漫画『淡島百景』およびそのアニメ翻案について、人間関係や時間経過が複雑なので、私なりの理解で年表的な見通しを試みた。
主要人物の初出は太字にしてある。また、淡島歌劇学校の入学年は世代を測る指標になるため、赤文字にした。
ただし、年齢や時代について明示されているものはほとんど無い。アニメ版で、田畑の淡島入学が2005年とされており、人物相関図で伊吹たちが50代と明示されているくらいであり、しかもそれらは原作漫画には存在しない描写である。
それゆえ、あくまで私的な仮説として、おおまかな世代間のイメージを掴むために、蛮勇を奮ってこの記事を公開する次第である。くれぐれも確定情報のように信じないで下さい。アニメ版制作に際して、年代は正確に(再)設定されている筈なので、そちらから公式情報が出ることを期待したい。
年次や年齢については、あくまで想像で、しばしばきりの良い数字で設定してある。けっして確定的なものではなく、「おそらくこのあたりの時期に、この出来事があったのだろう」という目安にすぎない。名前の表記は、芸名と本名が混在しているが、「通りの良さ」と「混同されないこと」を優先した。例えば、デビュー前の時点でも、デビュー後の名前で記載している場合がある。
架空のキャラクターとはいえ、年齢や出産などについて一々言及するのはたいへん気が引けるが、世代関係を把握するためには避けられなかった。入学時年齢は、現実の宝塚を参考にしつつ、特別の事情のないかぎり16歳と見做した。
何度も書き直しているので、年齢計算がズレている可能性あり。おおまかに前後関係の見取り図だけを示したものとしてお読みいただきたい。
| 年 | 伊吹、岡部関連 | 田畑、竹原関連 | その他 |
| 1894 | 山路よし子(日柳夏子)出生。 | 。 | 。 |
| 1923 | よし子(29)、山路寛一(32)と結婚。 | 。 | 。 |
| 1924 | よし子(30)、ルリ子を出産。 | 。 | 。 |
| 1927 | 。 | 。 | 夏木詩子出生。 |
| 1930 | 寛一(39)逝去。 | 。 | 。 |
| 1940 | ルリ子(16)と英雅が淡島に入学。戦時中だが!? | 。 | 。 |
| 1949 | ルリ子(25)が引退後に伊吹吉彦(28)と結婚。英雅(25)はスターになっている。 | 。 | 。 |
| 1953 | 。 | 。 | 長谷川慎爾出生。母はトップスターの夏木詩子(26)。 |
| 1954 | 伊吹桂子、岡部絵美、小野田幸恵が出生。 | 竹原悦子出生。 | 住吉、押上が出生。 |
| 1961 | 。 | 。 | 司玲於奈出生。 |
| 1966 | 。 | 。 | 長谷川(13)、作文コンクールで優勝。香月泉出生。 |
| 1968 | 岡部(14)が転校、悦子と知り合う。 | 悦子(14)は岡部と友人になる。 | 。 |
| 1969 | よし子(75)逝去。ルリ子(45)、桂子(15)。 | 悦子(15)は岡部とともに淡島を初回受験するが、二人とも不合格。 | 。 |
| 1970 | 岡部、伊吹、小野田(16)が入学。岡部は年度末に退学して広島へ。 | 悦子(16)は高校へ進学。 | 住吉(16)、押上が入学。 |
| 1971 | 小野田(17)も退学。 | 。 | 住吉(17)退学。 |
| 1972 | 伊吹(18)は淡島の教師を目指す。 | 悦子(18)、大学に進学。淡島を舞台観劇。 | 押上(18)は淡島の教師を目指す。長谷川(19)は、母詩子(45)の示唆により、脚本の仕事に興味を持ち始める。 |
| 1973 | 。 | 。 | 城芙美子出生。 |
| 1976 | 。 | 。 | 浅上レオ出生。 |
| 1977 | 。 | 。 | 司玲於奈(16)入学。 |
| 1978 | 岡部(24)が小野田を見舞う。小野田逝去。 | 。 | 。 |
| 1979 | 岡部(25)が、久保田某(27)と結婚、長男を出産。 | 。 | 。 |
| 1980 | 。 | 。 | 山県沙織(鏑木夕希)、四方木田かよ、武内実花子が出生。 |
| 1982 | 。 | 悦子(28)、就職ののち浦上某と結婚し、2児を産んでいる。 | 香月泉(16)入学。 |
| 1983 | 。 | 。 | 小日向要(きゃなめ)出生。 |
| 1985 | 岡部(31)、次男を産む。 | 。 | 住吉(31)、伊福部某と結婚。 |
| 1988 | 。 | 竹原絹枝、広島で出生。父親は、悦子(34)の実弟。上田良子も出生。 | 浅上レオ(12)、司玲於奈(27)の芝居を観劇。武内実花子(8)は入院療養中に淡島歌劇を知る。 |
| 1989 | 。 | 田畑若菜が群馬で出生。母は佐江子(24)。 | 城芙美子(16)入学。住吉=伊福部(35)、娘を出産。大久保あさ美や熊谷洋子たちも出生。 |
| 1990 | 。 | 柏原隼人(33)と神田美礼(32)の間に柏原明穂が生まれる。 | トップスターの司玲於奈(29)が退団したことに、浅上(14)は落胆。 |
| 1993 | 。 | 。 | 浅上(16)入学。 |
| 1995 | 。 | 。 | 娘役トップの香月泉(31)が退団。 |
| 1996 | 。 | 。 | 山県(鏑木)、四方木田、武内(16)が入学。 |
| 1997 | 。 | 。 | 柳原加代子、梅本美月、小清水が出生。 |
| 1999 | 。 | 竹原絹枝と上田良子(11)が、小学校で『ロミオ』を演じる。 | 山県(19)、四方木田、武内は、卒業後に歌劇団に入る。武内は大役を得るが、病気のため退団、休業。小日向要(16)入学。小鳥遊沙羅、雅楽川静香、藤沢江里、佐々木香音が出生。澤乃井と絵莉も出生。大久保(10)と熊谷は宗教団体の子供会で演劇をする。 |
| 2001 | 岡部(47)の長男(22)が結婚。 | 。 | 。 |
| 2002 | 。 | 。 | 四方木田(22)は歌劇団を引退し、親戚の事務所に。 |
| 2003 | 岡部(49)、広島で病死。夫の久保田(51)は、葬儀で小野田を探す。 | 悦子(49)、岡部の葬儀に参列。その後、姪の竹原絹枝(15)の淡島受験を後押しする。 | 宮島(42)が武内(23)の俳優復帰に尽力。長谷川(50)の父が逝去し、母詩子(76)と同居を始める。城芙美子(30)は淡島を退団し、娘(滝本由加里)を出産。森久保沙織も出生。 |
| 2004 | 。 | 竹原(16)入学。良子は高等部へ持ち上がり進学。 | 。 |
| 2005 | 伊吹(51)は淡島教師。ルリ子(81)は老人ホームに。 | 田畑(16)入学。竹原と同室に。母の佐江子(40)は浅上レオ(28)のファンに。柏原隼人(48)と神田美礼(47)のスキャンダルが発覚。年度末の文化祭では、竹原(17)が『ロミオ』を主演し、上田はそれを参観する。 | 大久保あさ美(16)、熊谷洋子、村上桃子、小沢(ザワちゃん)、堀内、伊福部(住吉の娘)が入学。押上(51)は淡島教師。住吉(伊福部:51)が文化祭訪問。柏木拓人(16)と吉村清日(34)が知り合う。 |
| 2006 | 。 | 柏原=八乙女(16)が入学。田畑と同室に。 | 。 |
| 2007 | 。 | 。 | 山県(27)はトップスターを務めたのち、退団して四方木田の事務所に所属している。浅上(29)は第一線で活躍しつつ、司玲於奈(44)と対談。 |
| 2009 | 。 | 。 | 山県(29)の急病を武内が代役。 |
| 2011 | 。 | 田畑(22)、退団してライター業へ転身。竹原(23)はトップスター。良子(23)が、沙羅の叔父の小鳥遊某(27)と結婚。 | 沙羅(12)が入院中に岡本真麻と知り合う。沙羅(12)は良子(23)と出会う。山県(31)と武内がW主演を果たす。雅楽川(13)と佐々木が出会う。雅楽川は山県(31)のファン。脚本家の有川(48)は佐々木の親戚。小日向要(28)は現役スター。 |
| 2013 | 。 | 八乙女(23)、淡島文化祭で講演。田畑(24)が長谷川(60)にインタヴュー。 | 柳原、梅本、小清水(16)入学。長谷川夫婦(60)は祖母夏樹詩子(86)と同居を始める。 |
| 2014 | 伊吹(60)、一時入院。 | 田畑(25)、淡島文化祭で講演。田畑は自伝的連載「私の少女時代」を、『星彩』として刊行。 | 雅楽川、沙羅、江里(16)が入学。柳原(17)、田畑の講演に触発される。文化祭に絵莉と澤乃井圭が来場。 |
| 2019 | 伊吹(65)逝去。岡部夫=久保田(67)とその次男(41)が、田畑と会う。 | 田畑(30)、伊吹を見舞い、その告白を書籍化することを決意する。 | 森久保(16)入学。滝本の初回受験は不合格だった。大久保(30)は現役で活躍している。柳原(22)、『惜別』刊行に尽力。 |
| 2020 | 田畑が久保田家を再訪し、長男夫婦(48)とも会う。 | 田畑(31)、『惜別の日々』を刊行。 | 宮島(58)、『惜別』舞台化に尽力。柏木(31)と吉村(49)は仲良し。 |
| 2021 | 『惜別』が淡島で舞台上演される。 | 絹枝(33)が舞台『惜別』に特別出演。佐江子(56)は今でも浅上レオ(42)のファン。 | 沙羅(23)たちが役名ありで『惜別』に出演。 |
なんとか辻褄が合うように配列してみたが、時間経過がタイトすぎる。例えば、上田良子の結婚関連にかなり無理がある。しかも、上田が結婚した時点で竹原がトップスターだったので、現実の宝塚の基準でいうとおそろしいスピード昇進になってしまう。
また、柳原世代と沙羅世代の両方に合わせた年代調整も難しい。『惜別』刊行を早めすぎると柳原が若手スーパー編集者になりすぎるし、遅らせると今度は沙羅たちの活躍も遅れてしまう。
【※以下は、昔の第1稿。年齢に余裕を持たせたが、やや無理のある箇所もある。】
| 年 | 伊吹、岡部関連 | 田畑、竹原関連 | その他 |
| 1894 | 山路よし子出生。 | 。 | 。 |
| 1924 | よし子(30)、山路寛一(33)と結婚。 | 。 | 。 |
| 1925 | よし子(31)、ルリ子を産む。 | 。 | 。 |
| 1930 | 寛一(39)逝去。 | 。 | 。 |
| 1940 | ルリ子と英雅(15)が淡島に入学。 | 。 | 夏木詩子出生。 |
| 1950 | ルリ子(25)、引退後に伊吹吉彦と結婚。英雅(25)はスターになっている。 | 。 | 。 |
| 1954 | 伊吹桂子出生。岡部絵美、小野田幸恵らも同世代。 | 竹原悦子出生。 | 。 |
| 1956 | 。 | 。 | 長谷川慎爾出生。母は、トップスターの夏木詩子(26)。 |
| 1968 | 岡部(14)が転校、悦子と知り合う。 | 悦子(14)は岡部と友人になる。 | 。 |
| 1969 | よし子(75)逝去。ルリ子(45)、桂子(15)。 | 悦子(15)は岡部とともに淡島を受験するが、二人とも不合格。 | 。 |
| 1970 | 伊吹(16)、岡部、小野田が入学。 | 悦子(16)は高校へ。 | 住吉(16)、押上が入学。 |
| 1971 | 岡部(17)は退学して広島へ。小野田も退学。 | 。 | 住吉(17)退学。 |
| 1974 | 伊吹(20)は卒業後、淡島教師の道へ進んだ。 | 悦子(20)は大学進学している。 | 押上(20)、淡島教師の道へ。 |
| 1976 | 。 | 。 | 司玲於奈(16)入学。 |
| 1978 | 岡部(24)、小野田を見舞う。小野田は逝去。 | 。 | 。 |
| 1979 | 岡部(25)、久保田某(27)と結婚し、第1子(長男)を産む。 | 。 | 。 |
| 1982 | 。 | 悦子(28)、就職ののち浦上某と結婚し、2児を産んでいる。 | 。 |
| 1984 | 。 | 。 | 住吉(30)、伊福部某と結婚。香月泉(17)入学。 |
| 1986 | 。 | 。 | 浅上レオ(11)、司(26)の芝居を観劇。 |
| 1988 | 。 | 竹原絹枝、広島で出生。父親は、悦子(34)の実弟。上田良子も出生。 | 。 |
| 1989 | 。 | 田畑佐江子(25)、群馬で田畑若菜を産む。 | 司(29)、退団。住吉=伊福部(35)、娘を出産。 |
| 1990 | 。 | 柏原隼人(32)と神田美礼(31)の間に柏原明穂が生まれる。 | 城芙美子(16)入学。 |
| 1992 | 。 | 。 | 浅上レオ(17)入学。武内実花子(6)は入院療養中。 |
| 1995 | 。 | 。 | 娘役トップの香月泉(30)が退団。 |
| 1999 | 。 | 絹枝と良子(11)が、小学校で『ロミオ』を演じる。 | 。 |
| 2001 | 岡部(47)の長男(22)が結婚。 | 。 | 。 |
| 2002 | 。 | 。 | 山県沙織(鏑木夕希)、四方木田かよ、武内実花子(16)が入学。 |
| 2003 | 岡部(49)、広島で病死。夫の久保田(51)は、葬儀で小野田を探す。 | 悦子(49)、岡部の葬儀に参列。さらに姪の竹原絹枝(15)の淡島受験に賛成する。 | 城芙美子(29)、淡島を退団し、娘(滝本由加里)を出産。 |
| 2004 | 。 | 絹枝(16)、淡島入学。良子は高等部へ持ち上がり進学。 | 小日向要(16)、入学。 |
| 2005 | 伊吹(51)と押上(51)は淡島教師。ルリ子(80)は老人ホームにいる。 | 田畑(16)が入学。絹枝と同室に。佐江子(41)は浅上レオのファンに。 | 大久保あさ美(16)、熊谷洋子、村上桃子、小沢(ザワちゃん)、堀内、長谷川、伊福部(住吉の娘)も入学。浅上(30)は第一線で活躍しつつ、司玲於奈(45)と対談する。柏木(16)と吉村(34)がオフ会。 |
| 2006 | 。 | 柏原=八乙女(16)が入学。田畑と同室に。 | 山県(20)、四方木田、武内は、卒業後に歌劇団に入る。武内は大役を得るが、病気のため退団、休業。城芙美子(32)、和歌山でレッスンスクールを開始。長谷川(50)の父が逝去し、詩子(76)と同居を始める。 |
| 2009 | 。 | 。 | 四方木田(23)は歌劇団で活躍していたが、引退して親戚の事務所に。宮島悟(38)が武内の俳優復帰に尽力。 |
| 2013 | 。 | 田畑(24)は歌劇団に入団していたが、退団してライター業に転身。 | 。 |
| 2015 | 。 | 良子(27)が結婚。相手は沙羅の叔父の、小鳥遊某(32)。 | 小鳥遊沙羅(9)が入院中に岡本真麻(9)と知り合う。 |
| 2016 | 。 | 良子と沙羅(10)が出会う。絹枝(28)はトップスター。田畑(27)が長谷川(60)にインタヴュー。夏樹詩子(86)。 | 山県(30)はトップスターを務めたのち、退団して四方木田の事務所に所属している。山県の急病を武内が代役。 |
| 2019 | 。 | 。 | 雅楽川静香(13)は山県(33)のファン。山県と武内がW主演を果たす。佐々木香音(13)は児童未来劇団に参加している。佐々木の伯父が有川瞬(48)。宮島(48)も同世代か。小日向要(28)は現役スターの一人。森久保沙織(16)が入学、滝本由加里の初回受験は不合格だった。 |
| 2021 | 。 | 八乙女(31)が、文化祭の卒業生ゲストとして講演。 | 柳原加代子(17)、梅本美月、小清水が入学。 |
| 2022 | 伊吹(68)、一時入院。 | 絹枝(34)はスターに。八乙女(32)もスター。田畑(33)が淡島で講演。田畑は自伝的連載「私の少女時代」を、『星彩』として刊行。 | 柳原(18)、田畑の講演を聴く。雅楽川、沙羅、藤沢江里(16)が入学。文化祭に絵莉と澤乃井圭が来場。 |
| 2026 | 伊吹(72)逝去。岡部夫=久保田(74)とその次男(41)が、田畑と会う。 | 田畑(37)は伊吹を見舞い、その告白を書籍化することを決意する。 | 大久保あさ美(37)は現役で活躍している。 |
| 2027 | 田畑が久保田家を再訪。久保田長男夫婦(48)とも会う。 | 田畑(38)、『惜別の日々』を刊行。 | 柳原(23)、『惜別』出版を支援。宮島(58)が『惜別』舞台化に尽力。 |
| 2028 | 『惜別』が淡島で舞台上演。 | 絹枝(40)が『惜別』に特別出演。佐江子(64)はいまだに浅上レオ(53)のファン。 | 雅楽川(22)たちが『惜別』に出演。柏木(39)と吉村(57)は友人どうし。 |
上記のように当てはめれば、一応、あまり大きな矛盾やズレが生じない形で主要キャラクターたちを位置づけられる。少なくとも、時間的な前後関係については、だいたいこれで合っている筈。
しかし、繰り返すが、これはけっして正確なものではない。例えば、田畑世代と柳原世代の年齢差ははっきりしないので、原作者やアニメスタッフが想定している年齢設定とは大きく異なっている可能性も高い。
田畑のクラスメート「長谷川恵子」(アニメ版第2話)と、アニメ10話でインタヴューをする「長谷川慎爾」の関係は不明。おそらく偶然の一致だが、「慎爾の娘」イコール恵子であるという可能性も否定できない。本稿では、無関係としておく。
城スクールの関係者だけは、他との関係がまったく分からない。アニメ版の受験票では、滝本と森久保の生まれた年は200x年となっているので、おおまかには位置づけられる。柳原たちと前後する世代になりそうだ。
上の表だと、男性キャラの吉村が、50代後半で子供を持ったことになってしまう。サブキャラの整合性は後回しではあるが、さすがにいささか無理があるので、もう少し時代を圧縮したいところではある。下のようにぎりぎりまで詰めた場合でも、49歳で赤ん坊がいるという計算なのが苦しい(吉村の子ではなく、年の離れた妹か姪が子連れで遊びに来ているということにでもならないだろうか)。
現実の宝塚のシステムは、基本的には考慮に入れていない。例えば、トップスターになる年齢などは、作中の描写となかなか整合しない(※よほど特別なオーラがあったとか、運に恵まれたという可能性も一応考えられるが……)。
年代推測の手がかり。
2005年に田畑が入学(アニメ版では確定情報)。その前年に竹原が入学(2004)。その竹原の入学を後押ししたのが悦子で、それは岡部逝去の直後だった(2002-2003)。
アニメ版の人物相関図によれば、田畑入学時点で伊吹たちの世代は「50代」。ここから上下の世代もある程度は絞り込める。
田畑の淡島講演を、柳原は本科生として聴いた(17~19歳あたり)。雅楽川たちは入学1年目(16~17くらい)。この時点での田畑は、淡島学校卒業後、ライターとして実績を積んでいるので、少なくとも25歳以上だろう。上記の年表では、淡島から招聘されるくらいなので中堅ライター(33歳)と想定した。
アニメ版第12話に映っているネット記事の文章によれば、虐めは1970年頃に起きており、岡部は『惜別』出版の15年前に病死したとされている。しかしこれを当てはめると『惜別』刊行は2018年(田畑29歳)になり、時間的間隔がタイトすぎて無理が生じてしまう。例えば、田畑が24歳で講演し、それを聴いた柳原(19歳)が卒業後の3年で編集者として何冊も書籍出版していることになる。ぎりぎり、あり得なくはないが……。沙羅が柳原のすぐ下の年齢であることを考えると、良子があまりにも早く(22歳頃に)結婚したことになってしまい、さらには竹原のキャリアにも無理が生じるといった具合に、玉突きで矛盾が生じてくる。
設定重視でタイトに詰め込むと、以下のような関係になる。年齢が低くなるので、映像の印象には近づくが、田畑たちのキャリアが短くなりすぎるし、伊吹の死も早まりすぎる(※あれで63歳には見えないが、重病で一気に老け込んだのだろうか)。
沙羅たちはほぼ新人で、スキャンダラスな『惜別』に出演することになるので、かなり荷が重い。しかし、憧れの小鳥遊陽と共演できたのは嬉しかっただろう。しかし、沙羅たちはこれがおそらく新人公演なのに、そのすぐ上の柳原が編集者として充実したキャリアを持っているというのは、どうにも解決できない。「役名のある出演としては初」か、それとも「歌劇団ではデビューまでに数年掛かる」か、あるいは「柳原が編集者に転職してたった一年で数冊の優れた本を出した」か、どれかでないと数字が合わない。
これ以上いじると、岡部の淡島在籍時の年齢などがおかしくなって、齟齬を来してしまいそうなので、このあたりで妥協しておく。例えば、澤乃井の中学時代のSNSアカウントが2018年開始であることを額面通りに組み込むと、前後関係が完全に矛盾してしまう。