2016/05/29

1/700「ネウロイ化赤城」模型(4):完成写真

  アニメーション作品『ストライクウィッチーズ(Strike Witches)』に登場する、いわゆる「ネウロイ化赤城」(ネウロイ赤城、ウォーロック融合赤城)の1/700模型化。

(1) 制作メモのページ(別ページ)
(2) ディテール解説(別ページ)
(3) 映像との比較(別ページ)
(4) 完成写真(このページ)


  以下、画像はクリックすると拡大表示される。写真はいずれも2016年5月29日撮影。
  キャプションというよりも、反省コメント集になってしまった。


艦首付近の様子。ネットに瞬間接着剤の白化が出てしまっている。模型をただ眺めているぶんには目立たないのだが、角度を変えて接写すると基本工作の粗さが否応なく露呈する。後でリタッチしたが。飛行甲板はHASEGAWAの「ディテールアップセット」のものを使っているため、それに合わせて周囲のネット類もHASEGAWA版を使っている。FUJIMI版エッチングにもネットパーツはある。
右舷中央部。中央の大きな転落防止ネットは、FUJIMI版エッチングの方がアニメ版に似ている(斜交いではなく縦横だし、適度に目が粗い)ので、そちらを使うべきだった。高角砲の塗り分けは、イージーにしすぎたかも。煙突のジャッキステーは、取り付けに苦労した。艦橋後方の信号マスト張り線は、旗を掲げるロープ以外は、撓ませず直線にしておくべきだった(後で修正したい)。
右舷、後方にかけて。右舷は標準的なエッチング工作をした程度で、キットの造形はほとんど触っていない。マストからの張り線の引き込みはかなり適当。戦艦や巡洋艦だと構造を理解せずに適切なかたちにつなぐことが出来ない(誤魔化しが利かない)が、空母だと飛行甲板の裏側に止めればいい(覗き込まないかぎり見えない)ので気楽。
右舷アップ。支柱類は、FUJIMIのキットパーツそのまま。こうして見ると、拙いながらいろいろ頑張った甲斐はあったと思うが、まだまだキットパーツに負けている感じも。映像では、ブルワークのつなぎ目も描写されていた。伸ばしランナーで再現することは可能だが、今回は断念。手摺等をブラックで塗ったり空中線を太くしたりして「アニメ風仕様」を徹底したら、それはそれで面白かったかも。
左舷にレイアウトされている艦橋。艦橋の前には、双眼鏡2台と、それからブルワーク上に機銃らしいものが置かれているので、適当に再現した。双眼鏡の自作は、伸ばしランナーを2本並べる標準的な手法で。なお、双眼鏡は、艦橋全体で9台確認できる。艦橋下の資材置き場は、本編映像(「扶桑皇国の赤城」)ではこのような形状になっている。
艦橋をアオリ構図で。まだまだ粗は多いが、ようやくそこそこ見られるくらいの出来にはなっただろうか。撮影時の背景は、水色の画用紙を引いてあるが、これだとデジカメのオート色調補正で艦の色合いも淡めになってしまう。光源処理も、ライト等を使って適切な仕方にしたい。
左舷艦橋より後方、高角砲の並んでいるあたり。トラスをエッチングに差し替えても、こうしてわざわざ覗き込まなければ分からないくらいだ。しかし、4本の支柱は、わりと目立つパーツなので、精密化しておいて良かったと思う。このタイプの垂直トラス支柱は、右舷5本、左舷4本、艦尾に4(+2)本と、かなり本数が多い。
左舷をさらに後ろに。このレベルの写真では、0.07mmの金属線はほとんど認識できないが、模型を手に取って見るぶんには作品が引き締まった感じになるので、コスト(お金と時間と労力)を掛けるだけの価値はあると思う。接着剤の玉が出来ていかにも見苦しいので、クオリティアップは今後の課題。
艦尾。艦載機を別とすれば、赤城模型の最大の見どころ。本編映像でも、艦尾側のショットはたいへん迫力があった。クレーンは、FUJIMIキットもHASEGAWAキットもそれぞれ一個分入っているが、映像では両舷に描写されているので、伸ばしランナーで2個自作して取り付けた。鈎の部分は、適当な余り物のエッチングを流用。艦首側のものも同様に処理してある。
アオリ気味に。斜交いの支柱は0.2mm真鍮線。伸ばしランナーの方が工作しやすかったかもしれないが、太さを整えるのが難しかったのと、きちんとした直線を出したかったのとで、金属線にした。フルハルだと舵もかなり目立つので、舵の亀甲模様もきちんと再現しておくべきだった。
せっかくなので、飛行甲板の裏側を覗き込んでみる。プラの押し出し跡もきちんと処理しておくべきだった。艦底のマスキング塗り分けも、接写で見るとはみ出しが多くて汚い……反省点は多い。HASEGAWA版の飛行甲板裏エッチングは、FUJIMI版の船体と微妙に干渉してしまうので、奥の方を適宜カットしてある。
艦尾を左舷から接写。トラス材の間隙がきれいに空いて(抜けて)いると気持ち良い。支柱の垂直トラスエッチングは、今回はHASEGAWAディテールアップセットに含まれているものをそのまま使っているが、汎用のものでは、FINEMOLDSの「真鍮帯金015トラス」や、海魂「空母飛行甲板用補強バー」があるようだ。
飛行甲板を、中央から後方を臨んで。ここからはもはや何も飛び立たないが。「ネウロイ=グロい」というイメージが強いが、こんな感じの幾何学模様っぽいデザインであれば、これはこれで面白いんじゃないかとも思えてくる。グレーをもっと濃い色にしていたら、蛍光レッドとの対比でかなりきつい印象になったのかもしれないが。
全体。現在の私の知識と技術でやれることはほぼ全てやりきったつもり。模型制作キャリアが実働期間2年少々の独学モデラーであれば、だいたいこんなものかなと。後は、ここから墨入れとウェザリングを施すのは……なかなかふんぎりがつかないが、きちんとやっておくべきだろう。
FUJIMIのスケルトン版(素組みにツヤ消しスプレーを吹いたもの)と並べてみるとこんな感じ。「まともな艦船模型を作れよ」とツッコまれたら、申し開きのしようもない。