2016/11/30

2016年11月の雑記

  2016年11月の雑記。(→12月10月


  11/29(Tue)
  〆切が多くて多忙なのだが仕事が捗らない。心理的には、抑鬱というよりはただ単に気持ちが凪いでしまっているような感じ。普段であればベートーヴェンやショパンのピアノ曲を流していればペースが上がってくるものだが、今回はそれも無理っぽい。どうしたものか。

  というわけで、せめて何かしら作業を進めておこうという考えで、「アイチョ」概要記事をちょっとずつ加筆している。ようやく3割ほど出来た。さすがに年内の完成は無理か。


  今年の6月から8月に掛けてはゲーム、9月には映像方面をいろいろ、10月はwebラジオ、今月はかなりダレたけど一応webラジオ中心で、インプット面ではそこそこ豊かな趣味生活を送れたかと思う。CDや漫画も、定期的にわりと良いものが買えた。アウトプット面では、手間暇掛けた記事がいくつもあったし、それなりに生産的なことが出来ただろうか。ただし、かなりイージーに流れた記事も書いてしまったのは反省点。12月は、あまり大がかりな仕事は出来そうにないが、体調に気をつけながらこれまで通りにやっていきたい。



  11/28(Mon)
  クリエイターの名前にせよ、作品名にせよ、ぼかして書くのはもうやめることにする。検索ノイズを生じさせないために、検索避けの配慮を施して個人名を濁して書いたり、あるいは、どのタイトルの話をしているのかを明示しないように固有名詞を出さずに書いたりするのは、もうやめよう。
  こう考えるに至ったのは、二つの側面からだ。一つは、現在のweb上にはすでにあまりにも多くのノイズが、あまりにも安易な言及が、あまりにも無内容なページが、あまりにも効果的な広告が溢れかえっており、もはや個人単位での節制には完全に意味が無くなっていると考えるからだ。十年前であれば、個人的な節制がweb検索のノイズ減少に多少なりとも寄与することを期待することが、ぎりぎり不可能ではなかった。しかし現在ではもはや自己満足以上のメリットは何も無い。
  もう一つの理由は、自分のテキストを読み返した時に、どの作品/クリエイターのことを語っているのかが、文章を綴った当人ですら分からなくなっていたからだ。私自身の記憶と意識は、あまりにも脆く儚いものだ。このブログにこうしてわざわざ趣味の話題を書き残しているのは、第一義的には、私自身がもしかして読み返した時にその都度の思考や評価をきちんと取り戻して、それを読んでいる時点での自分の思考乃至評価と公平に突き合わせることができるようにするためだ。そうすることができるための保障としても、顕名表記は必要なのだ。
  今後は、特別な理由の無いかぎり、タイトルや人名ははっきり明示するようにしたい。そしてその方針が、「言及するならば、せめて意味のある言及になるように努める」という姿勢を私にもたらしてくれることをも期待したい。そして、たまたまカジュアルにweb検索からこのブログ上を訪れた閲覧者が、ここから意味のある情報を持ち帰れるように。


  【 『魔剣』についての気ままなシステム予想 】
  ソフトハウスキャラ新作は、「冒険者育成SLG」の名乗りのとおり、メインヒロインを冒険活動の中で(あるいは冒険者として独り立ちさせるために)育成していくSLGのようで、『Wizard's Climber』のシステム枠組を継承するのではないかと思われる。同社タイトルのシステム系統(&作品コンセプト)をおおまかに分類すると:

経営SLG『葵屋』(2000年発売)、『ブラウン通り』(03)、『グリンスヴァール』(06)、『雪鬼屋』(11)、『悪魔娘』(15)。
双六(マップ移動)『うえはぁす』(00)、『王賊』(07)、『プラネットドラゴン』(16)。
襲撃略奪SLG『海賊王冠』(01)、『アルフレッド学園』(02)、『LJ』(03)。
依頼遂行もの『真昼』(01)、『DC』(05)、『忍流』(09)、『アウトベジタブルズ』(14)。
拠点防衛もの『巣作り』(04)、『門』(12)、『勇者砲』(15)。
生活SLG『南国』(05)、『DAISOUNAN』(09)。
育成SLG『Climber』(08)。『魔剣』(17年予定)も?
RPG風『BB』シリーズ(10/12/13)。

だいたいこのように捉えてよいだろう。もちろん、細かく見れば『BB1』には依頼達成要素もあったし、『BB3』には拠点防衛要素もあり、『南国』系統にも育成要素があり、『ブラウン通り』にも依頼システムがあったりするし、この他にも「投資収益ゲーム:『LJ』『雪鬼屋』『門』『PD』」や、「影響行使ゲーム:『グリンスヴァール』『門』」のような切り口も可能だが。

  『Climber』タイプの作品――要するに『プリメ』型育成SLG――が一度しか試みられなかったのは、その煩雑さのためだろう。育成による変動幅が乏しければ育成のし甲斐が無いが、しかし成長の伸びしろや育成ヴァリエーションを大きく取れば取るほど、ゲームバランスを最後まで維持するのが難しくなる。また、その性質上、長期的なスケジューリングを前提とするシステムであるため、大量のイベントを用意しつつそれらを適切なタイミングで組み込んでいく必要がある(そういう手間を掛けなければゲーム進行が起伏に乏しくなってしまう)。『Climber』も、このブランドが最も勢いに乗っていた時期に11ヶ月もの期間を掛けてようやく成立した大作だった(――そして、幸いにも、その労力に見合うだけの内容的成功と、そしてどうやら商業的成功を収めた)。

  「チーム++」は、前回の『勇者砲』では、同社既存システム(過去の成功作のシステム)を踏まえつつ、進行ルートを狭く引き絞ることによって、無難にまとまったゲームバランスに仕上げていた。 シナリオの見通しがあらかじめ明確である(事実上の一本道だった)ことによって、多人数脚本でもバランスのとれた進行で、破綻なくオーソドックスに盛り上げる脚本を可能にしたし、また、システムの基本骨格があらかじめ明確であることによって、『巣作り』『門』からのそつのないシステムリファインと、効果的なチップアニメ演出を可能にしていた。

  しかし、『Climber』型の振れ幅の大きなシステムに挑戦するのは、まったく異なったノウハウが必要になるだろう。すなわち、ゲーム進行の振れ幅を受け止められるように、様々な状況に対応したテキストイベント群を大量に用意し、それらを適切に配置するようにフラグ体系の段階からあらかじめ詳細に構想しておかなければいけない。これを実行するには相当のSLG制作経験が必要だろうし、ましてや半-外注の制作体制ではかなり難しいだろう。ゲームデザインの根幹部分から、社内スタッフが深く関与するのではないかと思われる。

  あるいは、もしかしたら、育成専用コマンドや特定の期限乃至目標をあまり大きく設定せず、『南国』『DAISOUNAN』風のフリーシナリオにするというアプローチも考えられる。ただ、前回の『勇者砲』がわりと保守的に『巣作り』のシステムリメイクに終始していたことに鑑みると、そちらの路線に行きそうには思えない。また、それとは逆に『BB』シリーズのような一本道RPG型のアプローチにするという可能性も考えられる。期限目標のないゲームであれば、季節感を無視して「コンパクトな育成パート+じっくり攻略する冒険パート」という編成にする方が無難かもしれない。

  『プリメ』スタイルの、戦闘パートの存在を前提にしたスケジューリング型育成SLGとしては、アダルトゲーム分野ではpajams softの『プリズム・ハート』が代表的だろうか。Escu:deの『メタモルファンタジー』と『乙女恋心プリスター』、e.go!は『キャッスルファンタジア エレンシア戦記』、alicesoftは『超昂天使エスカレイヤー』、Littlewitchは『少女魔法学 リトルウィッチロマネスク』、anastasiaは『魔法が世界を救います!』、いずれもトレーニングパートと実践(実戦)パートの両輪システムだった。こうして見ると、技術力のあるSLG系ブランドはたいてい一度はこのタイプのゲームに挑戦している。F&Cにも何かしらあったと思う。Leaf、あぼぱ、CYCには無かったかな……。

  『王賊』は、SHC作品の中ではずいぶん風変わりなシステムだと思っていたが、上述のようにミッション遂行型の双六ゲームと位置づけるのがおそらく妥当だろう。この理解は、『プラネットドラゴン』をプレイして得られたものだ。手動で一つ一つのユニットを移動+攻撃させていくのは、『アルフレッド学園』にも見られた仕様で、ただし『アルフレッド学園』のシステムデザインはオート集団戦闘という形で『巣作り』『DC』へと洗練されていき、他方でユニットのマニュアル操作というガジェットを『うえはぁす』型のマップ移動ゲームに組み込むことで実現されたのが『王賊』だ。このように捉えることで、私なりの『王賊』評価が固まってきた。

  [ shchara.co.jp/04develop/maken/img/cg7.jpg ](※アダルトCG注意)
  今回公開されているロゼッタさんのCGは、黒く分厚い上衣との対比のためもあってか、素足剥き出しの下半身がやけに色っぽく見える。全身立ち絵を見ると、普段は慎ましくストッキングを着けているようだが。
  中世風世界でそんな薄手のストッキングが作れるのかなどと問うてはいけない。他社作品には、西洋中世ファンタジー風世界にジッパーが出てきたりもする。そのあたりをリアル寄りにデザインするならば、皮革素材を多用するとそれらしいファッションになりそうだ。


  京都土産には「茶の菓」が重宝する。濃いめの抹茶風味がいかにも京都らしいし、鮮やかなグリーンは見栄えも良いし、中はホワイトチョコなので口当たりも良いし、ラングドシャなので日持ちもするし、パッケージも含めて程良い高級感があるし、中は個別包装なので小分けもできるし、季節を問わず楽しめるし、和菓子好きにも洋菓子好きにも幅広く楽しんでもらえるだろう。通販も行っているのでそれほどレアというわけではないが、東日本や九州には出店していないようだからお土産としてのバリューは十分だろう。もちろん、同じ相手に対して二度目以降では、また別のものをいろいろ見繕うことになるけど、最初の一手としては非常に堅実。買う側としても、京都ならば入手はきわめて容易だし。
  ただし、大量に食べるようなものではないし、冬期はホワイトチョコがパキパキに固まるので少々食べにくい。また、風味がかなり濃いので、子供や極度の甘党にはおすすめできない。外国人も、抹茶に慣れていない可能性がある(実際、同僚のカナダ人は抹茶嫌いだ。もっとも、彼に言わせれば餡子も「小豆のジャム」扱いなんだけど)。
  関西以外での知名度はどのくらいなんだろう? そこまでは知らない。まあ、知らない人でも、パッケージのクオリティを見れば「わりとちゃんとしたものなんだな」と分かってもらえる筈だし、そもそもお土産/手土産であれば相手に手渡す際にそのあたりのニュアンスは伝えられるだろうから、心配は要らない。



  11/24(Thu)
  土曜日のイベントはたいへん嬉しかったが、私のキャパを超える激動の体験だったようで、まだ心の整理ができずにぼんやりしている。



  11/17(Fri)
  新記事:「ツートップヒロイン」。他愛のないメモ。


  [tw: 799564573544038400 ]
  なん…だと……滋賀県なら行けるし、明日……いや、え、あっ、待っ、あわわ、心の準備が。


  そういえば、タサカントロ氏とオスカルマエタケ氏は、同い年でいらっしゃるのか。



  11/16(Wed)
  払暁の空気と景色は気持ち良い。このブログタイトルの由来でもある。ただし、一日で最も気温が低い時間帯でもあるので、そろそろ戸外の寒さがつらくなっている。


  【 根谷氏 】
  私の声優原体験は根谷氏だった。幼少時に観たアニメはともかく、映像に関わるクリエイティヴな職業としての「声優」の存在を初めて意識し、その声に驚嘆し、その名前を知り、はっきりと記憶し、そしてファンになったのがこの方だった。
  (そのような「原体験」はたいていは偶然のようなものであり、それは自分が受け手として最も未熟だった時期の認識にすぎないのであって、べつに重要なものではないし重要視しなければならないものではないということを前提として断ったうえで続けると、)今振り返ってみても、私の声優体験が他でもないこの方の芝居によって啓かれたのは僥倖だったと思うし、声優の力に気付かせて下さったことには今でも深く感謝しているし、そして、思い返してみるとどうやら、現在の自分の声優観や芝居観に対しても少なからぬ影響を及ぼしている。なにしろ、当時の私は根谷氏の芝居を範として、そういう視点からアニメやラジオを視聴し続けていたのだから、影響が無いわけがない。つややかな美声をベースにして、ピンと張りつめた端正で清らかな芝居で、かといってけっして浅薄ではなく、台本に照らして精密正確な掘り下げと彫り込みをされていた。もしもこの時期の集中的な経験が無かったら、私の役者観はずっと貧しく未発達なままだっただろう。

  自分の「初めてのめり込んだアニメ」とか「ゲームへの開眼(と仮に言えるとして)」とか「漫画に対する最初の感激」とかは、いつ頃、どの作品との、どのような出会いだったかなあ……。少なくともオタク領域に関して言えば、私のキャリアは基本的には00年代以降の遅く短く浅いものでしかないのだけど。


  車の人がEscu:deに出演されるとしたら、やはり「鈴消珠空土(すずきえ・すくと)」とかにしてくれるのだろうか。自動車名とブランド名が被っている貴重な機会なので、いつか出演してほしい。


  やはり門脇氏には動物きぐるみキャラがよく似合う……。


  [ shchara.co.jp/04develop/bunny2/img/chara/chara06.jpg ]
  [ girls-und-panzer.jp/chara_rosehip.html ]
  『BB2』のフィリアネさんみたいなキャラを、ネットのファンアートでたまに見かけるなあ、とぼんやり見ていたが、このキャラなのか。そしてお声は高森さんなのか。あらためて見比べてみると、どちらも額を出したピンク色のカーリーボブで、目は琥珀色、真面目な部下キャラっぽい(?)外見で、ほっそりしたプロポーションというあたりまでは共通しているので、大雑把に「似ている」と感じたのはそれほど突飛ではないだろう。


  「立ち絵シルエット化モード」を実装しておいて、頭の固いご老人たちにはそちらをやらせておけばいいのでは? 技術的には至極容易だろうし、それによって原画家その他のスタッフに対する不当な攻撃が回避できるなら安いものだろう(――表情演出に大きな意味を持たせるようなスタイルだったら、シルエット化は出来ないかもしれないけど)。
  人物が顔の見えない透過シルエットであったことによって、「抽象的な人間像であることによって自由なイメージ投影が可能になった」(※実際、主人公とヒロインが名前変更可だった)、あるいは、「相手の表情が見えないことによる緊張感や不安感が、サスペンス作品にとって好都合に作用していた」という側面があったのは確かだ。しかし、今回の作品でどのような手法を採用するかは選択の問題だし、今回のアプローチが嫌いならば買わなければいいのだし、それが不満だとしてもディレクターではなく原画家に批判を向けたのだとしたら見当違いな攻撃だ。

  ちなみに、『痕』(2002年版)も、隠しモードながら「(擬似)16色モード」を搭載していた。詳しくは憶えていないが、たしか背景がモノクロ化するのだったと思う。ただしそれはあくまでおあそびレベルの仕掛けであり、復古主義的ノスタルジーへの迎合というようなものではなかった。


  [ www.moon-stone.jp/product/ms24/24_chara_02.html ]
  相変わらず抵抗しにくいキャスティングをしてくれるブランドだなあ。
  今作では、墨絵のような微妙な滲みを各所に入れていて、面白い感触のCGになっている。近年は一作毎に作品コンセプトに合わせて彩色のスタイルをチューニングしてきているようで、たいへん意欲的なチームだと思う。ベッドシーンは全裸志向に傾斜しており、今作もそうなっているようだ。ただし、口で舐めるシーンは好みではないのだけど(なんとも言えない不潔感が)。
  この脚本家のテキストはちょっとおっとりしすぎていて、過去タイトルでも、当人が書きたいのであろうホラー/サスペンスものにフィットしていないように見受けられた。この点は懸念材料。



  11/15(Tue)
  アニメやゲームで、「作品全体としてはべつに好きではないけれど、その中のあるキャラ一人がたまらなく愛しい」ということはある。あるいは、「脚本も絵もちっとも面白くないけれど、その中でBGMだけは抜群に素晴らしい」とか、あるいは逆に「脚本もUIも駄目だが、CGだけは入神の出来だ」とか、「徹頭徹尾凡作であって、その中で声優さんは最善を尽くして絶美の芝居を披露しているのだが、それでも作品全体への低評価を覆すには至らず、再プレイの意欲が湧かない」という場合も。それは不幸なミスマッチなのか、それとも、せめて一部分だけでも良いものに触れられた幸せと捉えるべきなのか。

  当然ながら部分と全体は無関係ではなく、とりわけ現代のオタク文化ではキャラクター人気が作品全体の好印象をリードすることはよくある。ただししかし、その方向性を突き詰めていくと、「人気のあるキャラクターたちに適宜見せ場を配分していく」という構成になっていく。要するに、個々の保護者(ファン)に見せることを目的とする学芸会になってしまう。そうしたことは人類文化の中では頻繁に(もちろん古典芸能においても)生じていたことだし、創作と当事者性/同時代性は切っても切れない関係にあるし、シチュエーションとキャラとネタだけで一本の面白い作品が作りきれるのは創作の強みでもあるのだが、そのキャラやネタにコミットできない部外者の目には、どうしようもなく不毛なものに見えてしまったりもするだろう。


  【 「公式サイト」のデザイン 】
  コンテンツ関係の公式サイトがしばしば仰々しく装飾過剰で重たくて押しつけがましいという不平は、基本的には同意する。しかしそれは、完全に無意味であってユーザーのことを何も考えていない愚策だとのみ述べるのは一面的だろう。
  ユーザー(閲覧者)の内実を考えると、1)カジュアルに情報を求めて訪れた者と、2)何度も再訪するファン、の二種類がいるだろう。前者にとっては、ムービー駄々流しや宣伝メッセージは邪魔なだけであって、簡素なレイアウトでバランスよく整理されたwkpd情報の方が効率的だろう。しかし、毎日公式サイトを訪問するような熱心なファンにとっては、味気ない公式サイトよりも、ゴージャスなコンテンツに触れる満足感があるとか、その場ですぐに(わざわざ余所のサイトに飛ばなくても)何度でもPVやMVを視聴できるということに、大きな効用がある。
  とりわけ市場全体のパイが小さい分野や消費者の流動性にあまり期待できない分野では、カジュアルな訪問者層に配慮するよりも、固定客の満足度を高めるようなサイトデザインにする方が、制作者にとって得になる(と見込まれる)場合はあるだろう。もちろん、コア層をちゃんと満足させられるようなものにするのは、単純な物量任せではいけないが。
  固定客向けのwebデザインとして最も極端なものは、個別IDを発行してログイン利用を要求する「ファンクラブ」タイプだろう。当然ながら、カジュアルな訪問者はそもそも情報を見ることができないという意味で、最も徹底的な排除が為されている。しかし、熱心なファンにとっては、作品やアーティストとの紐帯を強く感じ続けられるようになるし、新情報に対してインサイダーとして特権的なアクセスができるというのは大きな満足感を得られるだろう。新規層が入りにくいというデメリットはあるが、十分な人数のファンを抱えているとか、web以外での集客機会が十分多いという場合には、とりうる戦略の一つとして理に適っている。主催側としても、コア層を掴まえておく手段であるとともに、ファンを把握しやすくなる(年齢層などの情報を得たり、あるいはファンの動きをコントロールしたりすることができる)というメリットもあるだろう。

  アーティスト(歌手など)のサイトは、こうした固定客向けのアプローチをしやすいだろう。映画(特に洋画の日本語版)サイトは、カジュアルな訪問者層を相手にしている筈なのにうるさいエフェクト過剰サイトが慣例化しており、もっとクールにやれないものかと思ったりするが、あまり詳細/大量の情報を出せないという事情があるだろうから、「情報を充実させる」という路線は取りにくく、かといってあまりみすぼらしいサイトにするわけにもいかないのであのようになっている、ということかもしれない。
  美少女ゲームの公式サイトも、あらすじやキャラクター紹介が企画書そのままじゃないのかと邪推してしまうことがあるが、マンパワーの限界を考えれば、十分頑張っているだろう。作品毎の雰囲気を重視したサイトデザインになっているのも、意味のあることだろう。それはサイトの表示が重たくなってしまうこととのトレードオフであり、実際私もそういうサイトで長たらしいローディングが始まったらタブを閉じて閲覧放棄することもあるのだが、それは私がターゲットになっていないということだろう。公式サイトを見ることで一人でも多くのユーザーに「良さそうな雰囲気だな、買いたいな」と思わせられたならば、デザイン上の目的は果たしている。


  「長村レム」さん……「中村あむ」さんの親類だろうか。棚村ねむさんとか花村ラムさんみたいな感じの名前もいずれ出てくるのだろうか。


  【 たまには英語字幕版も 】
  [ www.youtube.com/watch?v=DMvrukJrrDU ]
  英語版字幕では、水饅頭のことを"the Plez"と呼んでいて、しかも"he"扱いだったりする。まあ、エルナトくんにもなっていたのだから、あえて性別を問うならば男の子なのだろう。

  「ほんとに全然なんにもこれっぽっちも!」の部分は"absolutely, positively"の二つだけ。

  英語だと「分かんないけど出来るもん!」(I don't, but I can do it!)の無茶苦茶さも際立つ。

  「あっちはひかるとななこよ」(And those are Hikaru and Nanako.)
  「その他大勢みたいに言うなあ!」(You just called us "those"!)
  の訳もなかなか気が利いている。

  「有り体に言えばね」を"In terms of tangibility, yes."(見た目から言うとそのようだね)と訳しているのはちょっと誤訳っぽい。「有り体に→実体的」と捉えたのかも。"in shorthand"とか"frankly speaking"あたりで良かったのでは。あるいは、ちょっと古風な言い回しを反映させるなら、"to make a long story short"とか。

  「ここは大切な場所だから!」を"This place is important to me!!"と限定してしまっているのは、どうかなと思う。校舎が誰にとってどういう意味で大切な場所であるのかは、実際、かなりデリケートな解釈の問題だが。

  あおいが「ごめん……ごめんな……」(Subaru, I'm sorry. I'm sorry...)と言葉にしているところは、日本語音声だけだと聴き逃していたかも。ななこの台詞とカブっているせいもあるけど、ちゃんと口パクしているので、見逃していたのは私の不注意だ。

  それにしても、ひかるがわりと言葉遣いが荒かったり(その一方で時代がかった言い回しも覗かせる)、あおいがすばるに対してやたらキツく当たっていたり、いつきが目立たなかったり、ななこがTV版と比べても大人びた美人っぷりだったり。



  11/14(Mon)
  新記事:「白箱系と親(の不在)」。まとまりのない覚書だが。


  「Iチョ」記事も、なんとかやっていけるようにスタイルを変更してみた。読み物としては無味乾燥だが、これならば作業負担も少ないし、特定の「あの回を聴きたい」というときの手掛かりにはなるだろう。歌謡曲は、歌詞よりも使用楽器を書いておく方が思い出しやすいかも(検討中)。

  ラジオ等のコンテンツ概要を書くことが何の役に立つのかというと、執筆者自身については「聴き返しの動機付けになる」という点がある。それ以外の閲覧者にとっては、「1)読み物になる」か、「2)思い出のよすがになる」、「3)特定の回を探し出す手掛かりにする」、「4)資料」といった機能のいずれかが満たせればよい。
  1)ラジオの感想に絡めつつ、四コマ漫画を掲載するなどして、独自の面白さを提供している人もいる。しかし、このブログでは、読み物としての面白さは追求していない(能力も無い)。
  2)当該ラジオを聴いていたリスナーにとっては、概要記事全体にざっと目を通すことで、「ああ、こんなこともあったなあ」と思い出を刺激されるかもしれない。これは、よほど無内容な記事でないかぎり、それなりに効果を持つだろう。特に「胃~之煮」概要記事の場合は、この側面が比較的強く出ると思われる。
  3)さらに、音声データを持っているリスナーが過去回を聴き返したい時の手助けになることもある。再視聴を促すきっかけになるかもしれないし、ゲスト登場や特定の話題などのために特定の回を聴き返したいという場合の手掛かりになる場合もある。今回の「アイチョ」記事では、できればこのための情報提供を行いたい(――それに対して、あのトークの面白さを要約して伝えることはほぼ不可能だろう)。
  4)全体として、このようなラジオが存在したということの記録、そしてどのような内容であったかの記録を残しておくことにも意味がある。公式のコンテンツ(CDでの音源発売など)によって賄われる場合もあるが、そうでないことも多いので、ファンが積極的に記録を残していくことにも一定の意義はあるだろう。
  なお、ラジオそれ自体を聴いたことのない第三者にとっても、プロフェッショナルなwebラジオの情報を閲覧することが役に立つ場合もある。例えば、ちょっとしたパフォーマンスやゲームのネタ集という観点で見ると、ラジオは質の高い見本を大量に提供していることになる。何かあった時に、こういう情報をざっと浚ってみれば、面白そうなネタを安価/高速/大量に見つけてくることができる。


  言及が増えてきたのでBBさん関連の文章をまとめて独立のページにしようかとも思うのだが、このブログで扱うにはいさか憚りがあるので躊躇している。どうしようかな……。
  「BB(ビッグブリッジ)」さんは、「未来トラベラー」のDJパートでご本人が使われているネタなので、べつに私が恣意的に隠語化して呼んでいるわけではない。他人の名前を勝手に読み替えて呼ぶのは、(2chやtwのような場ならともかく基本的には)失礼なことなので、誤解のないよう念のため注記しておく。

  「ビッグウェーブ」ネタは以前に書いてしまったことがあったし、「蔓木鋼音」氏の名前を含むテキストをggl翻訳に掛けたら"vine wood steel sound"になったこともあった。「Green-leaves Apple」、「Apricot mint」、「Cherry-River not-yet-Concave」、「The 9th day」、「June Carry-out」、「Bouquet bouquet」(ダブった)、「The stuck shaman」(それはささるみこ違い)、「See」(そうじゃない)……うーん。BBSWさんは言葉にした時のリズムも良いんだというのを再認識した。



  11/12(Sat)
  藤田「あっはっはっは」
  高森「はっはっはっは」

  高森「はっはっはっは」
  大橋「あははははは」
  高森「はははははは」
  大橋「あははははは」
  すっごく賑やかで楽しいラジオでした。釣られて笑いそうになるくらい。


  騎士だったり庇護者的に振舞ったりするキャラが多いのは、ボーイッシュな声色が凛々しいからだろうか。頑張って少女騎士になる声優。もっとも、そのその一方で珍妙なマイペースキャラが妙にハマっていたりもするが。こう考えてみると、その二つの路線が交差しているアデーレさんこそは、(出番が十分多かったならば)最高の大橋キャラになれたのかもしれない。


  [tw: slasoboy58654/status/795238913375748096 , 795969974078574592 ,
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  なんと、『まいてつ』のジオラマ! うわあ、これ、いいなあ……。現物を見てみたい。


  「えっ、このキャラが一番人気なの?」と世間的な人気キャラの勘所が分からなかったり、「えっ、このキャラはあんまり注目されていないの?」と流行からズレていたりすることがある。よほど受動的なミーハーでもないかぎりこうしたことは誰にでも一定頻度で生じるものだと思うし、マジョリティに乗っからなければならないということは無いのだが、しかし人気のポイントや流行の風向きが理解できないのは得にならないので、できるだけそうした感性もアップデートしていきたい。


  【 「Iチョ」ラジオ 】
  「文句があるならヴェルサイユへいらっしゃーい!」と言われると、ダジャレーヌ宮殿に押しかけたくなる時もあったのだが……。というわけで思い立って「Iチョ」概要ページを作成。あくまで既聴リスナーが聴き返すための覚書記事なので、細かいネタ(駄洒落など)は一々書かない。「ぼいすdeジェスチャー」は、答えが分からないものはどうしようもない(当時は、次回更新時に正解が公式サイト上で発表されていたが、私は各回の記録を取っていなかった)。それどころか、各回の公開日すら残していなかったりする。
  省力スタイルでごく簡単なメモのみにするつもりだが、どこまでネタを拾っていくかの力加減が掴めない。コーナーが多いうえ、フリートークもかなり中味が詰まっているし、これは難しい……。どこかにwiki形式で上げていけば、当時のデータを持っている人たちで分担作成することもできるかもしれないが、終了してからもう2年以上になるしなあ……。

  試しに数回分まとめてみたが、莫大な手間が掛かるわりに、情報としても使えないし、記事としても面白くないし、私自身もやり甲斐を感じられない。記事は取り下げた方がいいかも。

  聴き返すだに、素晴らしいバランスだったと思う。ゲーム会社の広報ラジオのわりに押しつけがましさが無く、コーナーがたくさん入っているのに急かされた雰囲気も無く、投稿者も変なのがいなくて程々にフレンドリーな気持ち良い距離感だったし、固定パーソナリティ二人の会話ががっちり噛み合いつつ、ユーモアのあるトークとして進んでいた。しかもこれほどの密度でありながら、毎週更新で丸5年間も続いたというのも凄い。
  なんで深夜収録が頻発していたのかは知らないけど。

  手許にあるのは第231回までで、それ以前もいくつか漏れがある(118、161、197、203回)。その一方、第0回、第19回のおまけ、第50回記念スペシャル回、70回突破記念といったファイルもあったので、全体としては230ファイル。一つあたり45分として、すべて聴き返すと172時間以上。仮にまともに取り組んだとしても、年内には終わらないかもしれない。これは無理だな。3月に「胃」の125時間を書ききれたのは、「大雑把でよい」+「春休み」+「模型制作と同時平行」という事情があってのことだし。

  196回だったかで、こまきさんが「しんきろう」という名前の(たぶんtwの)アカウントを持っているというようなことを口にしておられたが、えーと、あるんだろうか? それらしいアカウントは見当たらなかったけど。



  11/10(Thu)
  うーむ、声優さんが、私をモデラー趣味に引き戻すきっかけになるとは……。
  というわけで今週末はインプレッサ(あおいちゃん)を制作したい。


  【 褐色肌キャラ 】
  PCゲームの精細な塗りでこそ、褐色肌キャラは最も素晴らしい見栄えを誇る。『ヤミ帽』も『まじれす!』も『英雄*戦姫』も、それはもう素晴らしかった。白基調の人肌表現よりも、グラデーションの色調変化がはっきりするし、色それ自体も深みがあるし、陰影の濃さも魅力的だし、場合によっては輝くようなツヤ肌に彩色されていたりする。

  オタク界全般ではどのキャラが有名なのだろうか。とりあえず女性キャラで考えると、70年代~80年代だと、最も知名度が高いのはララァだろうか(よく知らない)。『BASTARD!!』のネイも、80年代のうちに登場していたのだっけ。90年代に入ると褐色肌ルネッサンスが起きて、ウルド、マーニャ/ミネア、ナディア、エレナ(『SF3』)、姫宮、ソレッタなどを輩出する。今世紀に入ってからは、大量の二次元キャラが出現する中で埋もれ気味のようだが。00年代以降の代表的な褐色肌キャラを挙げるとしたら、どのあたりになるだろうか。真鏡名ミナ? 男性キャラだと、ロランやアーチャー、あるいはアヴドゥル、ダルシムなどが有名だろう。

  アダルトゲーム関連だと、『恋姫†無双』シリーズの孫呉系キャラたちが最も知名度が高いだろうか。黒箱系だと『対魔忍ユキカゼ』『はなマルッ!2』『民族淫嬢』など、ピンク系だと『ぬるぷり』『CHU×ペット』『3Ping Lovers』あたりか。最近だと『ポンコツアクマ』が出色。ファンタジー系だと『SEVEN-BRIDGE』『シャマナシャマナ』『シキガミ』などもある。light(『R.U.R.U.R』『かみのゆ』『Zero Infinity』)も、褐色肌キャラに好意的なブランドと認識している。
  学園恋愛系は総じてきわめて保守的であり、タイトル数(ヒロイン人数)の多さに比して、褐色肌キャラは滅多に登場しない。『おとぼく2』『月と魔法と太陽と』『Scarlett』とか、『あなたをオトコに』(ただし薄めの日焼け肌)とか、『アイルノーツ』(ただしサブキャラ)くらいだろうか。『ピリオド』FDでは、褐色肌キャラがヒロイン待遇になっていた。今月の新作『よめがみMSG』にも褐色肌ヒロインがいる模様。
  それに対して、最大の産地はSLG系だろう。上記『英雄*戦姫』シリーズにも複数の褐色肌キャラがおり、なかでもカーメンは人気投票でも好評だった。大槍氏は『少女魔法学』でもツインヒロインの一方を褐色肌にしてみせたし、『SCF』のサブキャラにも褐色肌の賢人キャラがいる。最近のM&M氏も、舞台設定上の事情がないかぎり、毎回一人は褐色肌のグラマラスなキャラを入れている。原画家の希望なのかディレクションサイドの設計なのかは分からないが。SHC、Eushully、ninetailにも褐色肌キャラは頻繁に登場する。alicesoftだと、えーと、鈴女とか?
  というわけで、『空のつくりかた』も早くプレイしたい。

  このように様々な視点で浚ってみると、どのブランドやどのクリエイターに期待していったらいいかの指標が見えてくることがある。


  LNAFOA#03、まるで石田氏の方が先輩のようだ……。
  トークが充実しているなあと思ったら、59分59秒も!?


  最近のtwの検索機能は、「投稿文面」だけでなく、「ID文字列(ユーザーが指定する方)」と「スクリーンネーム」まで検索対象に含めてしまっているようだ。これは一見すると対象範囲を広げるメリットがあるようだが、実際にはむしろ検索結果のノイズを増やしているように見受けられる。
  特に問題になるのが、反-広告的な作用だ。例えば、作者が宣伝目的で自分のスクリーンネームに「○○発売中!」などと入れてしまうと、その作者アカウントの全投稿がそのキーワードでの検索結果に並んでしまうことになる。もちろん、個々の投稿文面は、キーワード(作品名)とは無関係なものが大量に並ぶ。作者や読者が作品の感想を探したいという時に、作者自身のアカウントが邪魔をしてしまうという怖ろしいジレンマが発生する。ユーザーから不評の声は出ていないのだろうか。というか、何を考えてこんな仕様変更をしたのだろうか。

  作品名以外でも、攪乱要因は多く、tw上での検索による情報収集は致命的に阻害されている。例えば声優名で検索しても、「スクリーン名に『○○さん好き』『CV:○○』と入れている一般ユーザーの投稿が大量に引っかかってくる」、「そういうアカウントの投稿にBOTが反応すると、その度に、投稿文面の中にも声優名が記述されてしまう」、「診断メーカー遊びのせいで、声優の名前に対する事実上無内容な言及投稿が大量に生成されている」。もちろん「広告目的で特定の文面をくりかえし投稿する広告BOTアカウント」の問題もある。もしかしたら、ログイン利用ではましになるようなサービスが提供されていたりするのだろうか。いずれにせよ、私にとってのtwは、「有益な情報もあるので無視はできないが、どうしようもなく厭わしく不便きわまりなく、できれば相手にしたくないwebコンテンツ」という扱いになりつつある。



  11/09(Wed)

  「三竦み」は、確立された一つの語なので、「3竦み」と書くべきではない。「1騎当1000」や「18番(おはこ)」や「1000000辺(地名)」とは書かないというのと同じことだ。「ゼロサム」「二階論理」「三角関数」なども同じだろう。麻雀の「三倍満」「(n)飜縛り」とかも、決まった言葉なので、たぶんアラビア数字では書かないんじゃないかな。また、「二次創作」「第三法則」「九段(※段位)」といった序数も、漢数字で書くことが多い。
  他方、ダイスロールの「2D6」などは、特定の数字を示すことに主眼があるため、アラビア数字で書くべきだろう。数学的な意味での「(n)次元」も、アラビア数字で書くのが一般的だろう。
  ただし、「18禁」や「18金」の場合は微妙だ。社会制度乃至社会的慣行の中で偶然的に決められている特定の数字に意味があるので、アラビア数字で書いてもよい。しかし、特定の数字に限定された用例と、それに対応する特定の意味内容(「成人向け」「高い金純度」)が十分に普及して、実際にも多用されている表現になっているので、漢数字で「十八禁」「十八金」と書いてもよい。
  だいたいこう考えて表記を選んでいる。


  悔しい……桃山ファンになるのが3年遅れていた自分が悔しい……。2013年の『少女神域』『MC』『夜想曲』以来、出演作に高頻度で当たりまくってきたというのに。



  11/07(Mon)

  [ www.yaki-ubu.com/main.html ]
  某ごぅる氏、最近はこんなことをされていたのか……。


  事務所丸投げ新人十把一絡げよりは、実力のある数人で分担してくれる方が、クオリティが保たれてありがたいのだが、最近は兼ね役がほとんど無くなっていて、ほんの端役でも個別に声優が当てられているのが通例になっている。兼ね役を躊躇しないのは、TechArts系列(MBS Truthあたりのヒロイン人数が多いタイトル)くらいではなかろうか。
  もちろん、新人といってもそこらの素人ではなく、十分な訓練を経ている筈だ。また、キャリアが浅いといっても、「何事にも最初はある」。さらに、一つの分野、一つの文化に関わるのであれば、長い目で見て新世代が育っていくのに付き合うのも良いことだろう。
  ただししかし、ユーザーには新人育成のコストを負担する義理は無いというのも確かだ。年に一本しか発売されない新作で、必ずしも最高とは言えないものが混じってくるとしたら、不平の声を上げるのは正当だろう。「この作品を演技の練習台にしないでくれ(この計画でエンジンのテストをしないでくれ)」。8800円(または9800円)固定で、クオリティに応じた価格差が(ユーザー側には)ほとんど生じない分野なのだから尚更だ。
  唐突に『王立宇宙軍』ネタ。


  [ shchara.co.jp/04develop/maken/2character3.html ]
  [ shchara.co.jp/04develop/maken/img/ct3_0.png ]
  なんだろう、ロゼッタさんの立ち絵に対するこの感情は……これはまさか、親近感?
  もしも機会があったら自画像代わりに使いたい。(いや、そんな機会は無いだろうけど。)


  ここ最近で、web上で公開されている(入手できる)コンテンツに強く依存した記事や、web検索で出てくる情報をとりまとめただけの記事をいくつか出してしまっていて、なんとも恥ずかしいかぎり。蓄積が浅い分野(カーモデルなど)だと、自力で枠組と情報を作り出す能力が無いので、どうしてもこうなってしまう。素性のよろしくない記事なので、最低限のマナーとして、web上のデータをまとめただけの伝聞情報ですという告知はちゃんとするようにしているが……。「お兄さま、あなたは堕落しました」。

  というわけで新記事:「車の人の車」。見事なおバカ記事でございます。
  もしもこの記事が私の代表作になったら、私が乗る車は「車の人の車の人の車」になる。

  せっかくだからと、車の人の出演作(プレイ済みのもの)をバックグラウンドで流しつつ調べて回る。早朝から一万件近いカーモデルカタログをチェックしていくのは結構辛かった……気力が尽きたので1/43以外の完成品モデルには手が回らなかった。

  「『ハイデッカ』のバスって何だろう、存在の明け透きに連れていかれちゃうのか?」と思ったが、ああそうか、たぶん"high decker"(デッキ位置の高いもの)というカテゴリーなのだろう。

  個々のヴァリエーション展開をきちんと区別せず一括りにしまっているのは、おそらくカーモデラーからすると、「ガンダムを区別できていない」とか「ゲーム機は全部『ファミコン』と呼ぶ」とか「こぶいち/むりりんの違いが分からない」というのと同レベルの大雑把さなのだろうなあ、と忸怩たる思いがある。ただし、私自身の動機は、「車の人のお名前に関わっている車種のプラモを何か作ってみたい」という程度のものなので、自分自身のための情報整理としてはこのくらいで構わない。


  「やまびこちょういちのはやみみむすめ」さん、いつ見ても(聴いても)可愛いなあ。


  眼鏡キャラであっても常時着用ではなく、運動時や入浴時にはちゃんと眼鏡を外させるという形で眼鏡とはこういうものだという使用実態のリアリティを追求するのも、それはそれで眼鏡(キャラ)に対する誠実な表現たりうるだろう。また逆に、眼鏡を着ける時に「スチャッ」というアンリアルな効果音を付与するのも、魅力と存在感のある眼鏡表現を追求する姿勢たりうるだろう。
  眼鏡を手に取る際の「スチャッ」SEは、例えば銃器を持ち上げる際に重量感や取扱対象を明示する「ガチャリ」SEと同様に、基本的には演出表現の範疇に属するが、現実の眼鏡も無音とは限らない。鼻当て部分の可動パーツが動いて「クキッ」「チャッ」という音がする場合はある。ごく小さな音で、着用者本人以外には聞こえないと思うが。


  データを扱うには、「データ(の採取手法)に偏りが無いか」、「データの操作は適切か」、「そのデータと論じたい主題とは関連性があるか」といった問題がある(さらに「その問題設定は意味があるのか」という問もある)ので、数字やその変化だけを示されても、それだけでは鵜呑みにできない。きちんとやれれば単なる印象論を超えた客観性のある証拠になり得るし、アニメやゲームに関する議論でも統計的手法を採用する余地は大きいのだけど、現状ではそうしたものはなかなか出来ない(――ちゃんとしたデータ収集をするにもコストが掛かる、といった現実的問題もある)。


  [tw: 468563520003379200 ]
  うーん、まあ、なんとなく、分からないではない。いろいろな系統があるよね。

  ちなみに、コノヒトゼンゼンエロクナイネン系統の方もいたりする。いや、アダルトシーンだからといってけっして手抜きをせず頑張って演じていらっしゃるのは分かるのだけど……。西田氏とかも、すごく上手いのだけど、アダルトシーンの芝居を聴いていてセンシュアルな雰囲気をちっとも感じない方だった。



  11/05(Sat)
  胃・王国の概要整理完了。新シリーズは、半分(25回)くらい進んだところで着手しよう。


  ASa Projectは、いつもの遠野氏/春河氏/五行氏枠にちょっともやもやするし、みなとそふとにも通じるヤンキーっぽい品の無さがとにかく致命的に苦手なのだけど、しかしだからといって無視するにはあまりにもったいない美点もあって、くっ、悔しい……。木村氏の男の娘キャラとか、桃山氏の性悪キャラとか、そして卯衣氏や車の人まで……ううぅ、泣いたらいいのか喜んだらいいのか。

  桃山氏のことは最初は苦手に感じていたけど、ちゃんと聴いてみると本当に素晴らしくて、しかもいろいろ聴いていくうちに芸達者ぶりも見えてきて、最近では敬意を持って丁寧に聴くようにしている。表層のみに流れないしっかりしたキャラ把握の上に、個々の台詞の意味と面白さをうまく掬い上げる鋭敏さと表現力があって、しかも語り口にも独自のテンポがある。発声もとてもきれいで、一つ一つの言葉を大切にしている感じ。これを聴けるのはありがたい、ありがたい。


  主人公が猫を飼っているという設定にして、猫ヴォイスには杏子氏を当てて、自室シーンではひたすらニャーニャー鳴いて(喋って)いてもらうというパラダイスを妄想したが、さすがにドリームが過ぎるし、人気投票で並み居るヒロインを差し置いて猫がトップになっても困るだろう。

  並み居るヒロインを差し置いて「蟲クン」が1位になった人気投票もあったりするのだが。


  先日、余所に出講した帰りの住宅街で、ショパンのスケルツォが聞こえてきて、つい立ち止まってしばし聴き入ってしまった。演奏は多少ごつごつしていたが、弾き慣れてはいたようで、特につっかえもせず音楽はきれいに流れていった。こういう不意の幸せも良いものだね。ただし、下手をすると「民家に近づいて屋内の気配を窺っている不審者」に見られてしまいかねないので、携帯画面を見ているふりをするなどのエクスキューズは用意しておいたが。


  波奈束氏のような路線は、一見いかにもオーソドックスだけど、実は案外、PCゲーム声優の中にあまりいないタイプかもしれない。つややかな声色とクールに整った芝居で堂々たるメインヒロイン役を張りつつ、その枠内で鋭敏なツンデレキャラも機敏なわたわたキャラも軽妙な距離感のキャラも精妙な年上キャラも何でもやれる(しかも、それでいて取り澄ました冷たさにもならず乱雑に浮ついたりももせず表情が乏しくもならず芝居が鈍重にもならない)というのは、うーん、比肩しうるのは北都氏や安玖深氏くらいだろうか。五行氏だと開放的な気分に流れがちだし、遥氏はマイルドなバランス感覚に傾斜しがちだし、陽月氏は大人しくメインヒロインに収まるような感じではないし……あ、西田こむぎ氏がご健在だったら、今の波奈束氏に匹敵する盛名を得ていたかもしれない。


  ここで書いている声優関係の文章は、はたして他人が読んで意味が理解できるのだろうかと気になった。できるだけ客観的な性質を指摘するようにしているつもりだが、対象となる作品の規模からして、また私自身の知識からして、技術論的な書き方をするには限界がある。音楽批評などにありがちなユルくて断片的な印象論になってしまわないようにしたい。発声、ブレスとフレージング、シーン基軸での表現のありよう、キャラクター把握、作品全体でのチューニング、そして声優自身のキャリアと成長、等々、声優とその演技を見る視点はいくつもあり、そのそれぞれについてさらに無数の論点が出てくる。個々の芝居をきちんと聞き取りつつ、その美質を適切に認識し、しかるべき用語法/論点/枠組の中でうまく述べるというのは、私のような素人には難しい。



  11/04(Fri)

(2016年11月4日、自宅にて撮影)
昂ぶりが抑えられなかったので、自宅でビッグブリッジサンセットウォーカーさん祭を開催した。詳しくは「カーモデル」記事を参照。一緒に写りんでいる三津菱蘭沙さん(下側の赤い車の人)は、本題には無関係。『星架か』つながりでいすゞの「アスカ」にしておけばよかったか。ヴェロキラプトルは、上の映画を観るまで知らなかった。下の雑誌は「ナンプレファン」12月号。

  同社製品のうち、WRX STIとどちらにしようかと店頭で迷った。WRX版の方が、ルーフ(屋根)まですべてブルーで統一されているし、フロント部分が銀色になっていてあの杖の先端部をイメージしやすく、発売時期からもそちらの方が適している。それに対してS206版は、リアウイングがはっきりしているので、TV版の杖デザインに合っている(WRX版では、ウイングがルーフと一体化している)。まずはTV版のつもりでS206の方を買った。とりあえずは、このあおいちゃんを机上に置いて日々眺めていよう。春になったらあらためて1/24プラモ制作に取り組みたい。あるいは、YT版のつもりでWRX STIの方も早めに買っておくか……。

  せっかくだからと恐竜ネタにもちょっぴり手を出してみたけど、恐竜好きというのはかなり濃い趣味なんだなあという感触を得た。子供(男子)っぽい趣味という印象を持たれがちだけど、これはけっして素朴な好奇心程度ではついていけない、知識と想像力をもって取り組んでいかなければなかなか続けられそうにない感じ。もしかして、相当なロマンチストでいらっしゃるのだろうか。

  『プレアデス』&恐竜というと、そういえば[ d.hatena.ne.jp/durden/20150508 ]:こんな興味深い記事を読んだことがあった。ここでのこの符合は、おそらく偶然だろうけれど。読んでいるうちに、本編再視聴したくなってきたな……。


  なんと、木村氏出演の新作が! やったー、嬉しi…えっ!? なんとも意外な路線だ……。ZIONだから特にCGはクオリティが高くて安心だし、キャスト情報もいずれ正式公開されるだろうけど、しかしこれは予想外だった。


  SHC++の新作情報も公開されてる! こちらは紅村氏原画だし、何の心配も要らない。ストーリー概要を見るに、今回は『Wizard's Climber』系統のシステムだろうか。メインヒロイン「クレア」のデザインも、セリスから魔法使い要素を抜いたような感じで、橙赤色基調のカラーリングといい、全体のシルエットといい、いかにもセリス Ver. 2.0(あるいはVer. Benimura)っぽい。「ロゼッタ」さんのネコキャラっぷりも一目惚れする素晴らしさ。サブ原画の「そらモチ」氏は、twID:soramoti00 の方のようだ。明るくて親しみやすそうな絵を描いておられるので、こちらもひとまず安心。
  キャストはどうなるかな。桃組丸投げは勘弁してほしいけど……。


  美月氏の配役傾向が、どんどん気っぷのいいボーイッシュ面白系キャラに突っ走っていくのが、もう楽しくて楽しくて。『まじの』『恋リゾ』『BRAVA!!』『しろぴか』『ひまわり!!』『かみのゆ』『魔女こい』『魔女パレ』『ひめごとユニオン』『ラプソディ』『メルトピア』、どれもそちら寄りだ。
  理多氏(『SEVEN-BRIDGE』『だめがね』『プリスター』『学☆王』『はるはろ!』など)や、みすみ氏(『鬼神楽』『いな☆こい』『Magus Tale』『GoD2』など)の路線だと思えば尚更。ヒロイン待遇じゃなくていいから、切れ味鋭い賑やかしキャラで存分に喋りまくり暴れ回っていただきたい。

  芯のあるボーイッシュアルトで明朗さとシャープさを高水準で両立させている声優さんは本当に稀少で貴重だからね……。賑やかしキャラでも金田氏や青葉氏や陽月氏だと少女キャラ向きになっていくし、渋谷氏や星咲氏はボーイッシュも行けるけどシャープというよりは軽やかな感じだし、海原(伊東)氏や萌花ちょこ氏はもっとまろやかな感じだし、卯衣氏はまた別次元だし、秋野氏だとアグレッシヴさが前面に出るし、高槻氏だと鋭さは凄まじいけど明るさよりも陰影の濃さにこそ魅力がある感じだし……。

  [ luxurytiara.nexton-net.jp/_product/luxtia001/chara/10/chara.html ]
  このキャラも、一昔前だったら立ち絵を一目見て「ああ、これは海原氏かみすみ氏ですよね」と断言できたと思うけど、現在では美月氏の領分という扱いになっているようだ。


  [ products.web-giga.com/hitme/character3.html ]
  期待通り、そして予想以上のサンプルヴォイス。
  発売は来年か……体験版が来たら手を出すかも。


  萌花ちょこ氏のファンなら桃山いおん氏のファンにもなれるし、逆もまたしかりだろう。桃山氏は、最初はちょっとよく分からなかったけど、丁寧に聴いてみると、言葉全体のつながりのよく見える、思慮深さと表現力を併せ持った素晴らしい芝居をされている方だと思う。大見得の台詞でもけっして空転せず、地に足の付いた、現実的な手触りのある演技は、このお二人の美質だ。


  というわけで、そろそろ学祭シーズンだが、私はひたすら引きこもるのです。



  11/02(Wed)
  和菓子が美味しすぎて美味しすぎて……舌と胃と心に染み渡る。


  「ナンプレファン」12月号。いったいなんでパズル雑誌が、無関係なランキングコーナーを持っているのかと訝ったが、ああそうか、「1」から「9」までの数字を使うナンバーパズルだから、任意のお題で「1」位から「9」位までを選ぶ「BEST9」をネタとして楽しめるのか。BEST3やBEST10では意味を成さないということだね。
  海外ドラマのお気に入り作品について、単なる紹介ではなくて、自分はこういうポイントが好きだ、このシーンが好きだったという視点で熱心に語って(書いて)おられるので、読んでいる私も興味が湧いてくる。『CSI』を少し観たくらいだったが、せっかくだからもう少し観てみようかな。
  恐竜BEST9も、いつか機会があったら拝読/拝聴したい。


  Digital Cute新作は探偵ものなのか……。このブランドは、どの作品も出来は素晴らしいのだが、飛び道具っぷりも毎度毎度すさまじくて、ついていくのはなかなか大変。『ぶるにゃんマンEX』のヒロインを殴打しながら性的に蹂躙するシーンは、黒箱系でもめったに見ないくらいハードなもので、しかもよりにもによって対象がまきいづみキャラだったりするものだから、小心者の私は心底びびったものだった。


  ・「胃~之煮」第11シーズン開始、そして十周年。
  新シーズンのタイトルを見て、ついに同業者をネタにし始めたかと、吹き出しそうになった。決まった新タイトルをあらかじめ知っておいてから、いったいどうやってそのネーミングに帰着するかをドキドキしながら聴くというのも、なかなか新鮮な感じだった。

  というわけで、新シリーズ「裸婦!」のページはひとまず枠だけ作っておいて、「王国」の残り部分を聴き返しつつ概要を書きまとめていこう。


  【 声優の成長 】
  声優さんの芝居がキャリアとともに深まったというのを認識したことはあまり無い。もちろん実際には、何十本も何百本も演じているうちに様々な深化、成長、発展、新機軸は大小無数に生じているのだろうけれど、そういうことを聞き手として実感したことはなかなか無いのだ。すごく上手い声優さんは、デビュー当初からすごく上手かったし、ユニークなスタイルを確立されている方は、大抵は最初からすでにそのスタイルだった。例えば一色氏や北都氏は、初期から、つまり00年代初頭からすでにとんでもなく凄かった。逆に、某氏とか某氏とかは、デビュー当時から程々で、そしてキャリアを積んだ現在でも、残念ながら相変わらず程々のままだ。

  理由はいろいろ考えられる。1)シンプルに「私の耳が鈍くて認識できていないだけだ」。諸事勘案したうえで最もあり得る可能性だ。あるいは、2)「デビューする前に十分なトレーニングを経ているのだから、その段階ですでに一定の水準に達しているのは当然だ」。それもそうだろう。3)「認識のカテゴリーが違っている」。例えば、変わった役柄を演じられるのを聴いて新境地だと思うことはあるが、それはそれで「成長」「発展」の一つのあり方だと考えてもよいだろう。4)「ゲーム収録は声優のスキルを伸ばさないものだ」。これは間違いだろう。むしろアニメや外画収録よりも、自分なりの個性を伸ばしやすい収録形態である筈だから。5)「配役の際に、既存の芝居を踏まえた期待をされるものだから、芝居のスタイルを劇的に変化させることは無い」。プラグマティックにそういうことが生じる可能性は考えられないではないが、成長というのは単なる選択の問題ではないだろう。
  他分野、例えばアニメ中心で活躍している声優でも、「成長」を感じることはめったに無い。特に最近では、オーディション競争が激しいため、スタイルの固まりきっていない状態の新人が露出ににくいという事情もあるかもしれないが。

  ゲーム声優としての表現が深まった、あるいは幅が広がったというと、青山氏を挙げてよいだろうか。当初はわりとストレートな芝居が多かったが、00年代後半頃から、コメディの切れ味を大胆に披露するようになっていったし、落ち着いたシーンでも非常にニュアンスに富んだ芝居をされるようになったし、アダルトシーンでもずいぶん精密に練り込んだ発声をされている。海原氏も、00年代後半あたりから、開放的で余裕のある表情がぐっと増えて、台詞のつながりや場面毎のムードが鮮やかに感じられるようになったと思う。かわしま氏も、最初期はわりと大人しかったような記憶があるけど、あっという間に自由闊達で抜群の振れ幅のある役者になっていた。五行氏も、最初期と比べるとずいぶん変わってきたと思う。木村氏についても、以前に書いたとおり、00年代半ば頃からぐっと落ち着きを増して、この方らしい芝居の独自のテンポが確立されていき、感情の乗り方(乗るというか、作り上げているのだが)も真に迫ったものになっていった。鷹月(夏野)氏も、キャラクターの把握の的確さとその聞き手への伝達のクリアさが増してきた。桜川氏は、『モノモノ』(2005)の頃までは可愛らしい芝居が多かったが、その頃からハジけた楽しい芝居がどんどん増えていった。上田氏や民安氏も、旧作を聴き返してみるとずいぶん変化してきているかもしれない。……こうして振り返ってみると、確かに役者の成長、変化、深化はたくさん、そして驚くべきほど深く深く、成されているのだと思う。
  その一方で、波奈束氏は波奈束氏として出現した瞬間からすでに完璧な波奈束風景だったし、陽月(榊)氏の天才もずっと変わっていない。杏子氏のあの目覚ましい個性も、杏子氏としてデビューされた時点ですでに紛れもない杏子御津100%の魅力があったと記憶する。もっとも、100%が110%や140%になったりもしているけど。

  ちなみに、00年代初頭あたりまでの作品で、芝居の表情がはっきりしないことがあったのは、「抜き台本」(つまり自分の台詞だけが並んでいてその場面の状況が掴みにくい抜き取り台本)だったせいだという話もある。『美少女ゲーム声優のお仕事』(58頁以下)で、北都氏がそういう証言をされている。抜き台本どころか、収録現場での初見台本(!)もあったのだとか……。
  下の画像は、以前(今年6月)の雑記欄に掲載したものだが、「ちゃんと縦書きである(昔は横書き印刷の台本もあったとか。非常に読みづらいらしい)」、「脚本全体を把握できる(自分の台詞だけの抜き台本ではない)」、「担当キャラの台詞がハイライトされている(拡大表示+太字)」、「個々の台詞がナンバリングされている(収録漏れを防げる)」といったゲーム台本の特徴がはっきり見て取れるが、こうした現場技術や現場環境も、声優たちが頑張って要望の声を上げることで、改善されてきたのだという。
  画像には、キャラクター間の呼称一覧も見える。呼称や人称(「私」「わたし」など)の統一も、声優が台本をきちんと読み込む過程でちゃんとチェックしていて、スタジオで脚本家に指摘して修正の確認を取りながら収録していくということもあったらしい。そういう手間やミスを無くすために、呼称リストもちゃんと用意されるようになったのだろう。

画像上側は、『ノラと皇女と野良猫ハート』初回限定版の同梱特典。こちらはゲーム台本スタイル。下は、『妹どりーむ!』のパッケージ裏面。こちらはアニメ台本スタイル。



  11/01(Tue)
  ストラヴィンスキーの室内楽、実に楽しい。戦間期ヨーロッパの香りが耳と心に効く……。


  8月は主にゲームに打ち興じ、9月はややダレたが映像(映画/アニメ)が多め、そして10月はラジオとゲームに時間を費やした。11月は何をして過ごそうかな。


  【 声優と事務所 】
  部外者には声優さんと事務所の関係(所属/退所/移籍)がよく分からないので、そういうニュースがあった場合に喜んでいいのか心配したらいいのか、どう受け止めたらいいのか分からなくて戸惑ってしまう。
  声優側について見ると、基本的には個人事業主のようなもので、「当人の才覚(スキルと個性、人脈等)によって、自分で仕事を取ってくる」ということが多いらしいから、一般的な意味での会社所属/転職とはかなり意味合いが異なるだろう。だから、「定期的に仕事を取れ(る見込みがあ)ること」「スケジュール管理が出来ること」「税務などの手続がきちんと出来ること」といった条件が満たせれば、どの事務所に所属するか、あるいは事務所に所属するかどうかの問題は、当人の仕事にとってそれほど重要ではないのかもしれない。そうすると、一つところにずっと所属していてもよいが、「1)人間関係」、「2)したい仕事の方向性」、「3)事務所側の都合」、「4)経済的観点」などの事情があればわりと気軽に移籍できるものなのかもしれない。
  1)事務所の規模や運営方針によって、同じ事務所の声優同士でもほとんど交流が無い場合もあったり、あるいは逆に、同じ作品での共演が多かったり、共同でイベント開催したりすることもあるようだ。同時に複数人が離脱したり移籍したりする例もあるので、事務所内の人間関係が理由になっている場合もおそらくあるのだろう。また、親しい役者や尊敬する役者が新規事務所を設立するというので、そちらに参加するということもあるらしい。
  2)また、事務所経由で仕事の機会(あるいはオーディション機会)が巡ってくることについても、回ってくる役の方向性と声優が演じたい仕事の方向性のマッチングがあまり満足のいかない状況になるということはあり得る。状況が改善できる見込みがあるならば、移籍を躊躇する理由は無いだろう。特に、系列養成所から上がってきていた場合には、現場のノウハウが分かってくるにつれて、声優が自分なりの最善のやり方を追求して移籍を考えるということもありそうだ。
  3)その一方で、事務所側としても、人材を抱えることはノーコストではないし、事務所全体の方針もあるだろう。例えば、業務内容(アニメ/アナウンサー/ドラマ/司会など)への適性もあるだろうし、年齢分布や個々の声優がカバーできる範囲などもいろいろと調整したいかもしれない。そうした意味で、個々の声優の希望/適性と事務所の期待する方向性とがずれてきた場合には、より適した事務所への移籍も、選択肢になってくるのかもしれない。
  4)事務処理能力さえあれば、事務所抜きでフリーランスとして仕事をする方が、金銭的には割が良くなるだろう。それまでに築いた人間関係で、定期的な仕事を確保していける見込みがあれば、それも選択肢になりうると思われる。アニメ作品のオーディション情報(が素人には知らされないこと)を見ても、一定のスクリーニングがあるようだが、「プロの声優」としてそれをクリアできていれば、声優業界はわりと自由に動けるものなのかもしれない。金銭面以外でも、待遇改善のための事務所間移籍もあるだろう。

  ざっと考えてみたけど、こんな感じなのかなあ。もちろん個別的には一概には言えず、様々な事情でそうしたことを決断しているのだろう。ブログ等での退所報告でも、具体的な事情には一切触れず、形式的な挨拶のみに終始するのが通例で(そりゃそうだ)、嬉しいことなのか、難しいことがあったのか、それとも何かに挑戦するためなのか、部外者にはまったく分からないので、「なにかしらの節目、あるいは新しい門出になる出来事なのだろう」と、あらためてさらなるご活躍を心中お祈りするしかない。結局、「分からないものは分からないから何とも言いようがない」のだった。


  (→12月10月