なる名技披露ではなく、場面ごとの雰囲気やニュアンスを表現することにきちんと寄り添っているのも凄い。作品全体として見ても、顔アップのコマがかなり少なく、常に空間的な広がりの中で物語が展開されるし、コマ絵そのものも角度と奥行きのある絵で柔軟に描かれているし、さらには壁越しの2部屋をフレームインさせているような技巧的なレイアウトまで使いこなしている……どうしてそこまでするの……。ストーリーそのものはただの天然チート系で、そのうえセクシーで豊満なキャラクターが大量に出てくるのだが(※特におまけ漫画はおねショタ全開のえろになる)、この紙面演出がこの漫画版の圧倒的な迫真性と美術的な没入感をもたらしてくれる。


 久しぶりに木村紺『神戸在住』(全10巻)を通読した。京都の学生時代に読んだときはあんまり好きではなかったが、あらためて読んでみると、その強い個性に感銘を受ける。手書きで柔らかく、それでいて緻密に描き込む画風の手触りに、内省的独白をコマの間に差し込む独創性(※90年代末当時のちょっとした流行にもなっていた)、大学生の日常ものとしての広がり、そして数年前の震災を初めとするローカルな社会的重層性への、ストレートでありながら距離を置いた視座(※主人公は東京から入学してきた異邦人という位置づけだ)、観光漫画としての先進性(※北野異人館街が扉絵で頻繁に描かれる)、絵画や音楽に囲まれている大学生のアーティスティックな雰囲気、そしてそれ以外も、身体障害や国籍アイデンティティ(中国系2世)、さらには喪失体験(人の死)を掘り下げる際の異様なまでの切迫感。
 現在私がたまたまその土地に住んでいるという事情を別にしても、本作で描かれている30年ほど前の神戸の開放的な風景と、そこで生活した感受性豊かな大学生の内省的デリカシーの陰影、そしてその若者を取り巻く社会の厚みによって特徴づけられた本作は、今なお特異な個性を持っている。

2025/11/01

アニメ雑話(2025年11月)

 2025年11月の新作アニメ感想。

●『悪食令嬢と狂血公爵』
 第5話は、砦で過ごす穏やかな一晩。坂泰斗氏の安定感のある芝居が心地良いし、配下騎士たちも、やけに良いキャストを揃えている。
 ストーリー等はおそらくほぼ原作/漫画版に準拠しているが、ヴィジュアル面での見せどころも、ストーリー面でのニュアンスも、きちんと掬い取られている。
 ドラゴン騎乗時に、風に揺れるアホ毛のアニメーションよ……。



●『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』
 第5話。映像としては月並だが、バトルシーンでの瞬発力と、比較的整った美形作画、そしてからかい系シチュエーションのおかげで保っている。しかしそれも今回のように長所を出せないと、本当につまらなくなる。バトルシーンは止め絵で誤魔化しており、敵役サイドの中途半端なシーンを差し込んでは下品な顔を大写しにしてがっかりさせ、そしてストーリー全体としてもあまり魅力が無いという……。今期はたまたま視聴候補に残ったけど、他のシーズンだったら『ゴリラ』のようにバイバイしていた可能性がある。



●『終末ツーリング』
 第5話。キャラクターの細かな所作も丁寧にアニメーションさせており、その一方で竜巻乱立のスペクタクルや、水飛沫と大波の動画、そして遠景の緑の廃墟に至るまで、たいへん充実した画面作りになっている。
 ただし、問題もある。シチュエーション頼みで、コンテそのものは平凡だし(移動中の真横カメラ構図はイージーで、非常にダレやすい)、音響表現やカットつなぎもダイナミックな自然現象のインパクトを掬い取るのに失敗している。巨大満月から竜巻の間を渡橋するシーンまで、とにかく見どころ満載の回で、もっと良い映像に出来そうだったのに、もったいない……。主役がどちらも一本調子なのも(片方はひたすら「うわー!」「おおー!」で、もう一方はダウナー系)、抑揚のニュアンスを乏しくさせている。これも監督/音響監督に責任がある。制作素材と現場スタッフは良い仕事をしているのだから、それらを全体としての完成度に結実させていくのはディレクション側の問題だろう。
 月面に、何か巨大な物体が衝突したかのような大きな亀裂(ヒビ)が入っているが、真面目に考えても仕方ないだろう。



●『野生のラスボスが現れた!』
 第5話。キャンピングカーのゴーレムを錬成する……『通販』にも似たようなものがあったが、こういうおバカ進行はわりと好み。ただし、一つの回(話数)ごとのまとまりが無いままなのは、ベタ移植アニメの問題で、とりわけこうした日常寄りのシーンではそれが顕在化しやすい。絵コンテ(レイアウト)も、今回はやや面白味に欠ける。
 動画表現それ自体としては、省力するところは思いきって止め絵で流したりカット再利用したりしつつ、キャラが身体を動かすところは初動のモーションを気持ち良く描いて生き生きした雰囲気を作り出している。なかでも前半の温泉脱衣シーンは、細やかに中割動画を付けている。ディーナが腕を元気よく上に伸ばすのも、キャラ個性の表現として上手くハマっている。アリエスのカラフルな頭髪グラデーションも、現代のデジタル作画ならではの表現だろう。
 サブキャラたちの音声芝居がちょっとひどいが、まあ我慢しよう。

2025/10/07

2025年10月の雑記

 2025年10月の雑記。