2013/07/17

『BUNNYBLACK3』経験値獲得効率について

  『BUNNYBLACK3』獲得経験値の割増効率――「学」スキルの活用
  ※関連記事は『BUNNYBLACK3』メモページを参照。


  「学」スキルが発動する状態では、獲得経験値が1.1倍になる。「学」スキルが2個あれば1.2倍、3個あれば1.3倍となり、併用すればするほど効果が上がっていく。この「学」スキル所持ユニットをどのように配置すれば、獲得経験値を最大化することができるか。
  「学」スキルを所持している味方ユニットは、全部で7体いる。アオ、アルトマン、クドア三十七世、クラック、モイ、ローサの6ユニットの「学」はリザーブ能力であり、エリアータのみはフィールド能力として「学」を所持している。
  また、前提として、リザーブにいるユニットは、フィールドにいるユニットが獲得する経験値の20%を獲得する、ということも確認しておこう。すなわち、戦闘勝利時に「xxxPの経験値を獲得した」と表示された時、その時点でフィールドにいるユニットは、表示されたポイントに対して「学」(があれば)の効果を加算した値、及び自身が「勤勉」スキルを所持している場合はその分も加算した値、それぞれ自身の経験値として獲得する。そしてリザーブにいるユニットは、表示された上記ポイントに対して「学」(があれば)の効果を加算した値、及び自身が「勤勉」スキルを所持している場合はその分も加算した値に、さらに0.2を掛けた値を自身の経験値として獲得する。

育成対象
フィールド
「学」所持
フィールド
育成対象
リザーブ
「学」所持
リザーブ
経験値
獲得効率
(全体)
経験値
獲得効率
(育成対象)
6050100100
6041110107
6032120113
6023130119
6014140124
6005150129
5150110_94
5141120_99
5132130104
5123140108
5114150111
5105160114
※表1:「学」スキルを利用した場合の経験値獲得効率

  「学」スキル所持ユニットを出撃メンバーに組み込んだ場合、獲得経験値がどのようになるかを示したのが上のテーブルである(「表1」)。11個の出撃枠をすべて通常の育成対象のみで埋めた場合と比較してある。「経験値獲得効率(全体)」は、「学」所持ユニットを含む11体全部での獲得経験値の効率を示しており、「獲得経験値効率(育成対象)」は「学」所持ユニットの獲得経験値を除外(無視)した場合の経験値獲得の効率を示している。「学」所持ユニットの獲得経験値を除外することには、意味がある。「学」スキルを利用しつつ多数のユニットを高レベルまで育成していくと、「学」所持ユニットがすでにLv99になっており経験値獲得が不要(無意味)になった状態で、さらにその「学」スキルの効果を求めることになるからである。
  例えば、リザーブのユニットを1体、「学」所持ユニット(リザーブ)と入れ替えた場合、11体の獲得経験値は全体として1.1倍になる。「学」ユニットの獲得経験値の分を除外しても、残り10体の獲得経験値総量は、11体の通常ユニットのみで編成した場合と比べて1.07倍になっている。つまり、「学」ユニットがLv99になっているとしても、そのユニットを入れることで経験値獲得量は増大するため、「学」ユニットを入れる方が良い。同様に計算していくと、「学」所持ユニットをできるだけ多く組み込んでおく方が、獲得経験値の総量は多くなることが分かる。「学」所持ユニットの獲得経験値を除外して、通常の育成対象ユニットが獲得する経験値のみについて見ても、「学」ユニットが多くいる方が効率的である。
  ただし、「学」効果を発揮するユニットをフィールドに置く場合は、必ずしも効率上昇するとは言えない。具体的には、たとえばLv99エリアータをフィールドに置いた編成で残り10体が獲得する経験値総量は、11体の通常ユニットが獲得する経験値総量よりも少なくなる。しかし、エリアータを利用する場合でも、同時にリザーブに「学」ユニットを2体以上組み込めば、残りの育成対象ユニットたちが獲得する経験値は、11体の通常ユニットが獲得する経験値総量よりも多くなる、つまり効率的になる。
  上記テーブルの結果に従えば、全ユニットが揃っている状態であれば、「学」ユニットを最大限(すなわちフィールドに1体、リザーブに5体)組み込んだ時、これら11体全てが獲得する経験値総量は最大になる(1.6倍)。これは計算するまでもない、当然の結論だろう。また、「学」ユニットたちがすべてLv99に達している場合は、フィールドには「学」ユニットを置かず、リザーブに「学」ユニット5体を組み込む編成の時、残りのユニットが獲得する経験値総量が最大化される(1.29倍)。すなわち、11枠全てを通常ユニットを埋めた場合は、彼等全体の総計で、表示される経験値額面の7倍(6*1+5*0.2=7)を獲得することになるが、それに対して、フィールド6体+「学」リザーブ5体で編成した場合は、6体の総計で、表示経験値の9倍(6*1*(1+0.1*5)+5*0*0.2*(1+0.1*5)=9)を獲得することになり、これが獲得経験値を最大化するパターンになる。つまり、「学」ユニットがLv99になった後でも、経験値割増要員として彼等を組み込むことには意味があるということである。


  しかし、もう一つ問題がある。主人公ユニットである「ダークス」は、常時フィールドに配置しておかねばならず、しかもこのユニットは成長が通常よりも早いため、一般的なプレイではまっさきにLv99になる、つまり経験値獲得を必要としなくなる。それゆえ、長期的なユニット育成の観点では、ダークスの分を除外して計算する方が実態に即したものになる。このとき、ダークスを除いた味方ユニットたちの経験値獲得は以下のようになる(「表2」)。

育成対象
フィールド
「学」所持
フィールド
育成対象
リザーブ
「学」所持
リザーブ
経験値
獲得効率
(全体)
経験値
獲得効率
(育成対象)
5050100100
5041110106
5032120112
5023130117
5014140121
5005150125
4150110_92
4141120_96
4132130100
4123140103
4114150105
4105160107
※表2:「学」スキルを利用した場合の経験値獲得効率(ダークスを除外した場合)

  ダークス(※フィールド配置)の獲得経験値を無視した場合でも、結論は変わらない。「学」ユニットたちの獲得経験値も重視する場合は、ダークスを含む場合とまったく同じで、エリアータをフィールドに置いてリザーブも「学」ユニットで埋めるのが最も効率的(1.6倍)だし、「学」ユニットたち(とダークス)がもはや経験値獲得を必要としない場合でも、リザーブ5枠を「学」ユニットで埋めて育成対象5体をフィールドに置いておくのが、獲得経験値を最大化(1.25倍)する編成になる。
  なお、テクニカルなプレイを試みるならば、戦闘のたびに毎回ダークスを殺害して、その位置にリザーブメンバーを出したうえで戦闘勝利すれば、フィールドの6体分の経験値を丸々獲得できる。言い換えれば、リザーブユニット1体分が、経験値の20%を獲得していたところが、フィールドに出ることによって100%を獲得できるようになる。ただし、プレイヤーの実時間ベースで考えると、手間と不確実性のゆえに、けっして効率的なプレイとは言えないであろうが(――ただし、このテクニックは、レベルの低いユニットを育成する時に活用できる。最初のターンで敵ユニットをぎりぎりの壊滅状態にしておき、次のターンで行動の早いユニットがリザーブと交替したうえで他のユニットがすぐに敵撃破すれば、交替で出て来たユニットは安全に大量の経験値を獲得できる)。


  結局のところ、傘キャラのエリアータちゃんは、自身がLv99になっていない状態――つまり大多数のプレイヤーの状況――では「学」の恩恵を周囲にも行き渡らせることができるが、Lv99になってしまったら後進に道を譲るべきだということ。


  この計算は、前作『BB2』にもおおむね同じかたちで当てはまる。『BB2』の場合は「学」スキルの発動条件にフィールド/リザーブの区別が無いうえ、同種ユニットを複数体雇用することもできる(だからフィールドに「学」ユニットを複数配置することもできる)が、結論自体は上記『BB3』と同一である。すなわち:
- 「学」ユニットの経験値もすべて算入する場合は、当然、「学」ユニットが多いほど良い。
- 「学」ユニットの獲得経験値を除外する場合は、リザーブに「学」5体を置くのが最善。
- ダークスの経験値も除外する場合でも、リザーブに「学」5体&フィールドに育成対象4体。