Pit-Road「1/700 ウォースパイト 1942年」について。
PIT-ROADの「ウォースパイト」は1915年と1942年の2種類がリリースされているが、これは改修後の1942年版。ベース塗装(Creosバーリーグレー)と木甲板はエアブラシで、それ以外は水性筆塗りで迷彩をどこまで塗りきれるか、どのくらい時間と労力が掛かるかの実験でもある。全部で15時間程度。予想外に時間が掛かった。考証には踏み込まず、キットの指示どおり素朴に制作。青はTAMIYA水性アクリルの「ミディアムブルー」。濃いグレーは同じくTAMIYA「フィールドブルー」。迷彩はマスキングしたが、丁寧にマスクするなら、いっそエアブラシで塗りきってしまう方が効率的だろう。ウォースパイトは、メカニカルな迷彩の視覚的な面白さ、端正に整ったブロック状の艦橋、そして艦尾のスターンウォークのレトロ感など、見どころが多い。艦全体としても、色彩感がクールだし、コンパクトにまとまっていて各部の機能性が見て取りやすいのが好ましい。塗装指示によれば、迷彩模様は左右非対称。メカニカルな直線的迷彩が楽しいが、1/700はサイズが小さいため、きれいな塗り分けが難しい。レーダーや煙突カバーなどはエッチングパーツが同梱されている。艦載機格納庫も別パーツになっていて、開閉選択できる。上からTamiya「フッド」、tamiya「レパルス」、そしてPit-Road「ウォースパイト」。1/700キットは、シンプルに組むだけならば数日でどんどん完成させていけるので、こうして見比べながらいろいろ想像して楽しむこともできる。同時期に活動していた艦同士だが、起工年代の違いや技術的条件、用途に応じた艤装、改修の都合など、様々な事情が反映されているのが窺われる。Academy社の1/350「ウォースパイト」キットの記事にも写真掲載したが、1/700キットと1/350キットを並べるとこんな感じ。それぞれアプローチを変えて制作したので、作り分けをする意義はあったと思う。