フレームアームズ・ガール(グランデ)「アーキテクト」の制作メモなど。
【 今回のコンセプト 】
元のFAGキット(約15cm)に対して、グランデキットは約27cmと、ほぼ2倍のサイズになっているが、ディテールはほとんど元のままなので、拡大された分だけ間延びしてしまっている。なので、面のディテールを細かく追加して、空疎感を解消するように制作した。
方向性としては、スケールモデルのパーツを投入して、陸戦ミリタリー調のリアル感に近づけるようにした。具体的には、ZVEZDA社の戦車「T-90」(1/72スケール)から装甲パーツやアクセサリーパーツを使い、また、Finemoldsの航空機用「フォーメーションライトセット(F-15用、1/72)」で各部のフタやディテールを設けた。さらに、Kotobukiyaのフックセットや、汎用LEDケーブルなども適宜使用した。
その一方で、実戦寄りの汚しを入れるのは差し控えた。「ラボで実験中のアンドロイド(1/6スケール)」くらいのリアリティを念頭に置いてディテールを調整したつもり。
塗装について。基本的にラッカー吹き付け塗装。
ブラック:Tamiyaブラック(ツヤ消し)。
グレー:Tamiya横須賀グレー。
シルバー(頭髪):Vallejo「Silver」(新版)を筆塗り。
レッド:下地ホワイトの上に、キャラクターレッド(+グレー少量)。
ブルー:Tamiya水性「青竹色」を筆塗り。
足元など:ツヤ消しブラック+クロムシルバー少量。
襟元:Creos「クールホワイト」。
デカールは、MYK(アシタ)の「グッドマークデカール:コーションデカールNo. 02:アヴィエーションテイスト・英語表記#2(レッド&ネオンレッド)」を使った。サイズがちょうど良く、グレーの上でも発色の良いビビッドレッドで、同じマークが大量にプリントされているので、とても使い勝手が良い。
全身像。ブラック/グレーだけでは物足りないので、各部に赤色パーツを入れて彩りを増すようにした(フック、ケーブル、コーションマーク)。アンテナも、メカキャラとして是非とも使いたかったポイント。靴部分が別パーツになっていたので、メタルカラー(ブラック+クロムシルバー)で、重量感と異素材感をちょっとだけ味付けした。基本的なシルエットは、ほぼキットそのまま。斜め前と、背面からの撮影。前面は丸モールド(ボルト表現)を徹底的に隠してディテールアップしたが、背面はほぼそのままにしてある。丸モールドの大味っぷりはやはりきつい。3mm穴も5mm穴へ拡大されているが、3mm穴へのコネクタパーツがある。ノーマルFAG版「アーキテクト(Off White Ver.)」と並べて。約2倍のサイズになる。パーツ構成は多少違っているが、基本的な造形はほぼそのままで変わり映えしなかったので、なんとか違いを出すように制作した。設定画再現に必要な塗り分けは、このあたり。スカートのラインなどは、無水性塗料「青竹色」を筆塗り。太腿のベルトは、設定画ではブラック単色だが、せっかくなのでグレーで塗り分けた。特に脇の下の黒ラインは、塗り分けておくと引き締まると思う。上半身のアップ。フックは非常に便利で、「緻密感」「立体感」「ミリタリー感」「色彩感」などをリーズナブルに表現できるのがありがたい。もちろん、様々な装備品を取り付けるアタッチメントそのものとしても使える。頭頂部ユニットは戦車パーツで適当にディテールアップした。頭部を後ろ側から。見てのとおり、合わせ目処理などはしていない。頭髪は、ファレホ(新版)シルバーで毛筋塗装を試みたが、メタルカラーは濃度変化で半透明にすることができないので、頭髪の柔らかさを表現するには不向き。ここは失敗だったかも。頭部を右側から。何故か、戦車のハッチを頭部に取り付けているという珍造形だが、ここは「なんとなく緻密さを感じさせる」ことを第一目的にしたので、大目に見てもらいたいところ。グリーンのセンサーはBANDAIの汎用パーツ。胸部や上腕の「田」の字ディテールは、航空機用のフレア/チャフディスペンサーを流用。視線を合わせてみると……。机の上に立たせておくと、椅子や机の高さ次第では、かなり頻繁に目が合うことになる。やはり無表情キャラは、一人でぼんやりとアンテナ交信しているのがよく似合う。たぶん『雫』の月島瑠璃子さんや『ストライクウィッチーズ』のサーニャで広まったイメージ。上半身全体をおおまかに撮影。各部のフックやコーションマーク(デカール)で、なんとか間延びを抑制したつもり。デカールは、塗装しなくても(?)様々な色を足せるのが助かる。汎用デカールは数量が多いので、多少失敗しても構わないし。胴体部分のクローズアップ。追加装甲のリベットの凸部分は、筆塗りシルバーで色を乗せている。ほとんど気づかないほどの違いだが、無意識にでもリベット造形の密度感や質感を感じ取ってもらえれば、という感じ。多重装甲っぽさもわりと上手く行ったかな。脚部は、この作品の最大の見せどころにするつもりで手を掛けた。制作中は、まるでロボットプラモを作っているような気分になった……いや、それが正しいのか? ここも基本的には、戦車パーツとフックを適当にあしらってデコレートした。アンダーウェアは、グレーからブラックに塗り替えて目立たないようにした。配線ケーブルはやや作為的だが、実験機らしい強引さだということにしておく。足首は、無印FAG版と同じく、足の甲が引っかかって可動を大きく阻害している。ここも、背面はほとんど触っていない。四角形のハッチ状パーツは、Kotobukiyaの汎用パーツから。今度は関節部の丸一モールドが悪目立ちしているが、誤魔化しにくい位置にあるし、色変えでもどうにも出来ないので、そのままにしてある。ノーマルFAGとグランデ版を同じサイズにして並べてみる。全体のプロポーションもパーツ間バランスも、ほぼまったく同じだったというのが見て取れるだろう。