2026/01/11

アニメ雑話(2026年1月)

 2026年1月の新作アニメ感想(※タイトル五十音順)。

●『アルネの事件簿』
 第1話。古式ゆかしき子供向けダークファンタジーのテイストで、低予算作画ながら、やろうとしている演出の方向性は明確に見て取れる。初回からショタキャラが2人も登場する点でも貴重。
 ただし、キャストは好みに合わない(※つぎはぎ人造人間キャラの日笠氏(と桑島氏)くらいしか聴きどころがない)。ショタの一人は成長してしまうし……。ルイス役の伊勢氏も、頑張ってはいるのだが、力みすぎのように感じる。
 ちなみに、料理名などから察するに、舞台はハンガリー(またはそれをモデルにしたヨーロッパ風の架空世界)のようだ。劇伴でも、弦楽器の響きを活用して民族的な雰囲気を打ち出している。
 評価はひとまず70点で、視聴継続してみるつもり。


●『違国日記』
 第1話。劇伴を抑えた映像進行でじっくり見せていき、要所でシンボリックなカットを効果的に組み込んでくる。それらを視聴者に印象づけるためのリピート演出(フラッシュバック/フラッシュフォワード)も、作為を目立たせないように絶妙の味付けで挿入しているし、色彩設計も現代アニメとしてのオリジナリティと本作ならではのムード構築を両立させている。沢城氏の芝居もニュアンスと迫力に満ちているし、主演の森風子氏(※これが初レギュラーの新人)の演技についても、ひとまず不満は何も無かった。85点


●『透明男と人間女』
 第1話。異種族共生社会で、獣人キャラやサイクロプス夫婦などが多数登場する。透明人間の男性探偵と、視覚障害の女性事務員を中心とする、ほのぼの日常のユーモラスな小話集。キャラ絵が簡素にデフォルメされているおかげで、作画コストは低めながらも隙のない絵作りがキープされている。視覚障害をめぐる描写もきわめてデリケート(※クレジットによれば、盲特別支援学校からも取材協力を受けている)。キャストは、目立ったところは無いものの、堅実な芝居を聴かせてくれる。「僕を見つけられるのは、夜香(やこう)さんだけかもしれませんね」は、作品の方向性を一台詞できれいに言い表しているのだろう。ちょっと面白いところでは、男性の方が背が高いのだが、頭部が透明なおかげで、男女がちょうど同じ背丈のようになっている(つまり肩口までの男性と、全身の女性が同じくらいの高さ)。二人のあいだの対等性、公平性を視覚的にも表現している。
 予想外に繊細で充実した内容で、美術的な統一感もある秀作。80点


●『29歳独身中堅冒険者の日常』
 第1話。作画や演出はチープきわまりない。主演の古川氏も、サブキャラ硬骨漢では存在感を発揮するが、今回のような軽薄寄りの若者キャラではやや空転気味。29歳という日和った年齢設定ではなく、例えば35歳くらいにしておけば、この役者さんの本領を引き出せたと思うのだが、まあ仕方ない。
 その一方で、ヒロイン役の鈴代氏が抜群の輝きを見せている。この方は、あまりピンとこない芝居もあるのだが、幼くて元気なキャラは十八番のようだ(※『九龍ジェネリックロマンス』の小黒も、同じ路線で見事にキャラを立たせていた)。
 というわけで、50点+ヒロイン(15点)=65点という、不思議な評価になった。しかし、このヒロインキャラの魅力の一点突破で、はたして最後まで突き通せるだろうか?
 第1話からいきなりおもらしシーンという飛び道具については、あえて掘り下げまい。