2025/03/07

2025年3月の雑記

 2025年3月の雑記。

今月の一枚は、これをトップに置いておこう。『三体』より「自然選択号」(メーカーは橘猫工業)。


 03/30(Sun)

 この春は忙しくなりそうだが、春アニメは良さそうな作品が多く、いろいろと悩む。私は長らく、けっしてアニメオタクではなかったのだが、ここ数年は一クールに数本ずつオンライン視聴するようになっていて、まあ、こういうのも楽しいかなと思えるようになっている。とはいえ、産業構造の問題(低賃金による搾取性)、メディアミックス依存の中途半端さ(原作の摘まみ食い)、表現上の不出来(漫画のレイアウトをベタに再現しようとする大根演出)など、不満も多いのだが……。

 サブタイトルをマイナス符号「-」で括るのは、いい加減にやめてくれないかな……。範囲選択からのweb検索で、サブタイトルがマイナス検索されてしまい、一手間増えて面倒なので。


 家計簿を見ると、今月も50冊以上の単行本を買っている。漫画雑記ページではちょうどその半分、25冊ほどに触れている。言及していない残りの半分は、ハズレだったり、特にコメントするところの無い作品だったり、逆に非常に難しい内容だったり、既刊の買い揃えだったり、アダルトコミック(※月平均1~2冊ほどカジュアルに買っている)だったりする。
 多い月は80冊、少ない月は20冊ほどと、かなりバラつきがある。2018年までは、現在の半分くらいしか買っていなかったが、2019年から激増している。PC美少女ゲームが減ってきたニッチに、漫画が入ってきた感じかな。アダルトゲームの購入数は、今では月に数本くらいになっている。

 模型趣味は、艦船が2015年から。ガール系は2017年から(最初はFigure-rise Bustで、さらにFA→FAGの流れが合流してきた)。航空機やAFVも、2017年頃からちょっとずつ実験的に手を出していった(※制作履歴をリスト化しているおかげでライフログ的に辿れる)。フィギュア(特にプライズ系)は、具体的な履歴を記録しておらず所持品一覧のみだが、たしか2015年からだったと思う。
 コロナ以降、即売会や美術展やコンサートにはまったく行かなくなってしまった。クラシックCDも、主立った作品はだいたい持っているので、新しい録音は買わなくなった。

 ここ十年の趣味生活の大きな変動は、このあたりかな。そろそろまた、何か新しい趣味を開拓してみたいが、コンテンツ志向のインドア趣味は一通り経験してきたので、フロンティアはあまり残っていない。いや、古典芸能とか、書籍のジャンル分類なども含めれば、まだ無数にあるけれど。ペット飼育(※環境的に無理)、編み物やハンドメイド(※模型制作でほぼ満たされている)、ボードゲーム(※囲碁将棋は学生時代にちょっとだけやった)、料理(※最低限の自炊はしているが、趣味としては興味を持てない)、書道(※昔やっていた)、小説や詩歌の創作(※気質的に苦手)、ファッション(ネイルなど)……うーん。イラストレーション、プログラミング、視覚取得なども現代では趣味活動として取り組んでいる人がいるが、個人的には気が進まない。
 そういえば、昨年の一時期は、数独(ナンプレ)などの紙上パズルをやりまくっていたが、すぐに飽きた。そんなに深みのある趣味ではなく、時間潰しにしかならないので、続かないのは当然だが。


 というわけで、休日は丸一日、「自然選択号」のスミ入れと部分塗装(※ランナー吹き付け済み、切り出し前)を延々作業していた。このパーツ数とディテール精度では、このくらい時間が掛かるのも仕方ない。明日一日で組み上げられるかな。

橘猫工業「自然選択号」完成。おおまかなランナー塗装+部分筆塗り+スミ入れのみ。サイズは約24cm。リング状ユニットのミサイルハッチを開閉したり、後部ユニットにレーザー(?)を大量追加したり(※装甲パーツ差し替え)できる。
ユニット構成はこんな感じ。最前面ユニットと最後端ユニットだけは角度固定だが、それ以外は回転可能(※こういうモジュールごとの回転要素が原作設定に由来するものかどうかは不明。空間戦闘の効率化や、回転で擬似重力を発生させるなどの趣旨で、SFメカではありがちな性能だが)。

 後部スラスターを発光させるように基盤を組み込んだ電飾版で組むこともできるし、基盤抜きの純粋なプラだけの形態で組むこともできる。基本的に無加工で制作したが、前部ユニットの隙間が気になったのでクリアグリーンパーツで埋めている(※H5とE2の間)。見栄え優先で、ここの展開可動はしないように接着した。後部ユニットのディテールもいろいろ塗り分けたが(D2パーツ)、。組んでみたら全然目立たなかった。それと、H1/H3パーツは方向をきちんと合わせるべきだったが、適当に組んでしまった(※見栄えの点でほとんど問題にならないが)。
 見てのとおり周囲4面が同じなので、同じモジュールユニットを4回組んだり6回組んだりするが、完成時はなかなかの重量感と存在感がある。パーツの貼り合わせ箇所が多いが、合わせ目処理をするのは一部だけで済む(※今回は細かい処理をせず、無頓着に組んだだけ)。
 写真ではスミ入れがクドく見えるが、プラモ実物では気にならない。ディテール密度の高さを存分に堪能できるように、スミ入れは濃いめにする派。とはいえ、さすがにディテールがうるさ過ぎるので、トップコートで薄めにグレーを吹くかも。ちなみにデカールは未貼付。


 朝食しか食べていなかった+長時間作業で疲労+最近の気温上昇への適応不足(たぶん)+睡眠やや短め+20分以上入浴(お風呂読書)=のぼせ。吐き気と大量発汗でちょっときつかったが、10分ほどで復調した。水分はたっぷり摂取していたし、普段はできるだけ気をつけているのだが、たまにやらかす(※年に1回か、せいぜい2回だけど)。
 最大の原因は長時間入浴(お風呂読書)なのだが、時間の使い方として効率的だし、入湯時の退屈を紛らわせることにもなるし、否応なしに読書に集中できる時間になるし、そして楽しいしで、やめられない。ちなみに、本をお湯で濡らさないように、「片手で本を開いて、その手でページめくりもする」というスキルをすでに習得している。もちろん、バスタブの縁に寄り掛かって両手で読むのでもいいのだけど、それだと前傾姿勢があまり気持ち良くない。



 03/26(Wed) ※今日は模型ツールの話をいっぱい。

 今月の『Hobby Japan』誌のエアブラシ特集対談の中で、ガールズプラモの隆盛はエアブラシ塗装との親和性が高く、メーカーとしても助かっているという趣旨のくだりがあり、なかなか興味深かった(5月号、32頁)。具体的には、ガールプラモは、1)パールや偏光塗料との相性が良い、2)スケール感やリアリズムに縛られない自由なジャンルなので様々な塗料を使ってもらえる、3)頭髪などのグラデーション塗装がエアブラシ導入へ誘導してくれる。
 もちろんこれらはレジンキット(美少女ガレキ)などにも当てはまる理屈だし、ガール系モデラーへのリップサーヴィスもあるだろうけど、ガールプラモがそういう自由な実験性に開かれているジャンルだというのは確かだと思う。要するに、特定の作法や文法が決まっているわけではないので、既存の他ジャンルの技法やスタイルの中から好きなものを輸入して、各自が自分なりに好きなものを作っていける分野だということだ。

 とはいえ、私見では、ガール系ならではの難しさもある。例えば:
 1) サイズ。小さめのサイズなので塗り分けが面倒。小さなパーツや、細かなディテール、そしてワンポイント塗装が多いので、むしろ筆塗りにも大きなアドヴァンテージがある。
 2) 塗装するかどうか。素肌部分は下手に塗ると透明感が失われるし、剥き出しの可動箇所が多いので、
 3) 武装パーツに関しては、他と大差ない。もちろん、平滑面をきれいに塗装できるという意味では、エアブラシにも大きなメリットがあるけど。
 4) キャラクター性。近年では既存キャラを再現するためのガールプラモ製品が増えており、オリジナル塗装を楽しむ余地が小さくなってきている。

 私の場合は、大型艦船模型を作るためにエアブラシがほぼ必須だったという経緯。なにしろ、60cmものフルハル船体を筆だけで塗装するのは明らかに無理だった。船体塗装に缶スプレーを試してみたこともあったが、結局は上部構造物も同じ色でちまちま塗らなければいけないので、それなら全てエアブラシで塗りきるのが最もシンプルで効率的だという判断に帰着した。
 ガールプラモでは、トップコートなどの一部のプロセスは、缶スプレーでも賄えるところがあるし、部分筆塗りとデカールだけでもかなり見栄えが良くなるのは確かだ。その一方で、ガールプラモ分野がエアブラシ人口を増やしている(=メーカーも潤って、そしてより良いものを作っていける)ならば、それはそれで嬉しい状況だ。

 吹き付け塗装のできる工作室が増えてきて、将来的には「工作室に行って、歓談や情報交換をしながら制作するというのが、モデラーのごく普通の行動になっていったら」というのは、それはそれで楽しい状況かもしれないね。現在でも、ジム通いやトレカゲームスペースのように、趣味のために特定の場所に定期的に通うというのは、かなり一般的になっている。模型ジャンルにも、もしかしたらそういう形態が普及していくかもしれない。もっとも、ボードゲームのように、(とりわけコロナ以降は)苦境に喘いでいる分野もあるし、そうそう上手く行くとは限らないけれど。
 阪神間には、工作室がいろいろあるし、兵庫県西部にもいくつか存在するようだ。私は行ったことが無いし、たぶん今後もひたすら一人で作業するつもりだが、そういうスペースで技術交流したり、他のモデラーからクリエイティヴな刺激を受けたりするのも、とても良いことだと思う。

 エアブラシのメリットは、「素人でも、きれいな塗面を、短時間で作れる」のが一番大きい。2万円ほどのコストで機材を準備すれば、とにかく手っ取り早く、お手軽に全塗装ができる。それ以外にも、メタルカラーやパール塗装、細やかなグラデーション、特殊なマーブル塗装など、筆塗りでは難しい表現にも対処できる。大量の塗料を独自に混色して、適切に塗りきるのも、筆塗り(そして水性塗料)では、ちょっと難しいが、エアブラシではそのハードルが非常に低い。
 ただし、よほどの大物キットでもないかぎり、筆塗りでも塗りきれることは多いし、グラデーション(ぼかし)もやりようはある。調色に関しても、ファレホなどが大量のラインアップを提供しているので、塗りたい色を探してそのまま塗ることができる。それに、一々マスキングして吹き付け塗装するよりも、筆塗りでさっと処理する方がはるかに簡単、確実、高精度にできる場合もある。筆ムラも、上からウェザリングを施せば目立たなくなる(特にスケールモデルやロボットモデル)。

 私が使っているのは、TAMIYAのトリガー式ハンドピース(0.3mm)。そろそろ十年になるが、大きな故障もなしに使い続けている。トリガー式は、ダブルアクションほどの複雑なコントロールはできないが、誤操作をしにくいのと、長時間使っても手が疲れにくいというメリットがある(と考えている)。たしか13000円くらいで買えた。
 空気を送り出すコンプレッサーは、WAVEの「058 コンパクト」。超小型で、深夜に使っても大丈夫なくらいの超静音モデル。しかも水色基調のキュートな奴。こちらも1万円強くらいで買えたのだったか。ハンドピースと併せて3万円程度でリーズナブルに収められた。空気圧のパワーは弱いが、メタリック塗料でも十分塗れる。弱さが奏効してか、水も出ない。ただし、小型モデルだけに長時間使用はできず、実際、酷使していたら故障してしまい、現在は2台目を使っている(※5年も保てば、コスト計算としては十分割に合う)。
 エアブラシ(ハンドピース)とコンプレッサーで3~4万円くらいのセット商品もある。しかし、塗装環境(排気環境)の問題と、コンプレッサーの騒音の問題がある。ものによってはノイズが非常に大きいので、集合住宅では問題になる可能性がある。それに、ハンドピースは長時間手に持ってデリケートな作業をするので、安物買いで不満を溜めることになっては逆効果だ。とはいえ、エアブラシの構造上、吹き付け塗装の出来映えはどの製品でもそんなに変わらない筈なので、ものは試しでやってみるのも良いと思う。今月のHJ付録によると、安いものだと例えば「AERO CROSS quiet」というセット商品は15000円くらいで買えるらしいし、超静音モデルだし、吹きつけはいっそベランダ塗装や風呂場塗装でもやれなくはない(防毒マスクや廃液処理なども必要だが)。人によっては、トップコートのためだけでも十分元が取れるかもしれない。


 モデラーのほとんどが男性で(女性モデラーは3%か? 1%か? もっと少ない?)、模型雑誌もしばしば男社会の都合で作られているのは、どうにもモヤモヤする。上記HJ誌も、対談記事は男性4人だけだし、その一方で素人向けのエアブラシデビュー記事は女性アイドルグループ3人だったりする。語るのは男性、客寄せパンダの素人は女性という非対称性は、いいかげんにどうかと思う(※艦船系の雑誌には今のところそういうコンテンツは無いが、まあ、「入れたくても入れられる方法が無い」というだけなのかも)。
 スケールモデル系雑誌でも、航空機のノーズアート風のグラビア写真コーナーを持っていたり、AFVでもガールイラストなどを載せていたりして……わりとげんなりする。モデルガン/サバゲー雑誌でも、表紙はグラビア志向の若年女性ばかりだし……。
 真面目に若年モデラーを広げたいなら、女性アイドルグループよりも、普通の学生たち――例えば高校の模型サークル――にエアブラシを体験してもらう記事の方が、はるかに健全だし、効果も大きいと思うのだけど、模型誌はそういう企画はやらないんだよね……。


 模型関連では、「情報量を増やす」という言い方(考え方)は、かなり嫌い。それはただ量的な観点だけであって、「質」の観点がしばしば失われているし、もっと言えば、制作の「コンセプト」(方針、ポリシー、美意識)が見失われている。質感を表現するとか、全体の密度感をコントロールするといったようなデザインの観点が欠如していて、ただ物量を増やすだけで何かの効果を得ようとするのはイージーだと思う。
 上記雑誌のイデオン制作記事も、外装のブロックを細かく塗り分けているけれど、機能的にも説得力が無いし、巨大感などの効果も得られていないし、色の違いにも面白味が見えない。有り体に言えば、美学が無い。
 あまりにものっぺりしている面をなんとかして解決するとか、カラフルな塗り分けによって新たな面白味を作り出すとか、モールドが表現している筈の機能性に応じて適切に塗り分けるといったような明確な構成意図がある場合には、もちろん色味を豊かにしたりディテールを追加したりすることには大きな意味がある。しかし、ただ闇雲に情報量(物量)を増やすだけで、それを支えるロジックや美意識やコンセプトが無いままでは、空疎なモデリングだと言わざるを得ない。


 SERIAの身長計は、かなり便利に使えそう。特に(ガール)プラモのサイズを測る際に、定規を当てたりする必要が無く、身長計に乗せて直接測定できる。目盛りはミリ単位で印刷されているので、一応正しい数値が測れる。
 ただし、問題点もいくつかある。1) 数字が刻印されていない。2) 一個だけでは13cmくらいまでししか測れない(それゆえ、2個=220円分を買って接続する必要がある)。3) そもそもプラモキットは関節部や胴体の微妙な角度によって変動し、厳密な高さは測りきれないし、頭髪やヘッドドレスが干渉してまっすぐ立てない場合もある。それでも、ミリ単位ではおおむね正しい高さを知ることができるので、十分有効なツールだと思う。安価なノギスも一応持っているけれど、まあ、そこまで厳密を求めるものでもないし、プラモキャラを机上で身体測定するという行動には何かしらフェティッシュな興趣がある。ちなみに、SERIAには小サイズの体重計も売っていたが、そちらはもちろん重さを量れはしない、ただのおもちゃ。


 例の話題。
 趣味の商品は、生活必需品ではないし、他社の広告を乗せることもできないから、ユーザーが買わなければ存続できないというのが大前提。特に舞台芸術や音楽イベントのように小規模or時期限定のものはクリティカルにダメージを受ける。だから、ファンがちゃんと金を落とすことは大切だ。
 そのうえで、00年代以来、コンテンツのオンライン違法共有が大きな問題になっていた。PCゲームしかり、ゲームしかり(マジ○ン)、商業漫画しかり。その意味でも、アングラではないまっとうな消費者であることは、オタクたちの間できわめて重要な倫理的問題だった。それ以前には、「こんなバカなものを買っちゃってさー」という90年代的自虐の風潮もあったようだけど、そのあたりは私は知らない。
 ただしその一方で、邪悪な要素もそこに流入してきた。00年代からは、アイドル選挙やそれに伴うグッズ大量買いによって、趣味活動の商業化(資本主義化)が進展した。さらに10年代にはオンラインゲームのいわゆる「課金」支払や、Y/Vtuberへの高額チップ行為も広まり、それらは不可避的に拝金化、資本主義化、マネーゲーム化していった。
 20年代に入る頃には、単発の購入だけでなく、様々なサーヴィスのサブスクがすでに一般化しており、こうした傾向も、「計画的にお金を出し続けることでサーヴィスが維持される」という認識を強めたかもしれない。また、世間的にもクラウドファンディング)が広まったし、オタク界隈でもファンド的なクリエイター支援パトロンサーヴィスが普及した(Fantia、ci-en、pixivFANBOX、Patreonなど)。こうした様々な経路で、ユーザー(消費者、ファン)が制作者に金銭的支援をすることが、認識され、受け入れられ、正当化されるようになっていった。
 なお、10年代には、東日本震災以降、「物を買って経済を回そう」という動きがあった。おそらくこの時代的気分も、オタクたちの上記「ちゃんとお金を出そう」という思想を後押ししたのではないかと思われる。長く続いている不況の下で、ゲーム/漫画/アニメなどのサブカル産業もいよいよ深刻な苦境にあり、そのため「消費者(=ファン)がお金を出して支えていく」という意識はいよいよ切迫したものになってきた。
 要するに、「お金を出すことは確かに必要だし、趣味のフィールドを存続させていくためには意義のあることだが、ただし、だからといって、趣味活動の価値そのものを拝金主義に乗っ取られるところまで行ってはいけない」という、難しいバランスが求められてきた。悪いのは秋元と政治と経済界とビッグテックだ……と言いたいところだが、悪者探しだけをしていても解決はしない。せめて、「自分の楽しみの価値を金額で計ることは、趣味の意義そのものを空洞化させるから、極力避けようね」というくらいかな。


 メモ:FAG「出雲」の穴ボコを塞ぐには。
 飛行甲板(濃いグレー):12個(※裏面まで貫通させる)。
 メカ脚(グレー):左右で計6個。
 メカ腕(グレー):左右で2個。
 背面接続ユニット(グレー):1or3個(どこの穴を使うかになる)。
 肩側面(メタル):1個。
 装甲板の裏面:5個(メタル3個+レッド2個+ブラック2個)。
 合計31個にも及ぶ。MSG「メカサプライ10:ディテールカバーA」のストックが家にあったので、必要な数は調達できた。貫通パーツに関しても、Cランナーに20個入っているので、(表面の形状の違いに目を瞑れば)十分足りる。


 TAMIYAの鶴首ピンセットは良いよね……。さすがの田宮さん、精度は高いし、非常に頑丈だし、ステンレスなので錆びないし、個人的にもちょうど手に馴染む(※サイズも、重さも、把持の強さと感触も)。私は悪いユーザーなので、塗料瓶の固まった塗料を削り落とすのに使ったりもしているが、それでも全然曲がったり歪んだりせず、シャープで安定した使い心地を維持している。艦船などの細密な模型を作る際には、この品質がありがたい。


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 いつもどおり粗雑な岩崎氏。専門外の領域にもいいかげんな口出しをして、思い込みで大間違いな主張を自信満々に断言する眉唾パーソンだということを、みんなもっと認識しておくべきだと思う。そして、事実に基づく多数のツッコミがあっても、誤った自説を撤回しないというタチの悪い人物でもある。
 『まどか』が作られた前史として、脚本家が属していたPCアダルトゲーム分野に膨大な蓄積があったことは無視できない。そこでは陰惨な戦いに駆り立てられる変身ヒロインや、性悪な魔物と共闘せざるを得ない魔法少女が幾度となく描かれてきた(※Triangle、RaSeN、TOUCHABLE、『ジブリール』シリーズ、『松島琵琶子』、等々)。そういう文化を、そのまま全年齢アニメに持ってきたのが、上記アニメだったと見るべきだし、その見地では『まどか』はけっして革命的などではないし、そして『まどか』の美質や独自性はそこではない。
 それ以外の分野でも、例えばコンシューマRPG『聖剣伝説3』(1995)の妖精黒幕説のような捉え方は――それ自体はユーザー間での冗談だったが――、広く存在していたし、もっと言えば『デビルマン』『ウルトラマン』のような「人間外の知的生命体との契約によって超人的な力を得るが、その裏面として、大きな制約も被る」というのはありふれた物語類型であったと言う方が公平だろう。

 ちなみに、魔法少女に限らず、「ヒーロー(ヒロイン)の暗部」に目を向けるというアプローチそのものも、変身ヒロインものに限らず、PC美少女ゲームが精力的に開拓してきた手法だ。「光の勇者ではなく、悪党な勇者」(『Rance』シリーズ)、「勇者ではなく、それを迎え撃つ魔族ボスが主人公」(ソフトハウスキャラ)など、そちらの側からドラマを作っていくのは、90年代から00年代を通じてアダルトゲームが得意としてきた。そういう経緯を忘れてしまうと(あるいは、知らないままだと)、文化史的なダイナミズムや技法的なユニークさの評価を見誤る。

 上記人物の、「『To Heart』で日めくりシステムが確立された」(大意)というトンチキ断言は、いまだに許していない。美少女ゲームは、時間経過も視点人物も自由に動かせる物語メディアになることによって大きく発展したのであって、リアル(?)な日付進行に縛られるものではない。また、『To Heart』は――『雫』『痕』とともに――それ以前の『同級生』や『ときメモ』のような日付進行SLGから離れて物語的AVGへ移行していく手掛かりを作ったマイルストーン的存在としての歴史的意義が大きい。
 そういう実態や経緯を無視して、『同級生』ベースの認識のままアダルトゲーム分野のありようを思い込みで語っているわけで、つくづく不誠実な人物だと思う。



 03/22(Sat)

 VFG「クラン・クラン」も、今月中に完成させたい。パーツ切り出しと、大まかな組み立ては済ませたので、後は塗装するだけ。
 メタルブラック(フレーム全般)→グレー(大型武装パック等)→ブルー(装甲)→ブラック(機首等)→ホワイト(ライン等)の順番で塗装し、それからパール(素体全般)、ピンク(鉢巻等:ツヤ消しだけで良いか)をざっくり塗るだけで十分かな。

 構成面では、筋彫りなどのディテールがかなり大味だが、変形構造はきれいに出来ており、特にメカ脚部の構成は作っていて面白い。
 スーパーパック版とノーマル版が選択式なのは、やむを得ない。実際には、「パーツ追加したスーパーパック版だが、ランナー構成からしてノーマル版も作れてしまうので、せっかくだからそちらも説明書に乗せた」という感じに見える。いったん組んだ後では、もう一方の形態に組み直すのは至難。
 各部の色を補うのは、シールのみ。デカール(+トップコート)の方が、長期的な品質確保や摩擦対処としてもありがたいのだが、これも仕方ないか。マスキングでは再現しにくい模様もあるのが、頭を悩ませる。
 素体の脛(ピンク色パーツ)がのっぺりしているので、塗り分けなどで見栄えを改善したいのだが、良い案が思い浮かばない。余剰パーツの無印メサイア用の脛パーツを使うという考えもある(※そちらはゴツゴツしたディテールがあるが、バトロイド形態での接続部に問題が生じそう)。

 というわけで丸一日ずっと塗装作業をして、まだ全然終わらない……あ、今日は一食しかごはんたべてない……模型作業はかなり集中力が持続する。


いろいろ頑張って塗り分けした。これ以上は、自力塗装では困難、あるいはきわめて非効率な細部塗装になってしまうので、ここらで切り上げる。いずれマークや機体番号など、シール不可避なところもあるのだし。
というわけで、ひとまずファイター形態で。航空機らしからぬゴツい造形がたいへん個性的で面白い。カラーリングが濃いめなので、スミ入れもブラックでくっきりと入れた。パーツの合いも良好だし、各部のロック機構も堅固でしっかりまとまる。
ガウォーク形態。変形にはかなりの差し替えが必要になるので、いっそ「バラして組み替え」式の構成でも良かったのでは……。両肩アーマーとスーパーパックがかなり干渉する。さらにガールが装甲を着込む形にもできる。
騎乗中のガール。かなり珍しい眼鏡ガール。

 変形がタイトだが、各パーツが頑丈なので適当に動かしていけばなんとか嵌ってくれる。こういう強度確保(破損回避)やロック機構の配慮は、さすが練達のAOSHIMAだと感心する。他社ではなかなかこうは行かない(※真似しようとしたら、変形の度にボロボロに崩壊するキットになってしまうだろう)。各部のディテール(モールド)はやや大味だが、上記写真のとおり、鑑賞に堪えるだけの水準はクリアしている。
 キット構成としては、新規パーツが多くて、無印「メサイア」とはずいぶん違った印象を受ける。おかげで、新鮮な気分で取り組むことができた。特にガウォーク形態での脚部の置き方は、これまでのVFGキットとはまったく別物の構造で、オリジナリティがある(※脚部装甲の上端が外側へ折れ曲がって、そこにガールが足を置く)。
 『マクロス』シリーズはよく知らないが、web検索してみたかぎりでは、航空機部分は原作のVF-25G(スーパーメサイア)に忠実な形状のようだ。ガールの「クラン・クラン」も、『マクロスF』に登場したキャラクター……と同一人物という理解でいいのかな。
 ところで、サンプル写真やパッケージアートを見ると、スーパー版の両腿サイドにも装甲を付けられるのだが、説明書ではノーマル版のところで触れられているだけで(42頁)、組み込み方法などは説明されていない。見落としかけて、ちょっと戸惑ったところ。

 今回のカラーレシピ。ブルーはCreos「ゼータブルー」にパープルとグレーを少量追加(半ツヤ)。ホワイトはクールホワイト(グロス)。グレー部分は、グレーとコバルトブルーを適当に混ぜた。脇のライトグレー(G II-4/5パーツ)は、先日の護衛艦塗料から流用した。フレームは例によってブラック+チタンシルバー。ファレホ「Blue Violet」を筆塗り。各部のワンポイントの銀色も、ファレホ「Chainmail」で。グロスブラックはGaia Notesの「EXブラック」+少量ホワイト。調色が成形色にぴったり合いすぎて、塗装したところと成形色のところが識別できないくらいだった。いいのか悪いのか……(※もちろん、ツヤをコントロールしたり、ウェルドラインのモヤを消したり、透けを防いだりするだけでも十分、塗装の意義はある)。
 シールはどうしようかな……。もうこのままでも良いように思えてきた。なまじシールを貼ってしまうと、色合いと質感の違いが悪目立ちしてしまう可能性がある。

 これでガールプラモの完成数は130個くらい(※小サイズのキットなどは除外)。最初に作ったのはFAGスティレット(2015年11月制作)。最初の出会いはたぶん「ホイホイさん」だったけど。そこから少し空いて、本格的に作り始めたのは2017年末だから、実働は7年強になる。年平均18個、月平均1.5個と考えるとそれなりに作ってきたと思う。
 これまでのキットを回顧すると、クオリティで言えばFRLの固定ポーズ「アスカ」が圧巻。構造面でのユニークな掘り下げは、風雷模型「アーシー」が突出している。Eastern Model「錦衣衛:弓兵」も印象に残る力作キットだった。キャラの好みだと、MD「赤ずきん」「ランチャー(HB版も)」と海外の「青龍」、好みのメーカー/シリーズはchotoceriumとNuke Matrixかな。一番手間が掛かったのは、たぶんVFG「ジークフリード」の塗り分け……と思ったけど、今回の「クラン・クラン」も大差ないかも。オールドキットの「ガラヤカ」も塗り分けが面倒だった。オリジナル制作では、「グライフェン」に武装を盛り付けた時は、かなりの時間を掛けた。購入したキットの制作率は97%くらいだが、さすがに「邪神ちゃん」のようなイロモノは積んでいる。

 最近制作した「セタリア」「hydra」「時雨」「出雲」「クラン・クラン」は、いずれも個性と品質を兼ね備えた秀作キット揃いで、楽しく過ごせている。

 眼鏡ガールプラモのメモ。チナッガイ(2017/07)、アラレちゃん(2018/04)、VFGクラン・クラン(2020/12)、小鳥遊暦(2021/04、バリエーション多数)、GGLビアンカ(2021/05)、PLAMAX真希波(2023/08、固定ポーズ)、annulus新条アカネ(2023/09)、ガオファイガー(2024/12)、九尾・祭(2025/01)、FAG零武(2025/08予定)。海外キットでは、「ハーレイ・クイン」の一つだけかな(※その他に、暗視ゴーグルキャラもいる)。私の知るかぎりでは、今のところこれで全部かな(※これらの他に、別売り頭髪パーツなどもある。例えば30MS三峰結華ヘッド)。
 一時期は1/12ドール用のエッチング眼鏡をあらゆるガールキットに着用させていたが、最近はご無沙汰(※コロナ以降の数年間、日本橋のAZONE実店舗に一度も行っていないという事情もある)。


 『薬屋』に対してうっすら苦手を感じていたのは、ああいうところだなあ。もちろん、全体の巧さは面白さは認めているのだが、なんとなく下品なテイストがつきまとうのは、『フリーレン』がロジカルな世界構築の一方で常に情緒的解決を優先している居心地の悪さとも相通じる。まあ、エンタメはそういうのでもよいと思うけど。


 アニメ『全修。』は、第12話で完結。ストーリーとしての決着がこれで最善だったかどうかは分からないが、創作と初恋を説得力のある形できちんと結びつけて締め括ったと言える。破滅に瀕した世界が色彩的にも暗鬱で血生臭かったのに対して、そこから瑞々しい草原へと一転するのも、たいへん効果的で強く印象に残る。
 ただし、鳥監督(鶴山監督)の存在と意味ははっきりしないままだったが、単なるバッドエンドマニアではなく、「ハッピーエンドだけがエンタメだと思うなよ」というのも確かに正しい。実際、日本のアニメ界がしばしばクライマックスのカタストロフ描写(とそのカタルシス)を大きな武器としてきたように、そしてまさに本作の終盤展開のスペクタクルが実証したように、破滅のドラマもやはりエンタメの大きな魅力であり、本作でもそれは否定せずに存置している。
 細かいところで、終盤ヴォイドたちの特殊性や、QJ復活儀式、物語の強制力(メメルン疑惑)、それから「自分で異世界に持ってきたもの」の話など、いかにも意味ありげに示唆しながら物語としてはあまり機能しないままだったのは、少々もったいない。それと、勇者の大量消費進行はいささか味気ないと感じた。せっかくなのだから、もうちょっと特別感を見せてくれていたら……。
 QJは、台詞からしてハッピーエンドの象徴(が戻ってきたということ)だろうけれど、復活後はただ「上がりくれー」と原稿をせっつく制作進行役だけで終わってしまった。終盤ヴォイドたちがコピーキャラだったり互いに繋がっていたりするのは、書き損じの描線に執着が絡まっているというニュアンスに取れるけれど、それ自体としてはあまり意味が無い(※単なる盛り上げのための演出の域を出ていない)と思われる。主人公が描く「線」=つながりというくらいの暗示はあるだろうけど。勇者コピーの大量消費についても、「勇者コピーたちは、他人が作った紙の上のルークの模倣に過ぎない(※実際、それらのルークコピーの絵は、目が死んでいる)、そうではなくて、ナツ子にとっての本当の最高&最強のイメージは、彼女自身が実際に出会ったルークの生身の存在であり、その最も鮮やかな瞬間が、第8話の温泉ルークの姿だった(紙の上の絵には存在しなかった、生々しい身体の傷跡を伴ったルーク)」という違いを表すための前座だと解釈できる。

 『通販』第11話は……キャスト(だけ)は良い。羊宮氏も、まだ芝居をコントロールしきれていないところはあるものの、台詞をきちんと咀嚼して表現しようと努めているのは分かる。主演の『小市民』ではダウナーキャラだったので力量が判断しづらかったが、今作での演技を聴いて、「これなら大丈夫だろう、期待していって良いだろう」と思えるようになった。
 それに対して脚本と作画は、局所的に良いところはあるものの、総じて低空飛行。ストーリーは、原作からいろいろアレンジしているのは見て取れるが(順番を組み替えたり、新規イベントを入れたり、背景設定を再解釈したり)、全体としてのイージーさは否めない。作画は、完全に海外丸投げ(※演出、作監、原画、動画検査など。絵コンテと総作監はさすがに国内メインスタッフだが)。


 漫画版『第七王子』195話の「弐王断ち」は、『超人学園』の「仁王断ち」のアレンジかな。石沢氏はこういう古風なフレーズを言葉遊びで格好良くアレンジするのが実に上手い。



 03/15(Sat)

 FAG「出雲」を護衛艦「いずも」にする、あるいは、護衛艦「いずも」パーツでFAG「出雲」をデコレーションする。いくつかのアプローチを検討中。
 1: 主要なパーツを、護衛艦キットで完全に置き換える(飛行甲板や船体側面など)。接続部の処理がちょっと面倒だし、ディテールの一貫性が取れないし、パーツの裏側に空疎感が生まれそうだし、強度にも不安がある。→たぶん不採用。
 2: 護衛艦のパーツを上から貼り付ける(例えば飛行甲板等をピンで取り付ける)。取り外しができるので、変形にも融通が利くし、持ち運びもちょっと楽になるかもしれない。ただし、ゴテゴテに分厚くなりそうだし、塗装手順を考える必要があるし、塗装が剥がれるリスクも残る。貼り付けのできないところもある。甲板面は、FAGの横幅4.3mmに対して1/700護衛艦は5.4mmなので、上から貼り付ければちょうどきれいに覆えるし、外周下側のキャットウォークなどを取り付ける余裕もある。甲板等のごく一部のパーツだけに集中すればよいので、かなり簡単。
 3: 細かな艤装パーツだけを、FAGパーツに取り付けていく(例えば甲板外周のキャットウォークなど)。甲板などの大物は、FAG版そのままにしておく。FAG版のデザイン的統一感は維持しつつ、リアリスティックなディテールを増強できるので、おそらくガールプラモとしての見栄えは一番まともになる。ただし、エッチングパーツの形状がまったく合わないし、取り付けるパーツの取捨選択のセンスが問われる。作業量は少なめだが、完成度を上げるには難易度が高い。
 4: カラーリングとデカールだけを護衛艦ふうにする。最もイージーだが、これはこれでコンセプトが明快だし、いかにも一発ネタらしい雰囲気になるし、とにかく制作作業が簡単になる。武装パーツをグレーにして、甲板の白線と艦番号の表示を入れるだけでも劇的な変化が生まれる筈。ただし、これだけでは少々もったいないとも感じる。ちなみに、護衛艦キットのパーツが丸々残るので(※ただしデカールだけは無くなる)、そちらはそちらで艦船模型としてフルに組むことができる。

 うーん、どうしようかな。おそらく、どの形態でも上手くいくと思うのだけど、なかなか迷う。当初は第3案のつもりだったが、第2案も艦船模型のハイディテール造形を活用できるのでかなり魅力的に思える。第4案については、すでにFAG「金剛」には護衛艦ライクなグレーカラー版キットが出ていたらしい(限定販売)ので、色変えオンリーだとただの二番煎じになってしまう。

 以前のネウロイ化「赤城」や『アルペジオ』キットの時と似たようなアプローチになっている。つまり、トップダウンではキャラもののコンセプトがあり、ボトムアップではスケールモデルのディテール追求をするという、文字通りのミキシング制作。個人的に、こういう邪道を切り開いていく試行錯誤は非常に楽しい。

 とりあえずパーツを切り出した時点での感想。
 パーツ精度がかなり向上している? 腕などの合わせ目に、ほとんど隙間が出ない。ジョイントの強度も、きつ過ぎず、ちょうど良い塩梅。ただしこれは個体差や気温環境などで変動する可能性があるので一概には言えない。溝モールドも十分なクオリティで、スミ入れがきれいに流れる。
 構造面。腰部は擬似オムツ型。ただし、前屈はほぼ不可能で、後ろに反らす方だけ。また、腰部に左右スイングが導入されているが、効果のほどは不明(※予断ながら、6月発売の「フレズヴェルク=ルフス QIPAO ver.」でも、この腰部左右スイングが取り入れられているようだ)。首のスイングは、胸部(付け根)ではほとんど動かず、頭部からの接続部で曲げられるだけなので、見た目の可動がかなり作為的になってしまう。
 塗り分けをしたい箇所は、ごく一部のみ。基本的には、パーツ分割に沿って塗装するだけで良いかな。ナイフ(シルバー)やスクリュー(ゴールド)は別色にしておくと良いアクセントになるだろう。アームのラベンダー色も、メタルカラーを吹き付ける方が良さそう。
 大量のリベット(?)表現がかなり下品で、美観を損なっている。下手にスミ入れをすると、「アーキテクト」同様に汚くなってしまいかねない。とはいえモールドを無視するわけにもいかないので、周囲の色と調和するようにしたい。3mm穴は、甲板面だけを塞げば、後はほとんど目立たない。
 艦船「いずも」から組み込める余地は小さい。甲板面と、それから背面に何かを乗せるくらいだろうか。せっかくの大型キットの割に、余剰スペースがほとんど無いのはもったいない(※それに対して「グライフェン」は、両肩、背面、腰周り、メカ腕、脛装甲などにパーツを盛り付けられる余裕が大きかった)。
 手首パーツが、どうして3セットだけなのか……。4つあれば、素体とメカの両腕を全部賄えたのに。こういうところが惜しいのが、いつものKOTOBUKIYAで、いっそ可愛げがある。アーム類も、動かしたい角度に動いてくれないのが、ちょっとストレスになる。左右の甲板パーツの接続部も、短すぎて干渉が激しいので、間に挟むジョイントを追加して可動の自由度を上げたい。
 同系統の「金剛」との違いは、素体の一部(胴体部分と頭部)、甲板面、膝装甲、ライフルくらい。それ以外はほとんど共通パーツ。つまり、手足(素体/メカ)や装甲板(その裏の武器類)は同一。「金剛」由来の余剰パーツはごくわずかで、使いどころは無さそう。

 カラーリングの計画。素体はそのまま(※ホワイトとレッドも成形色のままにする)。素体のメカ四肢と外装全体は、ホワイト→グレーに変更。首元や額のアクセサリーも、装甲と解釈してグレー基調にする。レドームのホワイトが、良いアイキャッチになる筈。レッドは全て艦底色に変更。
 エッチングパーツは、甲板の周囲と、それから両肩装甲に付けてみるくらい? ただの意味不明ディテールになってしまうが、まあ仕方ない。 

設定画どおりのカラーリングを再現する場合は、このあたりを塗装すれば足りると思う。ただし、これらの他に、スミ入れやリベットもあるし、さらにダガーの刃と柄の塗り分けもあるとよい。
ひとまず素体は完成。例によって頭髪塗装とアメジストパールで雰囲気を出したつもり。武装も大半を塗装してあるので、後はいくつかのパーツを塗装してからスミ入れなどの細部を整えて……それからさらに艦船パーツを仕込む予定。

 B部門は、KOTOBUKIYA製パーツのみ許可とのこと。なので制作中の「出雲」は参加不可。もっとも、甲板の白線を自力塗装したりすればなんとかレギュレーションは満たせるけれど、そこまで無理をして参加するつもりもない。大物の「シタラ」を引っ張り出してきて参加するというのも一案だけど、うーん。
 こういうイベントの目的は、「ショップに注目を集める(宣伝効果)」、「参加するためにキットを買わせる(販売促進)」、「購入/出品/鑑賞のために来店させる(直接的集客)」なので、参加のハードルを上げるのは意味が無い。「メインキットがKOTOBUKIYA」くらいの条件で十分だと思う。もしもこれが競技性の高いコンテストであったり多額の賞金が出たりメーカー後援/主催/協賛だったりする場合には、条件を厳格にする必要性もあるが、今回のは緩くすべきだったんじゃないかなあ。

 追記:お店で応募用紙をもらう際に軽く質問してきた。他社スタンドは(推奨はしないが仕方ないので)容認っぽい。汎用的なデカールやシールはぎりぎりOKだがBANDAIのものなどは駄目とのこと(※推測込みで言うと、ハイキューのデカールやHASEGAWAのFINISHシートはOKだが、他社の特定のキットに封入されているデカールから流用するのはNGという趣旨のようだ)。


というわけで、護衛艦カラーの「出雲」をひとまず組んだ。ここからデカールなどを貼り付けてデコレーションしていけるのだが、うーん、どこまでやろうかな。
キットの形状としては、ガール本体に、背中等からアームを伸ばして。計6枚のシールド(+ライフル)を浮かせるだけで、ギミックは物足りない。下記のように艦船スタイルへの変形もできるのだけど、ただのスカスカなハリボテだし……。
船体モード。ここからさらに、メカ脚部を装着させることもできる。この形状は、元のロボット版「出雲」の時点から安っぽいとの批判があったが、ガール版でも結局どうにもならなかったようだ。とはいえ、船体らしさが強調されるので、フェティッシュな魅力は確かにある。
武装の幾何学的なシンメトリー配置を考えると、こんな感じにできる。設定画やメーカーのサンプル写真では装甲の裏側を見せてしまっているが、表側を前にすべきではなかろうか、という機能面での考慮もある(※もっとも、裏面の方がディテールが多いので見どころになるという考え方もある)。

 武装形態について。元のFA「金剛」はダサかったが、FAG版の「金剛」では、水上バイクのように見えなくもない形状で、あれならば良いと思う。しかし今回のFAG「出雲」は、再び意味不明な状態になってしまっている。さすがに誉められない。仕方ないのも分かるけど……。まあ、飛行甲板という大型のキャッチーなパーツなので、これはこれでキットの特徴を強力に打ち出していると捉えておこう。

 塗装について。ガール本体はパールコートで、質感を変えた。武装部分は、艦船模型用の塗料をベースにしつつ、武装の芯はメタルブラック、支えのアーム類はチタンシルバーとした。
 いくつもの武装ユニット群を背中のサブアームからプカプカ浮かせておくのは、わりと苦手。MDの『アリスギア』シリーズに典型的なやり方だが、造形的な一体感の観点からして、あまりにイージーに見える。FAG「白虎」や「グライフェン」のように、ガール本体としっかり融合して一体化させているデザインの方が、個人的には好み。
 カラーリングから、『ストライク・ウィッチーズ』のネウロイを連想してしまった。さすがに「フレームアームズ+ガール+ネウロイ+護衛艦」はやり過ぎだろう。ただし、技術的にも、作業量の観点でも、けっして難しくはないので、ネタ精神を発揮したら着手してみるかも。

 私の基本的な制作スタイルは、「機能性を見て取れるようにすること」。格好良さやリアリズムよりも、記号的なパーツ識別の明快性を重視する。つまり、「この物体は何であるか」が理解できるようにする、言い換えればその立体物の各部の構造と意味が把握できるようにすることを目指している。そしてカラーリングに際しても、できるだけ機能-構造を反映するようにいる。だから、例えば「ここは本体由来のパーツ、ここは追加武装のパーツ」といったような区別ができるように色を変更したい。
 そもそも、護衛艦カラーを構想したのも、「ガール部分と武装部分の色調の違いを際立たせたい」というのがきっかけの一つだった。元々のデザインでは、ガールも武装も全てが白黒のままだが、装甲パーツをグレーに変えることで、「カラフルで曲線的なガール部分と、シックで武骨な艦船パーツ」のコントラストが生まれる。そういう効果を期待した……のだが、はたして上手くいっただろうか。

 ともあれ、こういう越境的-混淆的なスタイルは楽しい。つまり、ここでは「キャラクターモデルにスケールモデルの技法を取り入れる」、「スケールモデルにキャラクターモデルの美意識を投影する」というアプローチになっている。いや、まだ完成してないけど。


 ちょっと面白かった(?)話。mastodon英語系サーバーで、日本人たちがtwitterを離れないことについて書いたら、他のユーザーから「世界はあなたみたいな米国人ばかりじゃないよ、日本人には日本人の難しい事情もあるんだよ」(大意)というリプライをいただいた。野暮な説明になるが:
 1) 「アメリカ人以外の存在も考えよう」と言うその人物自身が(※おそらく日本人ではない方が)、私のことを「アメリカ人だろう」という思い込みを持っておられたという状況。予断って怖いよね。もしも、その相手も日本人だったら(つまり日本人どうしがお互いを非-日本人だと認識していたとしたら)、さらに面白い状況になるのだが、たぶん外国の方だと思うけれど、日本語圏のネット界隈もよく見ておられるようだし、例えば「英語ベースで生活している在外日本人」くらいの可能性はある。いずれにしても、相手のバックグラウンドは、自己申告されないかぎり、分からない(確定できない)ものだよね。
 2) 私の投稿を見て、英語ネイティヴだと思われたのだとしたら、それはそれで嬉しい。つまり、おかしなところの無いきれいな英語で書けていたということだから。とはいえ、研究者としてやっていれば最低限整った英文を書けるのは当然だし(※それでもまだ間違いだらけだけど!)、文章の中身こそが重要なのだが。
 3) 話者のバックグラウンドは、投稿文面だけからは伝わらないものだし、それが伝わっていない相手には、話の文脈が大きく誤解される可能性がある。例えば、日本国内の問題を批判したり愚痴ったりする場合に、それが「日本人の当事者としての投稿」なのか、それとも「他国人が傍観者として日本人たちに言及している投稿」なのかでは、同じ文章でもコンテキストと意味合いが大きく異なる。そして、後者として取られると、「日本人をバカにしている投稿」として読まれてしまう危険性がある。これはちょっと怖い。対処としては、例えば日本人のことをthey/themではなくwe/usで書くとか、いろいろやり方はあるけれど。とはいえ、英語圏オタク界隈で日本人アピールをするのは、威張っているように見られる虞もあるので、そういう姿勢は見せたくない(※アニメや漫画などのオタク界隈では、「日本に住んでいる」というのは依然として絶大な特権的地位なので)。
 4) もっと言えば、日本人が英語で日常的なSNS情報発信をする事例がきわめて稀だという事情もある。なにしろ1億人の人口規模があるので、日本語圏のSNS空間にいるだけで十分満足してしまいがちで、海外(外国語空間)にまで出て行くインセンティヴは乏しいし、ましてやオタク界隈では尚更、日本語圏こそが情報発信源なのだから。「日本人で+オタクで+英語で+mastodonで+定期的に投稿している」という条件を満たすユーザーは、私以外にも見かけたことがあるが、本当に少ないと思う(※ただし、クリエイター系アカウントでは、英語投稿も目にする)。私はそういう内輪志向が嫌だからこそ、わざわざ日本語圏を離れているのだが。

 ただ、本当に真面目な問題として、日本語環境のtwitterは英語圏の悲惨さに比べるとはるかにマシだし、大多数の日本人にとってはあのファシストオーナーの蛮行も遠い世界の他人事でしかない、というのは、まあ、それはそれで確かなのだろう。そういう温度感と距離感の違いは、確かにある。現状の日本語圏もすでに十分有害だと思うけれど……。


 ロマサガ2で、いきなり最終皇帝プレイはやったことが無いなあ……(あるいは類似コンセプトの「最小年数クリア」も)。リメイク版は知らないけれど、オリジナル版で難しいのは、使える陣形が極端に制限されるのと、加入できない仲間がいるのと(※それに応じて、習得不可能な技もあるかも)、技道場の開設が遅れるのと、ロックブーケ対策に気を遣うくらいだったかな。
 4000年プレイは、攻略サイトを参考にしつつ、一応自分でやりきったことがある。あれは難易度の問題というよりは、計画性と根気の問題なので、あんまり面白くはない。ただし、中盤から雑魚敵がやたら強くなって、即全滅の危険がずっと続くので、ノーセーブだとかなり難しい。



 03/10(Mon)

 漫画やプラモデルや円盤をいろいろ購入。
 FAG「出雲」がイエサブで安値販売していたのでつい買ってみたのだが、……あ、今月の新作だったのか。ずいぶん前に発売されていたような気分だった(※元キットの「金剛」は2023年5月)。FAGシリーズは今のところ全系統を買って(もちろん組んで)いるのだが、マガツキ系連発に食傷してしばらく距離を置いていたのだった。「アヤツキ」が2022年11月発売だったから、FAGキットを買うのは2年4ヵ月ぶりなのか……。
 KOTOBUKIYAでは、メガミもこれまで全ての系統を、少なくとも一個は作っている(※あくまで純正シリーズの話。コラボキットはあまり手を出していない)。こちらのシリーズは半年に一つくらい、定期的に新作を買って作っている。
 ともあれ、「出雲」はせっかくだからグレーに塗って護衛艦「いずも」っぽくしてみようかな。


 中国(マカオ)のTrumpeter「トランスフォーマー:オプティマスプライム」も買ってみた。
- 造形面では細密ディテールをふんだんに盛り込み、
- ランナー塗装済みパーツを大量に導入し、
- BANDAIのタッチゲートのように、細く絞ったゲートを採用している。
今後のプラモデル界隈は、こういうアプローチが普及していくのかなあ。

オプティマス・プライム(コンボイ)。中国メーカーらしく、パイプやシリンダー、リベットといったメカニカルなディテールを大量にモールドしている。無塗装でも見栄えは良さそうだが、せっかくなのでリベット(金色)や配線類(銀色)などを筆塗りし、ちょっとだけスミ入れをした。これほどの密度でありながら、サイズはわずか12cm。

 ちなみに、関節部の多くをポリキャップで受けているが、小サイズなので負荷は大丈夫だろう。価格は、童友社価格なのに税込4400円くらい。この出来映えであれば、むしろ安いと言っていいくらい。プラモデルというのは、こんなふうにして新しい体験、新しい造形、新しい美意識に出会えるのが一番嬉しい。

 『トランスフォーマー』シリーズはよく知らなかったけど、上記キットはどうやら2023年の映画『ビースト覚醒』でのデザインをプラモデル化したようだ。つまり、Trumpeterオリジナルの造形というわけではなさそう。とはいえそれでも、これほどの精密感のあるキットに仕上げてみせた力量は、さすがTrumpeterと言うべきだろう(※艦船模型でも多数の大型キットを出しているメーカー)。


 アニメ『通販』第9話は、本格的に絵が動かなくなって、止め絵とチープなスライド移動が目立ちだした。キャラの表情も粗っぽく、おそらく現代クール制アニメの最底辺レベルになっている。ただしその一方で声優陣はいよいよ凄味が増してきて、今回は、なんと日笠氏(子爵夫人役)まで出演されている。タイトルどおりの「アラフォー」世代の視聴者を狙い撃ちにしたキャスティングなのだろうと考えれば、あまりにも的確な座組だ。主演の諏訪部氏が説得力のあるモノローグ芝居で物語進行をリードしているおかげもある。
 動きの単調さだけでなく、頭髪や瞳孔表現がやけにギトテカしているのも含めて、なんだか一昔前のアダルトアニメを見ているような気分になるが、やたら快適な進行とポジティヴな雰囲気とちょっとしたネタテイストと声優の芝居のおかげで、全体の雰囲気はなかなか気持ち良いというのが不思議だ。脚本面でも、限られた尺の中でところどころアレンジを利かせていてキャラの見せ場を作っているのが見て取れる。制作会社「イーストフィッシュスタジオ」は2017年設立とのことで、これまで10作以上のキャリアがあるようだ。

 キャラクターも、わりと好みになってきた。特にプリムラは事業にも恋愛にも情熱的で、ビジネスチャンスには敏感に反応して真顔で主人公を問い詰めるし、商会一族らしく口調はパートナーに対しても非常に礼儀正しいし、それでいて可憐なところもあり、ライバル組織からの妨害に苦しむデリカシーや、たまに見せるオモシロ驚き顔も含めて、現代アニメとしてはちょっと珍しい方向性での掘り下げがある。
 漫画版も買ってざっと読んでみたのだが、第6巻以降に登場する王女「リリス」が、これまた魅力的に描かれている。したたかで自信家な小柄ヒロインなのだが、非常に理知的で物事の理解が的確だし、対等な交渉がきちんと通じているし、人道意識と責任感と洒落っ気もあるし、そして彼女自身が人生を楽しんでいる。ちっちゃいけどナチュラルに大人びて堂々としているアクティヴな有能キャラっていいよね……。
 作品全体としては、成り上がりを目指さず(※実際の物語はともかく、少なくとも主人公の意識としては)、スローライフ志向の小さく親密な家族共同体を目指すという意味で、「異世界のんびり」系のオーソドックスな路線に棹さすタイトルと言える。また、様々なJRPG的「スキル」を前面に出すことはせず、主人公に与えられている最初の一つの特殊スキルを合理的に活用することで状況を好転させていくというストイックさも、さらに、農工業的な技術導入のプロセスを真面目に描写しているところも、『のんびり農家』を連想させる。

 アニメ版は、子爵夫人の依頼をこなして、王都からの呼び出しを受けて、そして橋桁の壊れた川を渡るところ(※EDで描かれているシーン)までで切り上げるのだろうか。

 『全修。』第10話はいよいよ深刻なストーリーになってきた。コンテ(絵のレイアウト)も抜群の切れ味で見応えがある(夕陽の入れ方とか、良いよね……)。シチュエーションそのものは、いわば過去改変SFの変種のようなアプローチだが、原作のないオリジナルアニメならではの緊張感がある。ここまで凄い作品になってくるとは、まるで予想できなかった。
 いろいろな要素を大量に投入しているので、どこが基軸になるか分からないというのもある。「異世界もの」、「アニメーター(クリエイター)主人公」、「名作パロディ」、「主人公の初恋」、「作中世界の謎(鳥監督の目的)」、「改変SF」、等々。これらの要素がどのようにして結末を与えられるのか。
 この回を視聴していてようやく気づいたが、砂漠の街の風景や姫ヒロインは『Star Wars』を下敷きにしているのかもしれない。ヒーローの名前も「ルーク」だし。
 それにしても、『デビルマン』原作漫画のあのシーンがもしもアニメ化されていたら(……されていないよね?)危ないところだった。街の人々によるナツ子襲撃は、明らかにそのシチュエーションそのものだったので。


 うーん、レギュレーションが狭すぎるのでは……という懸念がある。
・SDジャンルは、キット数も、それを作っている人も、かなり限定される。
・KOTOBUKIYAという一社縛りも、スポンサーを受けていない独自企画としてはかなり異様。
・年齢制限(25歳以下)は、これはこれで良い枠設定だが、かなり間口は狭い。
今回は参加できそうにないかも。この一年間で組んできた中では、出せそうなのはSDガンダム3体セットくらいだが、今回は1体限定(複数キットを並べるのは原則不可)なのが辛い。あれは、3体を見比べることで面白味が出てくるので。それと、他の参加者とネタ被りしそうなのも危ない(※被ってしまったら相手に申し訳ない)。
 昔制作したキットでいいなら、KOTOBUKIYAの「アリシア」、「マガツキ」系列、「シタラ」、あっ、今から一ヶ月で「出雲」を完成させればいいのか。上記の護衛艦モード+スケモパーツ盛り付けだったら、他のモデラーとネタ被りする可能性も低いだろうし、せっかくだから、やってみようかな。

 web検索すると、前作「金剛」を「こんごう」にするどころか、ロボット版FA「金剛」のパーツと組み合わせて雲龍型空母のような迷彩塗装まで施している作品があった。やるなあ……。

 花道とかfxx速とかニッパーとかは、大嫌いなので絶対に開かない。特にf速は無断転載サイトなので最悪中の最悪。


 艦船模型1個(3500円)、エッチングセット1枚(約2000円)、それから塗料などをちょっと買っただけで9000円を超えるのは何故だ。せいぜい7000円台のつもりだったのに。解せぬ。(※内訳:模型3500+エッチング2100+Finemoldsの精密アフターパーツ1300+塗装用マスク600+パテ600+塗料700+空瓶400=9200円。当然ながら、ちゃんと数字は合っている。合っているのだが……)
 というわけで、「出雲」で「いずも」もどきを作るプランを練っているところ。せっかくだからいろいろなディテールを盛り付けていきたいが、エッチング手摺などを取り付けたら動かせなくなるという問題もある(※キャラにポーズを取らせるだけで破損しかねないし、ましてや展示会に持って行こうとしたら途中でボロボロになりそう。通常の艦船模型とはまた別の運搬ノウハウが必要になる)。いずれにしても、飛行甲板の穴ボコは美観を大きく損なうので、きちんと塞いでおきたい(※幸いにも、ランナーを切って差し込むだけで穴を埋められる)。

 今日も模型とともに漫画を大量に買い込んできたのだが、置き場が……。置いてはいけないところに置いてしまえば(表面上は、暫定的には)解決するのだが、それはやはりさすがにまずいので……。


 それにしても、ハーバーランド(神戸港に面した大きな商業施設)のすぐ向かいの岸に潜水艦がプカプカ浮いているというギャップは、いつ見ても笑える(※いや、笑っていいのかどうかはともかく)。おやしお型か、それとも最新のたいげい型なのかはよく分からないけど。
 ハーバーランド付近は、アイキャッチになる施設がきれいに並んでいるので、私のような素人が適当に撮ってもなんとなくベタに良さそうな感じの写真に収まってしまうのが、なんだか癪に障る。



 03/04(Tue)
 
chitocerium「hydra」の上半身を撮影。ディテールを写真に反映させるのが難しい……。
MD「朱羅:九尾(祭)」。素肌パーツはそのままで、着衣等はパールコート、頭髪には筆塗りでシェード(毛筋)表現、そして爪や模様部分にもレッドを乗せた。

 chirtocerium「hyrda」も完成。グレー+パール(頭髪)、ゴールド(王冠パーツ)、レッド(王冠パーツ)は吹き付け塗装で、それ以外は無塗装。レッドは成形色のままだとテカテカで下品なので、グレーを混ぜた塗装で彩度を下げた。
 キットの完成度は非常に高い。股関節の構造などに意欲的な試みが見られるし、上腕の布地表現なども上手く決まっている。キャラデザの観点でも、ツンデレ風味の強気ツインテール女王キャラという、オーソドックスで受けの良さそうな路線できれいにまとめている。シルエットは、第1作「platinum」に戻ってきたような感じ。「platinum」(スレンダー)→「carbonia」(頑健)→「tanio」(※ネコ)→「albere/efer」(低年齢)→「urania」(やや小柄)と来て、今回の「hydra」も高さ17cmのスレンダー体型になっている。
 杖のレッドパーツ(眼の部分)は、変形時には王冠に取り付けるよう指示があるのだが、気づかずに接着してしまった。まあいいか……。

 MD「九尾(祭)」は、四肢やボディを最新版にアップデートしてある。先月も述べたように、肘関節をシンプルな一軸ジョイントにしたのは、今後も踏襲していくのだろうか。メリットは「素人でも組みやすく」「分解補修も容易で」「腕パーツの合わせ目も出ない」「シルエットもおおむねきれい」で、デメリットは「保持力がやや低い」「見る角度によっては不格好」あたりだろうか。BANDAIキットのように肘の内側が丸く膨らむジョイントは苦手なので、こういうシンプル関節も選択肢としてありだと思う。
 朱羅系列ではあるが、元々の(最初の)「忍者」キットから残っているパーツは、おそらく頭髪の一部だけ。「テセウスの船」を完遂するまであと一歩!

 「時雨」は、連装砲も1/350スケモとほぼ同サイズなので、丸ごと置き換えることも出来るだろう。見比べてみると、精密感とディテールの繊細さは、さすがにオーセンティックな艦船模型パーツの方が上回っている。「時雨」の方は、モールドが大味で、誇張が激しい。ただし「時雨」の方も、スライド金型を導入して、ひとまず必要なディテールが再現されるようにワンパーツ成形しているので、頑張ってくれてはいる。


 春アニメのメモ。cf. [ https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=5228 ]
 現時点で64タイトル(+再放送5タイトル)が記載されており、そのうち2期が9本、3期以上やスピンオフが9本。続編率28%はやや低め(※この冬クールは続編率34%だった)。

 嬉しいことに、オリジナルアニメが9本もある。具体的には、遠未来のホテルもので旧GAINAX系のスタッフが多そうな『アポカリプスホテル』、既存のyoutuberキャラをアニメ化した『ツインズひなひま』(AI作画を大幅に取り入れているらしい)、キャラクターCD発の『華Doll』(※オリジナルとは言いがたいかも)、群馬舞台の『前橋ウィッチーズ』、Yanmar社が関わっている遠未来オムニバス『未ル わたしのみらい』、架空の薬害サスペンスとおぼしきネタが被ってしまった『ユア・フォルマ』と『LAZARUS』、そして上松範康氏が関わっている音楽ものの2本『クラシック★スター』『プリンセッション・オーケストラ』。このうち、『ホテル』『未ル』『フォルマ』『LAZARUS』『クラシック』あたりは視聴してみるつもり……多すぎて大変なのはともかく、オリジナルアニメが豊作なのはたいへん喜ばしい。
 ※追記:『フォルマ』は、原作ありだった。

 そして、SF豊作のシーズンにもなるようだ。上記『ホテル』『未ル』『フォルマ』『LAZARUS』に加えて、エイリアンコメディの『宇宙人ムームー』、悠木碧氏がサブモンスター役を一手に引き受ける(?)『かいじゅうせかいせいふく』、金元寿子氏主演の『GAMERA Rebirth』、ガンダム新作、そして格ゲー由来の『GUILTY GEAR STRIVE』もSF設定があるし、中国アニメの吹き替え(?)の『この恋で鼻血を止めて』もウルトラマンっぽい宇宙人寄生シチュエーション。どれも面白そう。

 その一方で、ファンタジー/異世界ものは、かなり数を減らしている。洋風ファンタジーでは、キャストが物凄い『ある魔女が死ぬまで』、『天才治癒師~』、『片田舎~』、小松未可子氏が少年役で主演する『勘違いの工房主』、『完璧すぎて~』、『ゴリラの神』の6本に、それから転生ものの3本がある。これら洋風ファンタジー作品の割合(9/64 =14%)は、前クールの36%から大きく下落している。
 これらの他に、和風ファンタジー2本と、現代世界ファンタジー5本などがある。和風歴史ファンタジーの『神統記』は、田村睦心氏が青年役で主演される予定。

 学園ものやラブコメは、2024年はたまたま人気作品が続いたが、この春クールは再び沈滞傾向にある。学園ものが3本と、ラブコメ5本、さらに恋愛中心のタイトルが2本。『小市民シリーズ』2期は、神戸守氏がひきつづき監督であれば視聴する。エロコメ寄りの『鷹峰さん』は、いったいどのような映像でアニメ化されるのか……。ちなみに、部活/ホビーものも4本。

 その他。動物ものがわりと多くて7本(『コウペンちゃん』もある)。バトル系ジャンルも9本に及ぶ(『真・侍伝 YAIBA』も、女性声優が少年役を演じている……ショタ豊作のシーズンになりそう)。歴史要素のあるタイトルも4本(『アン・シャーリー』など。『ニンジャバットマン』って何?)。音楽ネタも4本、スポーツ2本、ミステリ2本、ロボット2本。

 女性主人公と思われるタイトルは28本と、かなり増えた。28./64≒44%と、男女比がほぼ半々になっている。
- 狭義(?)の女性向け:『ある魔女』『アン』『完璧すぎて』『ゴリラ』『ディナーのあとで』『ロック』。
- 男女恋愛もの:『阿波連さん』『九龍ジェネリックロマンス』『鼻血』。
- 実質的に男性向け=萌え系や女性だらけ:『ウィッチウォッチ』『グレイ』『ざつ』『スライム』『ダークエルフ』『ツインズ』『忍者と殺し屋』『鷹峰さん』『ボールパーク』『アイプリ』『前橋』『mono』。
- その他、女性主人公もの:『ホテル』『ムームー』『GAMERA』『GQX』『中禅寺先生』『ばいばい、アース(2期)』『プリンセッション』『フォルマ』。

 キャストの観点では、先述の『ある魔女』が種﨑氏、日笠氏に榊原氏も出演される。『ウィッチウォッチ』も素晴らしい座組。ファイルーズあい氏は『ばいばい、アース』『ボールパーク』で主演。上田燿司氏は『悪徳領主』『ボール』に出演される。
 
制作スタッフに着目しても、いろいろと興味深いものが見えてくるが、さすがにそちらはジャンルやキャストのように一律の評価はできないので、ここでは割愛。 監督の過去作を他チェックすると、新作の方向性がある程度予想できたり、スタッフ編成を見ればクオリティ面の期待ができたりするが、実際にどうなるかは蓋を開けてみなければ分からない。

 ラインアップ全体として見ると、キャッチーな大作は少ないものの、意欲的なオリジナル作品が多く、非常に恵まれたシーズンになりそう。実際、各作品がどのくらいのクオリティで、いかに意欲的な表現を追求してくれるかは分からないけれど。


 近所のセリアにもガールプラモ関連グッズコーナー(ではない)が出来ていたので、いろいろ買ってみた。ドラム缶風呂に入れてみたり、木箱の上で格好をつけさせてみたり、浮き輪を持たせてみたり、檻の背後に置いてみたり、作業用ヘルメットでTHEガッツさせたり、小箱の中にあれを入れて『SE7EN』ごっこをさせたり、ポリバケツでメリークリスマスしたりと……なんだか楽しみ方の方向性がおかしいな? さすがに洋式便器に座らせるのは、あまりに気まずいので止めたが。
 釣りのジグ(ルアー)も置いてあったので、試しに買ってみた。3本の針にそれぞれ返しがついていて怖いし、鉛製なので重たいし、針がクルクル動いて扱いづらい。もちろん、これ自体は百円ショップのチープな小物に過ぎないのだが、釣り趣味の人たちがどういう道具を使っているのかについて、ちょっとだけ実感を伴って理解が進んだ。
 それにしても、商品のクオリティからして300円かと思っていたら、100円だったのに驚いた。カプセルトイだったら、下手をすると500円でもおかしくないくらいの出来なのに……どうやったらこれを100円で販売して事業が成立するんだ……。


 アニメ『通販』第8話。ついに小林ゆう氏のキャラ(トラ獣人)が登場し、長縄氏のキャラも(脚本アレンジして)ひきつづき出番があってホクホクしていたら、最後に小清水亜美氏(貴族婦人キャラ)まで出演された。というわけで、キャスティング面では、今期トップクラスに贅沢な作品になっている。こういうコスト配分は大歓迎。
 小清水氏は、自由闊達なキャラのようでいて、芝居に関しては非常にデリケートで誠実な台詞解釈をしたうえで、それを演技の表情づけとして構築されている。真面目すぎるので、時として大人しい芝居になってしまう場合もあるくらいだが、たいていの場合はたいへん鮮やかで説得力のある語り口を映像に乗せてくれる。そういう意味で、私が最も信頼している役者さんの一人。今回の芝居でも、呼吸感のある台詞のリズムが濃密なムードを作り出していて、この最後のたった1分間が強烈な存在感を放射している。相方の羊宮氏も、台詞のエッジの立ったヴィヴィッドな芝居をされている。
 ところで、「キバクマ」って何だろうと思ったら、「牙熊」か……。

 『全修。』第9話は、今回も充実した内容になっている。前半は総集編的な進行だが、それが後半に向けての布石としてきちんと機能している。バトルシーン動画も、相変わらず良く動いている。
 最初の4話はかなり退屈だったのだが、第5話から影の濃い描写が増えてきて、第7話からは本格的にキャラクターの掘り下げに向かっており、さらにはこのアニメ内世界の構造と運命へと焦点が移りつつある。
 ところで、QJの動きがノイエ・ジールっぽい。偶然の一致かもしれないが、三本指のアームも連想を誘うし、意識されていた可能性はある。
 QJ役の陶山氏はさすがの名演だし、ルーク役の浦氏も良い芝居をされているし、朴璐美氏も迫力ある低音演技を披露されている。スタッフインタヴュー等によると、声優が先に録音してから絵を合わせるプレスコ形式で制作されているとのことで、音響的な流れの良さも得心がいく。

 『ソロ討伐』第9話は、急激にクオリティが落ちた。絵はろくに動かないし、レイアウトも美しくないし、脚本もチープで、まるで見どころが無い。主演声優は、相変わらず芝居の空転が多くて下手だと思うが、「元気の良い怒声を出せる」という観点では役に合っているので、まあこれでいいかなと。


 漫画出版社の公式サイトや配信サイトは、どうして気が利かないのか……。例えば、配信サイトから単行本情報にアクセスできない。既刊や発売日のデータが軽視されているとも言う。目の前のセールスを追うことだけに汲々としているようで、なんとも寒々しい。
 単行本には、冒頭にキャラクター紹介コーナーを設けてもらえるとありがたい。大量のタイトルを、単行本ベースで断続的に(半年に一冊くらいのペースで)読み続けていると、キャラクターの名前を把握しきれない場合もあるので。