2025年9月の雑記。
09/02(Tue)
90年代末の、いわゆる「ぷに」系は、00年代以降はほとんど広がらず、マニア的な熱量もあまり出ないままに急激に縮小していったというイメージだけど、実態はどんな感じだったのだろうか。
私なりの歴史理解。萌え四コマジャンルはそれを部分的に継承しつつ、しかし男性向けエロのえぐい雰囲気はきれいに脱臭していた。そして00年代後半以降(?)の男性オタク界隈は豊満路線に圧倒されていき、それに対抗するのもコミックLOのような古典的な小柄華奢路線がおそらく主流だった。さらに、お色気をから切り離されたSDキャラも伸張して、「ぷに系」に取って代わった。……だいたいこんな経緯だったと思う。
そうした中でBLADE氏は、商業メジャークリエイターとしてはほとんど「孤塁を守る」くらいの珍しい存在であり続けてきた。氏が手掛けてきたDESKTOP ARMYは、私の目には、「10年代にもなって、まだこの『ぷに系』の美意識で突き通すつもりなのか、すごいなあ」という印象だったし、メガミデバイス「PUNI☆MOFU」シリーズも、「90年代末のスタイルが、まるで隔世遺伝か何かのように今になって蘇ってきたようだ」という捉え方をしている。
2020年代現在のゲーム/アニメ界隈でも、「低頭身でやたら肉付きがよい」というぷに系キャラは、ちょっとすぐには思い浮かばない。いや、おそらく存在はしているだろうけど、メジャーなキャラ属性としてはほとんど認知されていないレベルだろう。「むちむちしていない小柄デフォルメキャラ」の美意識によって上書きされたかのようだ。個人的には、何の思い入れもないのだけど、考えてみると不思議な現象かもしれない。ことぶきつかさと同じで、アクが強すぎて飽きられたのか、それとも、ロリ忌避の(それ自体はまあ、まっとうな)風潮の中で敬遠されていったのかもしれない。
もう少し言うと、露骨なお色気要素を二次元キャラに導入した「ぷに系」は、00年代から現在に至るパラダイム転換の呼び水になっていたのかもしれない。90年代までは「萌え≠エロ」、つまり、可憐な存在への物語的-精神的な愛しさが「萌え」であって、視覚的-肉体的なお色気要素は無関係で、それどころか相反する性質ですらあった。それに対して現代のオタクは、キャラクターに対する愛着の情緒(萌え)と、そのキャラクターの視覚的なエロさを区別せず、基本的に一体のものとして扱っている。そして、「萌え≠エロ」から「萌え=エロ」への転換点にあったのが、まさに「ぷに系」だったと言えるのかもしれない。
私なりの大雑把な見取り図としては、60年代のロリコン趣味では「愛着=エロ」だったのが、70年代以降の少女漫画文化の普及とともに「キャラ愛/エロ」がいったん分断されつつ物語的なロマンスへと傾斜し、そして80年代末(?)から90年代に掛けての「萌え」概念によってキャラ愛そのものが大きく肯定されるようになり、そして00年代以降の美少女ゲーム(エロゲー)がキャラ萌えをベッドシーンと強力に結びつけて普及させ、そして00年代後半以降(?)のエロス前景化ととともに「キャラ愛=エロ」に再び立ち戻った……という感じ。この理解が、どこまで妥当かは分からないけど、おおまかにはこんな経緯だったようだ。二次元精神文化の根本的な価値観や基礎的なアプローチやキャラクター愛のあり方にも、いろいろな歴史的変転がある。
美少女ゲームも、例えばツンデレキャラを普及させたように、90年代から00年代初頭までは、「萌え/エロ」を分離して、キャラクターを物語的に扱っていた。というか、キャラ萌えをひたすら物語の中で扱おうとするアプローチは、現在の目から見れば古風に映るし、それが美少女ゲームの、まあ、一種の限界だったのかもしれない。00年代のMMORPG人気や二次創作同人の拡大、そしていわゆるソシャゲーはキャラクターごとのストーリーをほぼ消滅させてキャラ萌えそのものを徹底させていった。
DESKTOP ARMYは、これまでに6つ買っている。MD「PUNI☆MOFU」シリーズは、一つも買っていない。店頭で見かけたら、うーん、一度くらい買ってみようかなあ。
「フェリルナビット・ロッサ」(※リンク先はキット紹介の記事)。可愛いといえば、まあ、可愛くて、8000円を出して買ったくらいには可愛いのだけど、肉感的なデフォルメのきつさが、うん、その、えーと……可愛いけどね……。
と書いてみた翌日に、せっかくだからと新作のフクロウ型「シャオ」を買ってみた。両腕が羽根状になっているという適度な異形感が楽しいし、ラベンダー基調で程良く上品にまとめたカラーリングも好印象だけど、露骨なむちろり具合がやはり強烈だ(※ただし、このPUNI☆MOFUシリーズの売れ行きは好調なようで、うん、まあ、それはそれで良いことなんじゃないかな)。
シャオ=Xiaoは小(鄧小平)だし、マオ=Maoは毛(沢東)だし、びみょーになんかあちらの政治指導者たちを連想してしまう。同じネタ言及をしている人はたくさんいそう。それならラン(Lang)やトゥ(Tu)は何なんだという話にもなるけど。
ただし、ランとシャオは一般寄りのMサイズボディで、マオとトゥがSサイズ、つまり寸詰まりのBLADE本格派ではあった。個人的には、後者にはあんまり興味はないのだけど、次の「雪トゥ」あたりは買ってみるかも。
歯の詰め物を直してもらうために歯科医に行ったまさにその翌日に、また別のところに虫歯がモロッと出てきた。まさか、いや、まさか、そんな……いやあああああ! 歯間は気をつけていたのだが、いつの間にか、横側から虫歯が出来ていたようだ。うぐぅ、また行かねばならないのか……しかも、一度行ったばかりの再訪なのでさらに恥ずかしい……。
遠因としては、「以前に結石が出来た→それ以来、水をかなり多めに飲むようにしている→たぶん口内の唾液が薄まって、虫歯を防ぎにくくなっている」という機序の可能性がある。歯磨きと口内殺菌は毎日まめにしているのだが……。
まあ、事実は変えられないから仕方ない。致命的な痛みが出る前に発見できてよかったと考えようそうしようそういうことにしよう。
(後日追記:)というわけで、ドクターの前で大口を開けてきたので、ふたたび目のハイライトが消え失せた顔で、お風呂でシャワーを掛けながら泣きじゃくっているところ。(おばか)
英語圏のゲーム/アニメ系SNSでフォロー関係にある人物が、この秋に観光で来日される(そして関西にも数日滞在される)とのことで……うーん、やっぱり、出迎えられるようにした方がいいよね……。日本のサブカルチャーに強い興味を持ってくれている人々に対して、日本の趣味人として、きちんと好意的なフォローや歓迎をすべきだと思うし、してあげたい。でも、英語でのリスニングやスピーキングはいまだに苦手なんだよなあ……。英文をゆっくり書いたり読んだりは一応可能だし、論文レベルの精読も出来るけれど、ただそれだけなので。
日本滞在中の緊急の連絡先になってあげるくらいは出来るが、観光案内はけっして得意ではないし(たいして詳しくもない)、長時間付き合えるほどの体力も無いし、ゲームの話題とかでも知らないことばかりで、会話に応対できる自信もないしなあ……。まあ、私自身のことはともかく、せっかく期待して来日される海外のマニアさんをがっかりさせることだけは、なんとか避けたい。
「自然選択号」は、イエサブのモデルカバー「小」サイズでぴったり収納できた。このイベント[ https://yellowsubmarine.co.jp/event/mcc2025/ ]に出すのは、もうこれでいいんじゃないかな……。保護フィルムは、10月のイベント開始に持って行く直前に外す予定。