03/01
BANDAI(Figure-rise LABO)「南ことり」。制作時間は2~3時間程度。作業していて、自分が何を作っているのかが分からなくなってきた。プラモデルの新領域なのか、先進技術の実験場なのか、それともフィギュアもどきなのか、複合分野の混合物なのか……。しかしいずれにせよ、歴史上最も可愛らしいプラモデルであることは間違いないだろう。しかも、プラ成形色のまま(つまり無塗装で)、この写真の姿が実現されているのだ。風船も、プラモとは思えない軽みがある。
スカートの内部も緻密に造形されている。歴史上最も艶めかしいプラモデルの地位にも立っているだろう。風船や靴はツヤツヤのグロス仕上げ、衣服や素肌の表面はマット(ツヤ消し)と、質感の違いも丹念に作り込まれている。さらに、ラメ入りのGランナーや、不思議な光沢のE1ランナーもある。風船の紐は、よく曲がる軟質素材なので破損しにくい(※説明書では一律にPSと書かれているが、よく分からない)。サイズはハイヒール込みで約23cm。フミナよりもやや小さい。
スカートの一部。ロボットプラモや兵器プラモとは隔絶された、見事な女の子の世界のプラモデル。
先月のグライフェンくんを、某所のコンテストに出してみようかと考えている。店員さんに伺ってみたところ、レギュレーションは大丈夫なようだ。ただし、現状では盛り付けがクドすぎるので、構成をコンパクトに整理してから持って行こう。
シンプルな構成にした。コンセプトを明確化するには、このくらいで良い。左肩には、伸ばしランナーでアンテナを取り付けた。良いアクセントになるだろう。「アームの手先部分を取り替えるだけで全体の印象が一変する」、「重機らしく各所にケーブルを這わせる」というアプローチは、1作目とまったく同じ手法。
様々なパーツを最大限盛り付けた状態。いろいろ手を加えているうちに、最終的にこんな状態になっていた。ゴチャメカっぷりは出ているが、見どころが絞れず、作品として洗練されていない。
各部のアーム類を伸ばした状態。素体の手足を含めて、13本もの肢が出るでゲソ。右肩背面に取り付けているのは、MSG「フォールディングアーム」。左肩背面のブロックは、FA(本家)「グライフェン」のミサイルランチャー。
グライフェンガールをいろいろ改修している作品でも、メカハンドを他のパーツに差し替えているものはほとんど見かけない。何故だろうかとひとしきり考えてみるに、「両肩の大ぶりなハンドはグライフェンの最も目立つアイキャッチ要素なので、それを無くしてしまうのはもったいない」という意識であろうかと思われる。
私の場合も、一作目は個性の強いクローアームに置き換えたし、今回もサイズの大きなMSGを2つも投入したので両腕に大きな存在感が確保されている。その意味で、私の作品も依然として、キット本来の構成とその大きなアピールポイントを引き継いでいる――あるいはキットの基盤を成すアイデアの圏内を逃れられていない――と言える。
02/13
可愛い子にはドール服を着せよう。橘猫工業の「C.A.T.-00」。AZONEの「1/12 イノセントガールset(ホワイト×レッドチェック)」がよく似合う。
「C.A.T.-00」と他社キットの比較。肌の色は、MD「ランチャー」(左)よりもさらに血色が良い。サイズは、ハイヒールの分を差し引けばFAG「グライフェン」(右)とほぼ同じで、標準的な15cm級ガールプラモ並の大きさ。
「C.A.T.-00」短評。橘猫工業のキットは初めて組んだが、パーツ精度は非常に高く、合わせ目の隙間がほとんど出ない。関節部はほどよい硬さだが、股間が微妙にグラつく。
青色パーツは、ツヤ消しになるように表面の肌合いが処理されているようで、無塗装でも安っぽくならない。素肌パーツは、ランナー状態で見るとかなりピンク色が濃いように感じたが、完成させてみるとほとんど気にならない。比べてみるとMD「ランチャー」よりもさらに血色が良いのだが、健康的な肌ツヤ感として鑑賞できる。首パーツがグレー成形色なのは、ちょっと勿体ない。ここは素肌の色が良かったと思う。イラストと見比べると脇の下も素肌色に塗り分けたいところだが、ガイドになるようなモールドも無いし、調色も難しいのでやりにくい。
全身のサイズは、ハイヒール込みで約15cm。公称1/12だが、実際には既存の15cm級ガールプラモとほぼ等しいサイズになっている。かなりメリハリの付いたプロポーションに見える。特に腰周りは、柔らかなカーブで安定感のあるシルエットになっている。脚部は細く引き締まってスラリとしており、たいへん美しい。
ガールプラモ分野へのデビューとしては、文句なしに合格点のクオリティだと思う。可動構造は、きちんと他社研究をしたうえでデザインされているようだ。嫌味のない可愛らしいキャラデザだし、パッケージイラストとは顔立ちがかなり異なるが、猫っぽい魅力は十分表現されている。拡張性は乏しいが、背中に接続穴が一個だけ空いている。スタンドベースなどに接続するためのものだろう。ハンドパーツやフェイスパーツもたくさん入っている。全体として、プレーンなガールプラモとしては十分に良い出来だし、コストパフォーマンスも高い(※税抜定価2980円。実売は2500円程度だろう)。これ一作だけで終わることは無いだろうし、今後の展開を期待していける手応えがある。
あえて難点を挙げるならば、1)拡張性が乏しい、2)頭部下面が真っ平ら、3)頸部の色がグレーなのは気になる、4)猫耳無しの頭髪パーツも欲しかった、5)肩のラインがデコボコ、といったあたり。長所は、1)リーズナブル、2)高精度で作りやすい、3)プレーンなガールプラモは意外に貴重、4)脚部が美しい、5)猫型フライパンが可愛い、など。
FAG「マテリア」系統は、プレーンなガールプラモというにはクド味が強すぎるからね……。メカ融合ボディや、卑猥な股間造形など、ちょっときついところがある。
上の写真のグライフェンガールは、まだ作りかけ。これからイスラエル軍に入る予定(?)。
ワンフェス関連のニュースを見るに、ガールプラモは模型/フィギュアの一分野として確立され、大きな地位を占めるようになったようだ。KOTOBUKIYAのような半裸少女パッケージではユーザー数は限られ、市場規模も頭打ちになるだろうと思っていたが、AOSHIMAのマクロスガールのようなマイルドなアプローチもあるし、BANDAIのFigure-riseシリーズのように大掛かりな商品展開の一部としてラインアップを形成していくアプローチもある。
ここ十年来の完成品フィギュアの高騰も、この流れを間接的に後押しするだろう。VOLKSやGSCのようなフィギュア系企業がノウハウを活かしつつプラモデル分野に進出してきたし、2万円超のフィギュアについていけないユーザーたちも4000~6000円のガールプラモならば喜んで買うだろう。
この5年足らずの間に、模型界に新しい分野が成立した。その刺激的な過程を、そのダイナミックな歴史を、ほぼ同時代的に体験できているのが、たいへん楽しい(※細かく見れば、00年代以前にも女性キャラのプラモデルはあったが、それらは独自の一分野として認識されるほどの存在ではなかったし、市場規模の点でも技術面でもまったく未開拓のままだった)。
ただし、各社キットを比較したり過去のキットを組んだりしてひととおりの展望は得られたので、ひとまず満足したところだ。今後も新作発売や市場動向は見守っていくが、あまり深入りせず、良さそうなキットを適当に摘まむくらいだろう。
ちなみに、模型誌としても、嬉しい傾向だろう。1)細かな設定が無いので、自由なアレンジができる。2)それでいてキャラクター性が非常に強く現れるので、見栄えもする。3)ミキシング文化をさらに拡張してくれる(※芯として有用)。4)新領域なので、技術紹介のネタが豊富。等々。
国内模型メーカーでいうと、HASEGAWAは『バーチャロン』キットの経験もあるし、近年では美少女レジンキットをいくつもリリースしているので、採算の取れる見込みが立ったらすぐにでも参入してきそうだ。FUJIMIも、Ptimo「初音ミク」や「くまモン」をリリースしているし、新しもの好きなので、いずれ出てくるだろう。これらのメーカーがガールプラモ分野にまだ手を出していないのは、「売れるキャラクターデザイン(腕の良いイラストレーター)を掴まえるのが難しい」というのもあるが、おそらく「アイプリントや人型関節構造を作るのが難しい」というハードルもあるだろう。AOSHIMAの場合は、以前からフィギュア製造も行っているのでそのあたりのノウハウがあったが、技術的蓄積の乏しいメーカーが人型可動プラモを設計するのは容易なことではあるまい。
TAMIYAは……無さそうだよねえ。
ABSパーツへのラッカー塗装はやはり辛いのか……。薄めに塗れば大丈夫だろうと高を括って吹きつけ塗装をしたが、数時間でモロッと折れた。可動に差し障りのない箇所だったので接着剤を流し込んで強引に再固定したが、そのほかのパーツも怖い。慎重に処理するなら、先にプライマーを吹いて表面をコーティングしておけば溶剤の浸透を防げるし、遠めから少しずつ吹いて溶剤付着を極力減らすという現場的解決もある。
02/02
(※グロいかも)[ https://epoch.jp/rc/capsule/products/?detail=tarantula ]
「ガチャガチャきゅーっとふぃぎゅアット♪」と心の中で歌いながら「タランチュラ」ガチャポンを回してきた。8本脚のうち4本は可動(※ごく簡単な組み立て式)。体長は約5cm、脚を伸ばすと最大10cm程度になるので、「実物大」と見做してよいだろう。
サイズが大きくて目立つし造形もそこそこリアルなので、適当なところに放置して忘れてしまったら、いきなり目にした時に「うぎゃあ」と叫んでしまいそうだ。早々に仕舞い込んでおく方が良さそうだ。とは言いつつ、すでに室内にはヤドカリやトカゲや子亀(のガチャポンフィギュア)が置いてあるので、放置していても大丈夫かもしれな……いやいや、このタランチュラの迫力はかなりマズい。うっかり台所のシンクなどに置き忘れたら、G遭遇どころではないショックを受けるかも。
[ https://p-bandai.jp/item/item-1000142944 ]
「AQUA SHOOTERS!」がコラボ展開とは。えっと、うーん、あんま可愛くないかも。しかも3人セットで税抜6000円は、通常シリーズ(キャラ3人+武器セット2種=2500円)の2倍超の価格であり、一箱で見ると500円→2000円の2倍増だ。ただし、同サイズの「デスクトップアーミー」並だと考えれば、それほど無茶な価格設定でもないと言える。また、表情豊かなフェイスパーツがあるので、既存シリーズとの組み替えは楽しめるだろう。店頭では1キャラずつの単品販売とのことだから、眼鏡の渡辺さんだけ買いたいが、「BOX形態にて」販売するとあるので、えーと、中身が選べないタイプなのだろうか……。発売は5月とのこと。
これで通常シリーズも知名度を高めるだろうし、長く続いていってくれることを願いたい。
[ https://bandai-hobby.net/item/3462/ ]
この「アスナ」キットの顔が不気味に見えるのは何故だろう。縦に間延びして見える(特に頬のラインが真下に伸びすぎている)のと、真正面視線で表情が死んでいる(というか、両目の視線が左右に広がってしまっている)のが主な原因なのだろうけど、それだけでない異様さがある。俗に言う、「見ていて不安になってくる」タイプの造形だ。そのせいで、「アスナ」というキャラクターそのものが怖くなってきた。
店頭で完成見本を見るとまともだし、ボディや頭髪の表現は良い感じなのだけどね……。
01/24
[ https://www.hobby-wave.com/products/km038/ ]
中国発のガールプラモ「C.A.T.-00」も買った。目当ては猫型フライパン。可愛らしい。これが無かったら買っていなかっただろう、というくらい。……まさかフライパン目当てでプラモデルを買うことになるとは。
開封してみた感じでは、肌色は赤みが差していてピンク寄り。MD「ランチャー」に近く、白人の肌のような感じ。胴体は大小のメリハリがはっきりしているが、四肢は細めのようだ。両肩の軸回転や腰部のオムツ構造などは、他社の先行製品を取り入れているのが見て取れる。まだ組み立てていないが、web上の言及を見るにパーツ精度も関節機構も良く出来ているようだ。付属品では、銃口部分が多面スライド金型できちんと四面の穴を抜いていたりして、なかなか頑張っている。
それにしても、いまひとつ戦略が見えない。
1) ガールプラモ市場参入? それにしてはプレーンすぎてセールスポイントが乏しい。どうせ出すなら、もっとインパクトの強いデザインの方が良かったのではないかと思う。しかし、安価な素体キットは現状では「マテリア」系列だけなので、実売2000円台で一通り揃ったガールプラモキットを出すのは、意味があると言える。ただし、それならば猫耳を外しても成り立つ仕様にした方が良かったのではないかとも思う。
2) 技術実験? シンプルな素体キットでひとまず合格点の製品が作れたわけだから、このノウハウを活用していけるだろう。このキットをベースにして様々な意匠のガールプラモを出していける道筋が出来たと思う。いみじくも「C.A.T.-00 PROTO-TYPE」と命名されており、今後も期待できるだろう。しかし、元ネタありきの美少女化にするのか、新規の武装ガールキャラをリリースしていくのか、VOLKSのようなミキシングを想定するのか、方向性が読めない。
3) 関連アイテムと合わせた商品展開とブランド化? それにしては、構造上の余裕が無い。要するに、接続穴などがほとんど無く、銃器を手に持たせるくらいしか出来ない。メーカーの既存ラインアップを見るかぎりでは、銃器路線で行くのだろうか? サバゲー寄りのアクセサリー製品を出していけば面白そうだし、アクションシーンのジオラマを目指すならば爪先可動も生きるだろう。
4) 製造元の橘猫工業の看板娘なのか? 猫耳ガールだけに。
今後の商品展開はどういう路線になるだろうか。「単なるカラバリ」、「マイナーチェンジ版」、「武器類とのセット売り」、「重武装版」、「キャラクター個性を強めていく」、「どんどん新規造形で出していく」、等々。いずれにしても、派生キットやグレードアップ版は出そうだが、おそらく猫型フライパンは付属しなくなる可能性が高い。この点で、今このキットを買っておく意味はある。
[ https://twitter.com/Trial_typeKOF ]
[ https://www.pixiv.net/users/8846958 ]
パッケージアートの「試做型KOF」氏はこの方か。女性キャラの四肢の曲線美も素晴らしいが、メカイラストやミリタリーネタもいけるようだ。ということは、この方と組んでメカ少女/ミリ少女路線で展開していく計画なのかな。
「モビルドール・メイ」は、腕部と下半身でカラーリングがばっさり分かれすぎているのもチープだが、グレーのバストがぐにゃりと突き出しているのがとにかく気持ち悪くて、買う気になれなかった。ここだけディテールが無くてのっぺりしているのは、いったい何を考えてデザインしたのだろうか。しかも、下半身がすっきりしているわりに前腕に重たそうなパーツが付いているのもアンバランスだし、足の甲だけが角張っているのも唐突感があってすっきりしない。誰だよ、こんな下品なキャラデザをしたのは……。
とはいえ、脚部のラインはなかなかきれいなようだし、アニメ絵っぽいフェイス造形にも興味がある。肘関節の構造も変えてきたようだ。バスト部分を改善できるアイデアが浮かんだら買うかもしれない。
「アルティメットニッパー」は、たしかに切れ味は素晴らしいのだが、「非常に脆い(刃が破損しやすい)」のと「刃先が短くて使いにくい(狭いところに差し込めない)」というデメリットがあるので、メインでは使いにくい。一本持ってはいるが、サブに回している。「ブレードワンニッパー」は、「アルティメット」よりも切れ味はマイルドだが、十分快適にサクサク切れるクオリティだし、強度の点でもかなり安心なので、こちらを常用している。大掛かりな切断には、頑丈なTAMIYAニッパーの余り物が何本もあるので、そちらを使えばいい。
ただし、今使っている「ブレードワン」も、開きすぎ防止のストッパーが折れてしまい、扱いが難しくなっている。しかし、切れ味は鈍っていないので、買い直すのももったいない。店頭在庫もたくさんあるようだからわざわざ予備をストックしておく必要は無さそうだし、使えるうちはこのまま行きたい。
中国のメーカーが8000円くらいの(おそらく「アルティメット」以上の切れ味の)ニッパーを出すというそうだが、切れ味が増す=刃が薄くなる=折れやすくなるということなので、あまり過剰なクオリティのものは扱いづらくなる。
01/12
KOTOBUKIYA「アビスクローラー」。きれいなビビッドカラーを眺めたい気分だったので、今回はできるだけ濁りのない色(グレーの混ざらない色)をメインに使った。
メインの暗緑色は、青竹イメージで、Mr.Colorの383番。その下は膨らみを意識させるライトグリーン(Mr.Color: 312)。アクセントになる接続穴部分は、黄緑に寄せたイエロー(Mr.Color: 528)。イスラエルカラーを取り込めたのが嬉しい。パイプ等はラベンダー(Gaianotes: CB18)で明るくした。ちょっと子供っぽいカラーリングだが、全体を穏やかな雰囲気でまとめられたと思う。クモやカニというよりは、多肉植物のようなプルプル感に近づけられただろうか。
林業用の伐採機械っぽく見えるかも。
私にとっての模型制作は、好きな色を塗りたくる立体塗り絵活動なのかもしれない。
フレーム部分。同シリーズの「ハイドストーム」と一部共通パーツのようだ。サイズそれ自体はコンパクトだが、パーツがぎっしり詰まっている。接続穴が大量にあるので、ミキシングの芯としても有用だろう。
脚部は折り畳んだり伸ばしたりできる。ただし、関節部の保持力はそれほど高くないので、このまま全装甲を載せるとベシャリと潰れてしまう。
「1/350 オリバー・ハザード・ペリー」って、プラパーツで手摺表現したあのキットか。発想は理解できるが、プラ製のごつい手摺を外周やマストに張り巡らせるのは見栄えが良いとは言いがたい。
01/03
プラモデルキットを買う時は、ほとんどの場合、どのように制作するかをあらかじめ決めてある。あるいは、制作のコンセプトが定まってからようやく購入する。例えば、「キットの指定どおりに作ろう」、「パチ組みで済ませよう」、「外装はグリーンで塗ろう」、「○○のモティーフで制作しよう」、「エッチングパーツ込みで、腰を据えて作り込もう」といったように。
事前に構想を練っておけば、
1) 塗料なども忘れずに買える(効率的に制作できる)し、
2) 作らずに積んでしまう可能性が減るし、
3) 安易な買い物(例えば安売りに飛びつくなど)が減るし、
4) 構想それ自体もたいへん楽しい。
つまり、私の中では「購入」と「制作」が強く結びついている。それに対して、ゲームは「購入」と「プレイ」はかなり自由な関係にある。面白そうな新作は、できるだけ新作として買うが、それをいつプレイするかのタイミングや順序のことはほとんど考えていない。
もちろん、実際には、事前の構想とは異なったアプローチで作ることもある。自宅で開封してみたら、予想以上に難しそうなのでイージーな制作に流れるとか、想像以上に面白い造形なのでしっかり作り込もうと考えを改めるとか。複数の制作プランの間で迷いながら、ひとまず購入しておくという場合もある。
というわけで、「アビスクローラー」を買ったはいいが、カラーリングで迷っている。レッドだと蟹になりすぎるし、青系だと『攻殻』に引き寄せられてしまうし、ブラックやシルバーも芸が無い。バイオレットも良いけど、蜘蛛型だと毒々しく見えてしまいそうだ。グリーンは良さそうだが、軍用のオリーブドラブはベタすぎるし、明るい草色は個人的に多用しすぎている。迷彩塗装をするほどの意欲は無い。清潔感のある空色か、落ち着きのあるブラウンあたりが良いだろうか。いっそ、シタデル塗料を使って「Warhammer」のデスガード風におどろおどろしく……という柄でもないか。シナイグレーで装甲塗装した方はすでにいるようだから、二番煎じをしても仕方ないし。
武装神姫のフィギュアも、資料として一つくらい手に取ってみたいのだけど、なかなか手が出ない。すべて絶版状態で、新品購入できないのはもちろん、中古でも高止まりしている。極端に高額化しているわけではないが、現在の目で見るとクオリティの低さが目に付いて、何千円ものお金を出そうという気にはならない。つまり、造形ももっさりしているしキャラデザも古臭くて、ぜんぜん可愛くないのだ。現在でも、らしんばんなどのホビー中古店にはそれなりに物が出ているので、購入それ自体は不可能ではないが……。
実のところ、現在の可動女性フィギュア/プラモは、武装神姫のノウハウを完全に消化しつくしたうえでさらにその先へ行っている。つまり、可動構造の技術の点でも、キャラデザのセンスの点でも、歴史上の遺物にすぎない。13年前のシリーズを振り返る意義があるかどうかは疑わしい。
模型欲が収まらず、塗装作業をしたいのだけど、この寒さでは塗装室に入りたくない。
かといって水性塗料の筆塗りをするには塗料のストックが乏しすぎるし。
ちまちまとエッチングパーツの取り付けをしていたら気が済むかも。
(→2020年4月~/2019年9~12月)