Trumpeter「1/350 ドレッドノート」の紹介と感想。
2021年制作。艦船モデラーとして、一度は作っておきたかった有名艦ドレッドノート。ただし、第一次大戦までの艦なので、日本の模型界ではあまり注目されていない。その意味でも、自分で実際に形にして、じっくり眺めることが出来るようになったのは喜ばしい。
Trumpeterは、英米伊の軍艦を1/350でラインアップしているが、なかでもドレッドノートは3種類リリースするほど力を入れている。具体的には就役初期の1907年)、WWI初期の1915年、そしてWWI終わりに当たる1918年だが、せっかくなので最初の1907年キットを制作した。日本艦でいえば三笠や金剛(就役時)の中間くらいの存在で、丸っこい楕円のシルエットはいかにも時代を感じる。艦首側の二段甲板や簡素な艦橋に既視感が……。
ブルワークは薄くきれいに造形されているし、エッチングパーツも梯子類や一部手摺、煙突キャップなども含め、かなり細かいところまでキットに同梱されている。私の技量ではマストの水平保持などにちょっと苦労したが、全体としてはパーツ精度は高い。一部の繊細なパーツには、破損しないようにランナー保護が巻かれていた。
WWII期の艦や現用艦とはずいぶん違った構造になっているのが面白い。マストやデリック(?)が長く伸びているのも、いかにもこの時代らしい。
汎用エッチングで、手摺をちょっとだけ追加している。なにぶん古い艦だし、構造もWWII期のポピュラーな艦とは大きく異なるので、どこに/どこまで手を入れたらよいかの判断が難しい。塗装の色選択は適当。技術的な(当時としての)新しさと、時代的な古さの印象を両立させるように調整したつもり。
艦載艇の塗り分けは、水性アクリルの筆塗りを導入した。色選択が正しいかどうかは分からない。
Tamiya「プリンス・オブ・ウェールズ」と並べて。1/350の大物どうしで、しかもドレッドノートは約46cmに対してPOWは約65cmと、サイズがかなり異なるので撮影しにくい。年代も30年以上離れている艦どうしなので、技術面でも、戦艦の位置づけとしても様々な違いがあるのが、こうして模型を見ていてもいろいろ想像される。