2018/06/30

2018年6月の雑記

  2018年6月の雑記。(→-/5月

  06/20(Wed)

  試し買いは大事だ。評価の定まっていないもの、著者名を知らなかったもの、よく分からないジャンルのもの(あるいはそもそも何のジャンルであるかも分からないもの)、珍妙怪奇なもの、そして店頭で自分のセンスに賭けてお金を出すかどうかを決断したもの、そうしたものを試しに買ってみるというのは、1)購入行動それ自体が自分のセンスを磨くことになるし、2)買って読んだり視聴したりプレイしたりすることによっても自分の感性と認識を広げてくれるし、3)制作側にとっても今後の可能性を広げていくだろうし、4)市場的にもその趣味分野がそれだけ豊かになる。
  購入者側が経済的時間的精神的な余裕を持っていることが前提になるのだけど。


  えっ、今時「泣きゲー」なんていうワードを使う人がいるのか……。ちょっと驚いた。

  実際のところ、「泣きゲー」という言葉からイメージされるような典型的な作品――つまり悲劇によるカタルシスを物語全編の中心に据えた作品――は、昔から非常に少なくて、単独のカテゴリーを立てるほどのものではなかった。key作品とか『加奈』とか、本当に例外的なごく一部の作品だけだった(※EGScapeのデータベースでも、「泣きゲー」のようなPOVは成立していない。成立し得るだけの作品数がそもそも存在しなかったのだ)。
  ただし、00年代初頭あたりには、大上段の悲劇とまではいかずとも、センチメンタルでメランコリックな要素を含む路線に、多くのブランドが挑戦していた。例えばHOOKSOFTは、今でこそ楽天的で微温的な恋愛AVGの旗手と目されているが、デビュー作『雨あがりの猫たちへ』(2001)はSF要素を交えたムーディな作品であり、第2作『天紡ぐ祝詞』(2002)も、伝奇的趣向のミステリアスな作品だった。
  このブランドに限った話ではない。HOOKSOFT(当時はHOOK)のこの2作品に見られるアプローチ、すなわち「悲哀感を伴ったリリシズム」と「伝奇ベースのドラマ展開」の二つは、多かれ少なかれ、この時期のアダルトゲームの雰囲気を規定していた。これは、アダルトゲーム分野内部においては『痕』『ONE』に触発された90年代末以来の傾向であったと言えよう。しかし、アダルトゲーム以外のオタク系分野にも、この時期には同じようなアプローチがしばしば見出される。家庭用RPG『FINAL FANTASY VII』(1997)あたりが、その一つの頂点(最も有名なものの一つ)であったかと思う。雑駁に言えば、00年代前半頃までは、1)オタク界隈におけるデリカシーはキャラ萌えだけでなく物語的要素にも大きく振り向けられていたし、2)その中で、悲劇的展開や苦い結末を受け入れられるタフさも、現在よりもはるかに高かった。

  いや、「タフさ」などといってオタク個々人のメンタリティの問題に還元するのは、説明として適切ではないだろう。例えばアダルトゲーム分野について言えば、悲劇的展開があまり採用されなくなったのは、様々な構造的文化的要因が影響していると考えられるからだ。すなわち、
  1) 00年代前半頃からの脚本長大化に伴って、悲劇ネタ一本だけでは物語の枠組全体を支えきれなくなったこと。
  2) また、脚本長大化に伴って、AVG作品が複雑なフラグシステムを持つことが難しくなったこと。制作技術の問題だけではなく、長大なストーリーでプレイヤーに試行錯誤させると、プレイヤーの負担が極端に大きくなるためでもある。それによってAVG作品は読み物的性格を強めていき、フラグの試行錯誤によってバッドエンドを回避するという作品作りは困難になった(――『脅迫』『3days』『古色迷宮輪舞曲』は、例外中の例外だ)。
  3) 00年代半ば以降の白箱系では、キャラクター間関係の表現が濃密になっていき、それとともに共同体(サロン)的性格が強まったため、悲劇的展開との相性が悪くなったこと。サロン的性格はとりわけ『巫女さん細腕繁盛記』(すたじお緑茶、2003)が大きなマイルストーンだったし、共同体描写はとりわけ『アッチむいて恋』以降のASa projectが代表的存在だろう。
  4) ギャグの復権も、当然ながら悲劇との折り合いは悪い。00年代半ば以降の白箱系再編期から、とりわけゆずソフトWhirlpoolがこの路線を推し進めてきた。
  5) 00年代前半中には、古典的な伝奇ものは急速に退潮していった。カテゴリーとしての伝奇ものは解体され、萌えキャラの味付けとしての「神様ヒロイン」もの(例えば『天神乱漫』『恋神』)と、比較的少数の伝奇的異能バトルもの(『Dies』『coμ』)とに分裂し、それぞれの路線を進んでいった。萌えキャラコメディとハードボイルド異能バトルのどちらにおいても、受動的で観照的な悲哀感が差し込まれる余地は無かった。
  6) 黒箱系では、一つにはアダルトシーンの徹底的な増強志向があり(例:GuiltyBISHOP)、その中でストーリー上の悲劇的要素が介入できる余地が少なくなっていった。また、受動的な悲劇状況よりももっと破壊的な路線へと先鋭化していったブランドもある(例:SPEEDWAFFLE)。

  他分野でも、それぞれ特有の事情があるだろう。自信を持って断言することはできないが、例えば漫画やLNでは、連載継続が困難になるにつれて、悲劇的展開を入れることが躊躇される傾向があったかもしれない。アニメやゲームも、大規模なメディアミックス展開を仕掛ける都合上、不幸な展開を持ち込んだりそれを引きずったりすることが避けられているかもしれない。


  緑髪眼鏡がなんちゃらなんていう下らない話は、15年前に終わったと思っていたのに……。オタク界隈でも、文化的歴史的な亀裂や断絶はそこかしこに、そしていよいよ加速度的に増えていっているのだろうなあ。上の話も、当時を多少なりとも体験していた一ゲーマーの証言を残すことができればというつもりで書いている。上の見解も、ひとによっては異論があるかもしれないけど。

  そういえば、twにいた頃に、アダルトゲーム分野のSLG系ジャンルの歴史通観のような話をしていたら、K氏から有益な示唆をいただいた、といったことがあった。私が言及できていなかった重要なブランドや、私が気づいていなかった大きな趨勢の変化など、いろいろな指摘を即座に出されていたと記憶する。そのくらい、私一人の認識は一面的だったり遺漏欠落があったりするものだ。
  このあたり。[ twilog.org/cactus4554/date-110219 ,  twilog.org/kazenezumi/date-110219 ]


  『キラ☆キラ』の車(バン)での演奏ツアーは、行く先々の訪問場所があまりにも通俗的でモヤモヤしたんだよなあ……。名古屋城とか清水寺とか太秦とか、学生ロックバンドというよりは、むしろ引退した老夫婦の旅行じゃないのかというくらい。ただし、各地のライヴハウスにも行っているし、大阪のアメリカ村などで路上演奏するシーンもあったりするけど、全体としてはなんとも……。旅の途中で、どこかしらで一晩野宿した朝のシーンあたりはわりと良かったと思うけど、えーと、それもどんな描写だったか、もう忘れてしまった。


  うーん……やっぱり主要な記事は英訳して公開しておきたいな……。


  昔の戯画タイトル――具体的には『BALDR FORCE』『DUEL SAVIOR』あたり――は、私の環境ではディスプレイの設定を16bit(High color)にすると起動できた。ただし、4:3比のゲーム画面を強制全画面起動する仕様なので、現代風のワイドディスプレイだと横に引き伸ばされた形で表示されてしまう。画像処理ソフトで、スクリーンショットを横幅圧縮すれば、本来の4:3比を擬似的に再現できるが、あまりきれいなやり方ではない。
  「チョコザイナ!」(CV: あとーかいや氏)

  ……あ。「ピリらじ」コンビは、『BALDR FORCE』の●●コンビでもあったのか。この時期のまき氏は、こんなエッジの利いた芝居もしばしば披露されていたのだった。

  昔のゲーム(対応OSの古い作品)は、ねえ……。
  1) インストーラーが動かない。OS判別で弾かれることも。
  2) プロテクトや認証機能が失われている(特にAlpha-ROMは全滅っぽい)。
  3) ディスプレイの設定が合わない(解像度、縦横比、色数設定など)。 
  4) 公式サイトが消滅しているのでパッチが入手できず、不具合を解決できない。
  昔のタイトルは、ディスクの中身をまるごとHDDにコピーすると問題なく動作するということもわりとあった。例えばアトリエかぐやは、万一の場合の対処法の一つとしてマニュアルにも明記していたくらい。
  近年の旧作DL販売では、最新OSに対応してくれているものもあるようで、どうしても(再)プレイしたいタイトルであれば、DL版を探してみるのも一手かと思う。

2018/06/17

Bf109 E-4とJu87 B-2(『終末のイゼッタ』版)

  『終末のイゼッタ』版のプラモデル、Bf109 E-4とJu87 B-2。
  メーカーはハセガワ。スケールはどちらも1/48縮尺。

2018/06/09

KOTOBUKIYA「グライフェン」制作雑記

  「フレームアームズ」シリーズのキット「グライフェン」の制作雑記。
  主として設定上の塗装を再現するためのメモ。

2018/05/31

2018年5月の雑記

  2018年5月の雑記。(→6月4月

2018/05/24

『その大樹は魔界を喰らう!』アイテムリスト

  『その大樹は魔界を喰らう!』のアイテム一覧。Ver. 1.01準拠。
  スキル一覧ユニット情報マップデータは、それぞれ別ページを参照。