KOTOBUKIYAのプラモデル「兼志谷シタラ (天機) Ver. ガネーシャ」について。
2022年10月に制作したものを、簡単に紹介する。 (cf. tw: 1586723705849139202 )
KOTOBUKIYA「兼志谷シタラ (天機) Ver. ガネーシャ」。ガールプラモ史上最大級のキットだが、ランナー塗装(1時間)+組み立て(10時間)で出来上がり。ガール本体がやや小柄(14cm弱)なのも、背負いものの大きさを際立たせている。側面から。後方にも大きく伸びている。巨大な脚部ユニットは、単純なモナカ構造ではなく、ちょっとした多重装甲構成になっている。強度確保のためでもあろうし、また、作りやすくもある。これほどのボリュームにもかかわらず、非常にスムーズに制作することができた。
ダークブルーの部分は、ティターンズ色(+ブラック少量)でちょうど合っていた。ライトブルーは、ツヤ消しのみ。フレーム部分は、例によってブラック+少量シルバーで。両足を武装脚部に差し替えつつ、背面に4つの巨大なユニットを配しているというのが全体の構成。要は背面にユニットを浮かせているだけなので、装備としての一体感には乏しい、上に撓んだガル翼は、このダークブルーだとコルセアっぽいかも(※コルセアは逆ガルだが)。メガミ規格なので、同シリーズの別キャラも装備できる(写真は「CP 赤ずきん」)。巨大な武装脚部は、左右に広げてメカ腕っぽいシルエットにしても面白いかもただし、メカ脚部はかなり重いので、ぶら下げる以外のポージングは難しそう。フル装備だとこんな感じ。武装パーツの構成が見て取りやすいかと思う。左右の上側に浮いているユニットは、変形して腕のようにすることができる。下側のユニットは、逆関節のように曲げられる。せっかくの大物なので、いろいろ比較してみる。まずはスヤタ(SUYATA)の「アルテミス(Artemis)」。どちらもとびきりの大物だが、ボリュームはシタラ、一体感はアルテミスといった感じ。「赤ずきん」は、常識的なサイズのガールプラモの見本。兼志谷 シタラ (天機) Ver. ガネーシャと、Ex-Sガンダム(MG版)。これもボリュームはほぼ互角。価格がほぼ半分(8000円/14800円)なのは、さすがBANDAIと言うべきか、それとも時代的懸隔ゆえか。斜めから撮影。メカガールフィギュアの歴史的大作、ALTER「1/8 トリガーハート エグゼリカ」と並べるとこんな感じ(※ただし、エグゼリカはさらに左右の大型ユニットも付属するが……)。いずれにせよ、プラモデルに関しては、私は「大きいは正義」(大縮尺/大サイズ)な価値観を持っているので、今回の大物っぷりにも満足している。同じメガミデバイスシリーズで言うと、「SOL : ラプター」(2018年11月、税抜5800円)も、当時はかなり贅沢に盛り込んだ大物キットだった。しかし、2022年現在の目で見ると、わりと常識的なボリュームできれいにまとまったキットという捉え方になるだろう。4年の歳月はかくも大きい。
ランナーのまま吹き付け塗装をしてしまうのは、わりと便利。とにかく手軽に塗装できて、無塗装よりはずいぶんマシになるし、ウェルドラインも消せるし、金属色パーツもぐっとクオリティが上がるし、ついでにツヤのコントロールもできる。成形色ベースの制作であれば、有望な選択肢だと思う。ランナー塗装ならば、スプレー缶でも塗りきれるし、とにかく速いのが良い。塗装作業量のプレッシャーにめげて積んでしまうくらいなら、ランナー塗装で簡単に組んでしまって完成状態をじっくり楽しむ方が良いかもしれない。パーツを切り出してからの(エアブラシ)塗装だと、持ち手を一々取り付けてこまごま吹き付けていく必要がある。ランナー塗装では、そうした手間を一気にショートカットできる。その点の労力を大幅に削減できるのが良い。
もちろん、デメリットもある。「塗りもらしが発生しやすい」「ゲート跡が露出する」「細かな塗り分けができない」等々。ゲート跡については、後で一々リタッチするなら、真面目に「切り出し→塗装」の方が良いけれど。成形色ベースであれば、ゲート跡はそのままでもいい(※前記シタラもそのまま)。
また、スケールモデルではこの手法は通用しない。きれいに色分けされたロボット模型や、ガールプラモ(アンダーゲートだとゲート跡の問題を回避できる)であれば、わりと現実的な選択肢だと思う。私自身、全塗装6割、パチ組み3割、ランナー吹き付け1割くらいには使っている。
ツヤや質感のコントロールという観点で言えば、「組み上げてから全体ウェザリング」の方が簡単かもしれない。私個人としては、汚し塗装があまり好みではないからランナー塗装を用いているというだけ。