2025/07/07

2025年7月の雑記

 2025年7月の雑記。

 07/12(Sat)

 アニメ版『レベル99』を再視聴していた。主演のファイルーズあい氏は、普段とはうって変わってぎりぎりまで抑制された芝居をしているのだが、その中から抑えようもなく滲み出てくるパワフルな迫力が、レベル99キャラの底知れぬ凄味として結実している。こうした無表情系キャラにこの役者さんを起用したのは一見ミスマッチのようでいて、このキャラクターの厚みを音声で表現するには最高のキャスティングだった。とりわけ、最上級魔法「ブラックホール」を発動させる台詞(2、6、8話)では、淡々とした声色にもかかわらず、その一声だけで特別な威力の魔法であることを十二分に伝えている。それ以外も、例えば内心のツッコミ台詞でも、控えめながらユーモアの情緒を湛えた芝居を楽しめるし、天然キャラらしいとぼけたシーンでも「本人は真剣なのだが周囲の認識とズレている」ことを明瞭に感じ取らせるバランス感覚で演じられている。珍しく他人を内心で罵る「このバカ王子~」(3話)という一言も、このキャラの基本トーンの枠内で絶妙のコントロールをされている。この作品を視聴していると、「ファイルーズ氏は、一色ヒカル氏の境地にまで到達できるのでは?」という期待すら頭をもたげてくる。
 それ以外のキャストも良い対抗ヒロインの和氣あず未氏も、キャーキャー台詞を嫌味にならないように演じているし、王妃役の中原麻衣氏も要所を引き締めている。第二王子役の八代拓氏も、「浅薄なようでいて複雑な背景がある」というキャラを上手く演じている。
 作画についても、華やかで軽みがありつつ、乙女ゲームらしい濃いめのキッチュさも残しているという難しいアプローチを成功させており、最後まで崩れることなく端正で清らかな映像を維持している(※ただし、モンスターなどの3Dパーツは浮いていて今一つな出来だが、許容範囲内だろう)。

 ただし、ファイルーズ氏の歌唱だけは、個人的にあまりピンと来ないのだよね……メロディの美しさやリズムの跳ね具合が感じ取りにくくて、「歌」というよりも喋っているだけのように聞こえてしまう。歌詞に対して真面目すぎて、歌としてノっていないというか……。惜しいところだし、不思議な点でもある。


 うちの区は、どうやらあのパワハラ屋がかなり優勢のようで、立の字の政党が推薦しているのだが、彼一人が大勝ちしても嬉しくないし、しかも近時やばい連中に接近している人物なのでかなり不安。そしてLDPの裏金屋に、その衛星政党の公の字、そして参カルト、国の字、維の字あたりが続いているらしい。うーん、うーん、うーーーーん。Nの字の悪党もこの区から出ており、当人は通りそうにない(?)雰囲気だが、また今回も彼自身の当選を目的にしていない可能性があるので、なんとも鬱陶しい。その他は、共、れ、社、み、等々。社会的公正を訴える勢力が票を取れない社会はきついなあ……。

2025/07/05

漫画雑話(2025年7月)

 2025年7月に読んだ漫画の雑感。主に単行本新刊について。
 試しに今月からは、収録話数も記録しておくことにする。

●新規作品。
 吉川英朗『黒焔の王ゼルク』第1巻(1-2話)。吉川氏の新作だ! これまでも『魔王と俺の叛逆記』(全8巻)や『魔王様の街づくり!』(全12巻)などで、可愛くて強い丸顔ケモ耳むちむちヒロインたちと激しいSFスキルバトルを描いてきた漫画家さんだが、今回は可愛くて強い丸顔むちむちストッキングおとこのこを主人公に据えて超常バトルを描くという大胆な英断をされている。やったね!
 あきま『人喰いマンションと大家のメゾン』第1巻(ジャンププラス、1-5話)。地球滅亡の寸前で周囲の時間経過を止めて(?)いるスラム的近未来メガストラクチャーの話。『ナウシカ』と弐瓶勉をミックスしたようなアプローチで、他に逃げ場など無いが、しかしシステム内部では有限な資源を維持するために謎の邪悪な収奪機構が作用しているという状況は、いかにも現代的な苦みを感じさせる。スパッツ主人公が、元気なのか暗いのかやけっぱちなのか冷静なのか、ちょっと不思議なキャラ造形(※ブレているだけかもしれない)。この漫画家の前作『少女Null』(全4巻)は、たしか一冊だけ読んでみてそのままにしていた。悪くはないが、個人的な好みにはあんまり合わない。


●カジュアル買いなど。
 柳井伸彦『死に戻り王女は生き延びるために百合ハーレムを作ることにした』第1巻(今年1月の発売。1-4話。小学館。原作あり)。タイトルどおりのコメディ。何度も死に戻りをしつつ原因(首謀者たち)を順番にハーレムに取り込んで生き残っていく形で、同一状況の繰り返し演出が楽しい。コマ組みや表情も力強く外連味があるし、能天気トンチキ姫が真面目に頑張るところも良い。エロ描写は控えめ。作画の柳井氏は、これまで原作付きのタイトルをいくつも手掛けてきたベテラン。

 樋口彰彦『江戸前エルフ』(講談社)。SNSで見かけた絵に凄味を感じたので買ってみたら、確かに素晴らしい出来だった。以前は「どうせ日本すごい+チープグルメ+エロエルフでしょ」と思い込んでスルーしていた、ごめんなさい。コマ組みがきれいに洗練されているし、光源演出などもデリケートで雰囲気があるし、その一方で大胆に崩したデフォルメ表情もユニークな出来映えだし、さらに台詞回しなども気が利いている。異様に上手い。例えば妹キャラの初登場のときも、冒頭から2ページにわたってひたすら背面だけを映して(※その後ろ姿もすでに可愛い)、そして丁寧にお辞儀をしてから頭を上げるその瞬間に初めてその顔立ちをアップで出す。こういう「溜めと解放」のコンロトールが実に巧みで気持ち良い。作者の樋口氏はこれが5つめの連載作品のようだが、残念ながらこれまで一つも読んだことが無かった。
 ただし、ちょっと気になる点がある。コピペを多用しているのがかなり目立つ(特にキャラの正面顔)。拡縮したり、口元だけを描き直ししたりしてはいるのだが、明らかに同じ顔が連続しているし、しかも両目を大きく見開いた正面顔なのでいったん気づくと目障りだし、場面ごとの表情に合っていないコマもあるし、少々いただけない。うーん。全体としては、とても上手い漫画だし、コピペのおかげで絵のクオリティが保たれている側面もあるのだが……。

 あらいまりこ『ある奴隷少女に起こった出来事』第3巻(双葉社。完結。原作は英文の半自伝的作品)。19世紀半ばの黒人奴隷少女の物語で、漫画としての作りはやや生硬ながら、当時の衣装や建物などもきちんと再現されているし、この有名な作品の知名度と作品生命を延ばすという意味でも、こういう漫画媒体での展開はあってよいと思う。

 漂月『マスケットガールズ!』第4巻。架空の西洋近世世界に転生した主人公が、女性ばかりの部隊で参謀として活躍する物語のようだ。具体性のある戦術描写、スピーディーな展開、部下の死を描く誠実さ、国際的な大状況と絡めた政治劇、そして小柄で優秀で立場は偉いが話の分かるクールな三白眼黒髪ロングの女性指揮官とツーカーで話せる風景が心地良い。近所のJUNKUDOには既刊が置いていなかったが、折を見てどこかで買おう。
 ということで第1巻も発見して購入(※web版でも序盤は読めるけど)。主人公の上官は、最初のうちは端正で美少女寄りの作画だったのか。最新巻では睫毛濃いめの堂々たる三白眼したたかキャラで、そちらはそちらで好ましいのだが。作品のコンセプト設計は、おそらく「戦記もの+異世界転生」と整理出来る。これがなかなか面白くて、「戦記もののアプローチだが、異世界転生によって現代知識と特殊スキル(死の危険を察知)を持たせることで主人公の成功に根拠を与えている」、また、「異世界転生ではあるが、転生先の社会では純然たる組織人として活動するのが珍しい(しかも17世紀欧州の軍隊組織というニッチを採っている)」。主人公に特有の特殊技能は、部活レベルの剣道経験と30代くらい?の人生経験だけというのも、節制があってバランスが取れている。


●続刊等。
 江戸屋ぽち『欠けた月のメルセデス』第4巻(13-16話。原作あり)。昨年9月刊行なのを買い逃していた! 吸血鬼に転生した主人公の冷静で切実な内省と、それを反映する表情のデリカシーが素晴らしい。さらにバトルシーンも、ダイナミックなコマ組みと奥行きのある作画で、迫力と速度感がある。お色気要素は無くしているが、それでもブーツを脱ぐ所作の描写などにフェティッシュな魅力が盛り込まれている。本当に大好きな漫画なので、見つけられて良かった(※普段から刊行予定はまったくチェックせず、animateやJunkudoを巡回して店頭で見つけられるものだけを買っている)。そして第5巻は8月発売とのこと。
 田島青『ホテル・インヒューマンズ』第11巻(52-55話)。現在の仕事に迷いを抱く主人公と、ラスボス側の苦い余韻を残す殺人行為。相変わらず視覚的演出は生硬なところがあるし、ストーリーについても少々制御しきれていない感じもあり、「どうしようもない運命的な結末」のオーソドックスな悲劇を衒いなく描いていることにいささか躊躇もあるが、良い作品ではある。
 石沢庸介『転生したら第七王子(セミカラー版)』第4巻。中身はすでにモノクロ版で読んでいるが、カラー化された魔法エフェクトが派手でたいへんよろしい。
 星野真『竜送りのイサギ』第5巻。物故した師匠の孫や妻と出会う、悔恨とその克服のドラマ。そして物語の全体状況も、初期に予想していたよりも複雑になってきた。
 小川麻衣子『波のしじまのホリゾント』第4巻。兄が帰省してきて三角関係めいてくるが、三者それぞれのデリケートな内面描写を通じて解決に向かう。台詞そのものは言葉少なながら、各キャラクターの心情が豊かに描き出され、またコマ組みのレベルでも斜め傾斜のコマを多用することによって揺れ動く恋愛感情の落ち着かなさを読者に的確に伝えている。日常寄りのシリアスおねショタ漫画の最高峰。

2025/07/04

アニメ雑話(2025年7月)

 2025年6月の新作アニメ感想。
 『転生したら第七王子』『nine』『鬼人幻燈抄(2期)』はほぼ確定。その他、『クレバテス』『雨と君と』『陰陽廻天』『ホテル・インヒューマンズ』『傷だらけ聖女』あたりを視聴していくかも。

●『陰陽廻天 Re:バース』(オリジナルアニメ)
 第1話。ヴァーチャル平安京っぽい世界での死に戻りストーリーになるようだ。出来は無難だが、カットイン多用などユニークな試みも見て取れる。「擬似平安+陰陽バトル+死に戻り+バンカラ主人公+ロマンス」は、どうにも散漫に見えるのだが、上手くまとめられるのだろうか。



●『鬼人幻燈抄』(2期)
 初週はYT上での総集編。



●『クレバテス』
 第1話は45分の長尺。予想外に良い出来だった。子供が走るアニメーションも朗らかで可愛らしい雰囲気を出しているし、魔獣の巨大感や重量感もしっかり表現されている。そして建物などの背景美術もディテール豊かに描かれているし、さらに触手うねうねも柔軟にアニメーションさせて、破壊の速度感とバトルの緊張感を見事に演出している。
 ただし、後半部は天然ツンデレのようないわゆる「シリアスな笑い」に大きく傾斜しているが、これが吉と出るか凶と出るかはまだ分からない。また、一部キャラクターの音声芝居がやたら浅薄なのも気になった(※王や白馬騎士など。ハイデン王を演じていたのは、本職声優ではなくテレビ俳優だった)。魔獣クレバテスの芝居も、やや落ち着きすきで迫力に欠けたのはもったいない(中村氏)。アリシア役の白石氏は、えっ、前クールの鯨井令子役の方だったのか。気づかなかった……。なるほど確かに、慌てキャラの芝居は同じ雰囲気だった。
 全体として密度の高い映像作品になっているので、今後も視聴していくつもり。



●『9 nine』
 第1話。80年代以来の伝統芸能じみた学園異能ファンタジー。冒頭の作中作パートはやたら力が入っていたが、本編部分の表現は凡庸で、コンテも劇伴も良いところが見当たらない。しかしそれでも、ついていこう。
 メインヒロインの福圓氏はかなり抑えた芝居で、もったいなく感じる(※ストーリーとともに変化していくと思うが)。妹役の種﨑氏は、相変わらず変幻自在。教師役の武田華氏も、妙に存在感がある。しかし悪友キャラは、演技も平板だしセクハラ台詞連発もきつい。

 第2話。戦闘シーンは撮影エフェクトで誤魔化しすぎだが、まあ仕方ない。ストーリー進行も、葛藤や躊躇が無くてデリカシーに欠けるが、まあ我慢しよう。さらに映像的なリズムも乏しいし(※路上の会話シーンで妙にフラフラ歩き続ける)、シーンごとの情緒も無いし(※劇伴の付け方が鈍感で押しつけがましい)、さらには描写の説明的な意味づけも無いが(※例えば時間経過の表現など)、どうしようもない。しかし音声については、福圓氏のエンジンが掛かってきたし、ぬいぐるみキャラの新井里美氏も妖気に満ちた怪演を披露している。
 河内和泉氏の漫画版と対照すると、第1巻の終わりまで進んだところ。かなりのハイペース。



●『ホテル・インヒューマンズ』
 第1話。アニメーションはあまり動いていないし、殺陣描写も期待したほどではないし、背景のディテールも甘い。また、モノクロの回想演出や、両目を不必要にキラキラ輝かせるところなど、いささかセンスが古いと感じた。大家アミノテツロー氏ならばたぶん良い映像を作ってくれるだろうと思い込んで期待していたのだが、OPムービーも意味不明だし、空中ジャンプ中に銃弾を避けるし……不満点が目立ちすぎる。
 役者については、主演の小林氏は台詞のニュアンスをきちんと汲み取って演じているが、ヒロインの方はよく分からない。
 劇伴はアコーディオンを強調したスペイン風のリズミカルなもので、まあこれはこれで個性と言える。このサウンドは、「社会の周縁で暮らす人々の生き生きした雰囲気」といったような趣旨のチョイスなのだろうか。理解できなくはないが、ホテルの静かなムードとは懸け離れているので、この音楽がハマるかどうかは演出の見せ方次第かな。
 全体に期待を下回っているが、まだ評価は決めかねるので、3話くらいまで視聴してみる。



●その他(※第1話で断念)。
 オリジナル『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』:3Dショートアニメ。短すぎてなんとも言えない。
 オリジナル『新星ギャルバース』:90年代風タッチ。全体に雑だし、せっかくの声優陣も覇気がなくて芝居の味わいが乏しい。
 オリジナル『神椿市建設中。』:3Dアニメで歌手キャストがひどい。退屈。BGMはちょっと面白かったし、背景美術も良いのだが、それ以外が耐えがたい。何故かキャストクレジットが出ていなかった。

 『フードコートで、また明日。』:日常トークもの。カット切り替えが非常に散漫で、おかしなアングルにフラフラ飛び回るし、カメラワークそのものも極端なクローズアップと作為的なロングショットの落差があまり馴染んでいない。エリア内の壁ポスターなどにカメラを向けるパンニング/ティルトも機会的で、映像的な意味づけに欠ける。というわけで、映像表現としてストレスが溜まりそうなので視聴撤退する。
 とはいえ、主演の宮崎ヒヨリ氏と青山吉能氏の芝居はまずまずだし、作画そのものは丁寧で表情豊かに描かれているし、第1話の問題も主に絵コンテのひどさなので、第2話以降で面白味が出てくる可能性はある。しかしそれでも、第1話ののっけから監督の古賀氏+総作監の坂井氏の共同コンテというあたりに、どうも不穏な気配を感じるが……。
 ちなみに、何故かキャラクターの耳が丸々と大きく突き出ていてやけに目立つのは、原作漫画準拠のようだ。アニメで絵を動かすとかなり目立つので、もうちょっとマイルドにしておいた方が良かったと思う。

 そういえば、『キルミーベイベー』『少女終末旅行』のような若年女性2人だけでひたすら何かしている作品といったら、他に何があるだろうか。ショートアニメや漫画作品にはあるし、男女ペアもいろいろあるし、3人以上の日常ものも多いけれど……案外少ないのか? 春クールの『忍者と殺し屋のふたりぐらし』もこれに該当するようだけど、私は視聴していない。
 というわけで、『フードコート』もキャラ替えしたキルミーダンスや終末ダンスのパロディや、逆にそちらのキャラたちがフードコートダンスをするパロディ動画なども、いかにも出てきそう(出してほしそう)な作品だった。

2025/06/30

ガールプラモ(美少女プラモデル)の年表的メモ(2)

 ガールプラモ(美少女プラモデル)界隈の発売年表っぽい私的なメモ(2026年~)。
 2006~2025年の20年間については、別掲ページにて。凡例などもそちらを参照のこと。

※文章での通史的概観は、連載記事「現代ガールプラモの歴史的展望」を参照。
※各シリーズの品質評価などは、別ページ「ガールプラモ年表の補足資料」にて。
※海外メーカーの一覧は、別ページ「海外のガールプラモ一覧(メモ)」にまとめた。

発売月製品(※主に15cm級[1/10~1/12相当]の可動全身プラモデルを取り上げる)関連事項(※隣接分野の製品や出来事。アクションフィギュアなど)
2026/01PLAMATEA「キューティーハニー」(原作のメディアミックスコンテンツは1973年開始。このキットのデザインは2025年開始の新版に準拠している。全高約17cmとのこと)
PLAMATEA「ミューズボディ・いちか」(簡素な素体キット。3色同時発売とのこと)
GODZ ORDER(GO)「オーバーロード・ガブリエル」(スタンダードVer.とDXメッキVer.を同時発売)
メタモルバース(MV:TAKARATOMY)「斬山碧 & ブレードライガー」(1/10スケール。元となるコンテンツZOIDsシリーズは1982年開始)
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2026/02PLAMATEA「VALKYRIE TUNE:リサ=キャスター」(17cmとのこと)
PLAMATEA「VALKYRIE TUNE:アイリス=ブルックナー」(17cmとのこと)
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2026/03xx
2026/04xx
2026/05xx
2026/06xx
2026/07xx
2026/08xx
2026/09xx
2026/10xx
2026/11xx
2026/12xx


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2025/06/07

2025年6月の雑記

 2025年6月の雑記。

 06/29(Sun)

 買った書籍類は、定期的に整理(デフラグ)していきたいが、一度積んでしまうとなかなか動かせない。特に連載漫画は、シリーズごとに並べておきたいのだが……。
 一応の対処として、特別に大事にしているシリーズは別枠で積んでいるので、比較的取り出しやすい。それでも積んでいることに変わりはないが。
 プラモデルも、一度完成させてしばらく鑑賞したら、箱やケースに収納して積んでしまう場合もある。そうすると実物を取り出せず、もはや写真で眺めるしかないという哀れな事態に陥ることもある。


宝多六花
宝多立花
宝田六花
宝田立花
寶多陸華
さあ。本物はどれだ? ……と、私自身がいつも迷うし、しばしば誤字をしでかしている。正解は「宝多六花」。


 ふう……ガールプラモの20年史の記事(2006~2025年分)がようやく一区切りついた。
 そして2026年発売キットの情報が出てきているので新規ページに切り替えることにした。

 そもそも、プラモデルの正確な発売発売時期はネットから消えていきやすい。書籍のような正式な「発売日」が存在しないというのもある。また、公式サイトや通販サイトでも、再生産の度に発売月情報が更新されてしまうので、元々の発売日が追えなくなる。さらに、ひとしきり売り終わったコンテンツは公式サイトそのものも削除されていく。
 なので誰かが、ある程度信頼できる情報をまとまった形で――そしてマイナーなものも含めて――残していかなければ、過去が散逸消滅してしまうし、悪くすると非常に偏った偽史が出現してしまう虞もある(※偽史やフカシに対する反駁の材料が持てなくなる)。その意味で、この分野に関わる一趣味人として、客観性のあるデータベース(というほど大したものではないが)を作っておきたかった。
 しかし、独力で続けるのもそろそろ面倒になってきたし、私自身がいつまでも続けていけるかも分からないので、このデータを誰かが引き取って多人数で(wiki形式などで)更新していってくれたらありがたいのだけど……。
 とはいえ、当該ページのアクセス統計を見てみたら、半年でわずか25閲覧というお寒い状況だった。うーん、現代のオタクたちは歴史に興味が無いのかなあ。つまり、過去のマスターピースを探したり、歴史的-技術的経緯について自分なりの展望と見識を確立させたり、最新キットが出てくるまでのダイナミズムや市場的な広がりを捉えようとしたり、シリーズを買い揃えたりといった知的活動をしないのだろうか? もったいないなあ……。

 このような、いわゆる「オタク第二世代」風のスタンス(≒アカデミックなスタンス)そのものがいよいよ少数派になっているというのは確かだ。「客観性のある情報を、秘匿せずに公開し合って、お互いに公平かつ生産的な議論をして、理解を深めていく」という知的姿勢には、現代でも大きな意義がある筈だが、それがかれら「現代オタク」たちの間で失われていくのはたいへん悲しい。

 こういう悪癖はスケールモデル界隈にも見られる。第一世代的な秘密主義――良く言えば個人主義的な求道の文化――がずっと続いていて、とにかくまとまった情報がろくに存在しない。特に艦船模型分野などでは、2010年代以降のムック本によって基礎知識レベルの情報が多少補われてきたが、それでも知的な体系化には程遠い。
 ロボットプラモは、人口規模の大きさもあってそこそこの情報が見出されるのだが、それも近年の動画化傾向の中で、検索性や一覧性が完全に死んでしまった(※まあ、プラモ実物を見せるのに動画媒体が非常に強力なのは分かるのだが……)。

 つくづくErogamescapeは偉大よね……という話でもある。

このbloggerのアクセス統計より。


 「はてな」ブログは、個人的に水が合わなかったのですよね……。持続性のあるオンラインサーヴィスとしての信頼性は高いので(しかも日本国内向け)、一般的な見方では確かに有望だと思いますが、レイアウトの貧しさが……UIの融通の利かなさが……リンクシステムの微妙さが……そして「ダイアリー」時代以来のユーザー文化のクドみが……うぐぅ。


 将魂姫のメーカーが、よく分からないことになっていた。これまでは「机甲猪動漫設計」有限公司だったのだが、今回の「animacircuit : Vio the Rabbit」を出した「卓匠文化发展」有限公司のweiboアカウントも将魂姫を自社コンテンツのように紹介しているようで、何が何だか……中国語はろくに読めないし、おかしなサイトを踏むのも怖いので検索して調べるのも気が進まない。「海外ガールプラモ」記事ではひとまず一体の存在として記載したが、よく分からぬ……。近所のイエサブに並んでいたから(※今日は買わなかった)、買って確かめてみようかな。


 そろそろ1/12ドール服を買ってきたい……。幸いにも近所のJoshinがazoneドール関連の商品をいろいろ置いていてくれるのでそこそこのものはすぐに買えるのだが、もう一度ポンパ(日本橋)のAzone実店舗にも行っておきたい。コロナ以降、ポンバにはずっとご無沙汰のままなのが悔しい。
 金属エッチング製の眼鏡は、以前は2個セットが800円程度だったのだけど、在庫切れだったり、在庫復活したかと思えば1200円くらい(※曖昧な記憶)に値上げしていたりして、なかなか追加調達できずにいる。
 ドール店といえばVOLKS(天使のすみか)もあるのだけど、あそこは60cm前後の大型ドールばかりで、残念ながら1/12対応の商品はほとんど置いていない。


一口に「SF」といっても様々な捉え方があるので、まずはおおまかに分類していく方が生産的な議論になると思う。例えば、
 1) 形式的定義:(自然)科学的に突き詰められた思考を作劇に反映させた作品。この見方では、SFとはジャンルではなく、個々の作品に含まれる性質、要素、度合いの問題になる。そしてこの観点では、現代的創作におけるSFの浸透と拡散を肯定的に認めることになるだろう。
 2) 慣習的定義:SF的とされるガジェットを用いている作品、またはSFジャンルとして受け入れられてきた作品。やや循環論法めいた説明だが、実態としてのジャンル分類やアイデンティティ認識に関わるものであり、作品受容のあり方もまた重要な要因だ。しかしループや未来世界や宇宙人が出てきたら即SFだとするのはいささかイージーにも思えるし、そういう外的な認識としては「SFは陳腐化した」、「SFは現実のテクノロジー発展を超えられていない」、「(浸透と拡散の帰結として、)ジャンルとしてのSFにはあまり意味が無くなってきた」といった批判に服することになるかもしれない。
 3) 積極的定義:知的な思考実験を通じて、科学フィクションならではの世界を描いている作品。旧来的なSFファンたちが俗にセンス・オブ・ワンダーと呼んできたのは、こういう美質のことだと思う。これまた、現代ではSFならではの強みを打ち出すのはいよいよ難しくなってきたという現実認識に結びつきがちだろう。

 私個人としては、前世紀以来の国内外のSF小説が育んできた実験性と想像力には大きな魅力を見出してきたが、「SFであること(SFであるかどうか)」、「SFという看板を維持すること」には興味が無い。大事なのはジャンルの看板ではなく、あくまで個別作品の中にどのような深みを見出せるかだからだ。
 換言すれば、SFという看板が重要なのはむしろ、「科学的な視点をフィクションの中で重視しようとする知的姿勢」、「科学ベースの思考実験を高く評価するユニヴァーサルな知的コミュニティ」、「サイファイ的な側面を掘り下げることのできる知的な道具立てとそれを使える読者層」といった現実的動態を維持することに存する。そしてその意味で、私はSFファンであり続けたいと思っているし、漫画やアニメでもSF的なフックのある作品をできるだけ大事にしていきたい(=買っていきたい)。


 「もう一年の半分が過ぎたよ!」というのは、イージーな手段で多くの人にショックを与えるであろう話を、明確に意識していながら喜々として投稿としている訳で、要するに「いじめっこ」「いやがらせ」「他者加害の喜び」の発想そのものなんだよね……。私はそういう種類の人間にはなりたくない。


 創彩「ウルフさん」は、結局買っていない。技術的にもコンセプト的にも新機軸が見えないので、買う意義を見出しにくかった。キャラとしてはわりと好みなだけに惜しい。
 ただし、創彩シリーズの中で見れば、新奇性はあると言える。すなわち、既存の顕名キャラではなく、無名キャラを出して作中世界の自由度を広げたこと。また、野性味のあるキャラクターは初めてだったというのもある(※これまではインドア系キャラに大きく偏っていた)。武器を持てそうなキャラというのも、これまでのコラボ路線からして順当な展開だろう。とはいえやはり、いずれも内向きのアイデアであって、商品それ自体の、その単体としてのオリジナリティや訴求力を掴めていたかというと……つくづく惜しい。
 気が向いたらポロッと買っているかもしれないけどね。


 今年1月に開催された「関西キャラ模型の会」が、来年1月に次回開催する予定とのこと。せっかくだから、時間を取って参加したい。
 何かしら「他人がやっていない試み」(他のモデラーにとって参考になる可能性のある作品)を出したいところだが、ガール系で出せそうな自作は、時雨改三(スケモディテール)、STAPEL(作例稀少)、ユクモ(毛筋塗装)、MDタンク(装甲内側の塗り分け)あたりかな。Galahadやブリジットは、そういう技術的orコンセプト的な独自性が無いので、出しても意味が無い。「自然選択号」や「オプティマス・プライム」なども、作例稀少という観点で展示に出す意味はあるだろうか。
 年内の模型イベントだと、関西AFVの会(9/28、第39回)や、ガールオンリーの学生展示会(8/9)、航空機中心の「翔バナイカイ」月例コンヴェンションもある。大阪や京都まで行けばさらにいくつも挙行されているが、梅田まで鉄道でわずか40分とはいえ遠出は極力控えたいので……※(11月のおおさかホビーフェス、8月11日の関西学生模型展示会などがある)。


Q: 買おうかどうか迷っているときは、どうしたらいい?
A : とりあえず買っておけば、その悩みは消滅するでしょう。(……え?)

 もっとも、いつ作(れ)るかは分からないけど。
私としては珍しく、特典アクスタのために2冊目を買った。普段は特典にはまったく興味が無いのだけど、今回は「ああ、なんか、このキャラ、良いな!」という気持ちに後押しされてアクスタに手が伸びた。

 わぁい異形グロ多脚ロボ あかり異形グロ多脚ロボ大好き
 (※フィクションのキャラにおかしなことを言わせるな)

 「ウルフさん」のパッケージアートも、ちゃんと森倉氏なのか。頭髪のキラキラが乏しいし、珍しくツリ目だし、睫毛が目立たないしで、一見すると森倉氏らしからぬイラストなのだけど、手のポージングに濃厚な表情が漂っていたり後頭部がみっしりと重そうだったりするのはやはり森倉氏らしさがある。というか、このイラストレーターさんはこういう路線のキャラも描けるのか。
 立体物としては、「オリーブグリーンのプリーツスカート(しかも丈は短め)」というのが、ファッションとしてはかなり扱いづらそうなのだけど、うーん、いったいこれはどうしたものかなあ。ビリジアンの彩度を落としたスレートグリーンあたりにするか、あるいはオリーブグリーンの明度を上げてリーフグリーンに寄せるか、はたまた多色塗装でチェック柄にするか……。


 上記漫画とともに、今月は『けものみかん』(新作)もタヌキ漫画だったし、アニメ分野でも『アポカリプスホテル』がタヌキキャラ満載だったし、7月からの『雨と君と』もタヌキキャラがいるし、プラモデルでも30MSルルチェは明らかにタヌキ耳だし、ユクモも(誤って)タヌキ扱いされがちだし……なんだか最近タヌキづいているのは気のせいだろうか、それとも偶然だろうか、あるいはなんとなくブームになりつつあったりするのだろうか。
 00年代には狐キャラ(狐巫女とか)が大人気で、タヌキキャラはほぼイロモノ扱いだったものだが、時代は変わるものだなあ……。(たぬきマリオとかもあったけど)


 この夏アニメは、個人的にハズレになりそう……。オリジナルアニメは多いのだが、どれも空転の気配が強いし、それ以外もキャスティングに大きな不満があったり、アニメ翻案する意義が見出せなかったりして、心惹かれるような輝きが見えてこない。
 田村氏(ゆかり氏ではない方)が、出演数は増えているのだが、最近はどうも芝居が大人しく縮こまっているのがもったいない。『キルミー』の頃はもっと力強く生き生きした演技をされていたのだが。うーん……。
 第1話ののっけから粗暴なモブヤンキーたちに襲われる描写は、もううんざりだよ~。一番大切な「掴み」のところでしよーもない絵を見せるというのは、それだけでプロット設計が鈍感だということなので、どんな期待作でも即座に切りたくなる。