2017/12/26

「フレームアームズ(ガール)」シリーズ雑記

  「フレームアームズ」シリーズについての雑感と覚書。
  それ以外の類似カテゴリー(メカ少女プラモ全般)も。
  だいたい日付昇順(下に行くほど新しいテキストになる)。


  2017/12/03

  【 FAG「イノセンティア」(ブルー)のカラーリングメモ 】
  設定(彩色見本)を再現するためには、以下の部分を塗装する。

●「服 ブラック」部分(ミッドナイトブルー基調)
- 脇の下をバストから背中に回るライン(H7、H8。ABSパーツにつき要注意)。
- 腹部につながる部分(H7。ABSパーツ)。
- 腹部中央の細いライン(D9)。
- 服の裾(D2~D3の左右両端)、背中(E1の中央部分と下端部分)。
  服の裾と背中は、面積も大きいし目立つ場所なので、是非塗装しておきたい。武装四肢のFランナーはABSパーツなので、無塗装のままで良いかも。「無塗装プラパーツ(Fランナー)」と「塗装部分」と「塗装済み部分(股間)」の三者で色調を合わせる必要がある。頭髪部分も、同色で塗ってから、グロスクリア上塗りで質感を変えればよいか。
  胸部中央のD7パーツは、塗装見本の写真では分かりにくいが、「マテリア」と同じ配色だとすると、中央部がブルーで四方の縁取りはブラックになる。J5パーツを使わずにこのD7パーツを取り付けておくつもりなので、きちんと塗り分けておきたい。
  なお、イラストと見本作例とでは、D2~D3の下端の塗り分けが異なっている。イラストでは正面の裾がブラックで縁取りされているが、キットパーツは周囲と同じブルーのままにすることを想定しているようだ。パッケージイラストを忠実に再現しようとすると、腹部周りの改修(彫り込み)が必要になる。また、脇の下のラインにも違いがある。キットパーツにも溝のモールドがあるし、塗装サンプルではブラックで塗られているが、イラスト(パッケージアート)では肌色のまま。せっかくモールドがあるので塗装するつもりだが、素肌のままにしておく方が色っぽいかもしれない。

●「服 ブルー」部分(コバルトブルー基調)
- 腹部前面(F23)。
  設定準拠の塗り分けに必要なのは、上記一カ所のみ。ただし、色調統一、ウェルドライン隠蔽、質感コントロールのため、ブルーパーツ全体を塗装しておきたい。股間のV字部分に色を合わせる必要がある。

●「メカ部・耳 ホワイト」部分(クールホワイト)
- ボルトのような円形小パーツとライン。具体的には、頭部(B1/B7)、胸部(D12)、脇の下(E1)、背中(D5、D10、B17)、太腿(D15、D16)にある。
- 垂れ耳の丸部分(B18/B19)。
  各所のボルト風円形パーツは筆塗りで。というか、ホワイトだと悪目立ちしてしまうので、グレーで塗ることにした(ライトグレーくらいが適当と思われる)。ケモ耳部分は色調を変えてホワイト+タンくらいにすると良いか。

●「太腿リング グレー」
- J9/J10(ホワイトパーツとブラックパーツがある)、I23/I24(肌色パーツ)のいずれか。
  指示通りに塗る。脚部のアクセントになるので、ちゃんと塗っておきたい。ホワイトのパーツをグレーで塗ることにする。

●「服 グリーン」
- 胴体と両足の発光部分(F23、E1、F18/F26/F24/F27、F13/F28/F10/F25)。
  武装脚部を使わないつもりならば、脚部塗装も無視できる。腹部の小さな部分は、塗装するよりもHASEGAWAの「フィニッシュ」シートや適当なデカールを貼り付ける方が楽かも。

●「首フリル ブルー」(ライトブルー)
- J11/H12(ホワイト成形色パーツとブラック成形色パーツがある)。
  指示通りにしてよいだろう。混色して筆塗りで済ませる。

●ブラック(スミ入れ)
- 各所(必要に応じて)。メカ耳の中央部分や、ボルト周囲、黒ラインなど。

  塗装工程としては、ブラック(ミッドナイトブルー)を先に塗ってからマスキングとしてコバルトブルー塗装すればよいか。

  バストパーツ(J5)は、デザインとして失敗していると思うのだけどなあ……。スマートな曲線美の中に、いきなり中途半端なサイズの盛り上がりが付着するかたちになり、機能面でもいかにも強引なアタッチメントのように見えるし、デザインとしての連続性や整合性も感じられない。腰上からバスト下にかけて、せっかくきれいなブラックの直線が続いていて引き締まった立体感を印象づけるようになっているのに、その終点がこんもりとした鈍重な膨らみでは……。ブラックパーツなのにこの部分だけメカニカルなデザインになっておらず(イラストはともかくキットではそれが顕著)、不自然な遮蔽物のようにしか見えない。
  そういえばスティレットガールも、胸部前面の装甲は中途半端で作為的な造形で、しかもズリ落ちそうな危なっかしい位置に付いていた。


  余った吹きつけ塗料で、適当なガンプラを塗ってみるというのはよくある。混色してしまうと基本的に転用困難になるのだが、そのまま捨ててしまうのもつまらないので。2色あれば塗り分けをしてそれなりに体裁を整えられる。キットはF2ザク(HGUC版)をよく使うが、塗ってみると案外きれいなカラーリングになることもあれば、かなり意外なブツが出来ることもある。


  【 FAG「マテリア」 】
  「マテリア」は、箱からランナーを出してみたらブラックパーツがツヤツヤで、エナメル素材のような見栄えが気に入った…のだけど、組み立てのために触っていたらツヤが弱まってきた。ああ、あのツヤは離型剤の輝きだったのか……。
  パッケージの見本写真を見たかぎりでは、拡張性皆無の無能なシンプルな素体のようだが、実際には「イノセンティア」と同様に上腕と太腿にハードポイント(ピン穴)のあるパーツも同梱されているので、一応アタッチメントパーツを組み合わせる余地がある。しかし背中も、中央に支持棒用の穴が一つ空いているだけで、どうしようもない。四肢も、ブラックのストッキングタイプのみで、素肌版は入っていない。腕と肩の接続も、「イノセンティア」のように引き出すことができない(おそらく轟雷タイプの初期型)。あらかじめ情報収集して覚悟してはいたが、本当に顔面以外は「イノセンティア」の下位互換じゃないか……。1)無能可愛いキャラとして愛でるか、2)他のFAGキットとミキシングするか、3)バイクに乗せたり服を着せたりするか、4)自力で改造するか、なにかしらの対処が必要になるだろう。
  塗装面では、胴周りのブラック、腹部正面のグレー、各部の蛍光パーツ、各部のスミ入れあたりを施せば、ひとまず設定に近いカラーリングを再現できる。頭髪は、イラスト(パッケージアート)では柔らかく広がっている感じだが、プラキットはぼってりと重たい感じ。特に後頭部のヘアがかなり分厚いのは、好き嫌いがあるだろうし、前髪が重たすぎて表情が見えづらい。

  マテリアのグレー部分は、Mr. Colorの「グレーFS36270」(#306)でほぼ代用できる。プラ成形色の透けの問題もあり、この塗料の方が成形色よりも微妙に濃く(暗く)見えるが、一瞥したかぎりではほぼ同一色に見える。調色無しの部分塗装で済ませる場合にはこれでほとんど問題ない。この塗料は半光沢なので、そのまま塗ってもプラ成形色部分との齟齬はほとんど生じない。
  ちなみに、インストの色指定では、マテリアのグレーはニュートラルグレー(40%)+ホワイト(30%)+ミディアムブルー(20%)+レッドブラウン(10%)となっている。成形色でカバーされていないのは(つまりグレー塗装の必要があるのは)腹部のみ。この部分をきちんと塗り分けておけば、縦のブラックのラインが際立たせられ、胴周りが引き締まった印象になる。部分塗装程度でも、是非とも塗装しておきたい(青イノセンティアの塗装では、ブルーとブラックのコントラストが不明瞭になってしまい、この縦のラインがきれいには見えなくなってしまった)。

胴体の黒いライン部分と腹部中央のグレーなどを部分塗装したマテリア。上述のとおり、「グレーFS36270」(#306)のままでも、ほぼ問題なく周囲のグレーと馴染んで見える。もっと近づけたいならば、ホワイトを微量混ぜたらよいだろうか。



  12/04

  【 KOTOBUKIYA雑感 】
  ここのところ、KOTOBUKIYAにはまりかけている。以前に「斑鳩」を組んだりしていた当時の印象では「マニアックだけどちょっと気の利かないメーカー」という感じだったが、どうやら実情はそうではなかった。やりたいことを明確に認識している意識的なメーカーであり、やってみたいことがあればそれを徹底的に追求しようとする意欲的なメーカーであり、そして全体としてはっきりした個性と独自の趣味を持っている粋なメーカーなのだろう。だから、何をしたいのかが分からないユーザーの目から見れば付き合いにくいメーカーに見えたし、目指している造形は必ずしもキットとして作りやすいものになるわけではない(尖ったパーツや組み立てにくい構造が頻出する)し、ユーザーの好みや価値観によってメーカーの「趣味」に対する好き嫌いが出る。

  もちろん、けっしてユーザーを無視しているというわけではなく、むしろ企業としてはユーザーフレンドリーな様子もある。いかにもオタクっぽい気配も、最近の私にはむしろ性に合う。例えば、二次創作に対するライセンスポリシー:
  [ www.megamidevice.com/guideline/ ]
  [ www.kotobukiya.co.jp/megami-blog/megami-blog-112544/ ]
を見ても、ユーザーに対して出来るかぎりの自由を認めてくれているのが分かる。

2017年12月4日、自宅にて撮影。
(写真1:)スティレットガール(左)は二年前に作ったもの。イノセンティア(中央)は、肌以外を塗装した。イラストでは褐色肌だが、キット成形色は現実の平均的な日本人の肌と同じくらい。レイダオ(右)は部分塗装。中身が詰まっており、かなりの重量感がある。4個の目は艦船模型艦載機の日の丸シールを流用。
(写真2:)頭部アタッチメント(猫耳など)、顔面表情変化(3種類)、四肢(素肌/ブルータイツ)など、多数の差し替えパーツが同梱されている。上腕、太腿、背中にハードポイントが用意されており、ピン穴の規格が統一されているため、「フレームアームズ」シリーズ内で武装等を自由に交換することができる。
(写真3:)「フレームアームズ」(ロボットの方)には設定身長があり、1/100スケールとされている。「フレームアーム・ガールズ」(女体化版)は、身長約15cm。現実の成人女性に換算すると1/10から1/11程度の縮尺に相当する。同社の別売り武装シリーズ「モデリングサポートグッズ」のほか、市販の1/12バイク模型や小型ドール用アイテムを組み合わせるユーザーもいるとのこと。各部関節は、可動範囲は広いがかなり固いので、曲げ伸ばしする際には破損しないよう気を遣う。また、ABSパーツが多く、ラッカー系塗料で塗装すると割れる虞がある。

  コルセット風+フリルチョーカー+ツインテール+スリムボディ+超ローライズ+下着露出+球体関節+メカ少女+女体化ネタ+義手義足+ボンデージ+ミリタリー趣味+ケモ耳……よくもこんな業の深いフィギュアプラモが売れているものだ。

  ともあれ、年内の模型制作はこれで店仕舞いとしようか。塗装エリアがずいぶん寒くなってきたし、温度や湿度の関係で塗装面がきれいにならなくなる虞があるので。


  そういえば、非生物を人間に準えて描くのは擬人化だが、同じようにして準えて描かれたものが人間型のロボットやアンドロイドであった場合、擬「人」化と言えるのだろうか。アンドロイドそれ自体がすでに人間に準えて新たなメカニズムを作り出されたものなので、細かく言えば「人間に擬したもの」ではなく「擬人的存在(ロボット)に擬したもの」、「擬・擬人化」になる。実際には、生物学的に厳密な人間(ホモ・サピエンス)であることはおそらく重要ではなく、「人間に似た二足歩行タイプのシルエットであり」、「一定以上の知性を持って意思疎通できる人格的存在である」ことがおおまかに満たされていれば、擬人化(人格的存在の擬制)と呼んで差し支えないだろう。英語でも「擬人化」はpersonification(人格擬制)ということだし。ちなみに、(自然現象などを)人間的存在にではなく神的存在に準えて捉えるのは、「アニミズム」と呼ばれるだろう。


(2017年12月8日、自宅にて撮影)
「クックックッ……黒マテリア」。というわけで、もう一体「マテリア」を増やしてしまった。「舌の根も乾かぬうちに」とはまさにこのこと。上からの光で、顔に影を落として、邪悪キャラっぽく。シリーズの中でも拡張性が最も乏しいタイプなので、1/12相当のドール素体として着せ替えを楽しむのが正道か。今は仮組み段階で、腹部は設定通りに塗り分ける予定。



  12/12

(2017年12月12日、自宅にて撮影)
というわけで、もう一つ「フレズヴェルク=アーテル」も作ってみた。部分塗装でかなりの見栄えに仕上がってくれるのは、(特に冬期には)嬉しい。一部のみ筆塗りで塗装。デカールは未貼付。
こっそりマテリアが写り込んでいるのは、実は意図したものではなかった。絶妙の面白カットになっているので、トリミングせずに残した。

  とはいえ、それほど満足のいく出来ではない。クリアパーツの外連味は面白いものの、胸部や脛部のクリアパーツが機能的な意味を見出しにくい。クリアパーツは個性が強すぎて、他のキットに転用したりミキシングしたりするのにも不向きなように思われる。それ以外も、デザイン上の見所が乏しいし、剥き出しの上半身と比べていかにも重たそうな太腿も、いかにも洗練されない。構造上も、腰や肩の関節が緩すぎる。フレーム強度と装甲パーツの間のバランスが取れていないということであり、設計がうまくいっていないと言わざるを得ない。この共通フレームの胴体部分の短さ(貧弱さ)は、レイダオではうまく隠蔽されていたが、このキットではかなり貧相に見える。……これはイマイチかな。可愛らしい「ガール」キットの方が良いかも。


  比叡にテネシーに350日向にスラヴァ級にドイツ艦船装備セットに……買いたいものが多すぎて、嬉しいけれど困るなあと心中ぼやきつつ、今日買ったのはバーゼラルドガールなのだった。やったねマテリアちゃん、かぞくがふえるよ!
  組み立ては来週以降、できれば年末年始を楽しく過ごすのに使おう。そして、FAガールはこれで一区切りつけられるのではないかと思う。つまり、初期モデル&FA準拠&要塗装のスティレットガール、中間モデルのマテリア(※拡張用素体のアーキテクトが入手可能であればそちらにしたかった)、最新版素体モデル&可愛いイノセンティア、そして独自造形&武装パーツ大量のバーゼラルドガールと、一通りのヴァリエーションを経験できたことになる筈。マテリアは、せっかくだから独自カラーリングを試みる素材にしてもいいかもしれない。
  また、本家FAも、レイダオは「比較的新しい」「フレームに比較的忠実で重厚なシルエット」「別機体に換装可能」「部分塗装制作」で、フレズヴェルクは「比較的初期(?)の代表的キット」「クリアパーツ使用」「派手な武装」「フレーム剥き出しで癖の強いプロポーション」「変形モデル」と、シリーズ内での振れ幅は体験できたのではないかと思う。今後何かするとしたら、大型モデルに手を出すか、人型を大きく離れたモデルを触ってみるか、拡張パーツ(MSG)で遊んでみるか、適当なキットを独自カラーリングで全塗装してみるか、といったところだろう。

  ということで、今月は期せずしてKOTOBUKIYA月間になった。しかし、同一メーカーの模型は、一ヶ月に5つも作ればさすがに十分ではなかろうか(まだ続くフラグ)。久々のロボット模型の塗装制作も楽しかったし、だいたい満足したので、しばらくは商品展開を見守るだけにして、また私の年内の模型活動もそろそろ切り上げよう(二度目の宣言)。

  島田氏のイラストは、あまり好みではない。特に頭部は、一見すると可愛いのだけど、90年代のk残り香すら感じさせる頬の下膨れとか、それに伴う顎先の珍妙なカーブとか、ヘアスタイルの退屈さとか……。スリム&ケモ耳&義体趣味の普及に一役買ってくれているというだけで十分ありがたいのではあるけれど。

  独自アレンジするなら、バーゼラルドガールをオレンジ髪にしてセリオさんにするとか全身アイボリーに塗装してM-66風味にするとか、あるいは『GADGET TRIAL』風にメカパーツを盛り付けるとか。今の私の制作技術なら、頑張れば『勇者砲』のギガメーコや『ノスタルジーカ』の「しねま」くらいはなんとか再現できるのではないかと思う。マエバリ武装少女という観点では『白銀のソレイユ』のソル=ヴァルキリーとかも思い出す。バーゼのメカ耳からの連想で、シンフォニックシュガーさんとかも。触手フィギュアと絡ませよう、などと考えてはいけない。根気があれば、ストップモーションアニメを作ることも可能。簡単な映像編集くらいはPC上で容易に行える。

  ※以下の各URLはアダルトゲーム関連のサイトにつき注意。
  [ shchara.co.jp/04develop/24yuusha/2character11.html ]
  [ www.getchu.com/brandnew/749602/c749602charab1.jpg ]
  [ www.sky-fish.jp/soleil-sow/image/sow-chr-01.jpg ]
  [ www.route2.co.jp/Triangle/Products/SymphonicKnights/img/cha_0020.jpg ]

  とりあえずオダリスクとかマハとかの有名美術作品のポーズは取らせるよね。アダルトゲームのそういうシーンを再現するというのはさすがにやめておこう。『女郎蜘蛛』の緊縛シーンを再現しようとしたら、「うわ、腕がもげた!」とか「ぎゃー、腰骨が折れた!」とか、大変なことになりそう。


  FAGを他人に薦めるとしたら、どれがいいのだろうか。
  1) 可動組み立てフィギュアとしては、イノセンティアでも実売4000円ほどの価格だし、きれいに完成させるためにはさらに精密ニッパーやデザインナイフも必要になってくるから、かなり割高になる。制作時間は4~5時間で済むとはいえ、金銭面の負担はけっして小さくない。それならば、完成品モデルのfigmaあたりを勧める方が敷居が低いし選択肢の幅も大きい。
  2) 可動を必要としない、(美少女)キャラクター模型としてはどうか。これも、1000円台から完成品フィギュアが多数市販されているので、組み立てを必要とするFAGシリーズはかなり不利だろう。背景設定が、「フレームアームズ」という、アニメ化も小説化もされていない独自コンテンツであるというのも、とっつきにくくさせているように思われる。いや、そもそもFAのプラモそれ自体がメインコンテンツであり、FAGはその余技的派生に過ぎないので、「FAGはとっつきにくい」と文句を言う筋合いではないのだが。
  3) 美少女系オタクに向けて、プラモ入門としてお勧めするのには、好適だろう。制作技術上の敷居も低いし、時間も掛からないし、無塗装でもおおむね問題無いし、完成時のクオリティも高い。ロボット模型ならばガンプラでいいのだが、美少女キャラクターの組み立て模型としては、FAGシリーズは貴重かつ高品質な選択肢だ。ラインアップの中では、キャラクターの外見の好みと財布の中身次第で、好きなものを選べばいい。ちなみに、本家FAも、基本フレーム(骨格パーツ)にパチパチと外装をはめていくだけなので、敷居はかなり低い。一部に尖っているパーツもあるが、難易度はHGUCあたりとほとんど変わらないだろう。
  4) 美少女ものに限らず、とにかくプラモ作りを試してみたいという向きにも、マッチすると思う。技術上の難所はほとんど無いし、短時間で完成させられるし、無塗装でも満足感が得られる。ほぼ人体そのままの構造なので、制作工程の把握も容易で、「自分が今何を作っているか」という理解、納得、満足の手応えを得やすい筈だ。ロボット模型だと、中空だったりするし、各パーツの位置づけが分かりにくくなる場合があるだろう。また、さすがにスケモをいきなり勧めるわけにはいかない。ただし、外見の卑猥感を我慢できるor楽しめる人に限られるという絶望的なハードルがある。特にマテリア系の股間部は本当にイタすぎるから……。
  5) たまたまFAGそのものに興味を持った人に対しては……スティレットガールは色分けが不完全なので、模型制作に不慣れな人には少々おすすめしにくい。マテリアも、武装ゼロなので単品ではあまりにも寂しい(※ただし、その分安価であり、その意味では好都合かも)。それ以外は、どれも十分なクオリティであるらしく、好みと予算次第で選べば良いようだ。ケモ耳美少女が好きならばイノセンティア(小型ドールとして楽しみたい場合もこれ)、いろいろな手持ち武装を楽しみたいならば雷シリーズかアーキテクトガール、色調も合わせた専用武装でゴージャスなレイアウトを楽しみたいならばバーゼラルドガールやフレズヴェルクガール、といった感じだろうか。キャラクターが気に入ったけれど自分で作るのは大変だという場合は、キューポッシュ版でもいい。


  ABSって、ガンダムマーカーでも割れるんだ……。わずかなスミ入れのみで、しかも力も掛かっていなかったので、びっくりした。ひとまずABS接着剤で固定した。



  12/15

(2017年12月15日、自宅にて撮影)
  FAGのために、HASEGAWAの1/12ベンチを買ってみた。サイズはほぼぴったり。バーゼラルドガールは、股間部分の隙間が気になるし、前髪が重たすぎるが、おおむね満足。
  figmaサーニャの方は、服装パーツ(黒色部分)がゴムのようなクニャクニャの軟質素材で、破損しにくいよう配慮されている。両肩の可動範囲が狭いとか顎が出過ぎているとかいった問題もあるが、制服姿+脚部ユニットを外せる+非SDのサーニャフィギュアとしてきわめて貴重。
  あっ、それは音羽桂香さんの最強必殺技、「朝の一撃」の!
  可愛らしくポージングさせるセンスも無いし、(部屋が狭いせいで)凝ったレイアウトも出来ないので、ネタに走ってお茶を濁すという、かなり駄目なタイプのフィギュア撮影者。エイリアンはリボルテック製で、造形のクオリティは高いのだが、残念ながら自立させにくい。


  FAGシリーズは前髪と横髪が重たいので、眼鏡を掛けさせるのは難しそう。眼鏡フレームの部分は、薄手のプラ板でもいいし、エッチング加工でもいいかもしれない。


  【 「アーキテクト」ガール2種 】
  アーキテクトガールのホワイト版には、武器が付属しないのか。ノーマル版と比べて、肩関節がイノセンティア型構造にアップデートされているとのことだが、ナックル&エッジが同梱されなくなり、その一方で価格は4500円から3800円になる。ナックル等を別売りで購入すると1000円以上掛かるわけだから、ノーマル版の方がお得。カラーリングの好みを無視すれば、以下のような評価になるだろうか。
- インパクトナックル等が不要ならば、今度のホワイト版の方が、無駄がなくてリーズナブルだし、肩関節も改良されているので動かしやすいし、本家FAに接続可能な膝関節もあるとのこと。ただし、マテリア並にシンプルな、素体オンリーのキットなので、単品で遊ぶには寂しい。カラーリングは個性があって魅力的だが、他のキットや武装パーツと合わせにくいし、塗装もやや難しくなる(――見本を再現しようとすると、ピンク色[!]のスミ入れが必要になる)。また、無塗装サンプル写真が無いので、パチ組みでどのような見栄えになるかはよく分からない。
- せっかくだからナックル等も欲しいという向きには、従来のノーマル版の方が、全体としては割安になる。プラス700円でこれだけの武装がついてくるのは、かなりお得だろう。ただし、追加武装に魅力を感じないならばメリットにならない。追加武装はどうせMSGで好きなものを買えばいいのだし。肩関節は一世代古くなるが、マテリア並の機構であるならば、とりたてて不満は無い。カラーリングは、シックなグレー基調でアレンジしやすいが、マテリア(ノーマル)と被ってしまうので新鮮味に欠けるし、銀髪(白髪)+褐色肌はやや癖が強い。

  武装と可動で一長一短だが、単品で楽しむ分にはノーマル版の方が良さそう。塗装していろいろデコレートする場合でも、無塗装パチ組みでも、どちらでも融通が利く。ただし、ホワイト版も、肩関節改良等のアドヴァンテージがあるし、サンプル写真を見るかぎりではカラーリングも魅力的。ちょうどノーマル版が再生産されたようだし、もし買うならばノーマル版の方にしよう。ただし、ノーマルマテリアと色調が似ているので、あえて買うほどでもないかも。胴体部分は基本的に同じだし、拡張武装を楽しむつもりはあまり無いし……。


(2017年12月22日、自宅にて撮影)
  サイバーなメカ美少女だったらデジタルなボクセルアート風の小物が似合うのではないかと考えて、nanoblockのエレキギターを抱えさせてみた。縮尺はあまり合っておらず、キャラが小学生くらいに見えてしまう。また、ブロックミニチュアもあまり似合っていない。ちなみに、nanoblockはABSパーツなので、通常のプラ用接着剤は使えない。
  「私の~彼氏~♪ 友達に取られた~♪」(アイチョネタ)とか、あるいは、拙い手書きでギターに「スェンダー」と書くとか(『キラ☆キラ』ネタ)。

  家電系量販店の玩具コーナーは、子供連れの家族たちで賑わっていた。
  うん、そう、年の瀬のこの時期はそうだよね。


  【 今後の制作の展望 】
  本家FAシリーズで次に買うとしたら、「榴雷・改」が良さそうな感じ。レイダオといい、がっしりしたプロポーションで安定感のあるロボットの方が好み。装甲の重ねようを見るに、ガンプラのFAZZあたりと比べてみたい。「雷」系統の派生キットとのことで、いろいろ組み替えて遊べるプレイバリューもあるようだ。
  ただし、ロボット模型を作るのにはだいたい満足しているし、また飽きかけているかもしれないのだが。FAシリーズとKOTOBUKIYAプラモについても、そのコンセプトと基本的特徴、(デザイン上/模型上の)クオリティ、商品展開(ヴァリエーション展開)の仕方、等々についてひとまずの理解は得られたことだし。ここからは知識欲や情報収集といった要素は取り払って、ただ純粋に趣味としてKOTOBUKIYAキットを楽しめるかどうかで付き合い方を考えていけばいいだろう。

  「榴雷・改」には、ヴァリエーションキット(発展形)として「ウェアウルフ・スペクター」もあるようだ。WWS版は追加パーツがあり(頭部、シールド裏側武装、シールド接続部か)、パーツ構成でいえば完全上位キットのようだが、ただし「榴雷・改」部分の頭部パーツ(カメラ部分)が塗装済みではなくなっているようだ(?)。どちらでも大差ないので、好みで選べばよいだろう。WWSはブラック基調(おおまかに2色)だが、それに対して「榴雷・改」の方はホワイト&グレーなのでスミ入れが映えると思われる。無塗装(スミ入れ程度)で遊ぶならば「榴雷・改」キット、きれいなブラックに全塗装したいならばWWSキット、といった感じになるだろうか。
  この系統には、「轟雷アーマーフルセット」なる製品もある。轟雷系でとにかく一つだけ購入していろいろ楽しみたいというのであれば、いっそこれを買うというのも手だろう。

  後日追記:WWSを購入。パーツ分割は「榴雷・改」キットに従っているため、成形色によるカラーリング再現もあくまで「榴雷・改」がベースであり、WWSとしての色分けは不完全なようだ。ウェルドライン(プラ成形色の波打った濁り)もわりと目立つし、ピン穴の裏側にはっきりとヒケの模様が見えているので、やはり全塗装した方が良さそう。ヒケに関しては、表面を触ったくらいでは分からないくらいの微妙なものなので、塗装すれば隠せるかも。プラの削りカスを出すのが嫌いなので、できれば表面処理はせずに済ませたいし。
  それにしても、色分けが分かりにくい。成形色の違いも微妙だし、設定画を見てもどこがどの色になっているか判別しづらい。けっこうな難物かも。まあ、好きに塗っていいと思うけど。


  【 (メカ系)美少女プラモいろいろ 】
  Figure-riseシリーズといい、DRAGONBALLプラモといい、AGPといい、S.H.Figuartsといい、とかくBANDAIキットのキャラクターの顔にはまるで魅力を感じない。あえてオタクっぽい色気をまとわせないようにしているのかもしれない(そしてそれが幅広い層に売れるブランドイメージと結びついているもかもしれない)けど、もやもやする。
  FIOREも、片八重歯+ジト目というキャッチーさを前面に出した大胆なキャラデザだが、そのわりにどうにも垢抜けない感じで、なかなか手が出ない。所詮VOLKSだしなあ。いずれ一度は作ってみたいが、購入の優先順位が上がらない。ただ、脚部のラインはFIOREの方がはるかに良い。というか、FAGの脚部は太腿側がやけに長いし、シルエットも肉付きを感じさせない。
  AOSHIMAからもヴァルキリーガールが出るようだが、このメーカーらしくおっとりして無難な感じっぽい。変形モデルやキャラクターモデルのノウハウもある筈なので、機構面では安んじて期待していてよいだろう。ただし、あのスク水の模様は、塗装で再現するとなるとなかなか大変だろう。おそらくデカールが提供されるだろうけれど、両脇のブルー部分(塗装?成形色?)と正面のブルーライン(デカール?)の色をきれいに合わせるのは難しいだろうし。
  KOTOBUKIYAも、FAGはひととおり体験したから、次はMDシリーズを作ってみたい。都合の良いことに、新作「朱羅」はマフラーキャラのようで、たいへん魅力的。


  【 フレーム部分のコストと意義について 】
  FAシリーズのフレーム部分(アーキテクト)をあらかじめ組み立て済みにしておくコストは、どのくらいなのだろうか。40パーツほどあるから、1パーツ1分としても手作業で1体作るのに40分は掛かる計算になるし、そうすると時給900円としても1体あたり600円の上乗せになり、また、100人いても1日(8時間労働)で1200個しか作れない。さすがに、工程をきちんと設定したロボットを使っているのだろう。力の要らない小パーツ群の組み立てだから、ロボット化はしやすそうだが、投資コストがそれに見合うかどうかは分からない。
  ランナーのままにしてフレーム組み立てをユーザーに委ねてもいいと思うが、しかしこの仕様がFAシリーズの特質と結びついているというのもまた確かだろう。「共通フレームの存在」というコンセプトの明確化(作中設定上と製品上の双方)、「出来合いのフレームに外装を取り付けていく」というデザイン、「簡単な組み立て」というユーザー向けのアピール(無塗装制作でも楽しめるというアピールでもある)、「成形色のヴァリエーションを楽しませる」というアプローチ、そして「フレームの組み替えをする」というメカニズムの面白さ。
  ただし、ランナー状態のものを別途販売してもいいと思うけれど。そうすれば、ランナー切断面を自分で丁寧に処理したいというユーザーにとってはありがたいだろう。
  BANDAIのRGシリーズも、既成の共通フレームを使っている。RGの場合は「小サイズにフレームを組み込む」、「関節部の保持力確保(強度コントロール)」、「外装を取り付けていくだけなので作りやすい(※この点だけはFAと同様)」、「多重インジェクションにより、通常のプラモでは再現できない構造を実現する」、といった意義があるだろう。


  [ www.kotobukiya.co.jp/megami-blog/megami-blog-121705/ ]
  [ www.kotobukiya.co.jp/product/product-0000002606/ ]
  今日、店頭に並んでいるのを見つけたのだが、その時すでにたっぷりオタクアイテムを買っていて両手の荷物が限界に来ていたので、買わずに立ち去ってしまった。せっかくのマフラーキャラだし、こうして公式写真(上記)などを見ているとなかなか魅力的だし……やはり無理をしてでも購入しておくべきだったか。


  というわけで、WWSを作った:「ウェアウルフ・スペクター制作雑記」。


  同一の機体で、FA本家版とガール版の両方を作ろうという意欲は湧かない。FA本家版を作ってしまうと、その全体の造形の良さが気に入って、ガール版はいかにも中途半端なものに見えてしまう。一方、ガール版を先に作ってしまうと、そのゴージャスさに満足して、本家版が商品として無愛想なものに見えてしまう。人によっては、見比べると両方を買いたくなるという場合もあるかもしれないが、私の場合はこういう心理になっている。


  MDの「朱羅」忍者は、頭髪部分に細かなライン状モールドが入っているのがなかなか良い感じ。たいていのキャラクタープラモの頭髪造形はツルリのっぺりでいかにも味気ないのだが、こうしてディテールを入れてくれると、密度感も増すし、頭髪としての意味の理解もしやすくなるし、ユーザー側でスミ入れによって精緻化することも容易になる。オタク系美少女プラモ&フィギュアは、元になっているキャラクターそれ自体が大きくデフォルメされているのだから、むしろこのくらい誇張的な表現をしてもよいくらいだろう。
  イノセンティアの後髪も、同じような縦のラインモールドがたくさん入っていて、髪の毛らしいリアリティがある。マテリアには、そういうディテールは乏しく、かなりもっさりしていた。



  2018/01/25

可愛いのは結構だが、そろそろコーディネートにまとまりが無くなってきた。なにやら「イタリア人少女を装いつつカゴに銃を忍ばせていた暗殺用アンドロイド」といった趣が。いよいよ『GUNSLINGER GIRL』の世界に……。でも、グロックを軽々と持っているのを見ると、ずいぶん大柄に見える。実際、身長15.5cmだから、1/12と見做すと186cm相当になってしまう。
顔パーツを「FIORE プリムラ ビクトリア」に差し替えてみたら、下膨れの緩んだおバカ顔に一変してしまって大笑い。なんとあざとい……。しかし、目つきを見ると、狂気をはらんでいるようにも見えてちょっと怖いかも。顎の形状が合わないが、嵌め込むだけならば加工でも一応入る。逆の「FIOREヘッド+FAGフェイス」は、嵌め込みピンが干渉するので加工。
頭部全体をFIOREのものに交換してみるとこうなった。FAGの首パーツ上端のボールは、FIOREヘッドの顎下に嵌め込める。強気の八重歯キャラになって、これはこれでなかなか可愛い。頭部のサイズはFAGよりもFIOREの方がやや小さめだが、ツインテールの分、FIOREもかなりのボリューム感がある。
[ www.volks.co.jp/jp/vlockers/images/fiore02_01.jpg ]:シネンシスポーズをビクトリアでコピーするのは、是非ともやってみたかったネタ。試してみると、装甲に干渉して肘が90度しか曲がらないし、腕とツインテールもぶつかるし、胴体を捻るのも大変だしで、ポーズ再現はかなり難しかった。というか、かなり高度なポージングであることが分かった。

  期せずしてイノセンティアからビクトリアへの変身四コマ漫画になってしまった。


  ちなみに、上記のシネンシスポーズをFAGの各キャラで再現しても、見栄えはあまり良くならない。考えられる理由は:
  1) FAGの胴体は胸下と腰部の2箇所が可動するが、腹部を曲げることができないので、どうしても身体が硬く見える。しかも胸下分割部の回転可動は不自然に見えるし、腰部の屈曲は可動範囲が狭いうえ外れやすい。この点では、FIOREプリムラに一定のアドヴァンテージがある。腰裏側は可動関節が露出するのだが、これはこれで一つの割り切りだろう。
  2)プリムラでは手足の先端側に大きめの装甲パーツを着けているので、外連味のあるポージングでも四肢の運動性を直感的に把握しやすい。それに対してFAGは、本体のシルエットがシンプルすぎたり、武装が上腕や太腿についていたりするので、大きく身体を捻っても空疎感が生じやすい。FAGは、他のパーツ群と組み合わせてこそ、素体としてのポテンシャルが発揮されるタイプだと言うべきだろう。
  こうした点に鑑みて、なるほど確かに上記のポージングはプリムラならではの個性を引き出しているし、またFAGはFAGで異なった路線を追求しているのだということが理解できる。例えばバーゼラルドガールは、ガール胴体の可動をほぼ断念し、その代わりに白水着シルエットの美しさと背面武装のゴージャスさを売りにしていると考えるべきだろう。また、パーツ構成(組みやすさ)やパーツの合い(隙間の空かない精度)や接続部の快適さ(プリムラはキットのままでは硬すぎる)などは、FAGシリーズに一日の長がある。ことほどさように、フィギュアやプラモにおいてもコンセプトの明確化とアプローチの取捨選択は重要であり、ユーザー側もそれを適切に認識したうえで個々のキットを評価すべきだろう。
  オプションパーツに関しても、FAG(MSG)が「リアリティのある武器」が主なラインアップであるのに対して、FIORE(VLOCKer's)は「カラフルな武装(追加装甲)」をファッション的に着せるのに適しているようだ。この点でも、路線の違いははっきりしている。
 えーと、「VLOCKer's」シリーズの中の、メカ少女ジャンルが「FIORE」で、その中の「プリムラ」系統キットの一ヴァージョンが「(プリムラ・)ビクトリア」という名前、という理解でいいのかな。

  「プリムラ・ビクトリア」の配色は、頭頂部の飾り(基部)とスカート上端を塗装するだけで、完成見本の通りになる。
  前者はJ2パーツ。PS素材なので、ラッカー塗装可能。メタルブラック+レッドブラウンを適当に混ぜると、「I」ランナーの成形色に近づけられる。
  後者は、H1とH2パーツ。クリア化するのは困難なので、蛍光グリーンに多少イエローを混ぜると、クリアパーツ(「J」ランナー)の色に近づけられる。ABS製だが、厚みのある大きなパーツであり、負荷もあまり掛からない場所なので、ラッカー塗装しても構わないと思う。
  設定イラストと見比べると、さらに上腕の一部(F6×2個)も、このライトグリーンで塗ることになる。プラモ実物を見ると、ここを塗装すると接続パーツの「+」穴が悪目立ちしてしまいそうだ。ただし、軽装状態にする場合には、ここにもグリーンのラインを入れておいた方が引き締まると思われる。なお、このFランナーもABS製であり、負荷が掛かりやすい場所なので、塗装するならば水性塗料にすべきだろう。また、この上腕をグリーンに塗装するならば、太腿の肌色とホワイトの間のラインも同じくライトグリーンで塗装した方が、デザインとして整合的になるように思う。プラモ実物には、それを思わせる段差モールドが入っている。


  全体のクオリティはまずまずなのだけど、パーツの嵌め込み具合や、各部固定の難しさ、ゲート跡処理など、キャラクター性と同様にキットそれ自体もかなりのやんちゃ娘でした。


  自作プラモ写真は気楽に掲載できるのがいい。ゲームのスクリーンショットだと、正当化される「引用」の範囲にとどまる必要があるため、気兼ねなく掲載することができない(もちろんそれは他者の権利に対する当然為されるべき対応なのだが)。自分の気に入ったものを自分の好きなように撮影していくらでもばんばかブログにアップロードしてよいのだという安心感は大きい。


FAG(マテリア+イノセンティア)の身体に、PNの布製衣服、MDの頭部に、FIOREの顔面パーツを組み合わせた。メガミデバイスは全体のサイズが小さめなので、頭部を載せ替えると見かけ上の等身が上がる=ボディがさらに大柄に見える。MDヘッドにFIOREフェイスはきれいには嵌まらず、顔面がかなり下寄りになる(そのため、おバカっぽさがさらに強まる)。


  FAGシリーズは、当初は企画としてはほんの余技みたいなものだったのかな。かなり売れてここまで展開されてきたけど、最近でもヴァリエーションキットがかなり多いし、FA本家をアレンジしたお遊びキットのつもりだったのかもしれない。KOTOBUKIYAとしては、MDシリーズの方がメカ少女プラモの本流になる筈だったかもしれない。


  新作のMD弓兵も買ってきたけど、くっころ忍者と並べて飾れるのはいつになることやら。
  →「朱羅」2体の制作記事完成写真はそれぞれ別ページにて。
  四肢は重武装なのに、胴体の正面は剥き出しで、しかも(可動のための腹部分割のせいで)下腹部がイカ腹っぽく膨らんでいるのが、なんとも色っぽい。
  それにしても、弓兵の顔立ちはなにやら山口譲司キャラっぽい。


  【FAGと布縫製ドール服】
  FAGシリーズに衣服を着せると、あまりきれいなシルエットにならない箇所がある。
1) 首が短すぎて、襟に埋もれてしまう(※イノセンティアの追加パーツで解決可能だが)。
2) 両肩が狭すぎるので、見栄えがしない(肩関節の都合上、やむを得ないが)。
3) 胸部が薄すぎ、その一方で肋骨の下が出っ張ってしまう(腹部の可動確保のため)。
4) 手足が細長すぎる(細さはともかく、長さに関しては武装追加のためだろう)。
5) 1/12ドールよりも大きめ(1/10程度)なので、服のサイズに合わないことがある。
着せ替えの素体として見るかぎりでは、さすがに本職ドールメーカーに一日の長があると言わざるを得ない。それに対してFAGシリーズの強みは、
a) オタク系デザイナーによる頭部&顔面造形の魅力。
b) 各種武装を取り付けられる、メカ少女としての拡張性。
d) プラ素材ならではの諸特徴。各部の強度、頭髪造形のエッジの鋭さ、発色と塗装、加工性。
といったあたりだろうか。着せ替えドールの側から見た場合は、プラ素材ならではの頑丈さと、顔立ちの可愛らしさ、そしてやや大きめのボディなのでうまくレイアウトすれば見栄えがするのも長所になるだろう。

  もちろん、逆にプラモデルの視点からドールを評価することもできる。その場合は、「人体としてのプロポーションはたいへん美しいが、素体のままではなんともならないし、拡張性もほぼ皆無なので、武器を持たせるくらいにしか使えない」ということになるだろう。可動範囲も狭めだし、関節も緩いし、加工もしにくいし、布製の服は頑健性や耐久性に難がある。本来想定された用途以外での評価なのだから、やむを得ないが。


  服装をコーディネートする際には、身長も年齢感も等身も、全てをうまく合わせなければいけないのが難しい。大柄に見えるキャラクター(大きめのスケール感のボディ)に普通サイズの服装を着せると当然つんつるてんになってしまうし、幼く見えるキャラクターに大人びた服装は合わないし、デフォルメキャラに特有の寸詰まりのプロポーションだと衣服の見栄えも変わってくる。
  さらに、オタク系キャラは表情などのデフォルメが強いうえ、頭髪色も個性的な色になっていることが多いので、頭髪色と服装を合わせるのも大変になってくる。私の場合は、同系色に揃えつつ明度や彩度のコントラストを作るアプローチで、取り合わせをなんとか作っている。例えばマテリアはブルー系(水色髪+濃紺ワンピース)。イノセンティアもわりとうまくいったと思う。


  ZOIDSのガール化はまずいぞ……メカ+ケモ(しばしば四つん這い)+少女という極端なニッチ趣向なのもあるが、商品化した場合の価格も怖い。ちなみに、実際に「ゾイドガール」は過去に販売されていたらしい。