第11話「不器用な石」
原作漫画の第22幕の途中から、24幕の最初(4巻53頁)まで。時代はひきつづき1232年の秋以降と考えられる。ボラクチンの回想シーンは、1226年から始まって最新時点まで進んでいく。
サブタイトル「不器用な石」は、原作由来の台詞から取っている。ボラクチンにおいては、輝く宝石にはなり得ない(と自己規定している)が、そこに新たな角度から有用なポテンシャルを見出す能力として。主人公ファーティマについては、モンゴルの政局に右往左往しつつ転がっていく小さな石のような存在として(※す彼女は使者の役目すら果たせていないが、その言動が想定外の影響をもたらしている)。そしてソルコクタニは、取引に使われる単なる道具としての宝石になりかけていたが、その役割を振り払おうとする意志を示したという意味で。今回フィーチャーされている三人の女性の生き方を、それぞれに示唆するサブタイトルである。
脚本は加藤還一(第1-2、5話も担当)。絵コンテは、愛敬亮太(初)と山田総監督、Gongora監督の三者が名を連ねている。演出は井分詢也(初)。愛敬氏は『mono』(2025)で監督経験あり、井分氏は近年のいくつかの作品で原画や演出の実績があるようだ。
今回は細かな追加カットが多いが、エンディングムービーを潰して(クレジットを本編に重ねて)までたっぷり描ききっているので、これらのアレンジは映像上、大きな意味のある描写として扱われていると考えるべきだろう(※ただの尺調整だったら、こうはしなかった筈だ)。