2024/03/12

『望まぬ不死の冒険者』感想雑記

 『望まぬ不死の冒険者』について。漫画版を継続的に読んでいて、アニメ版が始まったのでそちらも視聴している。原作小説は、さらに後追いで読んでいる。雑記欄に書いていた文章を、こちらのページに集約することにした。

2024/02/06

2024年2月以降の雑記

 2024年2月以降の雑記。

 03/18(Mon)

 リアル『倉庫番』ゲーム。あるいは、手動でのパピルスデフラグ作業。
 書棚を1-2本追加するだけでは、まるで足りないのは分かっていた。分かってはいたのよ。結局のところ、物の総量そのものが減ったわけではないので、なんら問題の解決になっていない。だが、デフラグのおかげで、ほんのちょっとだけ、家のキャパを回復できた……ような気がする(とりあえず、500冊くらいは積めそうな空間を確保した?)。また、これをきっかけとして大掃除もできた。

 大事な本を発掘することもできた。年度末はすでに2週間を切っているが、完結した漫画を全巻読み返したり、懐かしい漫画を現在の目できちんと読み返したりしたい。
 紛失した模型パーツも2個見つけた。跳ねたパーツが本の隙間に入り込むと、こうでもしないかぎり発見できない。
 このように、良いこともいろいろあったし、「書棚増設はすべきか否か」で言えば、確かに「すべきだった」し、「増設しないままよりも、増設したのはベターな対処だった」とは言える。しかし、きれいに収納しきれず積み残しが多く出たままなので、心情的には、満足感よりも挫折感や徒労感の方が大きいかもしれない。うぐぅ。

2024/01/09

漫画雑話(2024年)

 漫画についての雑感ページ。新刊中心。2024年1月~。

 2024年3月。
 史セツキ(し・せつき)『日本の月はまるく見える(1)』。BL漫画好きな中国人女性が、日本で漫画家として活動していこうとする物語……になるようだ。著者自身も中国の方らしい。中国の表現規制やネット規制、婚姻政策やお見合い慣行、若者文化といったリアリズムを踏まえつつ、情熱的なクリエイター漫画として成立している。喜怒哀楽の表情がくっきりと表現されているのも良いし、漫画演出も正統派のしっかりした出来。
 著者へのインタヴュー記事もある:[ https://gendai.media/articles/-/113266 ]


 小川麻衣子『波のしじまのホリゾント』(既刊2巻)。鎌倉でおねショタ! 情景作りも類型を脱していて新鮮味があるし、台詞回しもしっかりした掘り下げと独自性があるし、作画についても少年の体躯などが絶妙のバランスで描かれている。こういうしっとりした雰囲気は好きなので、上手く物語が進んでいってくれたらと思う。この作家さんの過去作品も読んでみようかな。
 気に入った漫画家さんについては、既発表の作品を買い揃えて読み通すこともあるけど、最近では旧作が絶版で入手しづらくなっている場合が多く、クリエイターの創作歴を遡るのは一昔前よりも難しくなっている。


業務用餅『追放されたチート付与魔術師~』
は、漫画表現として見ても非常に面白い。例えば、左記引用画像は3巻11話から。ボス敵を撃破した帰路を描くのに、こんな紙面構成でさらりと描けるとは……。
 大胆な4列コマで、台詞ゼロのまま遠景→さらに遠景→空だけ→街の手前、とまっすぐ進めている。開放的な気分。帰り道の情緒。それなりに時間をかけつつも真っ直ぐに帰還したこと。そして拠点に帰り着いた安心感。そういったものが、見事に表現されている。
 もしも普通の多段コマ割だったら、こんなにきれいですっきりした雰囲気にはならないだろう。それでいて、読者はこの描写の意味づけを素直に受け止めて、さっと読み進めていける。それほど巧みで、洗練された表現だということだ。漫画家はもちろんプロであって、凄いのは当然と言えば当然なのだけど、いや、それにしても凄味がある。本作(漫画版)は、「ファンタジー世界なのにドラゴンがウージー機関銃を持っている」「冒険者ギルドがヤクザ抗争映画のような展開をしている」といったようなネタ要素に注目されがちだが、漫画作品そのものとして、確かな読み応えがある。
 ちなみにこの漫画家さんは、本作がデビュー作。いくらプロとはいえ、こなれ過ぎていておかしいレベルなので、すでに実績のある漫画家の別名義ではないかと思われる。


巧みなレイアウト演出の実例を、もう一つメモしておく。松井優征『逃げ上手の若君』14巻118話より。大胆にも紙面全体を斜めに切断しているが、これが各コマの内容やコマ組み進行としっかり結びついている。
 1コマ目は、向かう先の風景の広がりをきれいに強調しているし、逆三角形のおかげで、下から上へ(!)動いていく状況も素直に受け止められるようになっている。その一方で、下側は、主人公の疲労感を反映するかのように狭く尖っている。2コマ目の狭い三角形コマも同様だ。
 そして3-4コマ目が広がっていくのは、このツインテールの新たなヒーローの気宇壮大なオーラを表現するかのようだ。外連味のある斜め切断レイアウトに、的確かつ効果的な演出を盛り込んでいる。凄すぎて笑いそうになる。
 先頭に立っている中心人物の顔面をあえて描いていないのも、大胆な見せ方だ。風景や状況に意識を向けさせるとともに、その次のページ以降の劇的な会話のための「溜め」としても機能している。
 作者の松井氏は、『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』を含めて十分なキャリアのあるクリエイターだが、20年近く漫画業を続けてきてなおも、こういった挑戦的な表現に取り組んでいる姿勢には敬服するしかない。


 その一方で、本当に漫画作りの下手な作家もいる。あえて名前は出さないが、美大出でキャリアの長い漫画家の新作を読んでみたら、コマのつながりはひどいし、キャラクターの身体運動表現は迫力が無いし、各台詞を誰が喋っているかすら分かりづらいし、時間経過も伸びたり縮んだりで不安定だし(そのせいで、そのシーンの緊張感も失われる)、キャラクターの言動もまるで一貫しないという滅茶苦茶なものだった。
 シリアスなガンアクションものなのに、アクション描写も拙劣だし、超一流の殺し屋が素人テロリストに背後を取られたり、あるいは、荒事を怖がっている人物が無防備にも銃撃戦の現場にふらふら出てきたり、隠密機関なのに爆弾郵便を不用意に受け取ってしまったりと、とにかくひどくてびっくりした。背中から倒れているコマなのに、「ドサッ」という擬音を足元に書き込んでいるというような無神経さも目に付く。キャリアの長い漫画家なのに……(私も以前から名前は見知ってはいたが、ちゃんと読むのはこれが初めてだった)。
 作者の頭の中では、状況の流れを作っているのだろうけど、それがコマ組みの流れとして具体化されていない――コマ組みが下手すぎて、ただ雑然と並べたようにしか見えない――のは、漫画構成として致命的だった。二度と読むことはあるまい。


 椙下聖海『馬姫様と鹿王子』も新刊(第4巻)が出た。これも好きな作品。奈良の歴史観光ものとしての側面と、鹿神が人間の姿になって登場する和風ファンタジーの側面が混じり合った作品。
 古都観光については、仏像のなども手書きのコマ絵で描写されているが、仏像実物に向き合ったときに感じるオーラまで思い起こさせるような、ずっしりした迫力がある。漫画表現としても、一ページあたりのコマ数は少なめ(一ページ平均4コマくらい)で、そのぶん、一コマごとの存在感とムードが粒立って鮮やかな印象を与える。演出面でも、かなり大胆な表現をさらりと取り込んでいる。この第4巻でも、寺の遺構を目にしつつ過去の風景に思いを馳せる二重写しの演出(44-46頁)は、目覚ましい効果を上げている。
 ストーリー進行やキャラクター表現も個性的。小さな出来事のシーンでも、丁寧にその情緒を汲み取って誠実に描いている。一般的な漫画では、場面転換を頻繁に入れていくことが多いが、本作は一つ一つのシーンを腰を据えてじっくり描いていく。例えば、猿沢池で友人と出会って話し込むシーンでも、十分なページ数を取って細やかにその会話の興趣を作り出している。
 この作者が手掛けている、もう一つの連載『マグメル深海水族館』(既刊9巻)も素晴らしい出来。架空の水族館を舞台にして、そこで活動するスタッフたちの人間模様や深海魚の生態をオムニバス風に描いていく物語だが、こちらもデリケートな心情表現をベースにしつつ、海洋生物たちの幻想性とリアリティを描き出していく。こちらも傑作


 やっぱりラブコメは苦手。やたら強引な展開や不自然な進行、さらにはステレオタイプで掘り下げの乏しいキャラばかりという作品に遭遇してしまう頻度が高い。絵は丹念に描かれていて魅力的なものもあるけれど、さすがにそれだけでは読み続けられない。
 夢乃狸『双子菜園(1)』もそういった作品で、楽しい農業ものかなと表紙買いしてみたら、上記のようなお色気コメディだった。背景まできれいに描かれていて、絵作りはなかなか良いのだけど、定型的な決め台詞キャラとか、強引すぎて説得力に欠けるイベントとか、使い古された下ネタとか、うーん、そういうチープなやり方をしなくても、もっと良い作品を作れそうなのになあ……。

2024/01/06

HASEGAWA「1/48 ボイジャー」

 HASEGAWA「1/48 ボイジャー」を制作したので、簡単に紹介する。
 キットは2012年発売で、定価は税抜2000円。

キットの全体像。右に大きく伸びた「磁力計ブーム」は約28cm、左側のアンテナ2本も約15cmと、なかなか派手な造形。中央の白いドームは、直径8cm程度。デリケートな部品が多くて制作にはかなり苦労したが、丸一日で出来上がるし、完成してみれば大きな満足感がある。

2023/12/31

2023年12月~2024年1月の雑記

 2023年12月~2024年1月の雑記。