※MSG「メガネフレーム」と五菱重工の製品については、それぞれ別ページで。
AZONE INTERNATIONALは、主にドールやドール服を販売しているが、その中には金属製の眼鏡パーツもラインアップされている。「Picco neemo」シリーズのエッチングメガネには汎用性があり、同社の各種1/12ドールや、他のメーカーの1/12スケール相当のドールやフィギュアにも着用させることができる。
店頭販売では800円(+税)で購入できた。正面の横幅は12.5mm程度。側面のツルは各7.5mm程度。素材はおそらくステンレス。エッチングベンダー(写真下)を使うと、きれいに折り曲げられる。
【 加工について 】:折り曲げや塗装に関する基礎知識。
【 切り出しと折り曲げ 】
外枠から眼鏡パーツを切り出すのは、通常のカッターでもよい。ただし、かなり硬いので、迂闊に切るとパーツが歪んでしまう。新品の刃を使い、硬い板の上で慎重にゲート部分を押し切っていけばよい。可能ならば、専用工具(エッチングカッター)を使うと、安全に切断できる。こうしたツールは、模型店の工具コーナーで販売されている。
切り出したゲート跡は、ヤスリなどできれいに均しておくことが推奨されている。ただし、どうせ頭髪パーツの中に隠れてしまうので、そのままでも差し支えないと思う。ゲート跡を処理しようとして、誤ってツルを歪めてしまっては、本末転倒だ。
平たい状態で販売されているので、ユーザーがツル(テンプル)を折り曲げる必要がある。かなり硬いし、扱いがデリケートなので、指だけで折り曲げるのは事実上不可能。模型制作で使われている折り曲げツール(エッチングベンダー、上記写真参照)を使うと、安全・確実・正確に曲げることができる。ピンセットやラジオペンチでも一応可能だが、精度や扱いやすさでは劣る。
後述のように、眼鏡が横髪に干渉する場合がある。植毛ドールであれば頭髪をかき分けてフィットさせられるが、樹脂製やプラ製の頭髪だと対処が難しい。ツルの折り曲げ位置は多少調整できるので、エッチング眼鏡をあらかじめフィギュアの顔に合わせてみて、うまく嵌められるように狭めに折ったり広めに折ったりするとよい。
また、ツルが長すぎると、頭髪パーツの内部に干渉する場合がある。ツルをラジオペンチなどで切って長さを調整することも考えるとよい。
【 追加加工:塗装、レンズ表現 】
無塗装で銀縁眼鏡として使用してもよいが、フレーム部分を塗装して赤眼鏡や黒眼鏡などにすることもできる。簡単に済ませるならば油性ペンで塗ってもよいが、きれいな発色にするのはいささか難しいし、色移りの危険がある。
きれいな塗装面を作りたい場合は、模型制作のオーソドックスな手法に則るとよい。例えば、模型用缶スプレー塗料を吹き付けていくと、しっかりした塗装面が出来る。もちろん筆塗りでもよい。プラモデルなどで一般的に使われている水性塗料やラッカー系塗料であれば、完全硬化すれば、色移りの可能性はほぼゼロになる。ただし、表面がこすれると塗装剥がれは避けられない。マーカーペンでもよいが、用途や塗料によってかなり違いがあるので、一概には言えない(よく知らない)。
塗料が乗りにくい場合は、1) エッチングパーツを台所用中性洗剤などで軽く洗って、表面をきれいにして、そのうえで、2)模型用のメタルプライマーを軽く吹き付けて、塗料が定着しやすいようにしておく、という対処もある。プライマーのおかげで、かなり剥がれにくくなる。
レンズは入っていないが、1/12スケールならばフレームだけでも眼鏡らしさは十分表現できるので、そのままでも良いと思う。適当な薄手の透明プラやセロファンを貼り付ければ、レンズ表現になる。ただし、レンズを入れるとキャラクターの目が見えにくくなってしまうので、。個人的には1/12スケールではレンズ表現は無しでよいと思う。
レンズを入れる場合。エッチングパーツそのものを型紙にして、デザインナイフなどで透明パーツをきれいに切り出す。そのうえで、セメダインや瞬間接着剤などの適当な接着剤を、爪楊枝の先などに極少量つけて、眼鏡の裏側につける。そして、ピンセットなどを使ってレンズを慎重に乗せればよい。レンズが落ちない程度に接着固定できていれば十分なので、接着剤をベタベタに付ける必要は無い。
同様に、サングラスを作ることもできる。黒いビニール袋などから切り出してもよいし、あるいは、様々な色のカラーセロファンが雑貨店、文具店、模型店、百円ショップなどで販売されているので、カラフルなサングラスを作ることもできる。
なお、[ www.inv.co.jp/~itsubish/eg010/eg015.htm ]:左記サイトのように、UV硬化ジェルを使ってレンズの曲面を再現するという手法もあるようだ。
眼鏡フレームの一部を切除して、ナイロール(ハーフリム)やアンダーリムにすることも一応可能と思われる。ただし、カッターなどで強引に切除しようとすると、フレーム全体が歪んでしまう可能性が高いので、上述のエッチングカッターを使うのが望ましい。この製品を触ってみた感触としては、リム切除加工はあまりおすすめできない。ただし、ハーフリムにすると、キャラクターの目がはっきり見えるようになるというメリットはある。
レンズ表現として、透明セロファンを裏側から貼り付けたもの。非常に小さいので工作が大変だし、接着剤がはみ出たりすると見苦しくなってしまう。あまりおすすめはしない。
レンズ付き眼鏡の装着例。レンズに光を反射させる演出にも使えるが、言い換えれば、予期せぬ光の反射が生じてしまう可能性もある。また、レンズを挟んでいるため、目の部分が薄白く濁って見えてしまう。
現実の人間のファッションと同様、ドールやフィギュアの眼鏡も、フレームの色によって印象が大きく変化する。この写真は、製品のまま無塗装、つまり銀縁眼鏡の状態。モデルは「カスタムリリィ TYPE-B(ホワイト)」をベースにしている。
ラッカー塗料のレッドで眼鏡フレームを塗装したもの。フィギュアやドールのキャラクターたちは、華やかな赤眼鏡でもうまく着こなしてくれる。赤眼鏡は、陽気さや幼さが強調されることが多い。
眼鏡フレームをツヤ消しブラックに塗装した状態。銀縁と似ているが、さらにシックに引き締まった印象になる。
【 保管 】
それなりに丈夫なので、保管に際してはあまり気を遣わなくてよい。適当な小物ケースに入れておけば十分だろう。塗装した場合でも、ラッカー塗料(「Mr. COLOR」シリーズなど)や、完全に乾燥させた水性塗料(「水性ホビーカラー」シリーズ)などであれば、色移りの危険はほぼ無いだろう。もしも心配ならば、ティッシュなどに包んで保存すればよい。透明プラでレンズを入れた場合でも、ティッシュに包んでおけば、レンズ部分が衝突等で剥がれることはほぼ無いだろう。ステンレス製なので、よほどベタベタに汚さないかぎり、錆の心配はあまり要らないと思われる。
【 着用について 】:着用の仕方や、眼鏡が似合う適性など。
基本的にはAZONE社の1/12スケールドールへの使用が念頭に置かれているグッズだが、1/12スケール程度(高さでいえば13cm~15cm程度)のドール、フィギュア、人型プラモデルなどに、幅広く眼鏡を掛けさせることができる。横幅のサイズからして、女性タイプのドール/フィギュアに向いていると思われる。
とりわけ、KOTOBUKIYAの「メガミデバイス」シリーズ(組み立ての必要な関節可動プラモデル)、MAX FACTORYの「figma」シリーズ(塗装済み完成品可動フィギュア)、BANDAIの「S.H.Figuarts」シリーズ(塗装済み完成品可動フィギュア)などは、1/12スケールに近く、このエッチング眼鏡に合うサイズになっている。ただし、眼鏡着用を前提とした作りになっていないので、加工が必要だったり着用不可能だったりする。海洋堂の「リボルテック」シリーズも、ものによっては眼鏡のサイズに合う可能性がある。
現在市販されている塗装済み完成品フィギュア(固定ポーズ)の多くは、1/7スケールか1/8スケールであり、このエッチング眼鏡には顔が大きすぎる。ただし、特に細身な顔立ちのキャラクターであれば、このエッチング眼鏡を掛けられる場合が無いわけではない(後述)。
フィギュアに着用させるのは、基本的には顔面パーツと前髪パーツの間に挟み込むかたちで行う。たいていの場合、挟み込みだけで固定でき、接着剤を使う必要は無い。ただし、ものによってはきれいに嵌まらないものもある。前髪パーツが着脱できない場合などは、顔と横髪の隙間に眼鏡のツルを差し込む形になる。マスキングテープなどで固定するという方法もある。
着用に際しては、「目の位置に合わせること」「きれいに水平を保つこと」を意識したい。エッチング眼鏡はそれなりに頑丈なので、素手で適当に嵌め込んでもよいが、ピンセットなどを使う方がやりやすい。
眼鏡は左右にズレたり上下前後に傾いたりしないよう、適切な位置に装着する必要がある。眼鏡の位置を調整したり、外れやすい眼鏡を固定したりする際に、マスキングテープを使う方法もある。
前髪で眼鏡を挟み込む際には、先細のピンセットで位置を定めつつ前髪パーツを嵌め込んでいくと良い。ズレたり歪んだりせずに固定できるし、多少のズレならば直せる。指でじかに触ると、指紋が付いて見苦しくなってしまう可能性もある。
着用させにくいのは、「前髪が干渉して、水平を出しにくい場合」や、「横髪が干渉して、差し込めない場合」などがある。とりわけ、樹脂製頭髪のフィギュアやプラモデルでは、頭髪パーツの裏側を削ることで解決できる場合がある。側面のツルが長すぎて差し込めない場合は、ラジオペンチなどでツルを短めにカットすればよい。
顔面パーツが下すぼまり(逆三角形)だと、眼鏡が下側にずり落ちる可能性がある。この場合は、側面のツルの部分をマスキングテープなどであらかじめ固定しておけばよい。頭髪パーツを付ければマスキングテープは隠れるので、実用上は問題無い。
極端な場合には、側面のツルを切除してしまい、正面のリム部分だけを貼り付けるという対処もありうる。貼って剥がせるジェル粘着剤(例:「ミュージアム・ジェル」「ガチャピタジェル」)を使えば、鼻筋で眼鏡を固定することも出来る。ただし、粘着剤でベタついたり色移りしたりといった危険がある。前髪パーツの裏側に接着固定するという方法もある。
植毛ドールの場合は、顔と前髪(横髪)で挟み込むことができないので、側面でなんとかして固定する必要がある。
ファッションとしての眼鏡着用の注意点は、現実の眼鏡着用におおむね等しいが、フィギュアおよびドールに特有の問題もある。
- 顔面を彩るアクセサリーになるが、場合によってはクドくなりかねない。
- 顔の表情が見えづらくなる可能性がある(特に小サイズの場合に顕著)。
- 眼鏡フレームと、キャラクターの目のサイズが合わないと、不格好に見える可能性がある。
- 眼鏡を掛けることで、視線が過度に強調される、あるいは想定外の視線が出来てしまう。
- 眼鏡フレームの色が、コーディネート全体に影響する。塗装すれば解決できる。
- 雑に扱うと、頬の印刷がこすれたり顔面が傷ついたりする可能性がある。
- 当該フィギュア/ドールのキャラクターイメージ(例えば「知的」「活発」など)にも影響する。
こうした点に気をつければ、眼鏡はオプションアクセサリーパーツとして汎用性が高く、フィギュアやドールの見栄えを良くするうえで、大きな効果を上げることもできるだろう。
残念ながら、眼鏡の魅力を発揮させにくいタイプの素体もある。例えば、小顔すぎるキャラクターでは、かえって眼鏡が目立ちにくくなる場合がある。顔面全体に、ある程度余裕をもった広がりがある方が、眼鏡も映える。
また、顔の周囲のディテールが複雑すぎる場合も、せっかくの眼鏡が埋もれてしまう。前髪や横髪が分厚かったり、頭髪色が濃かったり、目のプリントが大きかったりすると、さらに眼鏡を掛けると顔のディテールがうるさくなりすぎてしまう。
目の位置が眼鏡とずれていたり、目が大きすぎて眼鏡からはみ出してしまう場合は、うまくフィットしない。アイプリントを削り取って、眼鏡に合うような位置にデカールの両目を貼り付けるという方法もある。
それに対して、1)頭髪や肌の色が薄めで、2)顔がすっきりしていたり、3)前髪や横髪との間が空いていて余裕がある、という場合は、眼鏡がちょうど良いアクセントになって顔の表情を引き締めてくれるだろう。この観点で、下記TYPE-Dやサーニャは眼鏡着用の成功例と言える。
【 その他の製品 】
公式通販サイトによれば、「エッチングメガネ」は、やや細身(スクエアタイプ)の「エッチングメガネA set」と、やや丸みのある輪郭の「エッチングメガネ B set」の2種類があるとのこと。好みで選べばよいだろう。下記の「真島百由」にも、「A set」が同梱されている。
本記事で紹介しているのは1/12スケール用の製品だが、同社からは1/6スケールのエッチング眼鏡(ピュアニーモ用)も各種発売されており、各社の1/6ドールや、場合によっては1/7や1/8フィギュアなどにも使用できる。2018年2月現在、同社の1/6スケールのエッチング眼鏡は「エッチングメガネ Bset(シルバー、楕円タイプ)」のみが通販取扱いされている。製品ラインアップとしてはブラックとレッド、そしてスクエアタイプも存在したようだ。
ただし、ドールやフィギュアは、現実の人体バランスを離れて頭部のサイズなどが自由にデフォルメされているため、同一スケールだからといってどの素体にも眼鏡がフィットするという保障は無い。現実の眼鏡と同様、ドール/フィギュアの眼鏡も、人それぞれにサイズやデザインの合う合わないはあるのだ。
AZONE以外のメーカーからも、さまざまなタイプのフィギュア/ドール用の眼鏡が発売されている。価格や入手可能性に応じて、適当に選べばよい。形状も様々であり、中にはパッド(鼻当て)まで再現されているものもある。大半は金属製のエッチング眼鏡だが、厚紙を切り出した紙製の眼鏡製品もあるようだ。最低限の強度があればよいので、厚紙でも問題ないと思われる。
例えば、KOTOBUKIYAの「モデリング・サポート・グッズ」シリーズ(通称MSG)にも、エッチング製の「メガネフレーム」が何種類か販売されている。一製品につき眼鏡が4個分入っており、しかもサイズ違いで1/12相当の眼鏡が2つ(おそらく小型ドール用)と、1/8相当(おそらくフィギュア用)のものが2つずつ入っている。価格も、600円程度とかなり割安になっている。ただし、わりと古い製品のようで、現在では入手困難である可能性が高いが、稀に店頭で見かけることもある。
※追記:他社のエッチング眼鏡についても、別に記事を書いた。併せて参照されたし。
リンク:「MSG『メガネフレーム』について」、「五菱重工のエッチング眼鏡着用例」。
【 着用例 】
「アサルトリリィ 真島百由」には、「A set」の眼鏡が同梱されている。眼鏡は2個分入っているので、一つは予備にするか、あるいは他のフィギュアやドールに着用させることもできる。
「真島百由」は設定画では赤眼鏡なので、眼鏡フレームをレッド塗装してあげるのも一興だろう。黒髪&黒服のキャラクターに、明るいレッドの差し色を足せる効果は大きい。眼鏡の装着具合は完璧。
「アサルトリリィ ルルディス・ブロムシュテット」。眼がかなり大きいので、眼鏡のサイズが微妙に合っていない。しかも横髪が片方に流れているため、装着も難しい(※この写真では、マスキングテープで固定している)。しかし、眼鏡を掛けたこの凜々しい魅力を手放すのも惜しい。
AZONE社以外のメーカーも、眼鏡パーツを販売している。この写真では、PLUMの「メガネ・アクセサリー」を使用している。クリアパーツだが、光の反射で銀縁眼鏡のように写っている。丸眼鏡だと、雰囲気がかなり柔らかく見える。眼鏡によってドールをどのように演出するかが重要だ。
「アサルトリリィ 川村楪」。前髪が大胆に流れているので、眼鏡を適切な位置に固定するのが非常に難しい。きれいに眼鏡を装着できれば、このユニークなキャラクターの個性にさらに一味加えられるのだが。ちなみに、ジャケットはワイヤーが仕込まれているので、自由な形で固定することができる。
「カスタムリリィ TYPE-D(バトルドレスver. ブルー)」に眼鏡を掛けさせた。横髪がやや干渉するが、顔面にきれいにフィットさせるのは比較的容易。前髪で押さえつけておけば、無加工でも左記写真のように固定できる。キャラクター個性としても、眼鏡がよく似合っている。
TYPE-Dの表情替えの着用例。TYPE-Dの顔面パーツは「白皙の肌+鋭い眼差し+下膨れ気味」なので、素顔のままでは少々キツいのだが、眼鏡を掛けさせることで顔立ちのバランスをとりつつ表情を和らげることができる。眼鏡着用の成功例と言ってよいだろう。
「カスタムリリィ TYPE-H(ライトブラウン)」。 眉間の前髪が激しく干渉するので、きれいに固定するのは難しいが、前髪で押さえつければなんとかなる。ノーマル表情で眼鏡を掛けると、落ち着きのある知的なお嬢さんのような風情になる。
TYPE-Hの表情替え。目を大きく見開いている表情差分だと、眼鏡の枠をはみ出してしまい、表情が分かりにくくなる。写真映えはしないが、しかし実物を眺めている分には十分可愛い。思い切って黒縁眼鏡にするのも面白いかも。
赤眼鏡にした状態。このように頭髪にボリュームがあるキャラクターでは、顔の表情が埋もれてしまいやすいのだが、そこで鮮やかな赤眼鏡を掛けさせると、目元の表情を強調することができる。
片目を閉じた表情。左右の目の位置が異なるので、眼鏡を掛けてうまく表情を演出するのはいささか難しい。フィギュアに眼鏡を掛ける場合は、両目の水平のバランスのとれた表情にするのが無難だろう。
「カスタムリリィ TYPE-B(ホワイト)」。干渉するところがほとんど無く、素直に眼鏡を掛けられる。キャラクターにもよく似合う。頬がふっくらしているので、眼鏡を掛けると幸せそうなインドア派少女の雰囲気が増す。
TYPE-Bの前髪を交換。なんとなく「CV:門脇舞以」感がある。クールな銀縁眼鏡がよく似合っているが、先述の赤眼鏡も可愛らしい。両目が左右に開きすぎていて、眼鏡の位置に合っていないのは残念だが、遠目には気にならない。
TYPE-Bの同梱衣服は襟元が乱れがちなので、別売の「ギムナジウムセーラーワンピset」に着せ替えてみた。シックなフタロシアニンブルーがきりっと引き締まって、なかなか良い感じ。頭髪差分パーツが多数同梱されているので、好きなヘアスタイルを選べる。
「カスタムリリィ TYPE-C:リリィバトルコスチューム(ブラック)」に、同社の「ミリタリーワンピースset」を着せたもの。ちょっと目つきが怖いので、ずらし眼鏡にして愛嬌を出したいが、そうすると頭髪で固定できなくなる。難しい。眼鏡の色は、頭髪色やコーディネートと合わせたい。
KOTOBUKIYA「フレームアームズ・ガール」(FAG)シリーズの「イノセンティア」に着用させてみた例。横髪が干渉するが、横髪の裏側を多少削って、前髪で押さえつけるようにすれば、左記写真のようにきれいに着用させられる。服はAZONEの「リボンベルトセーラーワンピ」。
帽子を被った状態で。赤眼鏡にしても良いかも。素のイノセンティアは、控えめなおすまし顔に見えるが、眼鏡を掛けるとかなり真剣な表情に見えてくるのが面白い。FAGシリーズのボディはピコニーモよりも大きく、1/10から1/11相当と思われるが、眼鏡サイズは問題無し。
「イノセンティア」をネコ耳追加&着替え。これもたいへん可愛らしい。AZONE「ニット&ストラップスカートset」もよく似合っているが、FAGのボディは首が短すぎ、肩幅が狭すぎる。布服着衣の観点では、さすがにAZONE純正素体の方がきれいにフィットする。
色替えヴァリエーションキットの「イノセンティア Blue ver.」。野性味のある褐色肌が特徴的(※とはいえ、肌色に近いマイルドな色合い)。口を少し開いた微笑顔だと、いささか眼鏡は似合わないかもしれない。顔パーツは複数入っているので、眼鏡に合うものを選べばいい。
残念ながら、このキャラクターは、眼鏡を外した素顔のままの方が、素直な可愛らしさが現れるようだ。ちなみに、ギターはf-toysの「バンドMONO」。1/12スケールなのでちょうど良い。
同じくKOTOBUKIYAの「マテリア Normal Ver.」。見てのとおり横髪がかなり重たく、眼鏡の両端にかなり干渉する。左記写真は、強引に嵌め込んである。下側にずり落ち気味になってしまったが、怪我の功名でなにやら親しみやすい愛嬌が生まれた。司書さんっぽい。
KOTOBUKIYAのFAG「バーゼラルド」。こちらは着用時の干渉には問題が無いが、前髪が重たすぎるせいで、元から暗かった表情がさらに沈んでしまう。とはいえ、これはこれでジト目めいた個性が出て面白いかもしれない。腕や首に突起物が多いので、ドール素体には不向き。
FAG「スティレット」。眉間に垂れている前髪のせいで眼鏡をフィットさせにくいが、横髪が干渉しないので、嵌め込みはそれほど難しくない。本格的なメカ少女に眼鏡を掛けさせるのはミスマッチのきらいもあるが、眼鏡を掛けることで不敵な笑みのクールさが引き立つ。
上記スティレットを別アングルから撮影。対象を見据える目の力強さが、眼鏡によってよりいっそう際立つ。ただし、目の輪郭と眼鏡フレームをうまく合わせなければ視線がズレて見える危険があるので、撮影時には注意。
眼鏡フレームを塗装して、黒眼鏡にすると、目元の輪郭がくっきりして、キャラクターの表情が分かりやすくなる。この「スティレット」の場合は、意志的な表情が、よりいっそう鮮明なものになる。
後日追記:FAG「白虎」。ものものしいヘルメットを被っているが、眼鏡を掛けると表情の凜々しさがさらに際立つ。前髪で挟み込むことはできないので、眼鏡のツルを短めにカットしておいて、横髪に挟み込むかたちで後から差し込むとよい。
同じく「白虎」。ヘルメットを外した状態で、別アングルから。こちらの場合も、眼鏡を後から嵌め込む方がよい。表情のはっきりしたツリ目は、眼鏡と合わせるのが少々難しい。撮影時には、このようにあえて視線を外した角度にするのも一手だろう。
「白虎」キットは、武装頭部と素体頭部でほぼ2個分作れるので、ボディを用意すれば丸々2体になる。ツインテールは一セットのみだが、このように被り物で隠せばよい。ボディは「1/12 素材ちゃん」、服装は「1/12 シスター服set」。頸部は3mm棒で接続可能。
比較のために、眼鏡無しヴァージョンも。これはこれで強気ボクっ娘シスターらしくて良いが、眼鏡を掛けた方が眉間が引き締まるし、きつめのツリ目もマイルドになると思う。
FAG「グライフェン」。頭髪の干渉も少ないし、にこやかな笑顔も眼鏡に似合っている。ただし、挟み込みでの保持が弱いので、マスキングテープなどで固定しておく方がよい。
重武装の状態ではキャラクター部分が埋もれてしまいやすいのだが、赤眼鏡を着用させることによって、キャラクターの「顔」の存在をアピールさせることができる。また、繊細な眼鏡パーツは、作品全体の精密感を増す効果も持つ。
もう一体のグライフェン。黒髪+眼鏡の取り合わせは、バランスが取れていて美しい。
FAG「フレズヴェルク」。残念ながら、頭髪の内ハネが眼鏡に干渉するため、そのままでは着用はやや難しい。しかし、凜々しく顔立ちは眼鏡がよく似合うので、このキット専用のつもりで眼鏡の形状を調整してしまえば、眼鏡着用は十分可能。
「フレズヴェルク&ラピッドレイダー」セットの素体。片目閉じの表情パーツもあるが、ボーイッシュな茶髪ショートカットともども、眼鏡によく似合っている。
珍しい両目閉じの顔パーツ。ゆったりとリラックスした表情と眼鏡の取り合わせも面白い。
同じく「フレズヴェルク(ビキニ)」。スポーティな雰囲気のキャラクターだが、眼鏡もなかなか似合っている。着用もおおむね問題無し。
同じ構図を赤眼鏡に変更してみると、このようになる。前髪が重たいキャラクターの場合は、眼鏡フレームを明るい色にしておく方がよいだろう。
角度を変えて、視線に合わせて撮影。両目がぱっちりしているので、それに負けないように眼鏡も際立たせたいが、全体がブルー基調なので、眼鏡の色に悩む。ブラウンなど、頭髪の補色で塗装するのが良いか。
片目隠れの前髪も同梱されている。片目隠れでも、眼鏡着用は可能。ただし、目元が大きく遮蔽されるので、せっかく眼鏡を掛けさせてもあまり目立たない。そもそも前髪が重たすぎるのはKOTOBUKIYAキット(特に島田デザイン)の悪弊だが。
「ガオガイガー(ガール)」。両目の左右幅がちょっと合わないが、遠目に見る分には特に気にならない。ただし、横髪が激しく擦れる点には注意。全身のデザインは合体ロボット風メカケモキャラだが、素体頭部はオーソドックスな美少女造形なので、眼鏡姿もよく似合う。
「朱羅:弓兵」。このメガミデバイスシリーズは、上記FAGシリーズよりもやや小さめで、頭部も小顔なので、眼鏡のサイズはぎりぎり。位置を合わせてぴったり嵌め込むのは難しいが、ツルを短くすれば対処できる。和風デザインだが、眼鏡も似合う。
同シリーズの「朱羅:忍者」。前髪が重く、横髪もタイトなので、眼鏡着用はかなり難しい。眼鏡と顔のスケール感はちょうど良いし、キリリと引き締まった表情にも似合っているが、目の輪郭と眼鏡の輪郭がぴったり重なり合ってしまったせいで、眼鏡が目立ちにくい。
同じく「SOL:ロードランナー」。眼鏡を着用すると知的な「頭の回転の早さ」を印象づけられるし、特徴的な猫目も際立つ。ただし、左側(向かって右)の横髪が干渉するので、きれいな平行を出しにくい。くっきりした黒眼鏡の方が似合うか。衣装はAZONEの「矢絣袴set」。
同シリーズの「ウィッチ(ダークネス)」。さすがは魔女キャラ、眼鏡もよく合う。こちらも、眼鏡フレームはやや濃いめの色にした方が良さそう。横髪が激しく干渉するので、眼鏡は横幅を狭めに折っておくのが良い。
「ウィッチ」の表情替え(※ボディは「1/12 素材ちゃん」)。相変わらず横髪がきついが、位置を合わせて前髪で押さえればよい。
この写真の眼鏡にはレンズを入れてあるが、違いはほとんど認識できないだろう。レンズ接着を失敗するリスクも考えると、無理にレンズ表現をする必要は無いと思う。ちなみに、写真のモデルは「ウィッチ」の頭部にfigma「真鍋和」のボディを接続したもの。
「SOL:ラプター」。かなりのヒラメ顔で、両目の間が広いため、この眼鏡はちょっと合わない(※眉間が空いてしまう)。ぼんやりした表情なので、裸眼のままにしておくのがベターか。着衣はAZONE社製1/12布服を適当にコーディネートしている。
同シリーズの
キャラクター次第では黒眼鏡はクドくなりかねないが、この「ランチャー」の場合は片目隠れデザインの面白さを引き立たせている。ただし、右目の側のフレームがちらりと見えるのは、作為的と感じる人もいるかも。
武装モードの頭部。一見すると込み入った構造になっているが、近年のKOTOBUKIYAの美少女プラモは、顔面(表情パーツ)交換に配慮して、前髪部分だけを取り外せるようにパーツ構成されているので、眼鏡着脱にも好都合。可愛い。「ランサー」(※ボディはBANDAI「レーナ」)。華やかなピンク髪なので、眼鏡フレームはシンプルな銀色でよいと思う。眼鏡を掛けることで、視線の向きが強調されて、たいへん好ましい効果を上げる。
「ランサー(Hell Blaze)」。このランチャー&ランサーのペアは、「メガミデバイス」シリーズの中では頭部が比較的大きめなので、1/12眼鏡もちょうどフィットする。
同社の「レイキャシール(イエローブーズ)」。かなりの小顔なので、眼鏡のサイズがまったく合わない。同種の問題は、同社の「KOS-MOS」でも発生する。眼鏡姿も可愛いと思えるだけに、なんとも惜しい。他のメーカーの眼鏡パーツを使うしかない。
AOSHIMAの「V.F.G. ジークフリード」(※両目のデカールは上記「イノセンティアBlue」のものを使用している)。睫毛表現はあまり濃すぎない方が、眼鏡が似合う。眼鏡が似合わないキャラクターは、下にずらして掛けさせると、うまく落ち着く場合がある。
さらにAZONEの「1/12 矢絣袴set」も着用させた状態で。メカ少女プラモも、コーディネート次第で大きく印象が変化する。ただし、美少女プラモは総じてドール素体よりも肩幅が狭いので、布服着衣にはあまり適していない。
同じくAOSHIMAの「VFG カイロス」。このシリーズのキットは目元の立体感が乏しく、顔の造形が平板に感じられがちだが、眼鏡を掛けさせれば、ちょうど良いアクセントになるし、立体感も誤魔化せる。眼鏡のサイズもぴったり合っている。
「カイロス」には、片目隠れヴァージョンの前髪パーツも同梱されている。前髪だけを取り外して交換できる。前髪をきつく押し込むと眼鏡パーツが歪んでしまう虞があるが、着用は問題無い。眼鏡を掛けると表情が暗く見えるのは好き嫌いがあるかも。
VOLKSの「FIORE プリムラ ビクトリア」。かなり表情の濃いキャラであり、目元の表情もあざとく、しかも活発な印象のキャラなので、眼鏡はあまり似合いそうにない。ただし、眼鏡の着用自体はスムーズに行えるので、表情やカラーコーディネート次第では活用できるかも。
同シリーズの「ローレル・フォリア」。こちらも表情豊かなキャラクター。ツリ目にエッチング眼鏡が似合っている。前髪での固定はできないので、マスキングテープ等で固定した方がよい。プラモデルとしての精度は低いが、感情表現の豊かな顔面パーツや脚部のラインの美しさなど、見所はある。
Good Smile Companyの「chitocerium LXXVIII-platinum」。頭髪を左右から貼り合わせる構造なので、眼鏡を差し込むのが非常に難しい。内部の噛み合わせを多少加工する必要がある。ただし、似合うかどうかで言えば、抜群にマッチする。美しい。
MAX FACTORYのfigmaシリーズ「サーニャ」。Picco neemo素体やFAGよりも一回り小さく、ほぼ正確な1/12スケール。リアルな眼鏡表現としてはちょうど良いサイズになる。嵌め込みは、そのままでほぼ問題無し。本体素材はABS/PVC製。
サーニャに眼鏡を掛けさせると、門脇さん(※このキャラの担当声優)のイメージがさらに色濃くなっていく。素晴らしい。ずっと眼鏡を掛けたままでいてもらうことにしよう。ありがとうございます。
サーニャは黒白ベースのキャラデザで、シャイな小柄キャラなので、重々しい黒縁眼鏡でもマッチする。
figma「リネット・ビショップ」。このシリーズは1/12ドールよりもやや小さめで、顔の横幅も狭い。エッチング眼鏡の折り曲げ位置はタイトに(つまり横幅を詰めるように)した方がよい。アニメの女性キャラは両目の間が開いて空疎になりがちだが、眼鏡はそこを埋めてくれるのが良い。
このキャラクターは落ち着いた色合いのファッションなので、黒眼鏡でも着こなせる。ただし、黒眼鏡は目の輪郭(睫毛ライン)と重なってしまいやすいので、眼鏡は多少上下にずらして掛けさせる方がよいと思う。
同じくfigmaの「獅堂光」。figmaは塗装済み完成品だが、表情替えのために前髪が着脱できるし、スケールも合っているので、エッチング眼鏡を掛けやすい。ただし、この「獅堂光」フィギュアは、横髪がかなり干渉する。眼鏡着用は一応可能だが、無理をすると眼鏡フレームが歪みかねない。
figma「真鍋和」は、レンズの入った赤眼鏡が同梱されている。組み替えのプレイバリューを売りにしているシリーズなので、眼鏡パーツは着脱可能。眼鏡パーツは、前髪の裏側にピンで引っかける形式。ピンと穴の位置が固定されるため、眼鏡の着用位置等を変えることはできない。
figma「レオンミシェリ・ガレット・デ・ロワ」。ケモ耳の王族キャラだが、眼鏡もなかなか似合っている。
figma「雪風」。このシリーズの通例でかなり小顔なので、エッチング眼鏡のサイズは微妙に合わない。ただし、左記写真のように、多少無理をすれば眼鏡を掛けさせることも出来る。
メガハウスG.E.M.シリーズの「鏑木・T・虎徹」は1/8スケールの男性キャラだが、頭部が引き締まっているおかげで、この1/12スケールの眼鏡もぴったり合う。ただし、既製品フィギュアは前髪着脱ができないことが多い。左記写真も、眼鏡は眉間に載せているだけ。
BANDAIのキャラクタープラモ「Figure-rise Standard」シリーズの「ピッコロ」。ノンスケールのキット(約18cm)だが、設定身長226cmから計算すると、1/12に近い縮尺になっている。男性(?)キャラの立体造形物は顔の横幅が引き締まっていることが多く、眼鏡着用も可能。
同じく「Figure-rise Standard」の「人造人間18号」。高さ約14cmで、設定身長160cmなので約1/11スケール。眼鏡のサイズはほぼぴったり合っている。しかし、顔の片側で横髪に挟み込むしかないので、眼鏡を固定できない。接着剤で固定してしまうという手もある。
同シリーズの「ダイバーナミ」。瞳の部分はシールが用意されている。目の縦幅が大きいので、真正面に眼鏡を掛けるとレンズの輪郭を大きくはみ出してしまう。ずり下げ眼鏡にすることで、不整合を解消している。
BANDAI「モビルドール サラ」。ヒューマン顔では、一応問題なく眼鏡装着できる。ただし、横髪パーツを上から差し込むという変則的な構成なので、眼鏡を固定しづらい。また、差し替えのメカ顔はかなりの小顔なので、眼鏡を固定できない(※そもそも似合わないが)。
バンプレストの塗装済み完成品「レーシングミク 2017 Team UKYO 応援ver.」(※左記写真はツインテールと羽根を外してある)。前髪はあらかじめ接着されており、外せない。また、眉間の前髪が干渉する。このような場合は、鼻に乗せるような感じに眼鏡を差し込んでおくしかない。
完成品フィギュアでは、透明アクリルパーツで眼鏡が表現されることが多い。左はSEGAの「長門有希」。眼鏡のツルと、リムフレームの上側がシルバー塗装されている。右側はフリューの「シノン」。中央のブリッジ部分と両脇のみがブラック塗装されている、縁なし眼鏡スタイル。KOTOBUKIYA「小鳥遊暦」は、ABS製の眼鏡パーツが同梱されている(※装着用3個+折り畳み状態1個)。頭髪パーツの右頬側に切り欠きがあり、そこに差し込むことで眼鏡を固定する。
キットの眼鏡パーツは、フレームまで透明の一パーツ。わずかに透明度が低くなっているので、そのままでも眼鏡の存在感は表現されている。
塗装は、水性塗料を筆塗りするのが良いだろう。ゆっくり塗装できるし、失敗しても安全に拭き取れる。横幅1.5cmの小さなパーツなので、軽く色を乗せるくらいで良いと思う。フレームの上下側面も、塗らなくてよいと思う(※塗りすぎるとゴテゴテになるし、影が落ちて暗くなってしまう)。