2018/03/30

「朱羅 忍者/弓兵」制作メモ

  KOTOBUKIYAのキット「メガミデバイス 朱羅」シリーズの忍者弓兵の制作メモ。
  完成写真は別ページにて。


  【 塗装箇所のメモ 】
  「朱羅」シリーズのキット2種を設定画乃至完成見本のとおりのカラーリングにすることを目指す。その際に、塗装が必要になるのは(つまり、プラ成形色とデカールでカバーされていないのは)、以下の箇所。「◎」印は、忍者と弓兵で共通(同一パーツ)。参考写真はページ下部にて。


  「忍者」
- マフラー先端部(O1-3、O1-13)。ホワイトで。
◎腕部:武装モードの手首付近(F-11×2個、ブラック)。
◎腕部:武装手首の内側(F-11×2)。ブラック
◎腕部:武装モードの肘外側の黒いライン(L4×2)。ブラック
- 胸部:バストの上の小さな赤いライン、両側に計2本(R1-3)。レッド
◎腹部:武装モードの前面、肋骨の下あたりのレッドの小さなライン(左右で2本)。F-10。
◎腹部:側面のホワイトの三角形(H-3)。
◎脚部:武装モードの爪先:ホワイト(J-3×2個)。※ABS製パーツにつき注意。
◎脚部:足の甲の側面のレッドのライン(J-3×2個)。※ABS製パーツにつき注意。
- 武装:刃の部分(M-1、M-2。M-3×2個)。ホワイトでよいか。
- 武装:手裏剣(O1-8、O1-11)。ホワイト
- 武装:忍者刀の柄の先端部(R1-4)。ゴールド
- その他、各部のスミ入れ(ブラック)。
※個人的には、T1(×2)とU1-3(×2)の色は合わせたい。両方ともゴールド(またはレッド)


  「弓兵」
- 頭部:髪留めの端(O2-3パーツ)。計4箇所をホワイトで。
- 頭部:襟元パーツ(P2-1)の内側はレッド
◎腕部:武装モードの手首付近(F-11×2個、ブラック)。
◎腕部:武装手首の内側(F-11×2)。ブラック
◎腕部:武装モードの肘の黒いライン(L4×2)。ブラック
◎腹部:武装モードの前面、肋骨の下あたりのレッドの小さなライン(左右で2本)。F-10。
◎腹部:側面のホワイトの三角形(H-3)。
◎脚部:武装モードの爪先:ホワイト(J-3×2個)。※ABS製パーツにつき注意。
◎脚部:足の甲の側面のレッドのライン(J-3×2個)。※ABS製パーツにつき注意。
- 武装:刃の部分(M-1、M-2、M-3。M4×2個)。ホワイトでよいか。
- 武装:太刀の柄の先端部(R2-2)。ゴールド
- その他、各部のスミ入れ(ブラック)。

  忍者は手裏剣の塗り分けがたいへんだし、マフラー先端部分も塗り分けがちょっと難しいが、弓兵は髪留めの先端部をホワイトで塗るだけでだいたい格好が付く。ちょっとした塗装で手軽に設定どおりのカラーリングを再現できるという点では、弓兵の方がかなり楽だろう。刀身の塗り分けはどうせどちらにもあるし。


  補足事項。
●上記リストは、「J」ランナー以外は、通常のPS素材パーツなのでラッカー塗装できる。
●成形色ブラックのパーツは、上から直接塗装してもレッドの発色が良く出ない。そのため、あらかじめ下地にホワイトなどを塗装してからレッドを重ねて吹き付けることになる。塗装工程を効率化するうえで、留意されたし。
●形状の問題になるが。忍者のカタール側面パーツ(U1-1、U1-2、各2個)は、裏側に肉抜き穴が入っているが、設定画に従うならば、これらはパテなどで埋めておく方がよい。公式の完成見本も、凹部を埋めてある。
●パーツ分割はかなり細かく、設定のカラーリングはプラ成形色のままでもほとんど再現されている。ただし、その分、小さなパーツが多いし、塗装時の手持ちが難しい。また、組み立てた時にどの部分が露出し、どの部分は見えなくなるか(=塗装しなくてよいか)を、あらかじめきちんと把握しておく必要がある。例えば、武装時前腕のパーツ(L4、両腕分)は、組み立てると裏面も一部露出しているので、両面塗装しておく必要がある。また、武装時の太腿側面装甲(K5、K6)も、裏側が多少見えるので、裏面もきちんと塗装しておくのが良い。等々。

 
  【 デカールについて 】
  精密なデカールが同梱されている。デカール無しでも十分見応えのある水準で完成させられるが、できればデカールも使った方が彩りが豊かになる。

  デカールではなく塗装で再現した方がよい箇所もある。とりわけ、「デカールを貼りにくい場所(曲面など)」、「塗装で再現容易な模様(単純な直線など)」、「デカールが剥がれる可能性が高い場合(擦れやすい場所や、デカール面積が小さい場所)」、「塗装した方がきれいな色になる場合(ブラックなど)」は、しっかり塗装しておく方が良いかと思われる。具体的には:
- 忍者: 頭部側面インテーク(デカール47、48番)、手裏剣(35番)、髪飾り(27番×4)。
- 弓兵: 頭部側面インテーク(デカール47、48番)、弓の突起(46番×2)。
例えばこれらの部分については、塗装という選択肢を考慮してもよいだろう。


  【 どこまで塗装するか 】
  パッケージの無塗装完成見本を見るに、無塗装でも十分鑑賞に堪える。さまざまなポーズをつけたり、他のパーツと組み合わせたりして楽しみたい場合には、無塗装のままでもよいと思う。

  しかし、そうした場合でも、塗装しておくと見映えが大きく向上する箇所もある。
●「忍者」のマフラー先端部と手裏剣、弓兵の髪留め先端部あたりは目立つパーツなので、きちんと塗装しておくと、よりいっそう引き締まるだろう。ホワイト塗装。
●金色のパーツは、その性質上ウェルドラインのモヤが目立つし、擦れて塗装が剥がれる可能性も低いパーツなので、せっかくだからゴールドできれいに塗装しておきたい。
●武器の刃の部分は、2色に塗り分けたり、メタルカラーなどで質感表現を盛り込んだりすると、効果が上がるだろう。

  「朱羅」キットは、大半のパーツが通常のPS素材であり、ABS製やPOM製のパーツはかなり少ない。全塗装に近いアプローチできれいに仕上げることもできる。ただし、手持ちのキットを見たかぎりでは、プラ成形色での色調もきれいだし、色透けもしないし、ウェルドラインの濁りもほとんど目立たないので、無塗装でもかなり良い感じになりそう。

  どこまで塗装するか。
- A案:無塗装。
- B1案:最低限必要な箇所のみを塗装する(上記ホワイト)。
- B2案:上記B1に加えて、ゴールドのパーツをきれいに塗装する。
- B3案:上記B2に加えて、赤色パーツを好みの色に塗装する。白黒は成形色のまま。
- C案:完全塗装(※素肌部分を除く。また、脚部周りにもABSパーツがある点に注意)。
- D案:複数購入して、複数のアプローチをする。
ひとまず腹案としては、B3のアプローチで塗装する。マスキングの順序が難しいところは無いので、レッド/ホワイト/ゴールド/ブラックをそれぞれ適当な手順で塗っていけばよい筈。


  【 色彩設計 】
  頭髪色以外は、組立説明書の色指定は「忍者」と「弓兵」で共通。

  レッドの部分は、プラ成形色はやや紅色寄り(?)の鮮やかな赤だが、インストの塗装色指定はマゼンタを15%混ぜてブルーに寄せている。しかし、「弓兵」は巫女モティーフであるという点に鑑みれば、朱色で塗ってもよいのではないかと思う。Mr. Colorでいえば「シャインレッド」「イタリアンレッド」あたりの明るめのレッド。
  その一方、「忍者」はやはり忍者キャラなので、明度を下げた硬質な色調の方が似合いそうだ。紅色寄りの、濃いめの沈んだレッドにする方が、イメージに合うのではなかろうか。武装合体させる際にも、忍者由来のパーツと弓兵由来のパーツを色で識別できる方が、面白みが出るのではないかと思う。
  ただし、設定色を大きく外れると、デカールの色とのズレが大きくなり、見苦しくなるおそれがある。「デカールの色に合わせる(=設定色にする)」か、「デカール部分は別物と見做して自由に塗装する」か、「デカールの色とフィットする範囲内でアレンジする」か、それとも「デカールは貼らない」か……どれでも良いと思う。


  【 各色の塗装箇所と調色 】
  レッド:成形色レッドのパーツをすべて塗装する。胴体正面の赤いライン(F10パーツ)も忘れないように。「忍者」は、「マルーン(45%)+ハーマンレッド(45%)+クリアブルー(10%)」で色を作って、鮮やかさと暗さのバランスを取る。「弓兵」は、「シャインレッド(50%)+ハーマンレッド(50%)」で、きれいな朱色を目指す。

  ブラック:腕のF11パーツ(2個×2人分)。塗料の混色を簡単に済ませるならば、ミッドナイトブルーにブラックを少量混ぜるくらいで、おおむね成形色ブラックに近い色合いが作れる。

  ホワイト(1):インストどおり、クールホワイト。塗装が求められるのは、胴体(H3)の側面と、武装モードの爪先部分(J3、二人の両足で計4個)。成形色ホワイトの部分は、ウェルドラインは目立たないし、透ける心配も要らないので、無塗装でも見るに堪えると判断した。

  ゴールド:「弓兵」の髪留め(T2-2)、腰部装甲(G3、G4)、武装モードの一部パーツ(G1、G2、T2-1×2個)。インストの指定ではレッドゴールドとなっているので、ゴールドにレッドを少量混ぜて使った。また、「忍者」の忍者刀(R1-4)と「弓兵」の太刀(R2-1)の柄の先端部分も、塗装見本ではゴールドになっている(※設定画はブラックのまま)。色彩的なアクセントになると思うので、ゴールド塗装を採用。

  シルバー:「弓兵」のゴールドに相当するパーツを、「忍者」ではMr. COLORのスーパーチタンで塗装することにした。また、T1-1(×2)もこの色で塗装。その隣のU1-3(×2)は設定ではレッドだが、色を違えるのは作為的だと感じたので、そちらもシルバーで塗装した。さらに、ついでに忍者刀(R1-4)も同じ色で塗装する。

  ホワイト(2):刃先の部分は、インストでは具体的に色指定がなされていない。スーパーチタン+クールホワイトで、硬質なツヤを出すようにした。

  グレー:刃の芯の部分。グレーでは味気ないので、スーパーチタン+ブラック+クリアブルーで金属的に仕上げた。刃の塗装は、全体にホワイトを塗ってからマスキングしてグレー部分を塗装する方が作業しやすいだろう。メタルカラーは、光の当て方によって見た目の明るさや色合いが変化するのが面白い。撮影には不向きかもしれないが。


  【 塗装箇所 】

「忍者」と「弓兵」の武装モードの側頭部パーツ(F3とF5)。インテークのようなブラックの部分は、黒デカールも用意されているが、塗装した方がきれいになると思う。
「忍者」の手裏剣(O1-8、O1-11)とマフラー(O1-3、O1-13)。成形色はレッド一色だが、ホワイトで塗装しておくとカラフルになる。ただし、マフラーの塗り分け境界線は凸凹の曲線なので、きれいにマスキングするのは少々面倒。慣れているモデラーならば、マフラー先端は筆塗りでもよいかも。
「弓兵」の髪留め(O2-3)と襟元(P2-1)。髪留めの先端部分は、かなり目立つ場所なので、ホワイトで塗装しておきたい。襟元パーツの内側は、設定画および完成見本はレッドに塗装されているが、角度によってはほとんど見えないので、無塗装でもよいかも。
「弓兵」の襟パーツ(P2-1)。デカールの貼り合わせに失敗した。位置決めが難しいので、後ろ側の27番デカールを先に貼ってから、ラインがつながるように前側の28番を貼り付ける方がよい。
肘の外側の黒いライン(L4パーツ)。小面積の単純なラインなので、筆塗りで済ませられる。
F11パーツ。設定画に従って、手首付近と手首の根元をブラック塗装する。ただし、「忍者」と「弓兵」の対比を考えて、「弓兵」(右側)は手首の根元をホワイトのままにした。「弓兵」は明るい配色の方がよいと思う。
胴体(H3)の側面には、三角形のホワイトの部分がある。胴体に立体感がもたらされ、プロポーションが引き締まって見えるので、できれば塗装しておきたい。
武装モードの胴体正面の両脇(F10)には、赤いラインが入っている。「忍者」の武装バスト(R1-3)にも赤いラインが2本入っているが、レッドをそのまま塗っても発色しないので、下地にホワイトなどを塗装する必要がある。
武装モードの爪先(J3)。先端部分にホワイト、側面にはレッドのラインを塗装することになる。レッドの部分は、完成状態ではあまり目立たないので、面倒ならば塗らなくてもよいかも。
「忍者」のカタール(ジャマダハル)の表面。設定では、レッドとゴールドの2本のラインが入っているが、色の違いがあまり納得できないので、両方とも同色(チタン)にした。いっそ両方ともレッドにして鳥居状にしてもよいかも。
刃部分は、成形色はグレー単色だが、設定イラストと完成見本に合わせて2色で塗装した。また、「忍者」の忍者刀(R1-4)と「弓兵」の太刀(R2-1)の柄の先端部分も、塗装見本に従ってゴールドで塗装した。忍者刀(左下)は、個人的な好みによりチタン色で塗装した。