2025/09/10

2025年9月の雑記

 2025年9月の雑記。


 09/26(Fri)

 ガールプラモ発売表(2)に、センシティヴな内容が含まれるという警告が出てきた。当然ながらまったく思い当たるところが無いのだが、考えうる可能性としては素肌成形色に言及したワードか、あるいは頭髪を指すワードが誤ってえろ判定されたのかもしれない(※このページも引っかかるかもしれないから、そのワードはここにも書けない)。
 再審査を要求しておいたけど、期待はしていない。仮に今回OKになっても、ページを加筆更新する度にまた同じワードが引っかかるだろうし……。


 心身の調子を取り戻すために、明日は六甲山~有馬~摩耶山を一巡りしてくる予定。
 交通機関の利用だと、6000円弱の移動費になる。運行本数はそこそこ多いので(20分に一本程度)あまり遅滞は無いけれど、一つのところをじっくり楽しむほどの時間的余裕は取れない。一般的には、有馬温泉に宿を取って1泊2日でゆっくり楽しむか、あるいは(地元民の場合は)自家用車などでスムーズに回ったり特定の施設をピンポイントで訪れたりするのが普通だろう(※例えば家族でアスレチックとか)。良いレストランもあるのだが、日帰り周遊の場合は昼/夜ごはんのタイミングに合わせるのが難しいし、ゆっくり食べる時間も無い……。
 平日や冬期は六甲ロープウェーが17時台に終わってしまうので、タイミングによっては夜景を見るのが難しい。なので、土日に行くか、あるいは夏休みに六甲→摩耶の順番で回るかの、どちらかになる(※摩耶ロープウェーは、やや遅めの時間まで運行している)。以前は六甲→摩耶で回ったことがあるけど、今回は逆回りで摩耶→六甲でも良いかもしれない。そちらの方がスムーズに自宅に戻れるし。夜景スポットは摩耶(ケーブルとロープウェーの間)の方が有名だが、六甲(ケーブル上)も良い。
 見どころはとにかく多くて、ミュージアム、植物園、アスレチック、ガーデンテラス、六甲山牧場、天上寺、そして有馬界隈に、ケーブル/ロープウェー付近の展望台まである。この時期だと「六甲・ミーツ・アート」も開催されている。日帰りだと、有馬には1時間も滞在できないが、無理に温泉に入る必要も無いだろう。もう一つの問題は、デジカメのバッテリーが一日保ちそうにないこと。予備バッテリーも持っているが、電池補充の用意もしておくかなあ。早い時間から動き出せばゆっくり回れるのだけど、結局はバッテリーの限界と体力の限界に追い詰められるので、ちょうど回りきれるくらいの時間帯で出発するつもり。
 ちなみに、近隣府県や遠方から来る場合は、新幹線の新神戸駅から市バス直通で摩耶ケーブルに行くか、あるいは新神戸から地下鉄等でまず有馬温泉に向かうか、はたまた阪急六甲/JR六甲道から市バスで六甲ケーブルに乗るか、そのあたりが一般的だろう。20時前に山を降りられれば、市街地までは直ぐなので、帰路も大丈夫な筈。
 というわけで、えっ、もちろん一人旅行だよ、ドールを連れていったりなんかしないよ

 以前は、六甲ケーブルからロープウェーまで延々歩いたり、そして帰路も摩耶ロープウェーまで夕闇の中をのんびり歩いたりしていたが、今回はバスでイージーに移動する予定。山中の車道の端をずっと独歩放浪するときの物寂しくも充実した感覚も、大好きなんだけどね……。
 旅行時は基本的に、「自分の目と耳と鼻と肌でその空間を感じる」こととを最優先にしているので、写真はほとんど撮らない。ただし最近は、あえて記録目的で訪れて撮影しまくる場合もある。先日の姫路(城)旅行も、どちらかと言えばユニークな撮影素材を求める趣旨だった。

 コロナ発生以降、大阪の日本橋には一度も訪れていないが、またもう一度、時間のあるうちに行っておきたい。どなたか一緒にポンバ散策してくれないかなあ。チラッ

 というわけで、一日掛けて摩耶山~六甲山~有馬温泉を回ってきた。夜景に関しては、私個人としては別の機会に行けば済む話だったのだけど、旅程プランがどのくらい実現可能かを確かめる趣旨もあったので、夜景のタイミングを組み込めるようにして試してみた。
 有馬は高級ホテルに宿泊することが前提のリゾート地なので、ただ観光客として街中を歩いてもたいした見どころは無い。いや、お寺とか都市景観とか自然とか、いろいろあるにはあるのだけど、特別有名な行事があるというわけではないし、土産物や特産スイーツも大したものは無いので、あまりお勧めはしない。
 六甲~摩耶は、美しい歴史的施設(天上寺)から、食文化(牧場やレストラン)、芸術(イベント)、雰囲気の良いエリア(ガーデンテラスは趣味の良い土産物も売っている)、教養(植物園)、体験施設(ミュージアム)、自然風景(山上からの眺望やきれいな空気)、運動(ハイキング、サイクリング、アスレチック)と、ほとんどなんでもあるという密度を誇る。今日も、ハイキングの高齢者から、家族連れのお出かけ、そして若いカップルもたくさんいて楽しそうだった。私が一番の場違いだったとか言わない。
 今回の反省点と再考箇所。平日と土日の違いを確かめること(特に混み具合)、レストランをきちんと確かめておくこと、牧場や植物園などの個別施設の状況を体験しておくこと、等々。


 漫画やゲームにもY/Vtuberものの新作が大量に現れているが、これは現代のインドア系趣味人にとっては、もはや「普通の日常」なんだろうなあ……。つまり、高校や大学キャンパスが現実的経験なのと同じように、オンラインキャラクターストリーミングもまた、現代のユーザーの多くにとって、もはや「馴染みのある日常の一部」になっている。
 5年前までは、つまり2020年前後には、まだ「新しいもの」「キャッチーなネタ」「注目の新ジャンル」「旬のブーム」といった形で取り上げられがちだった。とりわけ美少女ゲームでは、いわば10年代のVRものの延長のような位置づけで描かれていた。しかし昨今では、Y/Vtuberがいる、あるいはY/Vtuberであることは、なんら特別なことではない。だから私も、特に色眼鏡で見たり、あるいは過度な期待を掛けたりすることはせずにVT系創作物に向き合っていく方が、おそらく公平な評価ができるだろう。
 Vtuberそのものについては、歴史的には2017~2018年頃に大きく伸張したという理解でいいのかな。それ以降はパフォーマーの人数も爆発的に増加していき、2020年になると3D技術の向上や通信インフラの整備、新型コロナ蔓延の影響などもあって、完全に一つのジャンルとして定着し、また海外(他言語)でもVTアーティストが多数登場するようになった。主要コンテンツとしてのゲーム配信が、技術面でもライセンス面でも整備されてきたのも、状況を強力に後押しした。……という感じかなあ。


 秋アニメのPVをいろいろ視聴。主にキャストと演出についての印象をば。
 『悪食令嬢』:主演(中村氏)の芝居が、予想以上に弱々しい。もっと元気で力強く天真爛漫なキャラの筈では……? 映像表現は、中の下くらいだろうか(許容範囲)。
 『グノーシア』:キャストは良いのだが、ちょっと演出がうるさいかも。ところどころ、3Dめいたヌメッとした映像が現れるのもあまり好みではない。残念ながら、期待度が低下した。しかも、ループ人狼もので12話もの長丁場を保たせられるのかという疑問もある。
 『最後にひとつだけ』:瀬戸氏主演。芯のある声だが、台詞の掘り下げが足りない。しかしアクション表現を含めて、絵は良さそうなので、期待の度合いを高めてひとまず本編視聴してみることに決めた(※ストーリーからして、後述の『ラスボス』と択一でどちらかだけで十分かもしれないが)。
 『ツーリング』:背景美術が予想上に良さそう。ポストアポカリプス日常ものは食傷していたが、これなら視聴優先度を上げてよいと思える。富田氏は十八番のダウナーキャラ……いや、多芸な方なので、得意キャラの幅は広いけれど。
 『素材採取』:安っぽい。これは駄目かなあ。小市氏はエルフ役で、登場頻度は不明。小市氏目当てだけで視聴するのはさすがにきついかも。
 『千歳くん』:キャスティングが一級品。視聴覚演出もまずまず良さそうなので、期待して視聴しよう。なお、分割2クールとのこと。今期の羊宮妃那枠。
 『東島』:シリアスなネタアニメっぽい。『劇光仮面』ほどではないにせよ、深刻な状況になっていくようだ。ただし、アクション作画は控えめなようで、映像的な面白味はあまり期待できない。ファイルーズあい氏のキャラは、PVではほとんど目立たず。うーん、特撮ジャンルには興味が無いし……。
 『ユウグレ』:第0話時点では、SFとして今一つのようで、少々がっかりしている。オリジナルアニメなのでなんとか付いていきたいが、終末ものは『ツーリング』と被るし……。
 『ポーション』:いかにもな激安アニメだが、主演の本渡氏はなかなか良さそうなので、いっそオーディオドラマとして流し視聴するには向いているかもしれない。……うーん。
 『ラスボス』:小清水氏主演の信頼感。敵方メインとして速水氏も出演。演出も外連味があって良い。ただ、ちょっとくどいかも……。主演以外のキャストが個人的にピンと来ないのも気掛かり。
 『私を喰べたい』:主演2人は今一つだが、シチュエーションの良さで行けるかも。保留。監督の葛谷氏は、80年代からのキャリアのあるベテラン(絵コンテ、演出、監督など)。
 『ワンダンス』:ダンスシーンは3Dモデリングそのままで、筋肉を動かしている力感や身体の重量感がまるで感じられない。それ以外のシーンも、映像として退屈しそう。羊宮氏(メインヒロイン?)の濃密な芝居をじっくり聴き込めそうなのだが……うーん、もどかしい。激しいダンスシーンを2D作画するのは非常に大変だろうというのは分かるのだが。監督はVFXに通暁している映像作家で、アニメ監督歴も長いので、なんとか上手くやってくれたらと思う。


 今年度後半のガールプラモ購入計画。
 △10月:MODEROID「バスターマシン7号」。買えたら買ってみるかも。
 ○10月:30MP「綾波レイ」。店頭で見かけたら買うつもりだが、確保できないかも。このシリーズはまだ一つも買って(組んで)いないので、キットの出来映えを確かめておきたい。「30」シリーズの一環だから、大差ないだろうけど。
 △10月:アルカナディア「メルティーナ」。キャラはあまり気が進まないが、構造を確かめておきたいので(またそれかよ)。蛇キャラと言えば、例の「邪神ちゃん」もまだ積んでいた。
 ◎12月:HASEGAWA「アリア」「シエル」。18年前の「フェイ・イェン」からどれだけ技術を積んできたかなあ。「フェイ・イェン」「ガラヤカ」ではPOM関節を使用するという当時としては先進的な試みもしていたが、それ以外の作りがヤワで、扱いの難しいデリケートなキットだった。あの縞々模様は全てデカールだったし。
 ○_1月:PLAMATEA「ミューズボディ・いちか」。これもお試しで。どこかでカジュアルに買えるだろうと高を括っている。
 ○_2月:PLAMATEA「アイリス=ブルックナー」。井澤詩織ヴォイスなので。(えっ?)
 ◎アルカナディア「ギィ」。キャラの好みで。このシリーズも大ボリューム路線に舵を切ってきたが、まあしばらくは定期的に買って付き合っていこう。
 ◎_2月:AOSHIMA「けもプラ」。どちらでもいいので、どこかの店頭で買えるだろう。

 その他、BANDAIの新作キットはなかなか買えないし、クオリティについても販売姿勢についても不満があるけれど、店頭で見かけたらどれか適当に買うことがあるかも。
 海外キットも、イエサブなどの店頭で見かけた時だけ買うようにしている。通販購入でもよいのだけど、できるだけ国内市場にお金を落としたいので(※外国嫌悪などではなく、身近なショップやメーカーの応援になればという趣旨と、通販企業よりも小売店にお金を落としたいという考えから)。店頭で7000円で買える商品を、海外通販で5000円で買ってしまうことには、いささか疚しさを覚えざるを得ない。



 09/20(Sat)

 「薬師寺久遠」(通常制服)を買いに行っただけ……の筈なのに、漫画の新刊単行本を30冊も抱えて帰宅することになっていた。どうして……。一日で20冊くらいはたまに買うけれど、今回のはさすがに珍しい。
 買うと決めている作品/作者は、店頭で目にした瞬間に籠に入れていくので、うっかり「アクリルスタンド付き」などの余計なヴァージョンで買ってしまうこともある。個人的には、そういうおまけは要らないし、店によっては特典を取り出してくるのに時間が掛かるので、ただ本だけを買いたいというのが正直なところ。


 新作プラモ「薬師寺久遠」について。
 1) 頭部は1種類だけで、少々寂しい。初期三人衆では3つも作れたのに……。フェイスパーツは3種類。視線の向きが正面/左/右なので、便利に使い分けられそう。なお、パッケージには「左向き笑顔」「左向き通常顔」「右向きファンサ顔」も載っているが、これらはあくまでデカールを使用した場合の例で、印刷済みパーツは「右向き笑顔」「正面通常顔」「左向きファンサ顔」。本当にこれはややこしいし、誤解を生みやすいよね……。縛った後ろ髪は、差し込みの回転軸があるだけで、ほぼ無可動。また、垂らした形状だけで、パッケージアートのようになびかせることは出来ない。
 2) 胴体部分は、先の黒制服ヴァージョンとたぶん同じ(※事実上のカラバリ)。胴体の屈み/反らしができるが、作為的なパーツ分割も見えてしまうので、善し悪しかな……。セーラー襟が背面で左右に割れてしまうのも相変わらずで、今回は後ろ髪で隠しきれないのが不味い。なお、今回も襟と袖の白線デカールが付属するので、制服の塗り替えができる。
 3) スカートは、「通常」「なびき」「着座」の3種類。今回はザク型分割ではなく、「創彩」シリーズの標準仕様に則している。
 4) 脚部は、ようやく素足を入手できた。薄い素肌(カラーC)は、これまでは黒水着リツカのみだったので、たいへん貴重(※公式限定のカラバリにはカラーCキットもあるけど)。靴下は折り返し付き。うーん……。折り返しの無いショートソックスにしたい場合は、「小鳥遊暦」(夏服)か「虹村映美」(夏服)から奪ってくる必要がある。ただし素肌カラーの違いがあるし、脚の長さも微妙に異なる(※小鳥遊=やや短、虹村=並、薬師寺=やや長だと思う)。短い脚を使えば、相対的に、スカートを長く見せることができる。どれを使おうかな……。
 5) 付属物は、スクールバッグやドリンク、アイスキャンデーなど。スタンドは今回も湾曲型。保持強度がかなり低いので苦手。

 今回はとりあえずスカートと靴下のために(なんだか字面がやばい……)買ったけれど、忌憚なく言えば、商品としての新規バリューには乏しい。買ったけど。

 『斑鳩』の「飛鉄塊:銀鶏(白)」も、再生産が店頭に出ていたようだ。くっ、見逃していた……。

 うーん、薬師寺久遠のソックス表現は、適当な素足パーツの上にホワイト塗装でいいかなという気も……。ツィメリット表現のようにすれば靴下の生地っぽさも再現できそうだし。


 ガールプラモでは、内部メカ露出をいつか作りたいと構想しつつ、いまだ実現できていない。既存キットだと、人造人間18号の自爆メカ、エリアルのメカ関節、そして武装神姫キャラの胸部メカくらいで、本格的なものは無い。模型展示会では、このアプローチの作品を見かけることが時々ある。義足風に人肌部分と機械的部分が接続されているとか、スチームパンク風のミックスとか、ターミネーター風の表面剥離とか、ロボコップ風の露出とか、ロボット模型のようなメンテナンス風景とか、ブラックマジックM-66風に四肢を外してしまうとか、とにかく見せ方のお手本はたくさんある。完成品フィギュアだと、『ノーゲーム・ノーライフ』(シュヴィ)に、いくつか本格派のメカ露出表現がある。
 一番簡単(?)なのは、フェイスパーツをくりぬいてターミネーターのようなLED発光アイにする手法。内部メカのディテール再現は、BANDAIの小さな『Star Wars』キットシリーズが非常に便利だったが、最近では入手困難かもしれない。
 しかし、技術的には実現できるとしても、作ってみたらみたで、「それで?」で終わってしまいそうなのがつらい。ただ棒立ちでメカ露出しているだけでは面白くならないので。「実験室」(マルチ)とか「戦闘ダメージ」(M-66)、「シュールキャラ」(アラレちゃんとか)のように、シチュエーション設定なども含めた演出の一環として造形しなければ、メカ露出の意味づけが成立しない。マルチ(MHX-12)の「充電中に手首を外す」という描写は、シンプルにして明快、なおかつメカキャラの機能性にも結びついて合理的と、絶妙の見せ方だった。
 一般的には(一般的?)、「メカバレ」と呼ばれる趣向だが、このネーミングは個人的には使いたくない。ばれるかどうかの問題ではないので。


 海外の方々は、どうしてそんなにドラゴン(爬虫類)キャラや高レベルのケモキャラが好きなんだろう? 上記投稿は、女装or女体化したドラゴン(ゲックスというキャラ)が、女体化した山猫キャラ(バブジー)を押し倒してキスしているイラスト。バブジーを演じた声優本人からの依頼イラストだった(らしい)という事情を加味しても、118Bt/244Favを獲得しているのは驚き。いったいどうして……。
 日本だと、手塚治虫がそちらの路線を試みたくらいで、こういう本格派の異種族での官能表現は、現在でもほとんど顧みられていない(※一部のポケモンキャラとか、「バファローベル」「おまねこ」のようなごく一部のマスコットキャラくらい? 『宇宙船サジタリウス』を性的に見ていた人は少ないだろうけど……)。文化の違いを感じるし、裏を返せば、先日も書いたように、日本の男性オタクたちはマジョリティ的な性表現――現実の若年女性像をベースにした官能性認識――ばかりに集中しているのかもしれない。


 「気弱+眼鏡っ娘」というのは、ごく一般的な認識からも出てきやすいイメージであって、べつにクリエイティヴなキャラ造形というわけではない。漫画やゲーム分野における作品の増加と、新たなキャラクターの増加に伴って、いずれ、いつか、ほぼ必然的に現れてきたであろう類型だ。実際、「知的な眼鏡キャラ」「勝ち気なメガネキャラ」がひととおり普及した後で、どこからともなく数が増えてきた。それは何も特別な出来事ではない。
 だから、そういったキャラクターについてはルーツを探ったりするのは、歴史的事件を捏造することになるのではないかと危惧している。そういう起源探求的な(誤った)歴史趣味は、特定の一つの存在のみに大きな歴史的転換や思想的独自性を(誇大広告的に)担わせることになりがちで、オタク界隈がハマりがちな大きな陥穽の一つだろう。莫大な人数のクリエイターたちの、何十年にも亘る試行錯誤の重みと広がりをもっと信頼すべきだと思うし、そうしたパラダイム転換を誰か一人の発案に還元しようとする姿勢は、物事を過度に単純化する危険性を常に胚胎している。いや、本当に画期的なアイデアがトレンドを一気にひっくり返すことも、確かに起きるのだけど。


  「薬師寺久遠」(黒制服/通常制服)の脚部は、どちらも約9.2cm。太腿の途中から「ドレスアップボディ(Mサイズ、薄めの素肌)」に差し替えると、約8.6cmに縮む。双方の差は0.6cm、つまり現実の身体に換算すると6cmも異なるので、プロポーションはかなりの違いになる。スカートを長く見せるためにも、脚部は短い方が良かったのだが……。
 しかし、それ以上の問題として、黒制服キットと通常制服キットでは、股関節-脚部のボールジョイントのサイズが異なるので(えっ?)、通常制服版の脚部だけをそのまま黒制服版に移植することはできない。なん……だと……。しかも、黒制服の腰部は可動スカートと一体になっているので、素体腰部だけで交換することもできない。ただし、対処法はいくつかある。
 1) ボールを削る/盛ることでフィットさせる。やや強引な方法で、後戻りもできない。
 2) 下半身全体(腰部+スカート+脚部)を丸ごと交換。もちろん、要塗装。
 3) 股関節シャフトの径そのものは同じなので、ボールごと脚部を交換する。→これを採用。

 ひとまず3)案を実行してみたが、さらなる問題が出ている。
 i) 腰部-脚部のシルエットがきれいにつながらないし、脚部パーツの上端が擦れてしまう。スカートで隠れるからいいけど……。
 ii) また、先にも述べたように、脚部が長くなりすぎる(※元々のブーツ脚部と同じ長さではあるのだけど)。おかげで、スカートの中が微妙に露出しやすくなって危なっかしい。そういうえろさは、このキャラには求めていないのよ……。
 iii) さらに、ソックスが折り返し付きなのも、やはりびみょー。あまり目立たないので我慢するが、虹村さんの靴下パーツと交換する方がすっきりするかも。
 うーん、どこまで妥協するかなあ……。

 余ったブーツ脚部を、通常制服版に組み込んでみたが……うわ、重たい……。上半身のホワイト制服に対して、タイツ+黒ブーツの下半身の印象が沈みすぎるので、コーディネートとして非常に不味い。はっきり言って、ダサい。これはもう、思いきって通常制服も黒白に塗り替えてしまった方が良いのでは……。それなら、スカートごといくらでも相互交換できるし。

 ガールプラモのボディパーツをいろいろ組み替えていると、どこか既視感が……ちょっとずつ大きくなったり小さくなったり、微妙に高さの足りないパーツが出てきたり、余ったパーツでもう一人作れそうになったり……あっ、そうか、『占星術さつj…こほん。

左から「ドレスアップボディ(M)+薬師寺久遠(通常)ヘッド」、「薬師寺久遠(黒制服)+通常脚部」、「薬師寺久遠(通常制服)+小鳥遊暦ヘッド+久遠(黒)脚部」。薬師寺さんは平均よりも高めの身長なのだが、素足が見えすぎるのはイメージから外れる。
背面。セーラー襟が背面で割れているのは、やはり気になるし、スカートの翻りも露骨すぎるので、うーん。ブーツの重たさについては、上半身に布服(カーディガン)をもう一枚羽織らせてやればバランスが取れるかもしれない。
通常制服版のスカート2種類を、黒制服版(姉様版)に入れ替えてみたサンプル。やはり微妙に丈が足りず、ちんちくりんな感じが否めない。スカートは、「二次元的なミニスカートに開き直る」(figmaなど)、「ワンピースとして誤魔化す」(ドール服)、「思いきりロングにする」(自作?)のどれかにするのが無難だろう。



 09/16(Tue)

 情報の洪水に押し流される現代だからこそ、自力で情報収集し、その内容を吟味し、その意味を咀嚼解釈し、そして適切かつ公平な評価を下せるスキルはきわめて重要なのだが、しかし、情報過多の時代だからこそ、そうやって慎重に取り組む余裕はどんどん無くなっているし、SNSはそうした慎重さを失わせる方向にばかり煽り立ててくる。難しいよね……。


 90年代後半から00年代前半あたりまで、いわゆる「大正ロマン」イメージに代表されるようなレトロ~和風~幻想系の趣味が人気を博していた時代があった。『サクラ大戦』(1996年発売)から『大正野球娘。』(2007年開始)あたりまで、とりわけ女性向けコンテンツに多かった。もちろん、近年の作品にもその趣向を継承したタイトルは存在するが、ちょっと寂しくはある。
 似たような趣向として、東洋趣味/大陸趣味/仙人趣味/伝奇趣味も、80年代から流行していたし、ゴシック趣味/ゴスロリ趣味も並行して伸張していった。

 2020年代の現代は多種多様な新作漫画で溢れかえっており、大正時代を含めてこれまで試みられてきたほとんどあらゆる趣向が存在する……かと思いきや、マイナーなものは依然として存在する。例えばキャラクターの外見属性でも、青肌キャラや多腕キャラ、双頭キャラ、単眼キャラなどは今でもきわめて稀で、少なくともメインヒロイン級では事実上皆無だと思う、たぶん。
 ゾンビキャラの青肌(レイレイやゾンビランド・サガ)とか、異種族サブキャラの多腕(ファプタなど)は、一応いくらか存在するけれど、基本的には現代のotaku界隈は男性向けの色欲ドリヴンのパラダイムなので、そういう側面では案外保守的だったりする。むしろ海外の二次元アートでは、青肌や濃いめのケモキャラ(鼻筋がイヌのように尖っている)くらいはそこそこポピュラーに見かけるというのが面白い。
 世界設定についても、砂漠世界(中近東)や中国風世界は、女性向けではずっとポピュラーだが、男性向けジャンルでは極端に少ない。逆に、典型的なヴァーチャルライフものは、女性向けではかなり珍しい(※いわゆるゲーム内世界ものを除けば)。


 小柄キャラで、太いドラゴン尻尾+大きな余り袖……そうそう、こういうのが良いんだよ。
 万超えキットだが、大サイズの両翼もあるし、尻尾は細かくパーツ分割されているようだし、巨大なエフェクトもいろいろ同梱されているという贅沢なキット構成なので、この価格になるのは仕方ない。
 変身は、おそらく腹部~腰部を丸々交換する形。ドラゴンテイルの接続方法と保持力は不明だが、そこは期待できそうにない。また、キャラデザがごちゃごちゃしていて、あまり洗練されないのも難点。可愛いキャラなのか、やんちゃ系なのか、強気なのか、能天気なのか、そのあたりのキャラクター個性もはっきりしない……これは「アルカナディア」シリーズ全体の問題でもあるけど。


 栗くん……以前は、「昔ながらの権力的規制派と性差別的な暴走自由派の間で、理性的でマシな路線を広げるアクターに育っていってくれたらいいな」という目で見ていた時期が私にもありました。しかし結局は、後者のエロ好き男性オタクたちのための着火魔みたいなところまで堕ちていってしまうとは……。

 彼個人の問題はともかく、私たちがどこかにまともなオピニオンリーダーを持つべき必要性は、いよいよ高まっている。つまり、圧力に対して個人の自由を擁護することと、他者の尊厳を傷つけない線引きを尊重し続けることの間で、バランスを取って公平な議論のできる、まともで理性的な代弁者が。敵対者をひたすら攻撃する戦線拡大屋ではなく、妥当な結論を求めて議論全体を調停できる人物が。もっとも、そういうアプローチは、両方の陣営から「日和見」「コウモリ」「第五列」と見做されてしまいがちなので、非常に難しいのは確かだが……。
 それでも、敵視と社会的分断ではなく、包摂と合意形成を何らかの形で目指していかなければ、この社会はひたすら壊れたままになるだろうし、その狭間で社会的弱者こそが最も大きなダメージを受け続けることになるだろう。冷静で説得力のある議論によって、社会集団の間を架橋し、そして最終的には、正しい立場への賛同者を増やしていけるような人物を、支持するか、育てるか、あるいは自分自身がそうなるか、何かしらの後押しをしていくべきだと思う。実際には、あのような破壊的なソーシャルメディアが存在し続けるかぎり、見込みは薄いのだけど……議論がほんの百数十文字ごとに寸断されて、文脈も無視して切り取って拡散され、そして攻撃的な言辞が大量かつ高速に流れていくような空間では、冷静な議論(をする者)はまともに育たない。その意味でも、あんな空間からは早く離脱すべきなのだが……。
 私自身は、あの鳥メディアについては、知人界隈との連絡手段やごく一部の検索用途に使うくらいで、基本的にはリードオンリーの姿勢でいる。アカウントそのものを削除してしまってもいいのだけど、そこまでは行かず、さしあたりは「あのSNSには有益なコンテンツを投下してやらない」くらいのスタンスに留めている。



 09/11(Thu)

 恒例の新シーズンアニメの雑多なメモ。現時点で70作が記載されている(※特撮を除く)。

 2期目は5タイトル。3期以上/スピンオフ/リメイクは17作。続編率31.4%はわりと高め。
 原作のないオリジナルアニメは『SI-VIS』『永久のユウグレ』の2本のみ。『SI-VIS』は丸戸史明氏シナリオの音楽ヒーローもの。『ユウグレ』は、監督&シリーズ構成の津田尚克氏が企画主導されていると思われ、座組も茅野氏、富田氏、沢城氏と信頼できる顔触れ。
 中国アニメの吹き替えも2本ある。今後ともこうした経緯のタイトルは増えてくるだろう。

 洋風ファンタジー世界は18本(そのうち異世界転生/転移ものは8本)。数は平均的だが、ラインアップはそろそろネタ切れの気配が強い。『悪食令嬢』はひとまず視聴してみる。
 現代(日本)を舞台にしたファンタジーは4本(妖怪ものなど)。妖怪宿屋の『かくりよの宿飯 弐』か、妖怪+ミステリの『しゃばけ』のどちらかは入れておくと精神衛生に良いかも。

 SF系は10本とかなり多い。アンドロイド主人公のコメディ『アルマちゃんは家族になりたい』、教育的な『科学×冒険サバイバル!』(2期)、特撮的戦闘員の『ガングリオン』、ロボットのふりをしているだけの『機械じかけのマリー』、宇宙船内の人狼ゲームっぽいサスペンス『グノーシア』、ポストアポカリプスの『終末ツーリング』、絶滅危惧種を巡る物語『地球のラテール』(NHK/全5話)、超能力ものの『ヒーローアカデミア FINAL SEASON』(8期)、上記『永久のユウグレ』、そして不死者主人公の『不滅のあなたへ』(3期)。

 現代学園ものは12本(※部活ものなどの非恋愛系が6本と、学園恋愛/ラブコメが6本)。本数は堅実に横這い。学園外の恋愛ものも5本ある(オフィスものなど)。
 その他のジャンルは、サスペンス5本、動物もの5本、食事もの3本、バトルもの3本、音楽もの3本、お色気2本、歴史もの2本といったところ。

 女性主人公のタイトルは23本と、やや少なめ。しかし、そのうち女性向けは13本で、狭義の女性向けはむしろ増えている。

 声優で見ると富田氏6本、早見沙織氏と日笠氏が5本。長谷川育美氏が4本。そして3本が小松氏、小清水氏、大地氏、悠木氏、小林氏、田村睦心氏、羊宮氏、ファイルーズ氏(順不同)。2本が井澤氏、園崎氏、種﨑氏。
 キャストだけで見ると、上田燿司氏主演の『ガングリオン』、東山氏&小清水氏がメインの『機械じかけのマリー』、小松氏&小清水氏の『キャッツアイ』(ただしDisney Plus)、羊宮氏と田村睦心氏がおそらくレギュラー出演の『太陽よりも眩しい星』、同じく羊宮氏と長谷川氏がレギュラーの『千歳くんはラムネ瓶のなか』、田村ゆかり氏主演の『地球のラテール』、黒沢氏+田村(睦)氏+久野氏の『DIGIMON BEATBREAK』、茅野氏&ファイルーズ氏がバトルものに出演するという『仮面ライダーになりたい』が良さそう。
 ファイルーズ氏は『私を喰べたい、ひとでなし』にもレギュラー出演されるが、これだけを目当てに視聴するかどうかは……。羊宮氏も、『ワンダンス』でメイン出演される見込み。オリジナルアニメ『グノーシア』と『ユウグレ』も良いキャストでまとめている。『最後のひとつだけ』の瀬戸氏と富田氏も上手くやってくれそう。本渡楓氏はまだよく分からないが、今回の『ポーション』の主演でじっくり聴いて見極めるという手もある。『野生のラスボス』は、ストーリー等にはあまり惹かれないが、主演の小清水氏の腕次第では作品全体の魅力を数段引き上げてくれるかもしれない(※ファイルーズ氏の『レベル99』のように)。悠木氏+斉藤氏の『まどか』は、キャストは良いのだけど……。
 残念ながら、耳に入れたくないほど苦手な声優もいる。そういう声優がキャストされている作品は、どんなに魅力的な要素があっても視聴優先度はおもいきり下がる。わざわざ自分から毎週苦痛の体験をしに行くつもりは無いので。

 制作スタッフはよく分からないが、『異世界マンチキン』で横田守氏が総監督&キャラデザを務められているのが目を惹く。

 というわけで、ひとまず視聴してみるのは:『悪食令嬢』、『異世界マンチキン』、『機械じかけのマリー』、『グノーシア』、『太陽よりも眩しい星』、『地球のラテール』、『千歳くんはラムネ瓶のなか』、『永久のユウグレ』、『野生のラスボスが現れた!』あたり。太字タイトルは、最後まで視聴する見込み。今期は女性向けの恋愛系が多めになりそうだが、飽きてもいけないのでいくつかカットしていく予定。
 二次候補。躊躇する点もあるが、魅力的な要素もあるので、場合によっては視聴するかも:『顔に出ない柏田さん』、『かくりよの宿飯』(2期)、『ガングリオン』、『最後にひとつだけ』、『SI-VIS』、『しゃばけ』、『娘の私は転生者』、『DIGIMON BEATBREAK』、『東島丹三郎は仮面ライダーになりたい』、『百姓貴族』(3期)、『ポーション、わが身を助ける』、『私を喰べたい、ひとでなし』、『ワンダンス』あたり。

 再考しつつ、もっと正直に言うと:
 まずはオリジナルアニメ『ユウグレ』(P.A. Works制作)に期待。これがハズレだときつい。ストーリー面では、『グノーシア』が楽しめそうだが、市川量也監督+domericaの作品は一つも視たことが無いのでどうなるかは分からない。『悪食令嬢』(旭プロダクション)も、なんとか上手く行ってほしい。
 声優目当てのタイトルでは、小清水氏の『野生のラスボス』(ワオワールド)か『マリー』(ゼロジー)のどちらかは当たりであってほしい。羊宮氏については、レギュラー脇役の恋愛系2作はたぶん諦めて『ワンダンス』(Madhouse制作)に賭けたいが、ダンスものを私が楽しめるかどうか……。ファイルーズ氏については、『東島丹三郎』(ライデンフィルム)で毎週大笑いできたら幸せなのだが、作品コンセプトそのものがネタじみているのが不安。ファイルーズ氏は『ひとでなし』(スタジオリングス)にもレギュラー出演。『ユウグレ』『ひとでなし』の石川由依氏は、ほとんど聴いたことが無いので、どういう資質の役者なのかまだ分からない。劇団子役から長いキャリアを続けてこられた方だから大丈夫だろうとは思うけれど……。
 ジャンルの観点では、『かくりよの宿飯』(GONZO)か『しゃばけ』(BN Pictures)のどちらかが好みに合えば、バランスが取れて良いのだが、どうなるかは分からない。
 というわけで、少なくとも『ユウグレ』『悪食』『ラスボス』あたりはキープしておいて、それから『グノーシア』『ダンス』『東島』『ひとでなし』の中から1-2本を残せれば十分かな。しかし、視聴負担からして一シーズン3本までに留めたいので、『悪食』も映像の出来具合によっては落としてしまうかもしれない。


 各作品の英語タイトルについて。
 1) 日本語版の原書出版時点で、公式に英文タイトルが付記されている場合もある。カバーなどに書かれているものはわりと見かける。ただし、英語ではなく、ただ単に日本語タイトルをローマ字表記にしただけという場合もある(※例えば『私の~』というタイトルに、watashino…と書かれていたりするようなあれ)。
 2) 英語版などの他言語版が出版される場合もある(※事実上の公式タイトルになるが、海外の出版社がライセンス翻訳しているだけだから、複数の英文タイトルが出現する場合もある。これは他国の文学作品を邦訳出版する場合にも同じで、複数の日本語訳タイトルが併存するのはごく普通のことだ。ただし、現代のアニメでは、基本的に、単一の表記に整理されることが多いと思う)。
 3) さらに、英語吹き替え版などが公式配信される際に、公式の英文表記が確定されるという場合もある。
 4) 正式な翻訳が出版/配信される前から、海外のファンの間で通称的にタイトルが使われている場合もある。
 wkpd英語版の記事を見ても、正式な英文タイトルと、日本語からの直訳的な英語表現と、日本語のローマ字表記を適当に併記している(そうせざるを得なかった)という事例は見かける。

 wkpd英語版を適当に参照すると、以下のようになっている。
 『悪食令嬢と狂血公爵』→Pass the Monster Meat, Milady!(ご婦人、そのモンスター肉を渡して!)はかなりの意訳。漫画版の公式英訳も刊行されている模様。変なものを食べたがる(want to try bizarre foods)と説明的に訳すと長くなりすぎるので、こういう意訳で良いと思う。
 『かくりよの宿飯』→Kakuriyo: Bed & Breakfast for Spirits(かくりよ:霊魂のためのベッドとご飯)。「幽世」のように翻訳の難しい言葉は、そのままアルファベット転記されるだけ。afterlife(来世)と呼ぶのもなんだかおかしいし、この英訳で良しとすべきだろう。
 『不器用な先輩。』→My Awkward Senpai。うーん、senpaiか……。myを入れてしまうのも、英語としては仕方ないのだけど、ちょっと人間関係の特定性が強くなりすぎるようにも感じる。
 『永久のユウグレ』→Dusk Beyond the End of the World(世界の終わりの夕暮れ)。内容に踏み込んだ訳。カタカナ書きの「ユウグレ」のニュアンスは翻訳困難だし、キャラクターの名前でもあるのがさらにややこしい(※つまり、一般名詞に訳して置き換えてしまうと、名前とずれてしまう)。日本語の公式サイトでは、Towa no Yugureとそのまま。
 『私を喰べたい、ひとでなし』→This Monster Wants to Eat Me(この怪物は私を食べたがっている)。うーん、うーん……。しかし私でも、同じように訳すだろう(せいぜいThisをTheに変えるかどうか、という程度)。ここでいう「ひとでなし」は人魚のことで、それゆえモンスターなのは確かだし。原作漫画では、Watashi wo …とそのまんま。
 『顔に出ない柏田さんと顔に出る太田君』→Inexpressive Kashiwada and Expressive Oota(無表情な柏田と、表情豊かな太田)。慣用句の字面に拘泥する必要は無いので、まあこれで良い。
 『不滅のあなたへ』→To Your Eternity(あなたの永遠へ)。二人称代名詞のyouには、形容詞を付けにくいので、普通はこのようにアレンジする。私なら、"To you, the immortal"(おお、あなた、不死なる存在よ)みたいな感じに訳してみたい。
 『友達の妹が俺にだけウザい』→My Friend's Little Sister Has It In for Me!(友人の妹が、俺に難癖を付けてくる!)。なるほど確かに。頼んでもいないのによく絡んできて、しかもそれが主人公の主観にとっては難癖のように鬱陶しいというニュアンスまで表現している。
 『○ブとラブと過ちと!』→Plus-Sized Misadventures in Love!(特大サイズの事故で恋に落ちて)。そもそも現代の日本語として、「デ○」というのはもはやNGワードだと思うが、plus-sizeという英語に落とし込んで、しかもタイトル全体も面白味のあるフレーズへアレンジしている。上手い。エンタメ作品では、ただ単に忠実な置き換えをするだけではなく、英語タイトルとして面白そうなタイトルにすることも重要で、そこに訳者の力量――原作理解と言語的表現力――が問われる。
 『機械じかけのマリー』→Mechanical Marie(機械のマリー)。日本の二次元趣味者だとラテン語由来のex machinaを使いたくなるが、普通の英語としては上記の方がシンプルかつ明快。
 『終末ツーリング』→Touring After the Apocalypse(災厄後のツーリング)。post-apocalypticの方が良かったかなと思う。


 MD「シャオ」は、組むだけなら3時間強で完成した。ボディ構造は現行規格のままで、とりたてて言うことは無いが、相変わらず股関節のえぐれが大きく露出するし、足首の緩さも気になった(※個体差の範囲内かも)。両目を細めたフェイスは、顔の影を表現するためか、鼻から上の素肌全体がカーキ色にどんより染まっているという不気味なもの。いや、そこまでしなくても良かったのでは……。デカールは無しで、色再現のシールだけが同梱されているという仕様も少々寂しい。
 フクロウ型とのことだが、頭部から突起が出ているので、細かく言えばミミズクっぽく見える。ただし、ミミズク型はすでにラプターくんがいるのだが……。
 キット全体としては、羽根タイプのパーツは貴重だし、ラヴェンダー色にも目新しさがあるし、どたぷんな個性もあるが、デザインはあっさりしていて少々物足りない。


 またbambooが余計なことを……。迷惑街宣カーの音声に関わっているなんていうのは、文字通り汚らしいという意味での醜聞なのだが、それをSNSで楽しそうに漏らしてしまうデリカシーの無さが嫌なんだよなあ……。



 09/02(Tue)

 90年代末の、いわゆる「ぷに」系は、00年代以降はほとんど広がらず、マニア的な熱量もあまり出ないままに急激に縮小していったというイメージだけど、実態はどんな感じだったのだろうか。
 私なりの歴史理解。萌え四コマジャンルはそれを部分的に継承しつつ、しかし男性向けエロのえぐい雰囲気はきれいに脱臭していた。そして00年代後半以降(?)の男性オタク界隈は豊満路線に圧倒されていき、それに対抗するのもコミックLOのような古典的な小柄華奢路線がおそらく主流だった。さらに、お色気をから切り離されたSDキャラも伸張して、「ぷに系」に取って代わった。……だいたいこんな経緯だったと思う。
 そうした中でBLADE氏は、商業メジャークリエイターとしてはほとんど「孤塁を守る」くらいの珍しい存在であり続けてきた。氏が手掛けてきたDESKTOP ARMYは、私の目には、「10年代にもなって、まだこの『ぷに系』の美意識で突き通すつもりなのか、すごいなあ」という印象だったし、メガミデバイス「PUNI☆MOFU」シリーズも、「90年代末のスタイルが、まるで隔世遺伝か何かのように今になって蘇ってきたようだ」という捉え方をしている。
 2020年代現在のゲーム/アニメ界隈でも、「低頭身でやたら肉付きがよい」というぷに系キャラは、ちょっとすぐには思い浮かばない。いや、おそらく存在はしているだろうけど、メジャーなキャラ属性としてはほとんど認知されていないレベルだろう。「むちむちしていない小柄デフォルメキャラ」の美意識によって上書きされたかのようだ。個人的には、何の思い入れもないのだけど、考えてみると不思議な現象かもしれない。ことぶきつかさと同じで、アクが強すぎて飽きられたのか、それとも、ロリ忌避の(それ自体はまあ、まっとうな)風潮の中で敬遠されていったのかもしれない。

 もう少し言うと、露骨なお色気要素を二次元キャラに導入した「ぷに系」は、00年代から現在に至るパラダイム転換の呼び水になっていたのかもしれない。90年代までは「萌え≠エロ」、つまり、可憐な存在への物語的-精神的な愛しさが「萌え」であって、視覚的-肉体的なお色気要素は無関係で、それどころか相反する性質ですらあった。それに対して現代のオタクは、キャラクターに対する愛着の情緒(萌え)と、そのキャラクターの視覚的なエロさを区別せず、基本的に一体のものとして扱っている。そして、「萌え≠エロ」から「萌え=エロ」への転換点にあったのが、まさに「ぷに系」だったと言えるのかもしれない。
 私なりの大雑把な見取り図としては、60年代のロリコン趣味では「愛着=エロ」だったのが、70年代以降の少女漫画文化の普及とともに「キャラ愛/エロ」がいったん分断されつつ物語的なロマンスへと傾斜し、そして80年代末(?)から90年代に掛けての「萌え」概念によってキャラ愛そのものが大きく肯定されるようになり、そして00年代以降の美少女ゲーム(エロゲー)がキャラ萌えをベッドシーンと強力に結びつけて普及させ、そして00年代後半以降(?)のエロス前景化ととともに「キャラ愛=エロ」に再び立ち戻った……という感じ。この理解が、どこまで妥当かは分からないけど、おおまかにはこんな経緯だったようだ。二次元精神文化の根本的な価値観や基礎的なアプローチやキャラクター愛のあり方にも、いろいろな歴史的変転がある。
 美少女ゲームも、例えばツンデレキャラを普及させたように、90年代から00年代初頭までは、「萌え/エロ」を分離して、キャラクターを物語的に扱っていた。というか、キャラ萌えをひたすら物語の中で扱おうとするアプローチは、現在の目から見れば古風に映るし、それが美少女ゲームの、まあ、一種の限界だったのかもしれない。00年代のMMORPG人気や二次創作同人の拡大、そしていわゆるソシャゲーはキャラクターごとのストーリーをほぼ消滅させてキャラ萌えそのものを徹底させていった。

上記の話を図式化するとこんな感じ。


 DESKTOP ARMYは、これまでに6つ買っている。MD「PUNI☆MOFU」シリーズは、一つも買っていない。店頭で見かけたら、うーん、一度くらい買ってみようかなあ。

フェリルナビット・ロッサ」(※リンク先はキット紹介の記事)。可愛いといえば、まあ、可愛くて、8000円を出して買ったくらいには可愛いのだけど、肉感的なデフォルメのきつさが、うん、その、えーと……可愛いけどね……。

 と書いてみた翌日に、せっかくだからと新作のフクロウ型「シャオ」を買ってみた。両腕が羽根状になっているという適度な異形感が楽しいし、ラベンダー基調で程良く上品にまとめたカラーリングも好印象だけど、露骨なむちろり具合がやはり強烈だ(※ただし、このPUNI☆MOFUシリーズの売れ行きは好調なようで、うん、まあ、それはそれで良いことなんじゃないかな)。
 シャオ=Xiaoは小(鄧小平)だし、マオ=Maoは毛(沢東)だし、びみょーになんかあちらの政治指導者たちを連想してしまう。同じネタ言及をしている人はたくさんいそう。それならラン(Lang)やトゥ(Tu)は何なんだという話にもなるけど。
 ただし、ランとシャオは一般寄りのMサイズボディで、マオとトゥがSサイズ、つまり寸詰まりのBLADE本格派ではあった。個人的には、後者にはあんまり興味はないのだけど、次の「雪トゥ」あたりは買ってみるかも。


 歯の詰め物を直してもらうために歯科医に行ったまさにその翌日に、また別のところに虫歯がモロッと出てきた。まさか、いや、まさか、そんな……いやあああああ! 歯間は気をつけていたのだが、いつの間にか、横側から虫歯が出来ていたようだ。うぐぅ、また行かねばならないのか……しかも、一度行ったばかりの再訪なのでさらに恥ずかしい……。
 遠因としては、「以前に結石が出来た→それ以来、水をかなり多めに飲むようにしている→たぶん口内の唾液が薄まって、虫歯を防ぎにくくなっている」という機序の可能性がある。歯磨きと口内殺菌は毎日まめにしているのだが……。
 まあ、事実は変えられないから仕方ない。致命的な痛みが出る前に発見できてよかったと考えようそうしようそういうことにしよう。
 (後日追記:)というわけで、ドクターの前で大口を開けてきたので、ふたたび目のハイライトが消え失せた顔で、お風呂でシャワーを掛けながら泣きじゃくっているところ。(おばか)


 英語圏のゲーム/アニメ系SNSでフォロー関係にある人物が、この秋に観光で来日される(そして関西にも数日滞在される)とのことで……うーん、やっぱり、出迎えられるようにした方がいいよね……。日本のサブカルチャーに強い興味を持ってくれている人々に対して、日本の趣味人として、きちんと好意的なフォローや歓迎をすべきだと思うし、してあげたい。でも、英語でのリスニングやスピーキングはいまだに苦手なんだよなあ……。英文をゆっくり書いたり読んだりは一応可能だし、論文レベルの精読も出来るけれど、ただそれだけなので。
 日本滞在中の緊急の連絡先になってあげるくらいは出来るが、観光案内はけっして得意ではないし(たいして詳しくもない)、長時間付き合えるほどの体力も無いし、ゲームの話題とかでも知らないことばかりで、会話に応対できる自信もないしなあ……。まあ、私自身のことはともかく、せっかく期待して来日される海外のマニアさんをがっかりさせることだけは、なんとか避けたい。


「自然選択号」は、イエサブのモデルカバー「小」サイズでぴったり収納できた。このイベント[ https://yellowsubmarine.co.jp/event/mcc2025/ ]に出すのは、もうこれでいいんじゃないかな……。保護フィルムは、10月のイベント開始に持って行く直前に外す予定。