REVELL社「1/144 Uボート XXI型(U-2540)」を、2022年9月に制作した。
完成状態での概要を紹介していく。制作中のパーツ写真などは別ページにて。
内部構造まで再現したインテリアキットは、艦船模型では非常に珍しい。制作には時間が掛かるが、モデル元の構造理解に資するという意味で大きな意義がある。
前方の舵は、左右連動して前後スイングできるが、可動構造がやや脆くて危なっかしい。不安があるので固定しておいた。90年代のキットなので、パーツの合いは総じて緩めで、組み立てには多少神経を使う。
内部壁面の計器類については、大量のデカールがあるので、ストレートに組むだけでもかなり密度の高いディテール表現になる。各部の丸いハッチは別パーツで、開閉選択できる。開けておいた方が、立体感や臨場感が高まるだろう。完全な内部再現ではなく、船体下部は空洞のままだが、眺めて楽しむ分には問題無い。せっかくなので1/150鉄道模型用の人物フィギュアを配置してみた。175cmが168cmになるくらいのズレが生じるが、雰囲気が伝わればいいかなと。ベッドパーツは幅が微妙にずれているようで、嵌め込みに苦労した。奥に通路が見えるが、キットのままだと奥の壁面が剥き出しになってしまうので、グリーンの壁を設置しておいた。隔壁両面の整合性がおかしいような気もするが(※片側には扉があるのに、その裏面は計器類で埋まっている)、深く考えずにキットの指示のまま制作した。外殻パーツの排水口なども、モールドが甘いのできちんと掘っておくべきだったが、横着してそのままにした。中央部分。上下に筒を通す構造なので、組み立ては大変だった。左舷側は剥き出しのままで、外殻のカバーパーツなどは存在しない(※ただし、艦橋にはカバーパーツがあって塞ぐことができる。どうやら内部再現を省いたモナカ型キットも存在して、それとパーツ共有しているようだ)。クローズアップで。人物フィギュアは、KATOの「1/150 駅員」(制服は暗めの色に塗り直した)と、TOMYTECの「1/150 工場の人々」を使用している。乗員は50人以上になるそうだが……そんなにたくさん乗り込めるの?中央部分を、俯瞰で撮影。梯子などは、濃いグリーンで筆塗りした。天井/床はワンパーツなので、裏面はキットの凹凸がそのままになる。目立ちにくいところなので、割り切ってキットのまま組んでしまったが、パテ埋めしても良かったかも。この艦(ヴィルヘルム・バウアー)はブレーメンに現存し、ネットにも動画が多数投稿されているので、それらを多少参考にした。ただし、現在の状態は大戦中の運用時とは異なっている可能性があるので、鵜呑みにすべきではないだろう。ベッドルーム(乗組員室)は後方にもある。隔壁の断面は、適当にシルバーで塗装した。ここのベッドも、水平維持に苦労した。下にあるのはバッテリールームとのこと。後部のエンジンルーム。基本的にキットの塗装指示に従いつつ、大きなところはラッカー筆塗り、細部は水性アクリルの筆塗りを多用した。
エンジンルームのさらに後ろ。右端の扉の奥はただの空洞だが、ほとんど見えないので気にならないだろう。一般的な潜水艦模型と同様、舵は可動式。右舷サイドは、一般的な潜水艦模型と同様。内部再現は、左舷側から見える範囲のみに限られている。士官室や調理室は右舷側にあったようで、このキットでは表現されていない。右舷後方。外殻の塗装色は、Creos「バーリーグレー」とTamiya「佐世保グレー」を使った。ただし、オレンジ系のエナメル塗料でウェザリングしたので、かなり色調が変化している。同じくREVELL社の「1/144 Uボート(TYPE-VII C - U96、映画『Das Boot』版)」と並べて。1/350スケールの大型艦船にも匹敵する大ボリュームのキットである(※写真はAcademy社の「1/350 ウォースパイト」)。