2023/04/29

Eastern Model「フランケンシュタイン」について

  Eastern Model(御模道)の「フランケンシュタイン(Frankenstein)」について。


 中国(広東省深圳市)の模型メーカーEastern Modelのガールプラモ「1/12 フランケンシュタイン」は、日本国内の模型店では2023年2月頃から見かけるようになっている。
 オリジナル版の製品名は「フランケンシュタイン」だが、日本版では「エリザベス」となっている。パッケージの表記が異なるだけでなく、成形色も「フランケンシュタイン」ではブルーだったパーツが、「エリザベス」ではピンクになっている。本稿では、「フランケンシュタイン」版を紹介する。

「フランケンシュタイン」のガール部分。「玄武」の頃から、このメーカーは「素体ボディ」と「武装ボディ」を丸々2体作れるようになっている。たいへん親切な仕様。素材は全てABS(※タイヤや手先パーツはPVC)。


背面から。多腕で「フランケン」というと、漫画『フランケン・ふらん』を連想するが、このキットはサイバー路線。デカールには「CYBORG」「ELECTRIC CURRENT」「UNDEAD」と書かれている。武装ボディは、意欲的な左右非対称デザインを追求している
武装モードの腹部は、パイプが走っていたり、クリアパーツ外装の下に、シリンダーが見えていたりと、メカニカルな要素を前面に押し出している。クリアパーツでのメカ露出演出は、Nuke Matrixの「Lirly Bell」等に倣ったものだろうか。
設定上は1/12とのことだが、実際のサイズはハイヒール込みで約16cmと、一般的なガールプラモと同じ。ただし、日本メーカーのキットと比べると、小顔+脚長+スレンダー志向が際立つ。
ガール2体のほか、サポートメカ、武器類などがキットに含まれる。人造人間ネタということで、武器はメスや点滴スタンドを模している。頭部は、内部パーツを自作すれば3個分作れそう。素体右腕(前腕)も、素体用と武装用で2つ分ある。なお、「青龍」や「錦衣衛」と共通規格なので、フェイスパーツが交換できる(※初期の「アラクネ」は非対応)。
サポートメカ「プロメテウス」。小さく見えるが、実際にはガンプラRGに匹敵するほどの大量のパーツを複雑に組み立てていく。四輪はそれぞれ多関節で伸縮などの可動が設けられている。なお、今回はランナー状態で吹き付け塗装しただけの簡易制作(※ごく一部は筆塗り)。アンダーゲートキットならではの横着塗装だが。
上記の「Basic Vehicle Form」(車両基本形態)から、操縦桿部分を立てると、ガールが膝乗りできる「Combat Wheelchair Form」(戦闘用車椅子形態)になる。パーツ精度は低めだが、組み立てには支障無い。
さらに、前後逆にして脚部を伸ばすと、「Lightweight Tactical Form」(軽量戦闘形態)になる。サイバー分娩台にしか見えないが。
同梱のビニールパイプを、点滴袋やバックパックに接続することもできる。ただし、径が合っていないので、細いピンセットで押し込むか、接着剤等で溶かしてくっつけるか、穴を拡げるか、なんらかの工作が必要になるだろう。
薬物でハート目になっているのか? 薬液を注入しながら戦いつづける破滅的な病み(物理)キャラとは、マニアックにも程がある。