2025/11/28

2025年11月の雑記

 2025年11月の雑記。

 11/22(Sat)

 「星花・百合」について。青で塗るか緑にするかで迷うなら、青緑にすればいいじゃない。ということでエメラルドグリーン(ターコイズグリーン)を使ってみることにした。青っぽいクールな透明感がありつつも、緑色の瑞々しさも兼ね備えるので、これはこれでありだと思う。ただし、色調やコーディネート次第では安っぽくなりやすい色でもある。上手くいくかなあ。

 というわけで、ざっくりエアブラシ塗装。
 ライトグレー:クールホワイトできれいに。後でブルーのグラデーションを入れるかも。
 ブラック:メタルブルーブラック(混色)が余っていたので使ってみた。良い感じ。
 ダークブラウン:リノリウム色(またかよ!)。しかしこのチョイスは失敗かも。うーん。
 ライトブラウン:ターコイズグリーンでビビッドに。隠蔽力が高くて助かった。
 頭髪(イエロー):パールコートのみ。後で影色を入れたりするかも。

 ジョイント周りにディテールが多いので、筆塗りしてやるとさらに引き締まるだろう。
 スミ入れも、一応入れておく。 
 デカールも省略。ゴチャゴチャさせず、シルエットと色合いを見せることを最優先にしたい。

 というわけで完成(※リンク先はSNS投稿)。わりと上手く行ったと思う。
 ライトブラウンは、キットのままだと色が埋没してしまうので、ヴィヴィッドな緑色で塗り替えたのは正解だった。
 また、アドリブでホワイト面にブルーのグラデーションを掛けてみたが、これもキットの雰囲気を盛り立てることに成功したと思う。つまり、「色彩感の追加」、「青色のクールさを強調」、「花弁の柔らかさや軽やかさを表現」、「パーツの立体感を強調」、等々の効果を出せた。グラデ塗装は、これまでほとんど使ってこなかったが、便利なのは確かだ。


 買って読んで読んで買ってを繰り返しつつ、未読漫画はちょっとずつ減ってきた。
 カジュアル買いをしたがあまり読む気のないまま数ヶ月間ずっと枕頭に置かれている単行本も、そろそろ諦めて仕舞い込んでしまってよいかも。そうすれば未読(積み)は一桁になる。


 『斑鳩』の「銀鶏」(※リンク先はメーカー公式ページ)も、パーツ切り出し。
 複雑な境界線が多いので、細部は筆塗りした方が、速いし確実だろう。また、各部のカラーリングがよく分からないので、ディテールから推測しつつ適当に色を付けていくことになりそう。




 11/15(Sat)

 グランデ「アーキテクト」がひとまず完成。
 ドールアイ組み込みも、後で試してみるかもしれないが、このツリ目形状だと難しいかも。

 フック表現はとても便利なので多用している。メリットが非常に多くて:
- 表面に緻密さを与えられる。面を埋めるアクセントになる。
- 立体感を付与できる。
- 実用的な機能性を表現できる。
- 本体とは異なるカラーを乗せられる。
- しかも制作(取り付け)はきわめて容易。パーツ入手も簡単だし安価。
- サイズや形状もそれなりに選択肢が多く、柔軟に使える。
- 小さいパーツなので主張しすぎず、アクセサリーとして投入しやすい。
- フックに様々なものを吊り下げるという拡張性もある。
等々。逆に欠点としては、「適さないジャンルもある(例えば航空機)」、「小さく出っ張ったパーツなので破損(脱落)しやすい」があるくらいか。
 同じような機能は、ケーブルやパイプにもあるので、「せっかくだから俺はこの赤のケーブルを使うぜ」と、今回は堂々と併用している。ベタに使えて便利すぎるのでチープになりかねないところだが、スケールモデル以外のモデラー界隈(ロボットとか)ではあまり見かけない。

 形状については、水滴型(馬蹄型)や三角形、四角形、さらには突起型、キーホルダー型、あるいはシンプルな鉤型(J字型)など、ヴァリエーションが多く、しかねもAFVキットからハイディテールなパーツを調達できるのがありがたい。

 ただし、既存のロボットアニメではこうしたフック表現は稀だったりする。例えばガンダムシリーズでも、前世紀までの2D作画アニメでは、ほぼ使われていない(※フックの細かくて立体的な作画が、あまりに面倒で高コストになるからだろう)。そして今世紀のシリーズになると、格好良いガンダム同士が戦うヒロイック路線を志向して、その中では地味な陸戦兵器テイストのフック表現が入る余地はほとんど無くなっていた……ということだろう。例外的に、ちょうどその端境期の『08小隊』(1996-1999年)だけは、OVAという特性もあって、フック(シールドや両肩)やウィンチなどの重機フレーバーを盛り込んでいた。ただし、歴史的にはあくまで例外的な存在だったと言えるのではなかろうか。
 それ以外のロボットアニメでも、例えば『ボトムズ』にはフック表現は無いようだし(※パイプなどの表現はある)、『マクロス』シリーズは航空機ベースなので似合わない。『パトレイバー』も、排気孔やアンテナ、関節部カバーといったリアル路線のディテールはあるものの、警察ロボットという仕様からしてフックの出番は無かった。スチームパンク風の『サクラ大戦』は、さすがに両肩フックを一部のメカに採用している。海外の『トランスフォーマー』シリーズでも、内部メカの細かい配線ディテールなどは試みられていたが、ゴツいフック描写は稀なようだ。

 新記事:「アーキテクト(グランデ)」について。
 ネット上でも、このキットをちゃんと塗装制作している人がほとんどいないのが悲しい。キャラクター性の観点ではスティレット等に一歩譲るとしても、ロボットキャラらしさは突出して優れているので、モデラーが手を掛けてディテールアップしてやれば十分な手応えが得られる。大サイズなのも、細部の造形を掘り下げられる余裕があると言える。まあ、そういう造形の精度向上はメーカーの仕事だと言うこともできるのだが……。
 まあ、一般的には、無塗装で組んでいろいろ動かして可愛いポーズを取らせて楽しむのが、おそらくガールプラモとしては正道なのだろうけど、しかし造形があんまりあっさりしすぎているのを見ると、一モデラーとしては、ね……。


 次の冬アニメは……うーん。
△『違国』は演出次第。
△『アルネ』は、ミステリものなので興味はあるが、主演の出来次第かなあ。
△『綺麗にして』も、キャストと演出次第。
△『人外教室』は、もうほんの少しだけキャストが良かったら……。
-『正反対な~』は、原作を読んでいるからアニメは観なくていいかな。
-『葬送』も、ここから展開が地味になっていくので、アニメで見直すほどではないかも。
△『ダーウィン』は、原作を途中まで読んで飽きたので……ん? 主演は種﨑氏なのか!
△『DARK MOON』も、演出次第かな。あんまり期待していないけど。
△『デッドアカウント』は、ファイルーズ氏枠で確保するかも。
△『火喰鳥』は、江戸時代もの。出来が良ければ……。
-『ヘルモード』は、田村(睦)氏主演に小市氏も出演されるが、しかしそれだけでは……。
△『魔法の娘』は、久野氏主演。出来次第では観るかも。とりあえず第1話だけでも……。

 えっ……積極的に見たいと思える新作が一つも無い……。オリジナルアニメも皆無のようだし、「勇者」ネタが5作品も被っているし……。むしろ女性向けが健闘しているかもしれない。
 ちなみに、続編/シリーズものの比率が38%とやたら高いのもガッカリ要因。しかも、2期よりも3期以上の方が多いという有様。目先の売れるものばかりを焼き畑しているようで、印象は良くない。


 次のプラモデルは「星花・百合」を組み立てたいが、カラーリングで迷っている。キットのままだと、モノクロ志向が強すぎるし、パーツ構成が見て取りづらいので、色を塗り替えたい。ライトブラウンのパーツを、グリーン(=植物らしさ=百合)か、あるいはブルー(=宇宙らしさ=星花)に変えたいが、どちらがいいかな……。無難なのはブルーだが、しかしあえてグリーンを投入して目立たせるのも試してみたい。


 まだ11月中旬、まだ室温16度だけど、暖房を入れた(22度設定)。昨年は12月中旬でようやく暖房を使いはじめたのに、今年は丸一ヶ月も早めてしまった。しかし、「コストと乾燥リスク」 vs. 「生活のクオリティ」を天秤に掛けて、使った方が良いと判断した。一人でひたすら安寧を享受できる空間は、ひたすら穏やかで心地良く保たねばならない。
 ちなみに、乾燥で喉を痛める危険があるので、暖房中は室内でもマスクをする時がある。洗濯物の部屋干しは、湿度変化が適切にコントロールしきれないのであまり役に立たないと考えている。



 11/09(Sun)

 うーん、NYのあれを見て最初に出てくる言葉が、「富裕層が逃げる」心配なのか……(という風景を見た)。しかも日本ではなく外国の話なのに。要するに、強い者から見捨てられる恐怖が、それほどまでに強く内面化されてしまっている(そういう人が、あるいはそういう傾向が強い)のだろう。ひとの心理の問題としては、分からないではない。長く続く不況と社会保障の削減によって、人々の生活がいよいよ不安定になっているとき、頼りになる(かもしれない)ものが失われるのは怖いだろう。けっして権威主義者というわけではなく、むしろパーソナルに自由な生活を求めている気質の方でも、そういう思考に流れてしまうのが、なんとも心苦しい。
 もちろん、実際には「頼りになる」どころかむしろ逆で、我々一般人から搾取したおかげで裕福になっているようなものだ。彼等に遠慮して累進課税を緩めたところで、彼等が我々に感謝してくれることなどあり得ない。そして租税制度を含めて立法を左右しうる有権者集団のパワーは、民主的社会においては本質的に最も強いのだが、それが現代の私たちには意識しづらくなっているかのようだ。
 もちろん、課税範囲や税率をどのように設定するかによって状況は異なる。しかし、原則論として言えば、一般市民への課税よりも高所得層への累進課税をする方がプラスになりやすいだろうし、「逃げる」こともそれほど容易ではない。そして、あのように比較的余裕のある都市が率先してより良い道筋を提示してくれることは、世界的にも――つまり日本に対しても――シンボリックな好影響を持ち得るだろう……その政策の意義や効果を私たちが理性的に把握できるならば。
 実のところ、例えば最高税率をほんの1~2%上げるだけでも、相当額の税収になり、一般人たちの生活をより良くするのに使えるだろう。そのくらい、現代社会はあまりにも格差が拡大しすぎている。


 「アーキテクト(グランデ)」の切り出しと一部組み立ては、2時間足らずで終えた。
 ここからは、人類並(160cm相当)のキャラクターの1/6スケールを想定したディテールで、細かいパーツをペタペタ貼り付けていく。ただし、具体的なイメージは持っていないのであくまで適当にする予定。

 色分けは、ブラックとグレーを基調に、ヘッドギアと足元(靴)だけは別の色にするかも。
 成形色では2種類のグレーがあるが、使い分けが恣意的で無意味なので、1色に統一した方が良い。もちろん、複数の色調で細かく塗り分けるアプローチも考えられるが、あまりやっても見た目がうるさくなるので今回はシンプルにする。


 「アーキテクト」は、塗装を終えて大部分が完成した(参考リンク:画像)。瞬着が足りない(※完全未開封のストックを開けてみたら全部固まっていた)ので買い足してくる必要があるけど、そうしたらケーブル類を適当に組み込んで、フック類の細かなパーツも取り付けて、最後にコーションデカールなどを適当に貼り付けて完成とするつもり。
 全体としては、「HGUC並のディテールをMGレベルにグレードアップする」、あるいは「無印ガンダムメカから『08小隊』のようにリアル路線で緻密化する」といった感じ。基本的に、ロボットプラモのノウハウをそのまま使えるキットで、特にメカ脚部は本当にロボットプラモを作っているような気分になった。
 下品に露出している下着は、フラットブラックに塗装したら目立たなくなった。ヨシ!
 頭髪のシルバー塗装はギラギラしすぎているので、後でツヤ消しを吹いて落ち着かせるかも。塗装剥がれの防止にもなることだし。

 今回のディテールアップに使ったのは、ZVEZDAの「T-90」(1/72)と、航空機用アフターパーツ、そしてMSGいろいろ(フックなど)。おかげで、戦車のハッチを何故か側頭部に付けている珍造形になっているが、とにかく細密感があればいいんだよの気分で敢行した。
 SNSにも書いたけど、各部の丸いリベット風モールドがとにかく大問題だった。元々のFAGキットでも作為的だったのが、2倍に拡大されてさらに大味になってしまっている。今からでも、全部覆い隠してやったら、全体の密度感とスケール感が大きく改善されそう。この丸モールドは全身で32箇所もあるのだが、うーん、何かちょうど良いバラパーツはあるかなあ。
 フック類はKotobukiyaのMSGを使ったが、最大のパーツでもまだ小さくすぎて、期待したほどの迫力が出ない。この2倍くらいのサイズでゴツい存在感を発揮してくれたら良かったのだが……。通常サイズのFAG(グライフェン)では、所期の効果を出せていた。

 ZVEZDAのキットは、細密造形では掛け値なしのトップクラスだと思う。薄さの求められるパーツは本当に薄いし、1/72キットでも怖ろしく細かいモールドで成形されている。なので、今回のようにディテールアップのための素材セットとしては、実にありがたい。ただし、あまりにも細かいので、組み立ては大変だし、パイプ類などの極細パーツは折れまくるけど。
 そもそも、侵略戦争を目下継続中のロシアの現用戦車(しかもロシア国内メーカーのキット)を、プラモデルとしてでも購入するのは倫理的な躊躇いがあった。しかし、まあ、戦車そのものを作るのではなく、ただの素材として利用するだけなので、ギリギリ容認される範囲内かと考えて、今回はキット購入した。


 あっ……店舗最優秀賞をいただいちゃった……。
 たいへんありがたくはあるけれど、こういう賞はもっと頑張っている方々が受け取られるべきだと思っているので、恐縮してしまう。実際、例えば大型のガール作品の方がはるかにしっかりした力作で、そちらが受賞されるだろうと予想していたのだが、いささか申し訳ない。
 そもそも私は基本的に、この種のコンテストでは、「受賞しない賑やかしに留まること」を目指した作品でエントリーするようにしている。今回の作品も、そんなに作り込んだわけでもないし、あくまで一点突破のネタ制作ならば賑やかしのままでいられるだろうと見込んでいたのだが……。
 まあ、わずか4作品という少数応募だったから、こういうブレが生じるのもやむを得ないだろう。これが多数の参加作品の中から受賞してしまっていたら、本当に縮こまってしまうところだった。
 こういう思考は、受賞しなかった方々に対しても失礼になってしまうので、ここでこっそり書くだけにしておく。
 もちろん、ネタはネタなりに、けっしていいかげんな作品にはしていない。ショップさんに対しても失礼にならないくらいには真面目に作っているし、作品の見せ方の演出もいろいろ考えたうえで箱入りレイアウトを設計している。今回のは明らかにキットそのもののディテール頼みで、モデラーの創造性はあまり発揮されていないのだが、「キットのチョイスの面白さ」と「宇宙空間に見立てたレイアウト」が評価されたのだと考えよう。そして、企画全体としては、メジャーな「ロボット」「ガール」とは異なるジャンルでイベントの多様性に貢献できたことを幸いとしよう。

 他店舗の最優秀賞を見たら( #YS杯2025 )、アイデアと表現技術を併せ持った立派な作品ばかりで、感心するやら嬉しくなるやら……。
 ちなみに、うちの近隣店舗(三宮店)のお客さんにも腕利きの猛者モデラーはたくさんいらっしゃる筈。すぐ傍のVOLKSでも、コンテストイベントのたびに数多くのクリエイティヴな作品が見られる。


 「メルティーナ」は、webの制作写真でも紫、白、赤、銀とさまざまなカラーリングの塗装作品が出てきて、なかなか参考になる。色彩設計そのものは、画像処理ソフトでどんな見栄えになりそうかを事前に試したり確かめたりするのが容易になっているが、それでもやはり、モデラー個人の美意識を結実させた作品写真を見るのは勉強になる。
 「アルカナディア」シリーズは、このまま青肌キャラとか双頭キャラとか六腕キャラとか単眼キャラといったイロモノに挑戦していって欲し…くはないかな。下半身のない幽霊キャラくらいは、差分でやってくれるかもしれないし、ミイラキャラもそろそろ出してきそうではある(※無装備なので低価格で済む+お色気も出せるので)。単眼も、フェイスパーツ差分を一つ入れるだけなので簡単だろう。「創彩」薬師寺さんのサンプル写真からして、蜘蛛(アラクネ)キャラが出てくる可能性もかなり高いと思っている。


 来年1月の模型展に持って行けそうなのは、「ユクモ(尻尾の毛筋塗装)」、「メルティーナ(独自カラーリング)」、「タンク(装甲の独自解釈)」、「アーキテクト(ディテールアップ)」あたりかな。いずれもオフライン(コンテスト等)では未公開で、しかも独自コンセプトで全塗装制作している。
 スケールモデルやロボット模型は最近作っていないけれど、上記「アーキテクト」制作のように、様々な技術の大きな蓄積として、今でも私の中に生きている。そろそろ1/350艦船をもう一つくらい作ってみたいところだが……。



 11/03(Mon)
 近所の模型店のコンテストに作品を出してきた。
 詳しくは[ https://social.vivaldi.net/@cactus4554/115483861747638199 ]:このあたりで書いたけど、まあ、賑やかしくらいの役は果たせたかなあと。

 というわけで、離型剤落としのお湯洗いだけを済ませたキットが溜まっていく……。今週中に時間を取って一気に作り上げていく予定だけど、どこまで実行できるやら。


 アーキテクト(グランデ)の単純拡大間延びデザインがあまりに耐えがたいので、大掛かりなディテールアップを検討中。
 とはいえ、パネルラインを増やすのは下品だと思うので(※装甲の分割線=隙間が見えすぎるのは非-機能的で本末転倒)、スケールモデルAFVパーツを適当に投入して追加装甲、センサー類、フック、配線表現、そしてチッピングで金属感、ウェザリングで使用感あたりを軽めに施したら、多少はマシになるかなと構想している。あんまりゴテゴテに盛り付けるのは私の好みではないので、見た目の密度感をちょっと引き上げるくらいにする予定。
 ただし、基本の造形がシンプルすぎるので、ディテールアップの手掛かりも乏しいし、AFVには詳しくないので(※ジャンクパーツもろくに持っていない)、成算は低め。諦めて素組みだけで終わらせるかもしれない。
 このサイズだったら、内部機構を仕込めるだけのスペースがあるので、メカ露出表現もどこかに入れたいが……そもそもアーキテクト君はアンドロイドなのか、それとも人間なのか? 腹部前面をハッチ開閉式にして、内部メカを見せられるようにするのが、ひとまず無難なアプローチだろう。胸部装甲(※真面目な意味)がワンパーツで加工しにくいのは残念。
 ドールアイ化は、キャラに似合わないと思うが、一度試してみたくはある。
 頭髪は、ホワイト+シルバーの毛筋表現にする予定。

 そういえば、銀髪キャラが大流行したのは10年代末からの現象だったと思うけど、あれが終息したのはいつ頃になるだろうか。さしあたりの体感的印象では、2020年前後にはとにかく銀髪(白髪)イラストが大量に出ていたけど、2023年頃から減っていたかなあ……? もちろん現在でもかなりメジャーな部類だけど、最近だと単純な銀(グレー)ではなく紫寄りのライトグレーが好まれているようだし、それ以外でも、やや赤寄りのブラウンとか、穏やかなライトブラウンとか、そしてもちろんクラシカルな黒系と金髪も依然として人気……という感じだろうか。

 新記事:「メルティーナ」。特にひねりも無く、塗り替え(全塗装)だけで済ませた。
 記事の中でも書いたけど、緑色の胴体にすると、ラミアよりもドラゴン(というか龍)っぽくなってしまった。昔からRPGなどでもラミアといったらピンクやパープルが主流だったと思うし、キャラクター差別化としてはピンク系の成形色になったのは仕方ないのかなあ。

 私の塗装アプローチは、なんとなく、説明志向になりがち。つまり、パーツ構成やそれぞれの機能性を見て取りやすくするようにコントラストを付けて塗り分けたり、あるいは、共通部分を示唆するように同じ色で塗ったり、装飾部分を際立たせるようにメタルカラーで光らせたりする。元々はスケールモデル由来のスタンスだけど、今回もそういうスタイルが出ている。なので、作品として面白いかどうかは分からない。作っている分には楽しいのだけどね……。
 例えば、上記メルティーナでは、布服要素=パープル、ウロコ要素=グリーン、アクセサリーや武器=ゴールド(とクリアパーツ)で、できるだけ統一している。キット成形色だと、グリーンが中途半端に混在しているので、そのあたりを整理するつもりで塗り替えた。……でも、そういう整合性配慮はあんまり要らないのかもしれないとも思う。

 ネイルの赤色も、装飾の一種としてビビッドカラーでワンポイントの色を付けた。ここは個人的に、かなり気に入っている。ガールプラモのネイル塗装は、手先の表情をくっきり強調させられるし、キャラクター個性を表現するのにも大きく寄与するし、小サイズでも人体のリアリティイメージに接近させることができるので、便利で効果的なのだが、これをやっているモデラーさんはあまり見かけない。いや、いるにはいるけれど、かなりの少数派のように見受けられる。
 塗装そのものは簡単だし、派手な色でなくても、ちょっと濃いめのベージュ色をちょんと乗せるだけで、手先の雰囲気が出てくるし、剥がれてもすぐに塗り直せば済む。グローブ系キャラだと指先が露出していないから使えないテクニックだし、どうしても似合わないキャラもいるが(※例えばドレスアップボディ使用時とか)、素手キャラの場合は有効だと思う。

 「アーキテクト」用のディテールアップパーツを店頭で適当に買い集めていたら、キット本体の購入価格の2倍になった……。まあ、スケールモデルではよくあることだけど(※例えばキット3000円に対して、エッチングパーツやハイディテールパーツや3Dプリントパーツが1万超えとか)。プラモデルキットはあくまで「制作キット」、つまり「子供の工作キット」「工学系の実験キット」などと本質的には同じで、タネになる素材セットに過ぎないと考えているので、値段はなんら問題ではない。
 今回は、表面の密度感を高めることを目指すつもり。フックなどを追加してシルエットに抑揚を作り、金属ナットなどでワンポイントの質感表現を与え、配線コードで変化と機能性を演出し、コーションマーク(デカール)で平面の間延びを解消する、といった感じ。あまりゴテゴテした武装にはしたくない。うーん、これで上手く行くかなあ。どこかにシリンダーを仕込みたかったが、キットの構成そのものがシンプルすぎるのでどうしようもない。
 コンセプトとしては、「人間サイズのラボ実験用アンドロイド」のような感じにまとめる予定。言い換えれば、大型ロボットではないし、実戦的な使用感も付けないようにシンプルにする。まあ、現場志向でウェザリングやミサイルやOVM(ジェリ缶とかロープとかの車両装備資材)を盛り付けまくるのもありだと思うけど、今回はそういう路線にはしない。可動などのギミックを仕込む余地も乏しいので、そのあたりは割り切る。ドールアイも、今回はやりにくそうなので断念。
 スケールモデル系デコレーションは、8月の模型展で見たことがあり(※AFVキットとミキシングした「轟雷」)、どうしてもその後追いになってしまうのだが、まあ仕方ない。「フィギュア由来の官能的表現」+「ロボット模型風のヒロイックな見せ方」+「スケールモデル基盤のリアリスティックな塗装およびディテール」を全て投入できるのがメカガール分野の魅力だと言うこともできるし、言い換えれば、それら全ての技術に通暁している必要があるとも言える、複雑な性質を持ったジャンルだ。
 アーキテクトの装甲塗装は、TAMIYA「横須賀グレー」の、微妙に青寄りのクールな色合いにする予定。ブラック部分はごく普通のツヤ消しブラックでよいだろう。

 水性ゴールド塗料はいろいろ試したけど、やっぱりCITADEL「Retributer Armour」がありがたい。濃いめの色がしっかり発色するし、粒子が十分に細かく、隠蔽力も高い。他の一般的な水性塗料だと、隠蔽力が低くて透けてしまったり、粘度/濃度が低くて扱いづらかったり、発色が弱かったりする。CITADEL塗料は、値段は高めなのだけど、価格相応のクオリティがあるので十分に元は取れるし、それどころか、一瓶でもなかなか使い切れないくらい長く使える(そして、使い切れないうちに塗料が固まってしまう)。
 TAMIYAゴールドも、もちろんクオリティは高くて堅実に使えるのだけど、微妙に色が薄いと感じることがあり、そういうときはやはりCITADELに戻ってしまう。
 もちろんラッカー系のゴールドも使っているが、換気をしつつ吹き付けで一気に塗ってしまう。ラッカー系は、塗料筆があっという間に死んでしまうのが悲しい。


 漫画やイラストの「絵柄が古い」という話は、内容面でも様々な要素が関わっているし、メリット/デメリットも多岐に亘るので、一概には言えない。「悪い」にせよ「悪くない」にせよ、それだけで結論を決め打ちをしてしまうこと自体が間違いだ。

 内容面では、例えば、「これまでに開発され獲得されてきた新たな技法、発展的な表現、高度な繊細さが欠如したままで、原始的なままだ」という場合には、古さは内容の浅さ、未熟さを意味する。例えばフィギュアや模型塗装でも、昔のままの技法で、現代の表現水準にキャッチアップできていないものはやはり「出来が悪い」と言わざるを得ないだろう。
 しかしその一方で、創作表現の個性や魅力や価値は、技術だけでは決まらないというのも確かだ。つまり、「特定の技術を使っているから自動的に優秀とはならない」、「新しい流行技法の方が価値が高いとは限らない」。だから、例えば90年代風の鼻の描き方だったり、80年代風のコマ組みセンスだったりしても、それはそれで一つの様式だというだけのことだし、そのスタイルを武器にしていても構わない。

 実利的には、さらに複雑な要因が絡んでくる。例えば、読書歴の長い者の目には、「この画風はもう見飽きたよ、古い画風から抜け出せないのは退嬰的だ、もっと新しい感性を追求してほしい」と感じられるかもしれないし、逆に、「現代の流行スタイルの方こそが、むしろありふれていて個性が埋没する、むしろ時代を離れた絵柄の方が独自性を出せる」という見方もできるかもしれない。さらには、ジャンルごとに流行の盛衰はあって、「新しい/古びている」という一元的な評価そのものが不可能であることも多い。

 個人的には、例えば00年代前半風の「エアインテーク髪」については、その新鮮味が擦り切れてほとんど無意味になっているし、現代の繊細な頭髪表現にはミスマッチで非常に使いづらいと思う。先日のプラモ「メルティーナ」にもインテークヘアが造形されているが、周囲のキットと並べてものすごーく浮いてしまう。つまり、作為性が悪目立ちするようになっている。個々の表現要素は、創作物を受け止めるコミュニティがおおまかに共有している価値や意味認識にちゃんと命中することができるかによって、その効果が大きく左右される。意味が伝わらないようでは、それこそ、意味が無い。もちろん、そうした不自然さを手掛かりとしてアピールすることも可能だし、それによって新たな表現の意味づけをもたらすことも重要なのだけど、昔ながらの手癖表現では、そうした新たな意味創出は難しいだろう。
 00年代風と言えば、「両肩の大ぶりなパフスリーブ」も同様だ。滅んだものには、滅んだなりの理由があるという場合もある(※もちろん、明確な理由無しに、ただの流行の気まぐれで衰退したものも多いだろうけど)。例えば、動かしにくい、プロポーションが把握しづらい、画面が間延びするなど。静止画の美少女ゲームであれば有効だったガジェットも、環境の変化や美意識の変遷とともに、有効ではなくなっていくことはある。
 クリエイター側からは、「古くて何が悪い」という意見が出されることが多いようだけど、古さに開き直ってマンネリに閉じこもられるのは悲しいし、しかしだからといって、個々のクリエイターに挑戦のリスクを冒せと無邪気に要求することもできない。私なりの、最もゆるい結論としては、「より優れた洗練を、もっと新たな美意識を、そして、新鮮な美術的衝撃を、見せてほしいなあ」というくらいに留めざるを得ない。