2026/08/18

漫画雑話(2026年8月)

 2026年8月に読んだ漫画の雑感。主に単行本新刊について。


●続刊等。
 mmk『となりの席のヤツがそういう目で見てくる』第6巻(86-102話)。花火祭からビーチ遊びへ。おおまかに言えば、「からかい」系の眼鏡女子と犬系な美形男子の恋愛未満なライトフェティッシュシチュエーションコメディなのだが、頭身高めのキャラクター造形なので色っぽいムードがあるし、二人それぞれの視点を使い分ける(対比させる)ことでトリッキーなドラマを作り出しているのも良い。
 まめ猫『純情エッチング』第4巻(18-23話、完結)。美大を舞台にしたクリエイターものだが、絵そのものの美術的なインパクトや演出技法の追求を全面に押し出しているアプローチが、従来の一般的な漫画家漫画とは異なる個性になっているし、実際たしかにそれらは説得力のある絵作り、漫画作りとして成功している。上手い。

 松井優征『逃げ上手』第26巻(224-232話)。本質的に「終わり」のない史実ものなのに、意外にも、ここに来て物語の締め括りがドラマティックに盛り上がってきた(※途中はかなりダルい巻もあった)。次巻で完結とのこと。結局、最後まで付き合ってきたなあ。
 大関詠詞『~スローライフの夢を見るか?』第5巻(29-35話)。異世界冒険者ものだが、躍動感のある情熱的な筆致が面白い。ただ、ページ単位でレイアウトが決まりすぎていて、ページをまたいだつながりが弱い(あまり意識されていない)ように感じる。例えば左右のページでまったく雰囲気が違っているのは、少々ぎこちなく見えてしまう。。この作品はまだましなのだけど、気の利かない作品だと、どのページも「1コマ目が大きな決めゴマで、その下にストーリーコマが続く」形が延々連なっている場合がある。あるいは、左右のページでコマの密度が大きく異なっている場合も、かなり異様に映る。オンラインの縦読みならまだしも、見開きで読むとそうしたぎこちなさはかなり目立つ。
 鴻巣覚『うさぎはかく語りき』第3巻(14-20話)。架空の東京地下街を占拠したウサギ型エイリアンたちとのバトルもの。kawaiiウサ耳美少女キャラたち+意外性のある心理描写の掘り下げ+殺伐とした異能バトルという取り合わせの感触が面白い。
 石沢庸介『第七王子』第24巻(196-201話)。スタンピード編の最終盤で、いつも以上に凄まじい。超魔法バトルものとして、魔術ギミックのアイデアの豊富さ、ネーミングセンスの卓抜さ、そしてそれらを組み合わせるテクニカルな作劇、各キャラクターの特徴づけの明晰さとそれら全員をストーリーの中でそれぞれ機能させる手腕、しかもかれらの心情的なデリカシーもきちんと掘り下げる誠実さ、さらにゴージャスな魔術バトルの視覚表現の鮮烈さ(しかもオンライン連載ではフルカラーだ)、等々。現代エンタメ系漫画家の最高峰の一人だろう。
 ヨシアキ『雷雷雷』第7巻(42-49話)。特撮めいたキャッチーなコメディの側面と、切羽詰まった深刻な災厄状況+企業間の暗い謀略合戦の取り合わせがユニーク。今巻も後半にバトルシーンがあり、非常にシビアな状況を描いている。