2025/10/05

アニメ雑話(2025年10月)

 2025年10月の新作アニメ感想。
 5本くらいに絞り込んで精読(丁寧な視聴)をしたいところだが……。

●『私を喰べたい、ひとでなし』
 第1話。オーソドックスな風光明媚(愛媛)+異種族(人魚)+トラウマ(タナトス)+百合……いや、属性が多いな? 学内外の空間的な広がりが良く表現されているし、演出面でも水泡や光源表現、時間帯変化、水中音響などを活用していて良い感じ。
 しかし、主演の上田氏が全てを台無しにしている。『冥土様』の時はひとまず聴けて、しかし先の『鬼人』では迫力が無いなあと感じていたが、こんな大根だったのか……。台詞の意味づけが致命的に足りず、ただ空転しているのがまずい。家族を失って虚無的になっているキャラクターを演じるのに、ただぼんやりとしてとりとめもない発声にするのは、素人の所業であってプロのやることではない(※台詞ごとのニュアンスやデリカシーをちゃんと考えて、場面ごとのトーンに合わせつつ芝居をするものだ)。こんな芝居をさせた(この芝居にOKを出した)音響監督にも責任がある。このモノローグに付き合い続けるのはきついかも。もう一方の石川氏(人魚キャラ)の方は、ツヤのある声色と落ち着きのあるテンポで、こちらは聴ける。


●『ポーション』
 一話13分という変則構成。しかも映像は、静止画をAfter EffectsかLive2Dで動かしているかのようなテイスト。主演の本渡氏はしっかり芝居をされているのだが、さすがにこれでは……。ただし、モノローグで延々説明するタイプの作品なので、朗読劇と割り切って流しておくのはありかも。