2021/12/03

2021年12月の雑記

 2021年12月の雑記。(→2022年1月2021年11月

今月の一枚はBANDAI「サーナイト」で。上品さとユーモラスさの取り合わせがたいへん面白く、そして可愛らしい。高さは約13cm。


 12/27(Mon)

 先日からtwitterの旧アカウントに入って書いている(長くても年度末くらいまでのつもり)。向こうではいろいろな主題を回顧的に再検討しつつ、こちらでは相変わらず細かなネタを書き留めておく。


 Eastern Modelの「アラクネ 2.0」も組んでみた。このメーカーの第1作(の改良版)のようで、可動確保のクリアランスやパーツ精度がちょっと惜しいが、非常に意欲的なデザインでなかなか面白い。Dark Adventのイカガールと並べてみたい。
 一部の関節は、ラチェット機構のようなカチカチ(クリック)構造になっている。しかも、MODEROIDのような出来合いパーツではなく、ユーザーが自分でクリック関節を組み立てるというもの。これは初めての体験だった。
 
Eastern Model「アラクネ 2.0」。蜘蛛脚の色分けも、丁寧なパーツ分割で再現されており、プラモデルとしてたいへん誠実な作りだと思う。ただし、造形技術は今一つで、パーツの干渉や隙間が多少発生する。


 今年のオタク系支出はぴったり大台に乗っていた。4月からは抑えめだったのだが、秋以降いろいろあって出費が増えた。まあ、価値ある文化財を購入したのだから、なんら損はしていない筈だ。うんうん。
 内訳を見ると、例年以上に漫画(や雑誌類)を買っていた。模型関連も多く、プラモデルとフィギュアを足してぎりぎり99個買っていた。ゲーム支出はさすがに減少したが、毎週のように専門店に行っている。CD/DVD/BDも少なめ。感染症の懸念もあり、コンサートホールや映画館にはほとんど足を運んでいない。美術館も、館内それ自体は比較的安全と思われるが、往復の移動を避けたいという考慮から差し控えていた。
 
 来年はどうしようかなあ。ゲームは積みすぎているので、自宅の未プレイタイトルを消化していくことに力を入れた方がよいかもしれない。模型はこれまでどおりで。当面は、買ったばかりの1/350「榛名」との対決が焦点になるだろう。それから、久しぶりに映像分野(実写映画)を開拓してみたい。音楽に関しては、今年はドイツ近代(シューマンの室内楽など)をよく聴いていたから、来年は趣向を変えてフランスやロシアの作曲家を聴き込んでみたら面白いかも。
 このブログでは、ソフトハウスキャラ全作品の総括を書かなければいけない。まずはtwitterで試し書きをして、それを整理して記事にしていくというやり方を考えている。



 12/20(Mon)

 1/350金剛を2度制作するのは気が引けるというんだったら、榛名を作ればいいじゃない。
 あ、あれ……このアントワネットは、なんか正しい……言い返しようが無い……。

 まったく同じキットを2回も作るのはさすがに非生産的だと感じるが、しかし金剛型の大物キットを久しぶりにもう一度手掛けてみたいという気持ちも高まっている。そうなると、同型の別艦を作るのが妥当な解決法となるが、比叡は1/350でキット化されていないし、AOSHIMAの霧島は長らく品切れ状態(中古も高騰)のようなので、FUJIMI榛名が唯一の選択肢になる。店頭でも通販でも入手容易なようだし、今のうちに買って春休みをゆっくり楽しむというのもありかも。大量の通風筒をいちいち植えていくのは大変だけどね。

 霧島だけは、1/700艦NEXTシリーズでは発売されていないのか。他の3艦は発売済み。


 模型界隈は、キット発売日の記録が軽視されがちのようだ。スケールモデルでも、艦船や戦車の諸元や各キットの再現年次などはやたら細かく書くわりに、キットそれ自体の基本情報はなおざりにされがちだ。メーカー公式サイトでも、発売日情報は書かれていなかったり、再販ごとに上書きされてしまったりする。ムック本でも、価格までは記載されるが、発売日情報は載っていない。
 プラモデルはマイナーチェンジ版やカラバリ版などが多数発売されがちだし、正式な発売日がはっきりしないことも多いし(「出荷予定日だけが存在して、小売への発売指定日は存在しない」という場合も多いようだ)、また、1970年代や80年代のオールドキットも平気で存在するのでムック本でも言及するのに気が引けるといった事情もあるかもしれない。さらに、特にスケールモデルではイタリアやロシアや中国などの海外キットも非常に多く、その意味でも発売日を調べたり確定したりすることが難しい。そういった事情があることも、一応は理解している。
 しかし、模型史(技術史)の観点では、各キットの発売日(あるいは発売月、せめて発売年)の如何は非常に重要な情報だ。もちろん実用上の観点でも、簡素なオールドキットなのか最近のキットなのかを踏まえることはきわめて重要だ(※スケールモデルでは、考証がどこまで反映されているかにも関わる)。私がガールプラモの発売年表をちまちま書き残しているのも、そうした模型史的な基礎的情報がきちんと記録され、共有され、参照されねばならないと考えているからだ。そしてそれは、その分野を楽しむ趣味人(オタク)の責務だと考えるからだ。今ではそういうアーキヴィスト的オタク(俗に言う「第2世代」型のオタク)はずいぶん少なくなってしまったように感じるが、だからこそ、誰かがやらねばならない。


 よく行っていたオタク系書店が、閉店になってしまった。最後の感謝と記念のつもりで、いつもより多めにいろいろ購入してきた。そういえば京都四条通のジュンク堂や寺町通の喜久屋書店も、閉店を見送ってきたのだっけ。寂しいなあ……。
 たくさん買った中で、『ミズハコセカイ』(2018)を読んでみたら、わりと好みの作品だった。00年代~10年代に多数現れた「少女+素人+趣味もの」の漫画だが、観賞魚飼育のベースを押さえながら、物語展開もきれいな進行で出来ていた。作画/演出面もなかなか巧みで、表情豊かなキャラクター描写を基礎にして、饒舌な画面演出とユーモラスな味わいが、読んでいてたいへん楽しい。残念ながら単巻で終わってしまったようだが、読後感は良いし、現在は他の連載を元気に続けておられるようだ。


 最近は、帰りがけにスーパーで買い物をするついでミカン一袋を買って、即日一気に食べきるというなかなか健康的な生活をしている。梨も好きだけど、やはりミカンも良い……。


 「30 Minutes Sister」(ティアーシャ)を店頭購入してみたが、うーん、素朴すぎてつまらない感じ。素体は約13cmとかなり小さくて迫力に欠け、武装も貧弱なので見どころが乏しい。拡張性に関しても、これならVOLKSの方がはるかにラインアップが充実している。素体側も装着用のハードポイントが少なく、アレンジの幅が小さい。頭髪パーツも、魅力の無いヴァリエーションがいくら出されても意味が無い。うーん、「安くて作りやすい」以外のセールスポイントが見当たらない。今時こんなものを出されても……。
 素体キットそれ自体は何の面白味も無いので、VOLKSのように明確な個性のあるアーマーパーツを多数リリースしていくことになると思われるが、先行する「30MM」シリーズの展開の遅さ、鈍さ、地味さを考えるとあまり期待できそうにない。爆発的に売れるタイプではなく、「30MM」と同様にロングテールで売れていくことになるだろうか。
 いずれにしても、ほぼVOLKSの下位互換(後追い)というのが悲しい。マシなのはパーツ精度と価格だけで、それ以外はキャラデザの魅力も、個性の輝きも、アーマー造形の意欲性も、ヴァリエーションの豊富さも、大胆な外連味の有無も、全てが劣っている。もったいないなあ……。好意的に捉えるなら、「供給力の高さという強みを生かした、エントリーモデル志向の薄利多売路線」ということだろうか。マニア向けの先鋭的なチューニングは捨てて、とっつきやすい無難なモデルを安価に提供するということであれば、ガールプラモ市場(ガールプラモ文化)にも貢献してくれるかもしれない。
 後日追記:どうやら「ティアーシャ」は、同シリーズの中でも小柄なボディのようだ。


 「胃~之煮」ヱ柱を聴き返していて、あっ、笹島氏が煉獄さんを気に入っているのは、例の「金髪ツンツンの王子様系キャラ」なのか。ブレないなあ。


 [tw: 1472881505563459591 ]ゲームに意識を集中するためにフルスクリーンというのも理解できるが、私はずっとウィンドウ表示派。理由はいくつかあって:
1) いろいろとメモを取りながらプレイすることがある(特にSLG作品のデータ関連)。
2) それ以外も、ゲーム(エンジン)の様々な機能を確認するうえではウィンドウ状態が便利。
3) スクリーンショットを原寸で撮りたいので(※フルスクリーンという考えもあり得るが)。

 昔は強制フルスクリーンのタイトルもたまにあった。昔といってもせいぜい90年代末までの話だが、たしか『days innocent』(1999)や『終ノ空』(1999)もそうだった。『化石の歌』(2000)や『顔のない月』(2000)もそうだったかな。特にelfは、長らくフルスクリーンに拘っていたという印象がある。アクション要素のある作品は、表示上の都合からフルスクリーン固定のものも結構多かった。アクションRPGの『D+VINE[LUV]』(2000)やSTG『とびでばいん』(2001)、ACT『SinsAbel』(2002)、ACT『Apocalypse』(2003)など。ACT『BALDR FORCE』(2003)も、「フルカラーではフルスクリーン固定だが256色環境ではウィンドウモードも可能」という折衷的な仕様だった筈。
 2004年以降は、強制フルスクリーン仕様のタイトルは事実上絶滅した。おそらくは「PCスペックの向上」、「技術的ノウハウの普及」、「ユーザーの要望」が複合的に働いた結果ではないかと思われる。画面解像度の上昇により、フルスクリーンにしなくてもきれいに表示できるようになったという事情もあるかもしれない。
 EGScapeにも「フルスクリーン固定」のチェックがある:[ http://erogamescape.dyndns.org/~ap2/ero/toukei_kaiseki/attlist.php?att[76]=on#games_table ]。懐かしいタイトルがたくさん。


 SNSで「眼鏡○○○」というキャラ(のタグ)を目にして、「やった! 眼鏡キャラか!……えっ? あれ、眼鏡と書いているのに眼鏡を掛けていない……何故だ……そんな筈は……」と困惑しつつ画面を凝視したが、よく見返してみると「眼」鏡ではなく「銀」鏡ナントカというキャラの名前だった。眼鏡の有無はともかく、わりと可愛らしい外見のキャラだったので良しとしよう。


 ディスプレイに小さな埃が付着していたので、それを取ろうと指先を伸ばしつつカチカチクリックしていたら、ちょうど指先部分に美少女のヒップが大写しになってしまった。傍目には、「美少女イラストのヒップを撫でたくなって手を伸ばした可哀想な子」にしか見えない状況に……。いや、違う、そうじゃないんだ、偶然だ、濡れ衣だ、私はそんなエロ可哀想な子なんかじゃない!


 軍艦色をどうするかは悩む。TAMIYAラッカーの佐世保カラーは金属的な重厚感が感じられて一番好みだが、やや暗いので作品が重くなりがち。それに対してTAMIYAの呉カラーはかなり明るめだが、ちょっと平板で安っぽい印象になりがちで、あくまでフィルタリング前提の塗料という感じ。横須賀カラーは今一つだし、舞鶴カラーはあまり好みではない。ちなみに溶剤で分離した状態を見ると、佐世保カラーは黄色寄りのようで、呉カラーはオレンジ色が浮いてくる。
 Creosの塗料も使っていたが、「軍艦色(2)」はグリーン寄りの濁った色なので、今では一切使わなくなった。瓶が何本も残っているのは仕方ない。
 一時期はホワイトとブラックを3:1に混合して自前で軍艦色を調色していたが、最近では横着して出来合いの塗料瓶を使うようになった。



 12/18(Sat)

 今月組んだ模型をいろいろ(ガールプラモ編)。

BANDAI「サーナイト」……ガールプラモ? 両生類めいたユーモラスな雰囲気と、白いドレスのような清潔感の取り合わせが面白い。手先は合わせ目が出てしまうので、手直ししてきれいにしてあげたい。
AOSHIMA「合体アトランジャーΩ」。ガールとロボットのセット商品。それぞれ単体でも完結するが、武装状態として組み合わせることもできる。このような「ガール+ロボット」の混成キットは珍しい(※FAGシリーズも、武装部分はあくまで従属的な扱い)。
ロボットは、ガンプラで言えばMGよりもわずかに小さいくらい。ガールの方は約14cmで、一般的なガールプラモ(15-16cm)よりも小さく、figmaに近いサイズ。ガールは、無印「アトランジャー」のように組むことも一応可能(※ただし、R-ランナーは無いので完全な再現はできない)。
EASTERN MODEL「四聖獣 青龍」。中国メーカーのガールプラモも買ってみた。パーツ精度はやや低いが、デザインは面白いし、素体と武装状態で丸々2体作れるのもありがたい。「オリジナルの重武装ガールプラモ」は、これも案外珍しい(比肩しうるのはメガミデバイスと一部のFIOREくらいか?)。
脚部には、逆関節的な機構が仕込まれている。なかなか格好良いが、なぜか説明書には言及が無い。接地性が大きく下がるので、あまり実用的ではない。
比較的最近のガールプラモを並べてみる。背の高さはヒールの有無に依存するが、全体のプロポーションは顔の大きさや脚部の長さによってかなり異なる。
 
 武装をしっかり着込むタイプのガールプラモは、かなり珍しい。
△FAG(フレズヴェルクやグライフェン)。ただし、元ネタありきで、デザインに制約がある。
△ガオガイガー。上に同じく。
△VFG(ジークフリードなど)。背中に背負うタイプで、あまり一体感は無い。
◎FIORE(ローズ、リリィ)。花のモティーフで、華やかな武装を纏っている。
◎メガミデバイス。ただし武装部分は軽め。
△Dark Advent(ソフィア、ラーニアなど)。基本的には背負う程度で、一体感は乏しい。

 このように見てくると、上記EASTERN MODELのアプローチは、かなり貴重だと言える。モンスター(龍)というおおまかなモティーフはあるものの、キャラデザそれ自体はかなり自由に作られており、全体としてきちんとした統一感と格好良さのあるデザインに結実している。
 それに対して、例えばFA(ロボット)→FAG(擬人化)のようなガールプラモでは、どうしても元ネタに縛られてしまい、造形がぎこちなくなってしまう。また、近年でも、創彩やFAGビキニシリーズのように武装の無いガールプラモや、Guilty Princessのようにただ武器パーツが同梱されているだけのキットが増えている。
 つまり、「元ネタに縛られない独自のデザインで」、「ボリュームのある重厚な武装で」、「単なる武器ではなく、ガールが装甲をしっかり着込むという、一体感のあるタイプ」という意味で、上記EASTERN MODELのシリーズは大きな価値があると言える。現在までに、四聖獣のほか、アラクネ(蜘蛛)やセルケト(蠍)のガールプラモを精力的にリリースしているようだ。

 このメーカーの中では、上記「青龍」が最も出来が良いと思われる(※そう考えたから買った。べつに尻尾に惹かれたわけではない。尻尾の魅力は素晴らしいが、いや、けっしてそれだけじゃない、それだけじゃないんだ……しっぽ……可愛い……)。ただし、「白虎」「玄武」もクリアパーツを多用しており、巨大副腕やレールガン風の外連味のある武装が付属しているし、「朱雀」も華やかで統一感のあるデザインになっている。クオリティはいずれも同等と思われるが、ネットの情報によれば最初の「白虎」のみは、ボディ1体分しか作れないようだ。
 悪役寄りの「アラクネ(2.0)」と「セルケト」も、童友社経由で国内発売されている(※模型店でも販売されている)。ただし、代理店販売だと定価1万円以上するところ、メーカー所在地(中国)から通販等で購入すればかなり割安で入手できる。「日本国内のホビーショップですぐに買える+パーツ欠品などに関して一定の保証がある+国内の業界にお金を落とせる/しかしかなり高額(実売1万円程度)」のと、「海外取り寄せを理解している必要がある+商品不着や欠品などのトラブル対応が難しい/しかしかなり割安(6000円台)」のどちらがベターかは、ひとによるだろう。
 「錦衣衛」は、東アジア風の武士キャラシリーズのようだ(※名称それ自体は中国に実在した組織)。ランナーを見るかぎりでは、胴体部分などのパーツは各キットで適宜共有しているようで、全体のクオリティはおおむね同等と思われる。フェイスパーツの可愛らしさもかなり向上しているのが見て取れる(※初期の「アラクネ(1.0)」「白虎」「玄武」あたりは、フェイスプリントがどうにも洗練されない)。

 中国のガールプラモ開発も大きく進展しているようだ。
- EASTERN MODEL(上記)。最も精力的に新作リリースしている。1/12スケール(6インチ級)。
- MOMOLING:「神道物語」シリーズ(2020年。既発売は2つで止まった?) プラモとしての完成度(精度)は高く、しかも金属素材や塗装済みパーツなどをふんだんに投入した意欲的なキット。頭髪パーツは軟質PVC製。
- 橘猫工業:「C.A.T.-00」(2020)のみ? シンプルなガールプラモだが、パーツ精度は非常に高い。オリジナルのロボットプラモなどをリリースしている。
- Startup studio(ゴモラキック):「三国少女伝 将魂姫」シリーズ(2021)。公称1/10設定。『三国志』をモティーフにした、大ボリュームの武装ガールのようだ。フェイスパーツはまだまだ未熟(つまり、可愛くない)が、クオリティを上げてくるのも時間の問題だろう。
- NUKE MATRIX:「FANTASY GIRLS」シリーズ(2021)。1/12設定で、メカ要素の強いオリジナルデザイン。今月末発売(?)の「Lirly Bell」は、フェイスパーツもかなり可愛くなっているようだ。
- SUYATA:これも中国企業のようだ。1/24戦国キャラなどのキットを発売している。
- CREATIVE FIELD:1/24スケールのロボメイドなどをリリースしている。

 中国メーカーのガールプラモは、日本国内メーカーと比べると、おおまかに以下のような特徴があるように見受けられる。
- 異素材の使用に積極的(頭髪のPVC、武器類の金属パーツ、布製小物など)。
- 素材はABSが主流のようだ。塗装時は注意。
- アンダーゲートが非常に多い。ほぼデフォルトというほど徹底されている。
- ボリュームのあるキットが多い。価格も高いが、内容に照らして見ればリーズナブル。
- クリアパーツを好んで使用し、カラフルなキットが多い。
- デカールやシールをあまり使わず、できるかぎりパーツ分割によって色再現している。
- フェイスパーツの魅力はまだまだ。
- パーツ精度はどれもひとまず水準に達している。たいへんな高精度のメーカーも。
- ボディ構造はKOTOBUKIYAに近い(※BANDAIやAOSHIMAのような構造ではない)。
- プロポーションは、脚部がスラリと長く、ほどよく肉感的なものが多い。
- 1/10や1/12のように、スケールを明示することが多い。

 ここのところ、KOTOBUKIYAはマンネリ傾向があり、BANDAIは低クオリティのまま、AOSHIMAやGSCも開発ペースはそれほど速くない。つまり、日本国内のガールプラモ界隈は、市場的には活況だが、技術面、コンセプト面では沈滞の翳りが見えつつある。とりわけ、優れたデザインを提供できるクリエイターがなかなか育っていないのではないかという懸念がある。そうした状況下で、中国の模型メーカーが急激に伸張してきているのは、私にも感じ取れる。販路が整ってくれば、海外(中国)メーカーのガールプラモが日本国内市場を席巻していくようになるかもしれない。ユーザーとしては、国の如何を問わず優れたキットが大量に供給されるのは嬉しいことだが、とはいえ、日本国内のメーカーがほんの数年先行したアドヴァンテージを生かせないのはそれはそれで悲しい。もっと言えば、国内の模型店にちゃんとお金を落とせる形で買ってやりたい。

 フェイスパーツ(両目のプリント)の出来は、KOTOBUKIYAなどの既存のデカールで貼りかえれば済む話だから、全体の造形が良ければなんとでもなる。取捨選択して自由にアレンジできるのがプラモデルの強みであり、そしてモデラーの腕の見せどころなのだから。


 うーん、blggrに画像をアップロードしたときに、元のファイル名がアドレスに残らない仕様になってしまったようだ。以前(少なくとも2ヵ月前)までは、例えば「1.bp.blogspot.com/~(元ファイル名).jpg」のような形になっていたのが、今回アップロードしたファイルは「blogger.googleusercontent.com/img/~」のURLで、元のファイル名が含まれない形になっている。検索時に面倒なので、元の仕様のままにしてほしかったなあ……。


 キャストG&Gをいじっていて、どちら側でも解けることに気づいた。シルバー側を基準にして、右周りでも左周りでも外せる。先に発見したのは、手順の長い方だったが、手順の短い方も素直に解ける。どちらも面白味のある動かし方で、わりと好き。
 キャストエクアは、まだ解けていない(※購入した中で未解決なのはこれだけ)。ただし、各辺に微妙な違いがあるようで、C型パーツを持ってこられるところとそうでないところがある。目で判別できないような微妙なクリアランスで難易度を上げるのは嫌いなので、かなりモチベーションが落ちている。構造上はこういう経路で外していける筈だと見当を付けているが、単純な試行錯誤とクリアランス調整をちまちまやるのは性に合わない。



 12/15(Wed)

 『踏切時間』第8巻も購入。この新刊が発売されたのは嬉しいが、これが最終巻だと思うと寂しくもある。里好氏らしく、最後の2話は大ネタで締め括ってみせた。たまに読み返しながら、新たな連載を待ちたい。


 今月はPurple softwareやSMEEの新作があるし、『メガスキ』の2本目もリリースされるしでいろいろあるのだが、なにぶん年末なので出歩きにくい(=実店舗へ買いに行くのが面倒)。ということで、今月は通販中心に。


 模型店散策の最中に、ふと榛名(戦艦)の1/700キットの箱を手に取ってみたら……前部艦橋の上の方にも「×」字型のトラスがいくつも嵌まっていて、「えっ何これ面白い!」とそのまま買ってしまった。これまでは庇(ひさし)の出っ張りが目につきすぎていて、ろくに関心を持っていなかったが、あらためて各部を眺めてみるとなかなか面白いかも。
 ちなみに、2日前が進水日だったようだが、これはただの偶然。


 漫画『アンナ・コムネナ』第1巻を表紙買いしてみたが、なんと、フルカラー漫画だった。
 実在の皇女を題材にした歴史ものだが、物語進行は微笑ましいコメディを基調にしている。キャラクターたちの意志や精神性を生き生きと描き出しているし、絵も表情豊かで、演出もユーモラスなところと真剣さの交じり具合がたいへんうまく出来ている。


 冬休みを楽しく過ごすためのゲームや模型やその他諸々を、そろそろ買い貯めておこう。
 (そんなことをしなくてもすでにたっぷり積みまくっているけどな!)



 12/12(Sun)

 ちょっと時間が出来たので、「アトランジャーΩ」を作っていた。
 ガール部分はちょっと小さめだが、なかなか可愛い。胸部は布を簡素に巻いているだけ、股間も申し訳程度のホワイトパーツがあるだけなので、おそらく今まで最も露出の多いガールプラモと思われる(※少なくとも国内正規販売のプラモデルでは。ビキニアーテルが僅差でそれに次ぐ)。無印版のパーツも大部分含まれるので、擬似的に無印ガールを再現することもできる(※ただしRランナーが入っていないので完全再現は無理)。
 ロボット部分は約17cm(MGガンプラに近いサイズ)。成形色での色分けがほぼ為されているので、全塗装も容易だった。ただし、関節部はいまいち安定しないし、可動範囲も狭い。あくまで組み替えメインで遊ぶためのデザインと割り切って見るべきだろう。

 上記「アトランジャー」のアトリといい、GPシリーズ(ミャオほか)といい、上腕に膨らみがあるせいで胴体と干渉してしまい、腕を垂直に下ろすことができない。可愛らしく脇を締めることができないのは、ポージングに際して案外大きな制約になる。堂々とした仁王立ちとか、あるいはダイナミックに腕を振り回すポーズにすれば問題無いけれど。
 言い換えれば、他のキットはそこまで考慮してボディと可動構造を設計しているということでもある。KOTOBUKIYAの「白虎」も、肩が大きく盛り上がっているが、なんとか真下に腕を下ろすことができる。グライフェンやマガツキも、脇の下を大きくへこませて腕の可動を確保している。


 00年代半ば以降の恋愛系AVGの難しさは、ストーリー上の分岐タイミングとフラグ確定のタイミングのズレなのかもしれない。つまり、テキスト上で見ると、最初は複数のヒロインが併存している未決定の状態から始まって、特定のヒロインに対する意識へと絞り込まれていき、そして恋愛感情が明確化され、さらにお互いの気持ちが確認されるクライマックスへと進む。しかし、フラグ上の挙動、あるいはシナリオ分岐のタイミングは、ストーリー上のダイナミズムとは必ずしも一致しない。というか、ストーリー上で大きなクライマックスに向かう前に、イベントフラグはすでに確定されてしまっていることが多い。白箱系AVGに慣れているユーザーの目には、イベント分岐の挙動は明らかであり、そしてそれゆえ、ストーリー上のクライマックスの驚きは乏しくなる。こうした不可避的なタイムラグの発生が、AVG恋愛ドラマの体験形成をいささか難しくさせているように思われる。
 これは、恋愛系AVGが日付進行ルーチンシステムを放棄するとともに『同級生』型のヒロイン併存(同時攻略)を不可能にして以来、そしてまた、読み物AVGへと大きく舵を切って以来、不可避的に生じているズレだ。プレイヤーは基本的には、あらかじめ特定のヒロインを想定して、それを狙うような選択行動を取り続ける(そうするしかない)し、選択肢システムはいわば「作中に埋め込まれている正解をただ辿る行為」になってしまう。
 00年代以来の典型的な進行パターンの一つは、物語前半の共通パートが大きなクライマックス(例えば学園祭の成功)を迎え、それとともにテキスト上では主人公が特定のヒロインのみをはっきり意識し始めるようになるのだが、しかしその時点ではすでに、シナリオ進行は完全に――エンディングまで――確定されてしまっている。つまり、どうしてもテキストがフラグの後追いにならざるを得ないのだ。それを回避するには、それこそ二者択一の決定的な選択肢(例えば「どっちを選ぶの?」と二人から問い詰められるシーンのような)から即座にシナリオ分岐確定するような形にでもしないかぎり、その時間的なズレは埋まらない。
 美少女ゲーマーたちは、そういうギャップに対してどのように向き合えばよいのだろうか。あるいは、どのように向き合ってきたのだろうか。「その都度のプレイでどのヒロインに向かうかは、あらかじめプレイヤーの心の中で決断済みなのだから、ゲーム(テキスト)がどの時点で確定されるかは問題ではない」と考えるか。あるいは、「フラグシステムの都合も十分理解したうえで楽しんでやるのが、『通』の付き合い方なのだ」と割り切るか。
 その意味では、ソフトハウスキャラ作品のように、「ヒロイン個別に累積フラグを管理して、それぞれ並行してイベントが進行していく」というスタイルは、非常に誠実であり、そして説得力を持ちうる作りでもあったと思う。ただし、SHC自身は恋愛中心のゲームをほとんど作らなかったし、他の恋愛系アダルトゲームブランドにはそのようなイベント進行システムを採用したものはほとんど無かった。あえて言えば、Escu:deのピンク系寄りの恋愛AVGが、時折そのような累積フラグシステムを用いていたくらいだろうか。


 MODEROIDは、「アイアンジャイアント」をキット化してくれないかな(妄想)。プラモデルの造形精度でも再現可能なデザインだし、立体化する意義も十分ある。さすがに攻撃形態への組み替えまでは無理だろうけど。ちなみに、組み立て済み完成品としては、すでに商品化されている。


 「美少女ゲームクイズ」……えっ、なにこれ、むずい。
 かぐやの通算100本目のタイトルなんて言われても分からない……。



 12/09(Thu)

 私は眼鏡っこが好きなんじゃない、眼鏡が好きなんだ! 「っこ」部分なんてのは眼鏡をきれいに見せるための台座用生命体に過ぎぬ!(強硬派)
 ……まあ、さすがにそれは冗談としても、フェティシズムにはそういう転倒がしばしば含まれる。「物神崇拝」とは上手く訳したものだ。


 近所のPCゲームショップでいろいろ買ってきた。そういえば、年末を考慮して貯金を多めに下ろしてあった筈だが、やけに財布が軽いな?(おばか)

 間違ってダブり買いをしてしまったタイトルは、だいがくのてきとうなところにほうちして……って、駄目駄目、それは駄目だから!


 ブレードワンニッパーの切れ味が、明らかに落ちてきている。切断時にパチンと音がするようになっているのは、スルリと刃を通すことが出来なくなっている証拠だろう。切断面はきれいだが、パチンと音がするということは、切断時にパーツに衝撃が走っていることを意味するので、艦船模型などの超デリケートなパーツを切り出すには不安がある。もう一本買い足すかなあ。最初の一本を約4年も使い続けて、その間に100個以上のキットを完成させてきたわけだから、十分元は取ったと言えるだろうし……。近所の模型店や量販店の店頭にも時々出ているから、入手に苦労することは無さそうだ(※ネット通販にも在庫があるが、ホビー専門店の実店舗で買いたい=経済的に支援したい)。

 ここのところ、まだいろいろと多忙。買ってきた漫画を読んだりゲームをちょこちょこプレイしたり小さめのプラモデルをパチ組みしたりする程度で、大物に着手することができずにいる。10巻本の漫画を一気通読くらいなら出来るんだけど……。


 『ナツイロココロログ』は、タイトルの響きがかなり好き。作品それ自体は……うん、まあ。


 『終末のイゼッタ』サントラを聴いていたら、#29「最後の戦い」に、なんだか聴き覚えのあるパッセージが……えーと、あっ、バルトークの管弦楽協奏曲か。作曲家自身、現代音楽に造詣が深くて大胆な不協和音やヴォカリーズも多用しているし、『イゼッタ』全体が東欧的(異教的、古代的)な神秘性を取り込んだ作品だから、雰囲気につながりがあるのは得心がいく。


 バルジ(bulge)って、隠語としての意味もあるのか……。一般的には「膨らみ」で、艦船(模型)では船体側面の膨らんだ部分を指すし、軍事や歴史では「バルジの戦い」が有名だが、男性の局部の膨らみをも指すことがあるようだ。つまり「ツイてて良かった、ツイててラッキー」というアレだな!(※そういうキャッチコピーのアダルトゲームがありました)
 下ネタつながりで言うと、pocket monster(ポケットの中の怪物=男性のそれ)も、実際に使われているのを目にしたことがある。「噂では聞くけど、本当にネイティヴはそういう意味で使うんだ!」と感激した。(おばか)



 12/03(Fri)

 Escu:de新作は、『姫と穢欲』システムを継承したタイトルのようだ。前作のシステム面は、あまり深く掘り下げて攻略するようなものではないが、ゲームを動かしているという手応えがしっかり感じられるものだった。今作も期待したい。
 ダーク系ジャンルで、きちんとしたSLGシステムがあって、CGやシナリオも商業レベルをクリアしていて、フルプライス規模のボリュームがあるというのは、ほんとうに貴重な存在だ。 

 原画陣は1035氏(?)、あおいあいう(藍兎)氏(ミズベット担当?)、蒼瀬氏(ノート担当)、トマトーゴ氏(?)、結城結氏(?)。前作のB-銀河氏の迫力も懐かしいが、今作も全体的にまとまっていると思う。脚本陣も、実績のある面々なのでひとまず安心。


 GSCの「グリフォン」を作ったが、最近のプラモは先端部の尖りが激しいのぅ……。組み立てる時に指先を突いてしまうと痛いこと痛いこと(※同様に、KOTOBUKIYAキットの造形も尖りまくっていて、制作時にはかなり気を遣う)。
 グリフォンは1/60スケールで、頭頂高は約14cm。ガンプラで言えばMGとHGの中間くらいのサイズ。表面は真っ黒ツヤツヤ。制作中に触っているとツヤが消えてしまうが、眼鏡拭きなどでぬぐってやればまたきれいになる。本格的にツヤ表現をするなら、やはり塗装が一番だが。
 MODEROIDは、そろそろ『ソラノヲト』のタケミカヅチをキット化してくれないだろうか。造形面でも、原作(アニメ)からしても、MODEROIDのラインアップに相応しいと思う。


 Yamashita Hobbyの「1/700 綾波」を買ってみた。軽く組み立てて塗装練習をしようというつもりで買ったのだけど、開封してみると本格的な作りのキットで、「これはいいかげんに作ったら失礼だな……」と考えを改めた。非常に繊細な造形と丹念なパーツ分割で、ランナーを見ているだけで楽しくなってくる。1/700なのに、探照灯のみならず航舷灯まで別パーツ化されているし(クリアパーツ)、双眼鏡台座まで一体造形されている。舷窓や砲身も小さめでリアリスティックだし、砲塔のモールドも(やや記号的ながら)きれいにモールドされている。ホースリールなどの小物パーツも、下側だけにゲートが来るようにして作りやすくなっている。これはこれで、かなり好きになれそうな感じ。
 これがAoshimaだとディテールはあっさり寄りだし、逆にFujimiだとゴテゴテになるのも構わずディテールを盛り込みまくる。Pit-roadはちょっと誇張的な造形があったりする。メーカーごとに小縮尺模型のアプローチがいろいろ異なっているのは面白い。

 Bandaiの「サーナイト」も、可愛かったので店頭購入。『ポケモン』それ自体は全然プレイしたことが無いのだが、ドレス風のデザインや両生類っぽい雰囲気、シャイで真面目そうな感じなど、わりと好み。うむ、可愛い。


 「カルパッチョ!」と叫んでいたのは何の歌だっけ……1分ほど考えて思い出せた。『とっぱら』のOP曲だ。歌っているのは深井氏と金田氏(キャラとして出演している)のように聞こえたが、どうやらそれぞれ別人だったようだ。作品本編はわりと好き。